カテゴリー「学級づくり」の記事

クラス経営がうまくいかないとき、どう聞けば適切なアドバイスがもらえるのでしょうか

 クラスが落ち着かなくなってきたので、ベテランの教師に、その原因をアドバイスしてもらうと「先生は優しすぎるんだよ」と言われました。
 そこで、次の日から、子どもたちに厳しく対応しました。ところが、かえって子どもたちは落ち着かなくなりました。
 どう聞けば、適切なアドバイスがもらえるのでしょうか。
 まず、このベテラン教師が「優しすぎるんだよ」と言ったアドバイスには、どのような前提があるのでしょうか。
 あなたの指導を見て言っているのでしょうか。それとも、ふだんのあなたの雰囲気から、そう判断したのでしょうか。
「優しすぎる」とは、どういうことなのでしょうか。
 厳しくしなければいけない場面で、そうしてないという意味なのでしょうか。
 それとも「なめられている」と指摘しているのでしょうか。
 アドバイスを聞いたとき、あなたの解釈は、どのようなものであったのでしょうか。
 例えば、どの場面で、どの程度、どんなふうに「厳しく」しようと考えたのでしょうか。
 このような前提について、無自覚であったり、状況に対して方法が合致していないと、せっかくのアドバイスも無意味になってしまいます。
 アドバイスをもらう際には、できるだけ具体的に状況を語りましょう。大事なことは
(1)5W1Hをはっきりさせて話すこと
 具体的場面に応じて語らないと、印象でアドバイスをもらい、誤った指導改善をしてしまうことになります。
(2)ふだんの指導の様子をしっかり伝える
 指導において重要なことは関係性です。子どもと教師との関係性によって、当然、指導方法は変わってきます。
(3)「私にできることには、何がありますか」と尋ねる
 ベテラン教師が使いこなせる教育技術と、あなたの教育技術は違うのです。
 アドバイスは状況に合致していることが大事です。適切なアドバイスを引き出し、それを生かすには、尋ね方が大切です。
((山田洋一:1969年北海道札幌生まれ、私立幼稚園に勤務後、北海道公立小学校教師。「北の教育文化フェスティバル」代表、「お笑い教師同盟」副代表、「実感道徳研究会」副代表)

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4月に、百人一首で、クラスを盛り上げ、まとめる

 百人一首は小学校・中学校・高校でも必ず役に立つため、教え子やその親から感謝される。
 できれば、4月中に始めたい教材である。これ一つで、クラスは盛り上がり、まとまるからである。
 子どもに国語力をつけさせるための有力な方法の一つに、名文をたくさん読ませることがある。
 百人一首などは、名文ばかりである。教材としてのすばらしさは、あらためて言うまでもない。
 学校でやる時は、時間が約10分でできる五色百人一首(1色が20枚)であれば、1日のうちのどこか、すき間の時間に行うことができる。
 教室での試合は、ペアになって実施する。教室の座席をもとに、試合を行うのであるが、教室が騒然となるほど盛り上がる。
 勝った子どもは上位グループへと進み、負けた子どもは下位グループへと進む。
 負けたら、1つ下の机へ移動する。勝ったら、1つ上の机へ移動する。しばらくして、チャンピオン席を逆転させると、気分転換になり、大興奮で盛り上がる。
 小学校高学年になると、異性を意識するが、自然と手も触れながら、男女の仲も良くなっていく。クラスの雰囲気も、和気あいあいとして楽しい。
 子どもたちには、100首を印刷した用紙を配布し、毎日少しずつ覚えてくるようにしている。
 東京教育技術研究所の五色百人一首は、取り札の裏に上の句が書いてある。一首終わった後、次の句に移る前に、裏返して覚えることができる。
 試合になると、みんな勝ちたいために、裏返して確認している。こうやって自然と覚えていく。
 覚えれば、やりたくなるのが本能で、子どもたちは百人一首を楽しみにしている。
 私のクラスでは、毎日、百人一首コールが起きる。
(古川光弘:1962年生まれ、兵庫県公立小学校教頭。「教材・授業開発研究所」MLを主宰。サークルやまびこ所属)

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学級づくりは4,5月の教師と子どもの関係づくりがポイント

