カテゴリー「教師と子どもの関係づくり」の記事

なめられているのか、叱ってもすぐに私語や悪ふざけが始ります、どうすればよいのでしょうか

 中学二年の担任です。生徒とよく話しをするように心がけています。親しみを感じてくれる子も多いと思っています。
 けれども、クラスは落ち着きがなく、まとまりません。行事の練習は、指示が通らず勝手なことをやっています。怒鳴ってもすぐ、私語や悪ふざけが始まります。
 提出物の期限は守らない。掃除もサボる子が多く、私の指導や願いが通じていないという無力感でいっぱいです。どうすればよいのでしょうか。
 このクラスは、バラバラな印象をうけます。子どもたちは、仲間にどう思われるか不安で、その場の雰囲気、仲間の動きに合わせているだけなのでしょう。
 担任は生徒一人ひとりと接する努力しています。それは基本的に大切なことです。
 クラスは、他人同士が生活するところで、お互いが快適に過ごすために相手のことを理解し、トラブルが生じないためのルールをつくる必要があります。
 今の子どもたちは、親しい関係を作って居心地のよい場を積極的に作ろうとはしません。
「まじめ過ぎず、表面は明るく、友だちからは嫌われたくない」という気持ちが強いのです。クラスは仲間に気をつかう煩わしい場になってきています。
 子どもたちが互いに結び合っていない集団に対して、担任が厳しい態度で指導するとどうなるでしょうか。
 そのような子どもたちは強い者には従います。いっけん、クラスはまとまったかのようになります。
 表面上は従いつつも、クラスは居心地の悪い場になります。結果として、いじめのようなかたちでストレスのガス抜きが行われる恐れも出てきます。
 では、どのような工夫が考えられるのでしょうか。
 答えは、子どもたち「仲間同士の親密な関係の形成」ということになると思います。
 お互いがどのように感じ、考えているのかを出し合い、近づけるような機会を多くもつことが必要だと思います。
 学級活動の中などで人間関係の安心感を演出するようなさまざまなゲームを試みます。
 また、深く知らない者同士が、ある程度、本音を出して真剣な話をし、それを受け入れてもらえる経験を多くもつようにするのです。
 授業でも討論の時間を多く導入するなどします。しかも、それは楽しく快適な体験となるように工夫することが大切です。
 また、クラス内の小さな仲よし集団にも注目し、そこに働きかけるのはどうでしょうか。
 その仲よし集団の中でリーダー格になっているような子をクラスに参画してもらうように働きかけ、仲よし集団を互いに結び合わせていくこともできるように思います。
(
小林正幸:1957年群馬県生まれ、東京都港区教育センター教育相談員、東京都立教育研究所相談部研究主事等を経て東京学芸大学教授。不登校を始め学校不適応、ソーシャルスキル教育、教育相談、教育技術を研究)

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子どもたちとの関係づくりのために、子どもとどう対話すればよいか

