子どもとの関係に苦労している親は自立した考えを持っていないのではないか 菅原裕子
子どもとの関係に苦労している親の話を聞くと、多くは親自身が自立した考えを持てないことから発した問題のように思います。
あなたは親として自立しているか、つぎの項目に答えてチェックしてみてください。
(1)子どもの気持ちを無視して自分の気持ちを押しつけることはない
(2)うまくいかないことがあったとき、人のせいにせず自分で解決策を探れる
(3)子どもと話をするとき、腹をたてたりしないで自分の気持ちをコントロールできる
(4)子どもは「自分は親から自立している」と感じている
(5)親として、子どもの将来について冷静に話し合える
(6)親は自分が「子どものモデルだ」ということを理解している
(7)親として「自分は子どもとの葛藤や対立を恐れない」と言いきれる
(8)子どもとは日頃から、対等な立場で互いに理解し合えるコミュニケーションをとっている
(9)子どもの未来と親としての自分の夢の実現は別のものであることを知っている
どうですか? 大人として、親として自立している人ほど「イエス」と即答できたのではないでしょうか。
「ノー」がたくさんあった人にとっては、今がスタートです。
「子育ては親育て」などということをよく言います。
親子は鏡です。
子どもを自分という鏡に映して見たとき、子どもの問題と思えたものが自分に映し出されます。
子どもが引っ込み思案だと嘆く親は、子どもを勇気づけなかったのかもしれません。
子どもが乱暴だと困る親は、子どもにやさしさを教えなかったのかもしれません。
子どもの自信のなさに不甲斐なさを感じる親は、子どもが愛されていることを伝えきれなかったのかもしれません。
子どもが勉強しないと困る親は、子どもに勉強の仕方を教えなかったのかも知れません。
子どもを何とかしようとする前に、親が自分に気づき、自分のやり方を変えることで、子どもにも変化をもたらすことができます。
それこそが親の自立ではないでしょうか。
自分が自立していないことに気づき、自立するための努力をすれば、よりよい親子関係を築くことができるようになります。
親の自立は、同時に子どもの自立を促します。
親が自立するとき、子どもは安心して自分の道を始めます。
今、ほんのちょっと立ち止まって、自分を見つめてみませんか?
(菅原裕子:人材開発コンサルタント。(有)ワイズコミュニケーション社長、NPOハートフルコミュニケーション代表理事。仕事の現場で学んだ「育成」の考えを子育てに応用して「ハートフルコミュニケーション」を開発し、親の子育てや自己実現を援助する活動をしている)
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