 現代の子どもたちは、教師が指示や指導をしても、従順に受け入れようとする傾向が著しく低下しました。
 最初は、静かに教師の指示に従っていたとしても、徐々にそのような傾向がなくなり、反発や不服従的な行動や態度が見られるようになってきます。
 学級づくりは「教師と子どもたち一人ひとりとの二者関係の形成」がスタートです。
 対人関係の持ち方に、独特の傾向をもつ現代の子どもたちには、教師からの適切な働きかけが不可欠なのです。
 現代の子どもたちは、教師との人間関係を、友だち関係の延長線上、私的な二者関係のレベルから捉える傾向があります。
 したがって、学級の中での子どもたちの行動の傾向は、教師に対しても向けられるのです。
 教師と子どもたち一人ひとりとの親和的な二者関係が形成されていない中で、教師と児童という役割関係を前面に出しすぎると、子どもたちは抵抗感を持ってしまうのです。
 学級集団づくりの第一歩が、教師と一人ひとりの子どもとの二者関係づくりです。この関係づくりがうまくいくと、子どもたちは精神的にも安定し、子ども同士の関係づくりも促進されるのです。
 二者関係は新学級で出会ったはじめの2か月がとても重要です。の仕方は次のようにします。
 4,5月の段階で、子どもたちに教師の人間的魅力を感じてもらえるかが、キーになります。それがうまくいくと、子どもたちは自ら教師に心を開いてくるのです。
 教師の人間的魅力とは、教師に対する親近感や、先生は自分を受け入れてくれるという受容感があります。
 同じようなもので、教師といると楽しい気分になれるという明朗生もあります。
 さらに、教師に対する好意や信頼感、ある種のあこがれなどもあります。
 そして、教師の専門性にもとづく教え方のうまさ、熱意などの熟練性も含まれます。
 小学生はこれらの教師の人間的魅力を、混ざり合って感じるのです。
 そして教師の人間的魅力にひかれ、教師との二者関係の形成を望み、関係が形づくられていくのです。
 したがって、どんなに教育技術の高い教師でも、親しみや受容感、楽しさがないと、現代の子どもたちはその教師の教え方がうまいとは感じないので、注意が必要です。
(河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学教育学部教授。15年間公立学校教諭を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)

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黄金の3日間における学級開きは、どのようにすればよいか

 教師は1年で結果をださなくてはならない。その鍵を握るのが「黄金の3日間」である。「黄金の3日間」こそ、教師の仕事開きとも言える。
 この3日間は、少々の腕白坊主も耳をこちらに傾ける。この3日間で、担任は気概をもって、クラスを統率しなければならない。どうすればよいのでしょうか。
1 インパクトのある自己紹介をせよ
 学級開きで、子どもの最大の関心事は「今年の担任は、どんな先生だろうか」ということである。
 最初の出会いが重要である。教師の自己紹介で、どれだけ子どもの心をつかめるかが重要である。
 子どもの固定観念を破壊するくらい、教師自らが、逆転現象を起こすような自己紹介をすることが大事である。
2 明確な方針を示す
 学級開きのときは、学級の子どもたちは「群れ」の状態である。
「空白」の時間をつくると、子どもたちは自分勝手な行動をするようになり、学級集団は崩れていく。
 学級の統率者である担任ができるだけ早く「方針」を示す必要がある。例えば
「みんなに身につけてほしいのは「けじめ」です」
「同じ教室で集団生活をしていくためには「けじめ」が必要です。一人ひとりが勝手な行動をしていては、学級生活は成り立ちません」
「次に、先生が絶対に許せないのは『いじめ』です」
「先生は差別を絶対に許しません。差別はする方も、される方も人間をだめにするからです」
「先生は、みんなのお父さん、お母さんから、みんなを1年間預かりました。誰か1人だけ楽しくても、先生の責任は果たせません」
「先生は全員が楽しく過ごせるようにしたいと思います」
3 子どもが動ける「しくみ」と「システム」をつくる
 方針が示されても、何をどうすればいいのか分からなければ、子どもは動くことができない。
 子どもが動けるようにするためには「しくみ」と「システム」をつくりあげることである。例えば、
「みんなが学級生活を送っていくためには、3種類の仕事を役割分担していく必要があります」
「1つ目は、掃除や給食当番など、毎日のように繰り返される仕事で、何人かで分担する仕事です」
「2つ目は、黒板係や掲示係など、必要に応じて、みんなで分担しないといけない仕事です」
「3つ目は、レクレーション係や新聞係など、みんなが楽しく学級生活を送れるようにするために、自分たちで工夫しながら取り組んでいく仕事です」
「自分たちの力で、自分たちの学級生活をつくっていきましょう」
4 アドバルーンはたたく
 この黄金の3日間は、教師と子どもたちとの主導権の取り合いなのである。子どもたちからのアドバルーンは、たたかないといけない。
 例えば「鉛筆を出しなさい」という指示を出したとき「先生、シャーペンでもいい?」と言ってくる子が必ずいる。
 実は、これが担任としての勝負の始まりなのである。1年間を左右する極めて重要な場面である。
「今、質問した人、立ちなさい」
「質問は、手をあげて、きちんと立って行いなさい」
「もう一度、言ってごらん」
「シャーペンを使ってもいいですか」
「先生は何と言いましたか。鉛筆を出しなさいと言いました」
「シャーペンについては、また考えます。今は鉛筆を出しなさい。無い人は貸してあげるので取りに来なさい」
 このように毅然と対応するのである。若い先生は何でも許してしまう傾向にある。
 これができないから、ルールがなくなり、クラスが崩れるのである。
 教師がクラスを統率すれば、子どもたちの表情はみるみる穏やかになる。
 可愛がることは、後からいくらでもできる。
 クラスが崩れてしまえば、後から立て直すことは至難の業なのである。
 最初の3日間は大切にしないといけない。
 子どもたちに好かれよう、楽しい先生と思ってもらおうと、見栄のために、ゲームなどで3日間が終わってしまうと、とんでもないことになる。
 最初の3日間は、クラスが動くシステムをつくり上げる大切な時間なのである。
5 授業のシステムを確立する
 授業はフラッシュカード等を使って全員がそろうのを待つ。
 全員がそろったところであいさつをして、例えば
「今日の日付けを4/9と書きなさい」
「次に、今から学習するページP3と問題番号1と書きなさい」
「書けたら立ちなさい」
「きちんと書けているか、隣どうしで確認し合いなさい」
「合格した人は座りなさい」
 大切なことは、子どもたちのノートを必ず全員、何らかの方法で確認することである。
3日間ともノートをきちんと確認する。
 落ち着かないクラスを担任したときは、次のような10分間パーツ教材で授業を組み立てる。 
(1)10分前後で完結するか、区切りをつけることができる教材
(2)シンプルかつ単純明快な教材
(3)必ず全員が取り組むことができる教材
(4)授業のねらいに沿う教材
 この条件を満たす教材を、45分の授業の中に、ねらいに迫るような形で効果的に配置する。
 何も難しいことはない。たったこれだけのことだが、子どもたちを引きつけ、子どもたちの集中力を飛躍的に高めることができるのである。
 ただ、10分間教材は、子どもたちが落ち着いて学習に取り組むための手段であるということだけは強調しておきたい。
(小田光治:長崎県公立小学校教師)
(古川光弘:兵庫県公立小学校教師)

