人生の成功者に必ず共通していることとは何か 浅田次郎
人生の成功者に必ず共通していることとは何かを浅田次郎はつぎのように述べています。
競馬をやるからには、まず運を支配してやろうという気概を持たねばならない。
運を支配するとは、何もむずかしいことではない。
ツイてないと感じたらピタリとやめ、ツイてるぞと思ったらブンブン行くのである。
この判断力にかけている人間は競馬で身を滅ぼす。
自分がいま、勝負の女神に捨てられているのか拾われているのか、それを冷静に判断することこそ、運を支配することなのである。
ツキには時々刻々と変化する短期の波と、長い人生からみた長期の波がある。
このいずれの波にも逆らってはならない。
運と不運とは、表裏一体である場合がしばしばある。
幸運が不運の始まりであったり、逆に不運がたまさか人生に幸いしたりする。
バクチ打ちに向いている性格は、セコイくらいの金銭感覚、冷静沈着でカッとならない、考え方がこうだと決めつけない柔軟性がある、粘りがあり熟慮できるかどうかということです。
私は性格がポジティブで、ぐちは言わない、ウソはつかない、見栄は張らない。
こうやっていると世の中が楽しいから。
人間の不幸は、見栄を張る、ウソをつく、グチを言う者から来ます。
人生の成功者の経験談を見聞きしていると、必ず共通しているのが、冬の時代に決してジタバタしない。
この時期に観察の努力をおこたらない者だけが、最後に笑うのである。
運を天に任せていたのでは、とうてい勝利は望めない。
いかに運をつかみ、それを手の内に少しでも長く留め置くか。
そのためには、一に努力、二に才能、三に忍耐が運を支配する唯一の方法なのである。
勝った馬の勝因を冷静に分析していれば「この前こういうレースだから勝てた」というのがわかっているから、次走がそのパターンにあてはまらなければ買わなくてすむんです。
その馬の勝ちパターン、負けパターンまで覚えていくと、しめたものですよ。
まあ、これは人生にも通ずるところがあります。
(浅田次郎:1951年生まれ、小説家。2011年 - 2017年日本ペンクラブ会長。自衛隊、アパレル業界など様々な職につき、『地下鉄に乗って』で吉川英治文学新人賞、『鉄道員』で直木賞を受賞。映画化、テレビ化された作品も多い。競馬の達人)
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