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学級づくりの目的は、子どもたちが群れからチームになること   赤坂真二

 学級づくりの目的は群れからチームになることと赤坂真二はつぎのように述べています。
 子どもたちは、一日に5人くらいの子どもとしか会話していなことが調査でわかっています。
 学級は放っておくとバラバラで学級がその体を為さなくなっています。
 学級づくりの目的は子どもたちを群れから集団つまりチームに育てることです。
 チームになるためには、課題が必要です。
 学級全員で力を合わせて課題を解決する集団がチームです。
 学級がチームになるためには、質の良いチーム体験が必要です。
 それまで学級の雰囲気がよくなかったけど、合唱コンクールで金賞をとったことで、みんな仲がよくなって学級の雰囲気がよくなったという経験を持つ教師もあるでしょう。
 学級のチームづくりは、4月の最初の7日以内に学級の生活や学習ルールを一通り指導し、30日間で定着するよう繰り返し指導するようにします。
 30日間で一斉指導の体制を定着させたら、そこから、徐々に子どもの自由度を増やしていきます。2か月くらいかかります。
 自分たちで考え行動できるように教え育てる例として体育館の整列指導を私は次のようにします。
「みなさんは、先生が前に立って指示をしないと並べないクラスと並べるクラス、どちらになりたいですか?」
 と問いかけます。
 普通のクラスは後者を選びます。
「今日は、残念ながら並ぶことができませんでした。次回、自分たちの力で並べるようになりたい人?」
 と問いかけます。
 おそらく子どもたちは賛成します。
「では、作戦をたてましょう。どうやったら自分たちだけで並びますか?」と考えさせます。
 子どもは様々な作戦を発案するでしょう。
 例えば「先頭の人が声をかける」「全員で声をかける」など、結論はどれもいいと思います。
 達成したら大いに認めます。
 失敗したら、どうしたらいいか考えさせます。
 大切なことは、自分たちで考え行動できるようにすることです。
 荒れて授業が成立しない学級の場合は、日常的に突発的なことが起こりますから、トラブル対応に時間が取られます。
 私の経験では、最初の1か月は事件の連続で自分がやりたいと思っていたことはできませんでした。
 それでも、夏休みまでに学級の問題を自分たちで解決する活動を数回経験しておくと、2学期がスムーズに迎えられると思います。
 これは教師の力量の判断基準ではありません。
 私は力がないと思う必要はまったくありません。
 大切なことは、学級づくりのストーリーを描くことであり、見通しを持って取り組むことです。
 そして、その取り組みを楽しむことです。
(赤坂真二:1965年生まれ、新潟県公立小学校教師(19年間)を経て、上越教育大学教授。学校や自治体の教育改善のアドバイザーとして活動中。日本学級経営学会共同代表理事)

 

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