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4月の始め頃は学級担任を試すような発言がある、どのように学級づくりをすればよいか

 子どもたちは4月始め頃に、学級担任を試すような発言が多い。
「この担任は、どこまで自分たちの要求に応えるか」を試していると言っても過言ではない。
 なんとなくあいまいにしたり、あまり考えずに子どもたちの要求を取り入れたりすると、エスカレートしたりして、後々、クラス運営で困ることがよくある。
 それは、教師不信や学級崩壊などにもつながっていく。
 担任は、子どもの要求に対して「正しいか」「一部の子どもだけの意見になっていないか」「後になって困ることにつながらないか」を見極める必要がある。
 子どもに担任の姿勢をはっきりと示していくことが重要となる。
 もし、子どもの要求を取り入れない判断したときは「取り入れない理由」を、はっきりと子どもたちが納得するよう語る必要がある。
 このことが、これから1年間、担任を信頼するかどうかを大きく左右する。
 子どもたちに説明するときに重要なことは
「すべての子どもに公平なものかどうか」
「子どもをよい方向に伸ばすことにつながるか」
という点を考えるべきである。
 しっかりと子どもたちに伝えていくことで「この先生は、自分たちの勝手な思いに乗せられない」と、子どもたちは気づくことになる。
 けじめのある学級づくりにもつながるのだ。
 担任に自分の要求を突きつけてくる子どもは、よきにつけ悪しきにつけ、クラス運営に重要な役割を果たす子どもである。
「子どもの要求」を受け入れない場合は、クラスづくりのために、しておかなければならないことは、意見を言ってくれた子どもを、ほめてあげることである。
「クラスのことを考えて意見を言ってくれたことは、先生はすばらしいことだと思うよ」
「これからも、みんなのことを考えて意見を出してください」
と言って、他の子どもたたちの「クラスづくり」に参加する意識を高めるとともに、意見を出した子どもに恥をかかせないようにするとよい。
 担任としてぶれてはいけないことは「クラスのみんなのことを考える」という視点である。
「クラスのみんなが安心して、学習や生活していくこと」視点からすべての物事を考えていくと、だいたいの判断はつく。
(成瀬 仁:公立小学校教師。オーストラリア公立小学校での勤務経験がある。また、幼稚園の経験もあり、多彩な教職経験がある)

