なめられる教師となめられない教師はどこが違うか、教師が心がけたいこととは 桶谷 守
なめられる教師となめられない教師はどこが違うか、桶谷 守はつぎのように述べています。
教師は子どもになめられたら、指導が入らないし、授業も好きかってな子どもの言動が横行し、崩壊状態になるという話をよく聞く。
私が学生に「なめられる教師って、どんな人?」と聞くと
「指導力がない。毅然とした態度で叱らない」
「叱ったとしても、あまり怒っている感じがしない」
「説得力がない」
「悪いことをしてもあまり叱らない」
「自分本位で授業を進める」
「間違いを指摘されても自分の非をなかなか認めない」
「シャイでオドオドしている」
「威厳がない」
「堂々と発言できない」
「子どもに優しくしすぎる」
つまり、なめられる教師は、信頼されない教師と考えたほうがいいと思います。
よくあることですが、子どもから嫌われることを恐れて、子どもに迎合し、かえって信頼を失うことがあります。
そこで、再び私は学生に「信頼できる教師って、どんな人?」と聞くと、
「問題が起きたとき、頭から否定せず、言い分を聞いてくれる」
「子どもが悪いときには、厳しく叱ってくれる」
「相談したとき、親身に熱心に真剣に話を聞いてくれる」
「わかりやすい授業をしてくれる」
「落ちこぼれや、やんちゃな子どもも切り捨てず、公平に扱ってくれる」
「権力を振りかざさず、知ったかぶりをしない」
「子どもと共に、泣いたり、笑ったりできる人間性が豊かである」
子どもは教師が自分たちのことを本気で考えてくれているかは、すぐに見ぬきます。
だから、子どもから良く見られたいと思ってやさしくしている教師や、子どもたちに対する恐怖の裏返しとして厳しく振る舞っている教師も、ともに支持されることはないのです。
それでは、子どもたちから信頼され、人間関係をよくするために教師が心がけたいことは
1 朝は早めに教室に行き、笑顔で子どもを迎える。
2 朝の会や帰りの会、給食や休み時間に、子どもたちと話し遊ぶことを大切にする。
3 掃除は必ず子どもたちと一緒にする。
4 絶えず集団と個人とを考えながら指導する。
5 ダメなことはダメと毅然と指導する姿勢を示す。
6 教えることに最大の喜びと情熱を持つ。
(桶谷 守:中学校教師、京都市教育委員会生徒指導課長、教育相談総合センター所長、京都教育大学教授を経て京都教育大学名誉教授、大津市教育委員会教育長)
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