今の学校に求められていることは何か 石井卓之
保護者対応など厳しい状況におかれている学校で、今一番大事なのは、学校として一つの方針でまとまることだと私は思っています。
うちの学校はこういう方針でやっていくよというものを出していかないと、保護者に理解されません。
うちの学校はこういう方針でやります。
ですから保護者や地域の方にはここをぜひとも協力してください。
という形で発信をしていく必要性が出てきたと感じています。
子どもたちに規範意識を身につけさせるには、教師がルールブックにならなければいけない。
教師が示す態度、言葉、行動が基になるようにしなければいけない。
環境というのも非常に大きいと思います。
私が指導主事をしているとき、大変な中学校がありました。
そこの校長が行ったのは、学校のごみをなくす。朝会ったら必ずあいさつする。
この二つで間違いなく一年で学校が変わりました。
教師がこの二つをやり遂げ、子どもたちを変えるぞ、とアピールしたこと。
これが保護者や地域に伝わったと思います。
教師がていねいな言葉を使うことが大事だと思います。
叱るときは語気を強くしても言葉はていねいに、というのが今のスタイルになっています。
「子ども自ら」というのもキーワードだと思います。
決まりを最低限にして、その代わり学校の決まりは絶対に守らせる。
なぜ、この決まりを守らなければいけないかを説明し、教える。
今、キレる子どもたちは増えています。
教師たちはその子を別の部屋に置いて、冷静になるまで待ちます。
落ち着いたら、なぜそれがいけなかったかということを話さないと、子どもたちの指導は進みません。
私の小学校では六年生に職場体験をしています。
あの商店の人に、この間お世話になったからあいさつしようかなとか、叱られたら「ごめんなさい」を言おうかなとか、そういう温かい地域の目をつくりたいということで職場体験に出しています。
(石井卓之:東京都公立小学校教師、指導主事、公立小学校校長を経て帝京大学准教授)
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