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人生とは心の反映である

 輝くような大成功を収めて人々の羨望を集めていた人が、いつのまにか没落を遂げていく。そのようなことに接することが数多くあります。
 人は往々にして、たくさんの人々の支援を得て成功したにもかかわらず、その原因を自分に能力があるからだと考え、自分でも気づかないうちに、少しずつ傲慢になっていくことで、次第に周囲の協力が得られなくなります。
 生きていくうえで最も大切な「足るを知る」ということや謙虚さを忘れてしまうことから、その成功が長続きしないのです。
 私は、この宇宙には、善き方向に活かそうとする「宇宙の意志」が流れていると考えています。その善き方向に心を向けて、ただひたむきに努力を重ねていけば、必ず素晴らしい未来へと導かれていくようになっていると思うのです。
 足ることを忘れ、謙虚さを失い「自分だけよければいい」という利己的な思いを抱き行動するなら、宇宙の意志に逆行し、成功しても長続きしないのです。
 そうであるなら、他に善かれと願う「利他」の思いが少しでも多く湧き出るようにいていかなればなりません。他人の悲しみを自分のことにように嘆き、励ましてあげる。さらには他人への憎しみや怒りを抑え、優しい思いやりの心で接する、というように「心を整える」ことに努めるのです。自分自身に繰り返し言い聞かせるようにします。
 人間の心は庭のようなものです。もしすばらしい人生を生きたいのなら、自分の心の庭にもたげる悪しき思いの雑草を取り除き、善き思いという種をまき、大切に育みつづけることが大切です。
 この「心を整える」ことは、仕事や人生とは関係ないことであるかのように思いがちですが、決してそうではありません。仕事の成果も、人生の業績もすべて、その人の心のまま現われてくるものです。
 成功を収めても、謙虚さを忘れず、足ることを知り、すべてのことに感謝し続けること。一方、不運にであっても、それを素直に受け入れ、前向きな生き方を続けること。
 そのようにして素晴らしい人格を身につけるよう、常に心を整え、心を高める努力を重ねていけばいいのです。人生とは心の反映なのです。
 私は、そのような一人ひとりの不断の努力こそが、よい社会を実現する唯一の方法であると信じています。
(
稲盛和夫:1932年生まれ、実業家。京セラ・KDDI創業者、稲盛財団理事長として国際賞「京都賞」を創設し人類社会の進歩発展に功績のあった人を顕彰、日本航空を再建し取締役名誉会長、若い経営者が集まる経営塾「盛和塾」の塾長
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