子どもや親とのコミュニケーションのポイントはメンツや自尊心をつぶさない 田中和美
子どもや親とのコミュニケーションについて田中和美はつぎのように述べています。
経験が浅い教師にとって、十人十色の子どもたちやその親ときちんとコミュニケーションをとることは容易なことではありません。
これまで、うまくいったコミュニケーションの経験を自分のひとつの「型」にして、相手の反応が予想と違ったら、軌道修正していくことが考えられます。「型」を意識してみるのです。
ここでポイントにしたいのは相手のメンツや自尊心をつぶさないということです。
たとえば、親への電話で、つぎのようなサンドイッチの型にしてコミュニケーションをとります。
「お伺いしたいことがあります」+「要件」+「お伺いしてよかったです」と、肯定的にコミュニケーションすることを意識します。
子どもの指導は、まず、子どものいいところをしっかりと認める。これがとても大切です。
たとえば、机間巡視でつぎのように声かけします。
「ここまでは、出来ているよ」+「指導」+「こうやってごらん。あと少し」
体育の時間は体操服に着替えるのがルールなのに、着替えないで出て、サッカーをしていたとします。
「こら、ルール違反だぞ!」と言っても、ルール違反をわかっていてやっているのでだめです。そこで、
「おっ、サッカーやる気あるな。でも、ルールがある。着替えて来い!」と言えばどうでしょう。
指導するときに、認めるなど一言を入れるようにします。
コミュニケーションする順番は、まず、いいことを言ってから、課題を続けると相手は聞きやすくなるものです。
相手の自尊感情に敏感であれば、教師の思いは通じるものです。
(田中和美:元大阪府公立中学校教師、教育委員会相談員)
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