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すばらしい学級をつくる責任は教師にある、自覚した教師だけが、すばらしい学級をつくりあげられる

 すばらしい学級をつくりあげる責任は教師にある。教師だけが、すばらしい学級をつくりあげられる
 一人の教師と数十名の子どもたちが、1年間教室で生活すれば、それなりのドラマは生じる。
 自然なままの教室からは、自然なままの子どもたちの集団が形成される。
「勉強ができる子」が上位にして「勉強できない子、嫌われる子」が下位にいる構造である。
 この構造は1年間崩れない。子どもは子どもなりに、宿命的な社会構造を学ぶ。
 ここから「あきらめ」も生じる。ここから「いじめ」も生じてくる。
「あきらめ」「いじめ」は、子ども社会の奥深いところで生き続ける。
 これを破壊できるのは、教師だけなのである。それも、自覚した教師だけなのである。
 思いつくままの教室経営、赤本通りの授業をするだけで、子どもたちが変わることはない。教育とは、それほどお手軽なものではない。
 子どもの心の奥深くへ働きかけ、訴えていかなければならない。
 では、何をしたらいいのか。では、どのようにしたらいいのか。
 クラスには、いろいろなドラマがあり、さまざまな事件がある。一つひとつは別の出来事である。同じことは何もない。学級が織りなすドラマは一つひとつ異なる。
 しかし、教えているのは同じ教師である私である。年ごとに少しは成長しているとはいえ、どうということのない人間が教師をしているのである。
 だから、子どもが入れ変わってもクラスの出来事には、ある種の共通性が見られる。知らず知らずのうちに、同じような事件・出来事が生じている。
 担任である私が意図的に仕掛けるからである。およそ次のような6種類ある。学級集団形成の向山法則と呼んでもいい。
1 子どもの中にある、差別の構造を破壊する
 もちろん、平等な学級は、つくるのは不可能であろう。能力も違えば個性も異なる。しかし、目にあまるような差別の構造は破壊しなければならない。
 まず、私は教室の中に典型的な現象をとりあげる。クラスの中で、最も嫌われ、最もいやがられている子に私が味方をする。
 クラスで最も嫌われている子がひざの上に来るような教師なら「子どもを大切にしている」と私は判断する。
 口先だけ、うまいことを言う教師ではだめだ。子どもは敏感なのである。内心「嫌だ」と思っていることは相手にも伝わるのである。鏡の原理が働くのである。
「最も嫌われている子どもがひざの上にのる」ことは簡単ではない。どうしても通過しなければならない心の革命を必要とする。
 これは、変にやるとこわいことでもある。クラスのほとんどの子を敵にまわすということになりかねないからだ。
2 授業で「多数決が正しいとは限らない」という場面をつくりだす
 子どもたちにカルチャーショクを与えるのである。
 これは、かなり衝撃的なことである。特に「勉強ができる」と思い込んでいた子どもたちに与える衝撃は大きい。
 今まで、勉強の時はまるでバカにしていた子が正しかったという、考えもしなかったことが生じたからである。
 今まで「自分はダメだ」「特に勉強はダメだ」と思い込んでいた子にとってもショックである。「自分だけが正しいなんて、こんなことがあろうか」と半信半疑なのである。
 この授業の場面から、子どもたちの心の奥で、何かが変わり始める。地殻変動が生じるのである。子どもを内面から動かすのである。
 子どもを変革するのは教師の腕力ではない。管理技能ではない。知的権威である。
 教師の知的権威にふれてこそ、子どもは変わり始めるのである。
3 子どもたちの組織をつくる
「やらねばならぬこと」「やりたいこと」の2つの組織化が必要である。
「やりたいこと」は、係りが中心になる。
 係りとは、文化・スポーツ・レクレーションが中心になる。楽しいこと、面白いこと、やりたいことを、次から次へと企画させる。
 楽しいことを企画し、実行するから、子どもたちは規律をつくり出していくのである。
「忘れものをなくすための班競争」など、子どもにとってつまらないことをいくら仕組んでも、子どもの内面は育っていかない。
 まず、以上のことをやってから、後は徐々にやっていく。
4 授業を知性的にする
 知性的な中でこそ、子どもたちは育っていく。知性的とは何か。
(1)
今まであたり前と思っていたことが、見方によって異なるということである。視野が広げられたということである。
(2)
ささやかと思える言葉の指示範囲が、厳密で正確であるということである。
 教師の言葉づかいは、あいまいなことが多い。「理解させる」「分からせる」「知らせる」「気づかせる」という指導案の用語さえ、まともに使いこなせる人は少ない。
(3)
多くの意見の存在が認められることである。
 ただし、それぞれの意見には根拠がなければならない。好き勝手に、思いつきのままを言わせるだけの授業は非知性的である。
5 イベントを仕掛ける
 学級全体が、燃えるように何かに取り組むこと。その非日常的な生活の中で、子どもたちはきたえられる。
 一度、イベントの楽しさを味わうと、子どもたちは自分の手でそれを再びつくりあげようとする。
 教師が何もしなくても、さっさと企画・実行してしまうようになる。
6 教師が許せないことは、学級全体を相手に対決する
 これには注意が必要だ。
 学級全体を相手にしなくてはいけない。小数の人間を相手に対決してはいけない。それも「やんちゃの集団」を相手に、けんかのアマの新卒の女教師が対決したりなどすると、まず教師は負けるだろう。
「やんちゃ集団」は。けんかのセミプロである。けんかのセミプロにアマが勝てるわけがない。もしやるなら、十分に戦略・戦術を考えなくてはいけない。
 学級全体だと別である。学級全体だと「解決しよう」という意志が必ず存在する。そういう子どもがいるものである。
 解決しようとする子どもたちがいれば、必ず解決できる。子どもたちは自分で解決する。その中で成長するのである。
 だから、1学期のうちに全面対決をしてはいけない。まだ早い。学級がしっかりしていないからだ。ある程度、集団として成長してから仕掛けることである。
(
向山洋一:1943年生まれ、元東京都公立小学校教師、教育技術法則化運動代表を務めてきた。教師を退職後、TOSSインターネットランドの運営に力を注いでいる
)

