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従来型の競争的な学習から協同学習の時代に変わった  江利川春雄

 従来型の競争的な学習から協同学習の時代に変わったと江利川春雄はつぎのように述べています。
 従来型の競争的な学習では、子どもたちを勝ち組・負け組に分裂させます。
 勝つ可能性がないと思った子どもたちは、あきらめて学びから逃走します。
 多くの子どもにとって学校は親よりも低い学歴と社会的地位へと転落する挫折の場所になっています。
 学びが競争である限り勉強からの逃走は当然の現象なのです。
 ですから、強制的な勉強や試験では、多くの子どもは動きませんし、教師が知識を切り売りするような講義型の一斉授業はもはや通用しなくなっています。
 これまでの競争的な学習ではなく、「協同と平等」の学習、つまり仲間と学び合い・教え合い、安心して失敗でき挑戦できる教室で、学びの楽しさを実感することにより、自律的に学ぶ子どもに育てることができます。
 教室内に「認め合う関係」が築かれていく中で、子どもたちに自尊感情が育ちます。
 そのような21世紀型の新しい学びとして、小人数グループでの学び合いによる協同学習を取り入れた授業改革が急速に広まっています。
 学力や学習意欲の向上、いじめなどの問題行動、不登校や退学の減少など、各地でめざましい成果を上げています。
 協同学習を核とした学校改革である「学びの共同体」づくりを進める学校は2012年現在、小学校で約1500校、中学校で約2000校に達しています。部分的に協同学習を取り入れている学校はその数倍はあるでしょう。
 「学びの共同体」づくりを進めている、静岡県の岳陽中学校では、不登校が38名から6名に減少し、 学力を富士市内14校の最底辺からトップレベルに向上させました。
 文部科学省も2011年4月に発表した「教育の情報化ビジョン」で、一斉学習や個別学習に加えて「21世紀にふさわしい学び」として「子どもたち同士が教え合い学び合う協働的な学びを推進すること」を明記しました。
 このように、協同(協働)学習は21世紀型の学びのスタイルとして着実に定着しつつあるのです。
(江利川春雄:1956年生まれ、和歌山大学教授。専門は近現代日本教育史特に英語教育史、英語教育学)

 

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