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授業崩壊に陥る原因と、陥らないためにはどのような教師になればよいのでしょうか

 授業崩壊に陥った教師には、私の体験から、つぎのような傾向があるように思われる。
1 教師としての指導力
(1)
指導方法に更新がなく、授業が分かりにくく、退屈である。
(2)
子どもたちの反応や関心に無頓着で、意見の取り上げやまとめ方に温かみや指導技術が感じられない。
(3)
一人ひとりに応じた指導ができず、学級をまとめることができない。
 子どもの実態に応じて、指導の仕方を変えなければならないのに、どの子どもに対しても、いつも、どこでも同じ指導を繰り返している。
 教育とは何か、教師の仕事とは何かが曖昧でプロ意識が希薄である。
 教師の使命である授業を成立させる「水準以上の教育技術」を求めて磨き、更新する研修をほとんどせず、自己向上の努力を怠っている。
(4)
配慮を要する子どもの指導や対応に追われ、学級や他の子どもの指導がおろそかになる。
2 子どもとの関係
(1)
カウンセリング・マインドに欠け、子どもの心を傷つけたりして、子どもとの信頼関係が崩れている。
(2)
力で子どもを押さえつけ、規律を保とうとする。
(3)
子どもへの愛情が不足し、一人ひとりに対する温かいかかわりがあまりみられない。
 子どもとのコミュニケーションを大切にし、かかわりを持つことにこだわってほしい。
 子どもには無条件に愛情を持ってほしい。
 子どもも人間であり幸せを求めている。それを受けとめ、よくありたいと生きれるように援助できる温かい教師でありたい。
 社会が変化すれば、当然子どもも変化する。
 そのことを冷静にとらえ、子どもを肯定的にとらえ、対応できるようにしたいものである。
(4)
「子どもの欠点」を優先して授業をしている
 子どものよさに着目することの多い教師は子どもたちに好かれ、子どもの欠点に目がむきがちな教師は嫌われる。
 例えば、ベネッセ教育研究所の調査では、90%以上子どもから支持されている教師の特徴は
「先生からほめられた。がんばったねと言われた」
「感激するような話をしてくれた」
「授業中、冗談を言って笑わせる。休み時間遊んでくれた」
 逆に、子どもの支持が半数以下の教師は
「遅刻に厳しい。先生の言うことを聞かないと強く叱る。忘れ物をすると厳しく叱る」
 ことをあげている。
「子どもの欠点」を優先して授業をしているといえそうである。
 子どもから支持されない授業は、保護者からも支持されず、反省すべきことを含んでいる授業なのである。
3 教師の個人的な面
(1)
頑固で人の忠告を素直に聞かず、授業や学級運営について他から学びとろうとしない。
(2)
自分の指導に自信がなく、明るさ、活気があまりない。
(3)
判断に時間がかかり、その判断が曖昧で主張が弱い。
 授業崩壊に陥らないようにするには、どのような教師になればよいのでしょうか。
 教師は、人間である子どもを対象としている。
 だから、まず教師は人間として輝いてほしい。
 前向きで、元気で、明るく自分らしく生きつづける存在であってほしい。
 私が尊敬する先輩教師は、子どもに対する愛情と、明るさ、元気さ、プラス志向がこれからの教師には必要だと説いている。
 愛情の溢れる教室、温かい教師と友だちのいる教室は、安定した授業の基盤になる。
 先輩教師のいう教師に求められる教師像とは
(1)
子どもへの愛情
 子どもが好きで好きでたまらない教師だけが、子どもの授業にかかわる資格がある。
(2)
明るい、元気、プラス志向、プラス思考
 生活を楽しみ、物事に創造的にかかわる中から、いろいろなことが分かり、解決し、楽しくなっていく。
(3)
パフォーマンス
 表現力のある教師でありたい。子どもと語り合い、かかわり合い、自由に屈託なくつきあえる教師でありたい。
(4)
レクレーション・遊び・ゲーム
 がき大将にならない程度に子どもと遊べる教師でありたい。
(5)
ユーモア
 子どもの冗談が分かり、ときには子どもに通ずる冗談の一つも言えるようでありたい。
(6)
ゆとり・柔軟性・度量
 原則を承知していて、柔軟な、実際的な、子どもの心にしみ入る判断や対応がとれるようになりたい。
 それを決断し実施する尺度は「子どもへの愛情」と「子どもためになる」という確信であろう。
(7)
カウンセリング・マインド
 子どもを分かり、子どもの心と立場が分かり、そして焦らず、その子の歩みに沿いながら援助してあげられる教師でありたい。
 授業のなかで、遊びや生活のなかで相談的手法を大いに活用したい。
(8)
生涯、学び続ける
 学ぼうとする教師の息づかいに子どもは感化されるのである。
(9)
知恵を伝える
 教師は子どもの人生の先輩である。いろいろな場面で、子どもに知恵を見せる存在でありたい。
(10)
集団を統率・調整する力をもつ
 学級集団をまとめ、子どもたちを居心地のよいものにすることは、きわめて大切なことである。
(11)
実践的指導力
 教師は、なんといっても、子どもに楽しく、分かりやすく、意味あるものとして授業を展開したり、生活指導をしたりする技術が身についていなければならない。
 そういう技術を持っていない教師は、教師としての役割を果していないのである。
(
小島 宏:1942年東京生まれ、東京の国公立小学校教師、指導主事、小学校長を経て多摩教育調査研究所長)

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