周囲の教師から「なんとかしてあげたい」と愛される教師になるにはどうすればよいか 山田洋一
職員室はみんなでチームとなって仕事をする場です。
ちょっとした気遣いを同僚教師のためにふだんから、さりげなくすることがとても大事なのです。
悩んでいても、実際に助けてもらえる教師とそうでない教師がいます。
周囲の教師から助けられて本来の力を出しきれる人もいれば、本当は力があるのに人間関係につまずいて、力を出し切れない人もいます。
周囲の教師から見て「なんとかしてあげたい」と感じさせる、愛される教師になりたいものです。
そのためには、愛されることを望む前に、まずは自分が誠実に努力して相手を大切にすることによって愛される資格のある自分になるというのが最も重要な職員室のルールです。どうすればよいのでしょうか。
同僚から自分がどのように見えるのかを意識することが大切です。
あなたの机回りにあるゴミ箱があふれていることから、あなたのイメージがつくられるのは残念です。
退勤前には必ずゴミを処理してから帰るというようにルール化しておくと良いでしょう。
その際に隣の教師のゴミもついでに処理してあげるようにしましょう。
挨拶は相手に心を開き、人間関係を円滑にしようとする行為が挨拶です。
まず、自分から明るく笑顔で挨拶しましょう。
子どもから明るく、笑顔で挨拶されると、気持ちがいいものです。
自分からみんなに元気を送る、そんな気持ちで挨拶します。
挨拶が返ってきたら、笑顔で「今日も一日よろしくお願いします」など、ひと言をつけ加えてみましょう。
電話は相手を待たせないよう「3コール以内」に電話に出ましょう。
進んで電話を取る人は積極性があると評価され信頼が集まります。
電話対応の最低限のポイントは「名乗る、先方の名前を確認する、用件を確実に聞く」の3つです。
相手にものを渡すときには、目を合わして微笑み、ひと言「よろしくお願いします」と両手で渡すようにしましょう。これで相手への敬意が伝えられます。
人から愛されるには、こちらから相手を愛して、大切にすることが大事です。習慣になると教室の子どもたちも変わります。数名の子どもたちが真似をして両手で教師にものを渡すようになります。
話し手を見て話を聞くことは、意識しなければ案外できないことです。
誰かが話し始めたら、そちらに注意を向けるようにふだんから気を配りましょう。
話に合わせてうなずいたり、軽くほほ笑んだりすると、話し手はグッと話しやすくなります。
笑顔を忘れず、よい聴き手になることを心がけましょう。
問題が起きたら、まずは学年団の教師に相談します。
自分が知らない情報や今後起きそうな事態や対処法まで教えてもらうことができます。
このときに気をつけたいのが、アドバイスを「それは考えました」「これまでにもやっています」と、すぐに否定しないということです。話し合いをストップさせてしまうことになりかねません。
いざというときに相談しやすいように、日ごろから些細なことでも聞いてもらうことも、お互いの心の距離を縮めます。
悩みをオープンにすることで、アドバイスをもらいやすい関係を築くことができます。
(山田洋一:1969年北海道札幌生まれ、私立幼稚園に勤務後、北海道公立小学校教師。教育研究サークル「北の教育文化フェスティバル」代表)
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