いくら忙しくても頑張れるのは子どもたちの笑顔を見たいから 栗原 剛
いくら忙しくても頑張れるのは子どもたちの笑顔を見たいからと栗原 剛はつぎのように述べています。
教師になって十数年になりますが、最初の年はいま考えると自分でも恥ずかしい。
大学で勉強したことは実践向きではないことを実感しました。
先輩の先生に相談したり、勉強会などに参加して何でも吸収しようと無我夢中の一年でした。
勉強し、自分なりに工夫した国語の授業(一読総合法:最初から精読も味読もする)で、子どもたちから「先生、国語って楽しいね」と言われたときは、本当にうれしかったですね。
高学年の担任を受け持って痛感したことは、いくらかっこいいことを言っても子どもたちの心には響かないんです。
体当たりで飾らずに話さないといけない。
「先生はこう思っているんだ」という本音の価値観をぶつけて、そこから子どもたちなりの考えを導き、個性のある価値観をつくる手助けになれば、素晴らしいことだと考えています。
小学校の低学年は幼稚園の先生と同じで体力勝負みたいなところがあります。
高学年は心が疲れます。教師と対等に話をする子も出てきます。一筋縄ではいかない微妙な年ごろですね。
毎日いろいろと悩んでいます。
教師の仕事って、こだわればこだわるほど増えていくんです。
子どもたちのために「これもやろう、あれもさせてみたい」と思うと、どんどん増えていきます。
職員室で冗談で「適当にやろうと思えば、いくらでもできるんだけと」と仲間の教師と話しています。
でもいくら忙しくても頑張れるのは、やっぱり子どもたちの笑顔を見たいからですね。
「あっ、わかった」というときの満面の笑みを見ると疲れも吹き飛んでいきます。
いまの子どもたちは変わったと、よくいわれますけど、そんなに変わったとは思えません。
社会環境が変わり、それを子どもたちが受け止めて、周囲に返信しているのだと思います。
精神的に幼くて授業がやりにくいといった声もありますが、それがいまの子どもの特徴で、子どもが悪いわけではないと思います。
むしろ、そういった子どもがいるのに、じっくりと向き合って話をする時間が取れないほど忙しい自分を反省しています。
とにかく、少しでも時間がほしいと思う毎日です。
(栗原 剛:東京都公立小学校教師)
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