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教師が実力をつけるためにはどのようにすればよいか   山田洋一

 教師が実力をつけるためにはどのようにすればよいか。
 山田洋一はつぎのように述べています。
 私は教育大学に入学して驚いた。
 一般教養の講義がほとんどで教育に関する講義は僅かであった。
「こんなはずではなかった、もっと教育について学びたい」と大学に絶望し、学習塾でアルバイトを始めた。
 塾ではどの講師も仕事に熱心で、子どもとたくさんおしゃべりして関係を強固にするということを優先して、楽しそうに談笑していた。
 塾に採用されると、すぐに研修が私に課せられた。
 まず、M講師の授業を見せていただいた。
 国語の問題文を情感豊かに読み上げ、問題をテンポよく解説していく。
 子どもたちを飽きさせず、受けているだけで気分がよくなる授業であった。
 二時間目は、違ったタイプの授業で、子どもたちの発言を徹底的に引き出し、世間話のような調子で授業が進んでいく。
 進度も、時間もぴったり、そしてなにより、教室の空気を支配していた。
 一人残らず学習に参加させる気迫と技術を備えていた。
 私は圧倒された。
 これがお金をもらっている人の授業なんだと胸に深く刻んだ。
 その後、私は放課後、M講師の前で模擬授業が課せられた。
 指摘された内容は私の胸を射貫いた。
 三か月後、アルバイト講師が塾に入ってきた。
 今度は、M講師は私にそのアルバイト講師の授業を批評し、代案を示すことを求められた。
 私は、こうした過程を経て、お金がもらえる講師になっていった。
 このM講師がしてくれた、
「優秀な実践者の授業を見る」
「模擬授業をし、指導を受ける」
「実際に授業をする」
「他人の授業を批評し、改善策を示す」
の研修課程は、非常に意義深いものであったと、いまでも思う。
「見る」
「試す」
「実施する」
「違う角度から見る」
「試す」
 という過程は、実践者が最も力をつけることのできる研修過程であると、学校現場にきてからも強く思う。
 しかし、実際には学校現場で若い教師はこうした丁寧な研修課程を経て教壇に立っているわけではない。
 それは、大変不幸なことだと言わざるをえない。
 しかし、実力をつけるためには、若い教師は自分で研鑽を積むしかないと私は考えている。
 困難な状況になったとき、私は基本的には相手に働きかけて状況を変えることを考えず、自己変革を念頭に置いた。
 なぜなら、自分はすぐに変えられるが、相手はなかなか変えられないからだ。
 相手を変えることは解決不能の袋小路に迷い込んでしまうと考えてきた。
 思うように変わらない相手を何とか変えようとすることほど、苦しいことはない。
 自己変革を考えた方が結果的に自分を成長させることにもなる。
 また教師は、子どもによりよく変わることを望むのだから、まずは自己変革を自分に課すのは、私にとっては当然と考えられることでもある。
(山田洋一:1969年北海道札幌市生まれ、私立幼稚園に勤務後、北海道公立小学校教師。教育研究サークル「北の教育文化フェスティバル」代表)

 

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