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「ペア学習」で学級づくり、聞く姿勢ができ、となりの子が認めてくれ、達成感を感じることができる

 私たちの脳の中で、達成感を感じた時にエンドルフィンという脳内物質を出すそうだ。
 私は、これを「やったあホルモン」となづけている。
 私は、いつも目の前にいる子どもたちが、どんな脳内ホルモンを出しているのかを考えて教育実践を行ってきた。
 若い先生方には、授業が終わった時など「やったあホルモン」が出る実践をしてほしいのである。「いやだなホルモン」では学級づくりはできない。
 毎日繰り返される授業で「やったあホルモン」が出されるために、教師は教材研究をするのである。
 授業は、学力の向上はもとより、学級づくり、仲間づくり、生活指導をも行うのである。そういう視点を持ってほしい。その核になるのが「ペア学習」である。
 毎日、繰り返される授業の中で学級づくりをするのである。
 授業力の向上は学級づくりに直結する。
 どうすれば授業で「やったあホルモン」がでるのか。その一つに「ペア学習」がある。
 ペア学習で「自分の考えが隣の子に認められた」「二人組で活動して楽しかった」という実体験が大切なのである。こういう肯定的な感情が学級をつくっていくのである。
 ペア学習は簡単に取り組めるが、奥の深いものである。ぜひ極めてほしい。
 ペア学習で聞き合う姿勢が養われると、不思議なことに3人4人と人数が増えていっても、話し合いがスムーズに進む。
 ルールを決めたり、班やグループ活動で話し合いをするときに、大切なのは相手の考えを受け止め、聞く力である。その姿勢をペア学習で作るのである。
 ペア学習の利点をあげてみると
(1)
必ず、自分の考えを聞いてもらえるので、全員参加型の授業ができる。
(2)
相手に認められた考えは、自信をもって発表することができるようになる。
(3)
自分の考えをしっかりと書くようになる。
(4)
「聞く、話す」「伝える、受け止める」などのスキルが身につく。
(5)
苦手な子の考えを引き出すことができる。
(6)
できる子だけで進められる授業を打破できる。
(7)
子どもたちは、役立ち感や、有用感を感じ自尊感情を高める。
 口だけで「友だちを大切にしましょう。仲良くしましょう」と何回言っても安心、安全な学級はつくれない。いじめをなくすのも授業からなのである。
 ペア学習で、となりの子を大切にする風土をわが学級につくろう。
(
三谷祐児:鳥取県公立中学校長
)

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私の学級づくりの核になるのは「読み聞かせ」による学級づくりである

