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いじめ解決を子どもの学びにするにはどのようにすればよいか   宮下 聡

 いじめ解決を子どもの学びにするにはどのようにすればよいか、実践をもとに宮下 聡はつぎのように述べています。
 発展途上の子どもが共同生活を送る学校は、対人トラブルが起きるのは自然なことで、だれかが苦痛を感じるようなことが生じる。
 それはむしろ対人関係を学ぶ生きた学習教材でもあります。
 だから、いじめは当然起きるものと考え、それを解決する体験を通して人とかかわる力を子どもたちが獲得する学習の機会ととらえることが必要だと思うのです。
 いじめを深刻ないじめに深化させないよう、子どもを主体者としていじめと向き合い、解決する活動を通して子どもたちに学びを体験させるようにします。
 いじめが発覚したとき、被害者の苦痛を軽くすることが急務です。
 まず、なすべきことは、いじめの標的になって子どもをクラスの中で孤立させないような支援体制をつくることです。
 いじめを止めなくてもいい。支えたり、いじめの状況を担任に訴えたりできる仲間を被害者と話し合って数名つくります。
 被害者は共感し支援する仲間がいることを実感して表情は少しずつ明るくなっていきます。
「やめろと注意できなくてもいい。同調しないことが大切。そして苦しんでいる人を精神的に支えて」
 私はそう子どもたちに呼びかけました。
 次に、多くの子どもが感じている「いじめノー」の思いを解決の力にしようと考えました。
 これまでクラスで起きていたことをどう感じているか、クラスがどうなっていくことを願っているのか、みんなの意見を書いて全員で読み合うことにしました。
 個人が特定できないようにしました。
 安心して本音が言えるようにするための配慮です。
 そして読み終わったあと、さらに賛同や反対の意見を書き、読み合いました。
 意見集は、クラスのみんなの意識を傍観者でなく当事者に変え、解決に向かう流れをつくります。
 さらに家庭でも読んでもらい、保護者からの意見も求め、それを掲載しました。
 保護者の意見は、子どもたちにとって、大人たちがいまクラスで起きていることをどう見ているかを知るいい機会になりました。
 保護者も一緒に考えていくことがいま必要になっていると思います。
 みんなの意見は、解決に向けた明るい希望があふれていました。
 明るいクラスにするためには目に見える行動を起こして思いを形にすることが必要です。
 行事はその希望に向けて舵を切るチャンスとなります。
 クラスの雰囲気を変え、前に進ませる挑戦となります。
 いじめと向き合う実践は、トラブル解決の活動を子どもたちと共にすすめることを通して、思いやりと活力のある学級をめざす攻めの実践なのです。
(宮下 聡:都留文科大学教職支援センター特任教授、元公立中学校教師)

 

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