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教師と親がつながり共に育つにはどうすればよいか   宮下 聡

 教師と親がつながり共に育つにはどうすればよいか宮下 聡はつぎのように述べています。
 教師生活を続けていると、どんな教育実践も親とのかかわりを抜きに考えることはできない。
 若い教師は「子どもだけでも大変なのに、さらに親の相手なんて」と考えている人は意外と多い。
 実際、教育現場で起きる子どもの問題は、家庭と切り離して考えることはできない。
 そこには学校外での子どもの生活が大きな要因として横たわっているからである。
 まず、大切なことは、教師が学校側の目線ではなく、ときには親の立場から実践をとらえ直してみることである。
 思いがけない解決策に気づくことがあるからだ。
 目線を変えてものごとをとらえ直す姿勢が求められているのは教師なのである。
 教師の思いをわかってくれない親が、実は親の思いをわかってくれない教師と感じていたと気づくことだってあるかもしれない。
 教師がおちいりがちな失敗として、あれやこれやと指示を出しすぎてしまうという問題がある。
 子育ての主体は親である。
 その子の発達上の課題を教師が把握していても、どうするかという問題の解決の主体は子どもであり親である。
 教師が決定権を横取りして指示を出してしまっていることはないだろうか。
 子どもの問題は子どもに返し、家庭の問題は家庭に返しながら知恵と力をともに出しあって解決の道を探っていくという「共同」のスタンスが教師に求められている。
 例えば、つぎの実践は私が親と一緒に考えだしたものだ。
 親と話しあって毎月開いた「学級懇談会」。
 学級懇談会では、子育てにかかわる親の思い疑問・不安がいくつも出され、それが若い担任であった私にとっては、大きな学びとなった。
 子育ての思いを親どうしが語りあった「親の回覧ノート」。
 子どもが家で班ノートを書いているのを見た親が「親もやりたい」と言って「親の回覧ノート」は始まった。
 受け渡し役の子どもは、親どうしの「会話」を読むことによって親の愛を感じることができた。
 土曜日を利用して親子で開いた「料理の鉄人大会」
 取り組みを通して教師としての視野を広げ成長させてくれた貴重な体験だった。
 どれも、クラスが指導困難な状況だったときに企画され取り組まれたものばかりだ。
(宮下 聡:都留文科大学教職支援センター特任教授、元公立中学校教師)

 

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