 私の学級づくりの核は「読み聞かせ」である。名づけて「読み聞かせる学級づくり」である。その主な内容は、三つからなる。
(1)
絵本の読み聞かせ
(2)
物語の読み聞かせ
(3)
学級通信の読み聞かせ
1 絵本の読み聞かせ
 私が中学校の教室に「読み聞かせ」の手法を持ちこむきっかけになったのは、初任者の時の経験である。
 初めて授業を持った中学校三年生の教室は、授業にならなかった。
 立ち歩き、授業妨害、トランプをする生徒。私になどお構いなく「談笑」しつづける生徒。激しく反抗し、時には机を投げつける。
 担任の教師が、何度も家庭訪問をしてくださるが、状況は好転しない。くやしさとみじめさに身の置き場もない。
 私が最後に教室に持ち込んだもの、それが「絵本」だった。半ばやけくそであった、と思う。
 私がこの時、教室に持ち込んだ絵本、それはC.V.オールズバーグ(村上春樹訳)「急行「北極号」」(河出書房新社)である。ゆっくり読むと15分以上かかる作品だ。
 教室の前の席に座り、絵本のカヴァーをはずし、おもむろに読み始める。生徒はいつものように立ち歩きしているが、もうお構いなし。ひたすらただ読む。
 するとナント、立ち歩きの男子たちがいつのまにか、読んでいるぼくの前に座って聞いているではないか。最初の5分で、騒然とした学級が静かになった。
 ふだんは大騒ぎをする男子生徒が、かぶりつきで読み聞かせを受けた。読み終わると拍手が…。
「石川、こういうんならまたやってもいいぞ」とかぶりつきの生徒が言った。その場面まで、今でもはっきりと覚えている。「急行「北極号」」の物語のストーリーとは、
 主人公の少年は、急行「北極号」に乗り、北極点へと向かう。北極点でプレゼントをサンタクロースからもらった少年は、喜びいさんで再び機関車に乗りこむが、もらった鈴を落としてしまう。
 その鈴は首尾よく戻ってくるが、鈴の音を父も母も聞くことが出来ない。最初は聞こえていた妹でも、大人になるにつれて聞こえなくなる。
 しかし、主人公の少年の耳には、今も聞こえる。少年は言う。「本当に信じていれば、ちゃんと聞こえるのだ」と。
 教師には、学級づくり授業づくりの中で折々に伝えたいメッセージがある。でもそれが生徒の中になかなか通っていかないという現実がある。
 しかし、絵本や物語をはさみこめば、柔らかく教師からのメッセージを伝えることができる。しかも、生徒も教師も気持がいい。本当に読み聞かせはすぐれた手法なのだ。
2 物語の読み聞かせ
 以来、私は担任として、国語教師として、たくさんの絵本を教室に持ちこんできた。市内の大規模校に異動してからは、加えて、「物語」の読み聞かせも行った。
「物語」の読み聞かせをしようと考えたきっかけは、大西忠治氏の文章との出会いである。
 大西氏が、読み聞かせの効用を説いておられる一文がある。本誌1989年5月号。「読み聞かせ-読み聞かせの継続が教師を鍛える-」というその文章に大変引きつけられた。
 大西氏は、『ジャンバルジャン』(岩波少年文庫版)を毎年のように読み聞かせしてきたという。大西氏は言う。
「方法そのものは単純である。私は給食の時間(学級担任をしている時)、あるいは授業の終りの五分間を、『ジャンバルジャン』を読みつづけた」
というだけである。
 私の「物語」の読み聞かせも、この『ジャンバルジャン』から始まったが、どうもおもしろくない。楽しくない。『ジャンバルジャン』に責任があるわけではない。私自身の内発的な動機を欠いたものを読んでしまった…。読み手が共感を持って読めない作品は、聞き手の心に届かない。基本をはずしていた。
 今まで読んだ物語の中で、圧倒的な支持を得たのは、森絵都『宇宙のみなしご』(講談社)である。出会った時、『あ、これだ』と思った。読みながら、夜ごと屋根に登る少年たちの姿が目に浮かんでくる。
 毎日五分間ずつ国語の授業の最後に読み聞かせた。生徒には大好評。先が待ちきれなくて、買いに行った生徒も数名。
3 学級通信の読み聞かせ
 ところで、私は学級通信も必ず読み聞かせる。授業記録を載せた通信や、親向けのメッセージを含んだものでも構わず読む。
 実は、学級通信を読むという教師は少数派らしい。誰もが読んでいると思いこんでいた私は、その事実に、少なからずショックを受けた。
 私は毎日学級通信を書く。年間200号前後になる。生徒へのメッセージ・願い、学級についての基本的な考え方が書かれていく。
 今日も帰りの会で、学級通信を読む。日によっては、学級通信の「読み聞かせ」で始まる。
学級通信は、読むに限る。その理由は、次の2点だ。
(1)
内容が生徒に正確に伝わる。
(2)
通信に込められた教師の思い・願いも伝わる。
 内容がきちんと伝わるというその一点だけでも、読み聞かせることの意義は明らかだ。しかも、良さはそれだけではない。
 学級通信を「読み聞かせる」ことにしてから、通信の文体自体が、担任の身体感覚に近くなっていくのを実感する。担任の思い・メッセージが伝わりやすい文体に変わっていくから、どんどん伝わるのだ。学級通信は是非、自分の言葉で読み聞かせたい。
4 読み聞かせ合う学級づくりへ
「読み聞かせ」は、伝えたい内容が伝えたい相手に届くまでに、「緩衝物」が入る。緩衝物は、絵本であったりプリントであったり様々だが、いずれにしても、メッセージが直接でなく伝わるところに、強圧的な指導に従わない生徒の心に届く理由があるようだ。
 生徒の誕生日には、仲の良い友達からの手紙を学級通信に載せることにした。本人から朝の会で直接読んでもらう。読む方も聞く方も照れくさい。だが、本人の肉声によって初めて伝わるものがある。ことばが輝いている。
「絵本」の読み聞かせも、生徒同士でさせたい。「読み聞かせ合う」ことで、「聞き手」への関心が広がる。聞き手への関心の広がりが関わり合いの心を育てていく。
「読み聞かせ」は人生を豊かにし、人と人とをつなぐアイテムにもなるのだ。好きな絵本を読んで聞かせることの素晴らしさを体験した生徒は、大人になった時、きっと絵本を自分の子供達にも読んであげたいと願うはずだ。
(
石川 晋:1967年北海道生まれ、北海道公立中学校教師。NPO法人授業づくりネットワーク理事長。教科指導と学級経営の連動を意識した読み聞かせ活動を展開中。また、教師の学びの場づくりを精力的に展開中である)

