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家庭で父親と母親はどのような役割をはたせばよいか   内田玲子

 家庭で父親と母親はどのような役割をはたせばよいか内田玲子はつぎのように述べています。
1 父親の役割
 お父さんの役割は、間違っているときは、ビシッと言う必要があります。
 善悪のけじめや、大局的にものを見て間違いを正すことが大事です。
 しかし、それをやらない父親が多くなりました。
 父親に求めても答えない。ただ怒るだけ怒って「お母さんに聞け」と言って役割を果たしません。
 一方的に言っていては会話になりません。
 家の中は練習場です。
 それでは学校や社会でコミュニケーションがとれなくなるのは当然のことです。
 お父さんを立てない家庭というのは基本的によくありません。
 母親の顔色だけを見る子どもが多くなっています。
 父親を悪い見本にして「お父さんのようになっちゃだめだよ」と言う母親があります。
 そうすると、自分もあんなになるんじゃないかと、マイナスの力が働き、子どもの心が育たなくなります。
 そして、学校の先生も信頼しなくなります。
 先生の言うことを聞かない自分勝手な子どもになりがちです。
 家庭内の問題は、社会的な問題へと発展していくのです。
 問題児童をかかえる家の共通点は、父親ががんこか無関心というケースがめだちます。
「仕事で忙しい」と子どもとかかわろうとしない父親では、尊敬するようにはならないでしょう。
 家庭で尊敬する人がいること自体が、生きる希望であり、大きな勇気をもらえます。
 目標があり、中心があると安定します。
 子どもにさまざまな問題が起きても、親が直接指示を出すのではなく、ヒントや示唆を与えて、本人が気づいたり、本当に納得できるまで待ってあげると、子どもに生きる力がつきます。
2 母親の役割
 お母さん、しっかりわが子を叱っていますか

 善悪のけじめをつけるのは、お母さんです。
 3歳の幼い子どもでも、叱られるようなことをしたときは、悪いことをしたという意識が働くのです。
 そんなとき、お母さんはしっかりと叱ってあげてほしいのです。
 抑えきれない感情の爆発ではなく、イライラやストレスの発散でもなくて、しっかりと子どもの目を見て叱ることで、子どもの体が善悪の味を覚えていくのです。
 本当に愛情があれば、中途半端な叱り方はしません。
 そして、そうした愛情は「お母さんは僕が悪いことをしたときに、本当に叱るんだ」と、そのときは反発したとしても、あとで気がつくものです。
 それを黙って見過ごしたり、自分の都合で簡単に許したりすると、子どもの心を不安定にします。
 同じ悪いことしたとき、叱ったり叱らなかったりする気分屋的な対応では、けじめのない、たががゆるんだ子どもに育ってしまいます。
(内田玲子:1936年生まれ、家庭教育カウンセラー。地方からはたらきに来ている若者のために「働く青少年の家」として自宅を開放した。全国の教育委員会、PTA等で講演活動を行う。著書は世界179ヶ国で読まれている)

 

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