学級崩壊を手助けしても最後は担任が自分で自分を変えていくしかない 塚田 亮
経験の豊かな小学校の教師でも子どもが話を聞かず、授業が成立しないことがある。
今まで学級経営ができていたのに、なぜ急に学級がまとまらなくなってしまうことがあるのだろうか。
いくつかの学級崩壊の事例を見たとき共通性があるように思う。
それは教師の指導力の不足であるが、その中でも、教師の特に発言や態度に関することが大きいとみている。
たとえば、
子どもの悪口(欠点)を言う。
めりはりがなく「YESとNO」を徹底させない。
子どもの言い分を十分聞かない。
熱心さ、一生懸命さが伝わってこない。
といったことが考えられる。
子どもたちの不満を調べてみると、
「先生が話をよく聞いてくれない」
「一方的にぼくたちだけを注意する」
「いけないことをもっとはっきり言ってほしい」
といった点に絞ることができる。
担任に対する不信感が子どもの心の根底にあるようだ。
この感情を子どもたちの心から拭い去るには、まず子どもと一緒に遊んだり、子どものよい面を見つけてほめてやることから始めてみるとよい。
次に、子どもの不満や言い分を十分聴く場を持つようにする。
私は担任と一緒に話を聴いてあげ、励ましたり、自覚を促したりした。
このための時間を放課後に取った。
そして、YESとNOをはっきり言うように担任に働きかけた。
担任と子どものボタンのかけ違いを修正するには、心して一つひとつ基本的な事項を積み重ねていかないと、子どもや保護者の不信感は拭い去れない。
感情的な対立の溝は、そう簡単には埋まらない。
自分一人で悩んでいるのではなく、周りの教師や校長・教頭に相談して、早く手を打つことが必要だ。
学校全体としての支援体制づくりをする。
子どもと教師との信頼関係の確立と意見表明できる学級づくり。
正義感や判断能力の育成など、実践すべきことはたくさんある。
しかし、どんなに周りが手助けしてもできないところがある。
それは、子どもや保護者、仲間の教師に自分をさらけ出して、自己変革しようとする意志と実践力である。
(塚田 亮:元東京都公立小学校長)
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