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7月にはどのような学級づくりができるでしょうか

 7月は、1学期を振り返り、子どもたちが自分なりに成果を確認し、達成感をもたせることで、2学期への意欲を引き出す時期でもある。また、夏休みを有意義に過ごすための動機づけも大切である。
1 学習成果や作品をまとめさせ、子どもたちに達成感をもたせる
 話し合いだけだと、4月当初からの記憶があいまいとなり、1学期全体を振り返ることがむずかしいので、記録や作品を手がかりにする。
(1)
子どもたち個人の作品やワークシートなどをまとめたり、ファイルしてあった物を見直したりして、学習の成果を実感させる。
(2)
カードへの書き込みや相互評価などを通して自分の努力を確認する。
 振り返ることで、努力の成果や成長を実感できれば、子どもたちは「自分はやればできる」という自信となって、これからも努力する意欲が高まる。
2 個人のめあてを反省させ、次の意欲をもたせる
 振り返ることは、これまでの自分の努力や成長を確認する機会である。
 結果のよしあしではなく、それを受けて次にどうするかに目を向けさせることが大切である。
(1)
めあてを達成できたか、どんなところができなかったかを振り返らせる。
(2)
達成できなかった場合は、目当ての立て方を検討したり、次のめあてにつなげるための援助をする。
3 学級の成長を振り返り、帰属意識を育てる
 みんなで学級のめあてを決め、それに向かって協力して活動してきたことを振り返ることは、一人ひとりの学級への帰属意識を高める。
「自分ががんばったこと、誰かががんばったこと」を話しましょう。
 学級集団での活動で「このクラスでよかった」という手ごたえは、積極的にかかわろうとする意欲を生み、マナーやルールの理解が深まります。また、対人関係能力を育成することにもつながります。
(1)
学級のめあてが達成できたかを振り返る
(2)
行事での学級のみんなの様子を教師が語り、努力を振り返る。
4 夏休みで、子どもたちの気持ちをとぎれさせない工夫
(1)
子どもたちがお互いに認め合い、人間関係を深める
 仲間に愛着を感じ、夏休みで教室を離れても、良好な人間関係を築いていこうとする意欲をもたせる。そのためにも構成的グループエンカウンターの「いいとこ探し」で認め合いを行う。
(2)
夏休みや2学期の行事に向けて、準備や目的意識をもたせる
 夏休み中に学校生活と家庭生活を完全に立ち切らない工夫を考える。
「9月の水泳大会に向けた夏季プールへの参加」「秋季運動会に向けた体力づくり」「補習」等で、かかわりが不足した子どもたちとふれあう。
(
品田笑子:1954年生まれ、東京都公立小学校教師を経て都留文科大学特任教授。上級教育カウンセラー)

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ふれあいのあるクラスづくりをするには、具体的にどうすればよいのでしょうか

