子どもたちは、なぜ教師に反抗するモンスターチルドレンとなるのでしょうか
子どもたちはなぜモンスターチルドレンとなるのでしょうか。
モンスターチルドレンとは、学校や教師に対して、狡猾に反抗する子どものことです。
子どもたちがモンスターチルドレンとなる原因は、子どもを「小さな大人」として扱い、私たち大人と対等な存在と見なしてしまうことにあります。
そうすることによって、子どもはかえって絶えず過大な要求をするようになってしまいます。
私の知っている幼稚園のほとんどは、子どもを大人と対等なパートナーとして教育活動をしています。
子どもたちは2~6歳という、人格がほとんどできていない年齢で、もう独自の人格として扱われ、それを伸ばしてやるべきだというのです。
もし、このような神経医学上の重要な認識に反した考え方が教育の基盤になってしまうと、子どもたちはわがまま放題のモンスターチルドレンになってしまいます。
ドイツのテレビ番組で、崩壊した家庭で、手のつけられない子どもたちに、金切り声をあげて叫ぶ親の様子が放映されています。
こうした番組が高い視聴率を上げているのは、社会にひそむ感情を表現し、家庭崩壊が身近なことととらえられているからです。
私は診療所で児童精神科医として毎日、子どもや青少年を見ています。
問題をおこしている大部分の青少年は精神の成長が6歳以下の精神年齢で止まってしまっています。
そのため彼らは、自分たちの周囲の人たちとスムーズな関係を築くことができません。
子どもたちが精神的に成長するには、けじめある親や教師に囲まれて生活し、社会で生きていくために不可欠な精神の働きが最もよく育つように、基本的なふるまい方をたえず訓練し、誤った行動があれば反省させる指導をしなければなりません。
子どもの精神を成長させる見込みは、学校の方が大きいということになります。
崩壊した家庭では親と子どもとの関係が混乱してしまっているからです。
したがって、小学校の教師にとって、学ぶことができるようになるための土台を子どもの中に育てる責任があります。
学校で子どもの精神を育てることが重要だということです。
(ミヒャエル・ヴィンターホフ:1955年ドイツ生まれ、医学博士、1988年から児童精神科と精神療法(心理療法)の診療所を開く)
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