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授業をどうデザインすれば「よい授業」になるのか   鶴田清司

 授業をどうデザインすれば「よい授業」になるのか鶴田清司はつぎのように述べている。
 授業をデザインするという言い方がなされるようになった。
 これは、工場の流れ作業でものをつくっていくイメージではなく、一つの芸術作品を制作するというイメージで授業をとらえるものである。
 授業は予想外のいろいろな出来事が起こる。
 その状況一つひとつに的確に対応するなかで、子どもとともに授業をつくっていこうとするものである。
 教師が授業をデザインするとき、まず、自分のクラスの子どもたちの実態に基づいて、何をどう教えるか考える。
 これが出発点である。
 もし、教師が年間指導計画や教科書の単元構成、教師用指導書、市販のワークシートや授業のマニュアルに従って授業を進めていくとしたら、それは授業のデザインとはいわない。
 授業のデザインにあたって、まず考えなくてはならないのは次のような関係である。
 齋藤喜博は、授業は
「教材のもっている本質」
「教師のねがい」
「子どもたちの思考・感じ方・考え方」
 の「3つの緊張関係のなかに成立する」と述べている。
 教師が一般的・常識的な知識を子どもたちに一方的に教えるような授業ではなく、
「教師と子ども」
「子どもと子ども」
「教師と教材」
「子どもと教材」
 といった「教師・教材・子ども」の間に「衝突」や「葛藤」が生じるような「緊張関係」をもった授業がよいのである。
 そうした授業を創り出していくのが授業のデザインということである。
 したがって、事前に周到な授業計画を立てるだけでなく、授業中における、つまずき、予想外の出来事など子どもの状況に対応して授業を展開していく柔軟さも求められることになる。
(鶴田清司:1955年生まれ、都留文科大学教授、全国大学国語教育学会理事長。専門分野は国語教育学)

 

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