 ふれあいのあるクラスは伸びやかな、楽しい雰囲気が生まれ、人間関係や学力の向上が見られる。
 ふれあいのあるクラスは、子どもたちが楽しそうで、のびやかである。教師も明るい。子どもたちも明るく、笑い声が絶えない。
 何かをするときは、集中して、真剣に行う。緊張感がある。終われば、和やかな雰囲気になる。
 ふれあいのないクラスは、子どもたちの顔がこわばっている。どこかぎこちない。差別がある。どこか暗い。さめている子がいる。どこか真剣みがない。
 今、子どもたちはクラスとしての意識がないままバラバラな状態で学校に来ている。
 今こそ、ふれあいのあるクラスづくりを行う必要がある。
 ふれあいのあるクラスづくりの根底にあるものは、子どもたち一人ひとりを受け入れるということである。
 どの子に対しても、どんな場合でも「ほめ、話しかけ、励まし」続けることである。
 ひと言をプラスして、ふれあいのあるクラスにするには、どのようにすればよいのでしょうか。
1 教室でのあいさつは「おはよう+ひと言」でふれあう
 子どもの名前を呼んで子どもをほめる。
「〇〇さん、おはよう。今日も元気に来たね」などと、気づいたことを、元気の出る言葉にしてほめることである。
2 握手+ひと言でふれあう
 係の仕事が終わったら報告させる。そのとき、握手をしながら「ありがとう(ご苦労様)、助かったよ」と、目を合わせ笑顔で対応する。
3 ワークテストは「点数+ひと言」でふれあう
 ワークテストを返すとき、ひと言書き添えて返したい。短い言葉でズバッと書くのがよい。保護者も見るので、担任の姿勢を見せることにもなる。丁寧な字で書きたい。
 例えば「おめでとう、よくできたね!」「おしかったね!」など、もらってうれしいひと言を添えるのがコツである。
4 ノートには「名前+ひと言」でふれあう
5 お誕生日は「学級通信+ひと言」でふれあう
 お誕生日のお祝いのひと言は、本人とクラス全体のきずなを深める貴重なメッセージである。
 誕生日には、学級通信(号外)をだしている。次のことを載せている。
(1)
本人の「がんばりたいこと・すきな遊び・得意なこと・できるようになりたいこと・ゆめ・たからもの」を載せる。
(2)
本人の写真(友だちも周りに集まり笑顔で撮る)
(3)
「先生から」「学級全員」からのお祝いの言葉
お祝いの言葉を読み上げると、本人もうれしいし、クラスの仲間もにこにこしている。
6 欠席する子どもに「お見舞いカード」+ひと言でふれあう
 欠席した子が一番心配なのは、どんな勉強をしたかである。その内容を伝え励ますのが「お見舞いカード」である。
 カードの記入は、欠席した子がいる班が書く。
(1)
一時間目からの教科名と授業の感想と書いた子の名前
(2)
先生からのひと言
(3)
おもしろい出来事と書いた子の名前
(4)
連絡事項
 届けるのは、カードと、その日に配布したプリント類。近所の子か担任が届ける。
7 授業で指名するときに「ひと言+名前」でふれあう
授業で教師の発問で子どもを指名するとき
「姿勢のりっぱな〇〇くん」
のように指名すると、ただ名前を呼ばれた時よりも、ずっとうれしそうである。
「聞き方のいい人に当てようかな」などと言って、指名すると学級全体が引き締まる。ちょっとした緊張感が教室を包む。
 ときどき「このクラスは、みんながにこにこしていて教えるのがとっても楽しいね」と、クラス全体をほめることも必要である。
 このように、個人とクラス全体を意識して、ひと言を添えるとクラス全体が明るくなり、楽しくなる。
8 黒板に「キャラクター+ひと言」でふれあう
 教師が早く教室に行けないとき、黒板にキャラクターの絵を描いて、ふきだしにひと言書くのである。私の場合は「きりん」がメッセージを伝える。
「今日の朝学習は、プリントです。日直さん渡してね」
「みなさん、おはようございます。今日もあつくなりそうですが、元気にがんばりましょう」
 こうすれば、朝の活動をスムーズに進めることができる。また、教師が出張でいない時もメッセージやお願いを伝えることができる。
9 帰りの会のあと「見送り+ひと言」でふれあう
 毎日はできないが、帰りの会の後、校門まで子どもを見送る。週末や学期末などに行う。
 ふだん会話が少ない子や家でのくらしが気になる子などに「これから、帰ってなにをするの」「だれと遊ぶの」と声をかける。
 時には、子どもたちと一緒に校門の外にまで出れば、誰と帰るのか友だち関係もよくわかる。遊びながら帰るのかがわかる。ふだん見えないことが見えてくる。
 子どもたちも先生に見送られていると思うと、うれしいし安心する。教室でさよならするよりも、ずっと親近感が増す。
(
平藤幸男:1960年生まれ、岩手県公立小学校副校長)

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