叱るときに考慮すべきことは何か 大塚賢二
どの方法が生徒指導で効果的なのかは、やはり、指導される子どもの性格や状態によっても違うし、指導する内容や回数によっても変わってくるだろう。
子どもの状況をよく観察しながら、ベターだと思われる方法を選んで行わなければならない。
強く指導しなければならないこと、優しく指導した方がいいこと、強く指導してから時間をかけて見守りながら指導しなければならないことがある。
また、全体に指導した方がいいこと、個人に指導した方がいいこと、などがある。
ただし、「強い・厳しい」指導をしてから、「弱い・優しく語りかける」指導にすると子どもの気持ちも落ち着いて、指導される子どもも納得し、指導する教師も心がスーッとする終わり方ができる。
しかし、その逆になると、指導される側には怒りや反発の感情が芽生える場合が多い。
また、複数の子どもが関係する問題に対する指導は、まず「個別に指導」してから最後の最後に、まとめとして「全員に講話」のようにまとめるのはよいが、逆は、誰が何を言ったのか他の子どもにもわかるので、子ども同士のいざこざの原因になってしまう。
注意しなければならないのは、指導する時間だ。短すぎても、長すぎてもダメだ。
短いと「たいしたことなかったな」という気持ちになるし、長すぎると、最初は反省していた気持ちも、徐々に「しつこいな」という反発の気持ちに変わる。
(大塚賢二:1964年北海道生まれ、北海道公立中学校教師。平成21年度文部科学大臣優秀教員表彰を受賞、北海道情報と教育ネットワーク事務局長)
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