 教師の仕事は話すことではなく、聞くことが基本だと私は思っています。
 子どもから話を聞くときの基本は
(1)
黙って聞く
 子どもの話は、何をどう言いたいのかわかりにくい。そのために教師が口をはさみ、代弁してしまうことがあります。
 まずは、うなずき、オーム返しなどで、子どもの話をつないでいくようにします。
(2)
話につじつまが合わないことがあっても、その是非を途中で問わない
 子どもの話の内容に変なところがあっても、正さないで、じっくりと聞いてあげる。
(3)
子どもの感情を受け入れてあげる
 特に小学校低学年では大事です。
「ボールをぶつけられた」とき、「大変だったね」「痛かったね」「大丈夫か? 強いね」
と、いうふうに、感情を受け入れてあげれば、低学年の場合、問題の8割は解決します。
 先生に受け入れてもらえたということで、心が満足するのです。
 子どもはよく石を拾ってきます。
「先生、きれいな石だよ!」と言ってきたとき、子どもにきちんと顔を向けて「きれいな石だね」と、感情を受けとめてあげる。
(4)
教師と子どもの思いが違うときは、教師の「私メッセージ」を子どもに伝える
 あるとき、A男が「ウルセエ!」と言って、B子に向かって靴を投げつけ、机を倒して大泣きしました。
 A男がクールダウンしてから「さっきは、どうしたんだ?」と聞くと
「B子は、いつもオレばっかり注意する。いっつもオレばっかりなんだ!」と
 しかし、A男は奇声を発したり、人とのコミュニケーションがうまくとれない。
 もし、教師がA男に「A男だって、これこれこうだろ」と言えば、それ以上は話さないに、ちがいない。
 私は、次のように言いました。
「それは、つらかったなあ。A男、一人だけ注意されたら、つらいよなあ」
と、話の是非を問わず、まず、つらかった思いを聞いてあげる。
 つらかった思いに共感してもらえた安心感がA男の心を開いてくれました。
 そこで、私はA男に
「じゃあ、A男はどうしたいの」
「どうしたらいいと思う?」
と、聞いた。
 すると、A男は、初めて自分から「B子に謝ってくる」と言うのです。
 私は「そう、自分から謝るんだ。えらいね」とA男の自己決定を励ましてあげました。
 教師の思いと子どもの思いが違うときは
「どうしたの?」
「どうしたかったの?」
と、まず話を聞いてあげて、共感する。
「大変だったね」と、いうふうに感情を受け入れてあげると子どもの心が満足する。
子どもは、共感してもらうと、安心感で心を開いてくれる。
そして、その後、教師が
「先生は〇〇してほしいと思っているよ」
「先生は〇〇と考えるよ」
と、教師からの「私メッセージ」を伝えます。
そして、子どもに
「どうしたいの?」
「どうするの?」
と、最後の決定は本人にさせる。
こういう対話が教師に求められているのではないかと思うのです。  
(5)
子どもが感情的になっていると思ったときは、子どもがクールダウンしてから話を聞くようにする
 教師も自分が感情的になっているなあと思ったときには、子どもとの対話や、指導はできるだけ避けるべきです。
2 子どもとの個人面談
 面接週間を設け、1日に2人か3人くらい私と一対一で面談します。「どう? 最近おもしろいことない?」と、たわいのないやりとりですが、子どもは面談した後、とても落ち着きます。
 子ども一人ひとりと教師が相対することで、子どもに先生を独占できたという満足感や安心感を与え、教師への信頼感を育てていきます。
3 交換ノート
 小学校高学年になると、子どもはなかなか自分の内面を出さないし、しゃべらなくなります。実際には悩んでいたりするので、教師とノートを交換します。
 ノートを一人一冊もたせ、クラスを半分に分け、交互に提出させます。子どもが書いたことは絶対他人には漏らさない、教師が全員にひと言、コメントをつけて返す、というものです。
 毎日コメントを書き続けることは大変ですが、その積み重ねが子どもたちとの太いパイプになってつながっていくのです。
(
斎藤 修:1953年福島県生まれ、元千葉県公立小学校教師、全国生活指導研究協議会常任委員)

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教師は「人好き」でなくては勤まらない、子どもになめられる教師の特徴とは

 教師の仕事はその人のパーソナリティ(持ち味、個性、人柄)の表現である。教育の知識があっても、現実的に教育行為に表現していかないと、教育にならない。
 教師は人に接する職業であるから「人好き」でなくては勤まらない。教えてさえいればよいというものではない。
 では、どういう教師が「人好き」の教師か。それは「自分を受け入れている教師」である。
 教師は自分が教師であることを受け入れて、教師であることをエンジョイしなければならない。
 自分はしがない教師であるとか、教師にしか向かない人間であるとか、自己否定的な態度では、子どもを受け入れ、子どもとともに人生を過ごす喜びが得られない。
 教職員相談室にある小学校の女教師が来て「どうも子どもが好きになれない」と打ち明けた。にこやかな態度で接しているので問題は今のところおこらないが、このにこやかさは営業用の微笑である。
 家に帰るとぐったり疲れている自分に気づきだした。「本当は高校教師になりたかったのですが、小学校にまわされてしまったものですから」と言う。
 小学生が好きになれないのは、この女教師のなかにある「子ども心」を嫌悪しているからである。
 ふざけたり、甘えたり、笑ったり、遊んだりしたいのが「子ども心」であるが、彼女自身にこういう心を解放することを自ら抑制しているのである。
 自分の「子ども心」を許容できない教師は自分が「よい子」「申し分ない子」であろうとしすぎているのである。人から悪く思われたくないからである。
 状況に応じて自由に「子ども心」を出し入れする「大人心」を必要とするのである。
 子どもに接する教師は自分のなかの子ども心を許容し、エンジョイできなければならない。
 教師は覇気、ガッツがなければならない。
「子どもになめられて授業ができない」など相談にやって来る教師で、スポーツのできる人に出会ったことがない。
 こういう人の特徴は青年らしさがないことである。私は処方箋の一つとして、攻撃性を外向化できるスポーツをすすめている。
 水泳とかのように単独プレイより、剣道とか野球とか、相手に攻撃性をぶっつけるスポーツをすすめることにしている。
 スポーツにおける攻撃性は、憎悪のない攻撃性である。ゆえにスポーツマンの教師であれと、私はいいたいのである。
 人間はやさしさや、愛だけでは生きていけない。そういう母性のほかに父性つまり粉砕精神を必要とする。今日の教師にはこれが欠けているように思う。
(
國分康孝:1930年大阪府生まれ、 東京理科大学教授、 筑波大学教授、東京成徳大学副学長などを歴任。日本カウンセリング学会会長、日本産業カウンセラー協会副会長などを歴任し、日本教育カウンセラー協会会長。構成的グループエンカウンターを開発した)


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初対面で相手の心をつかむにはどうすればよいか

 初対面の人と話すのはだれだって気が重いものだ。勇気のいることでもある。
 でも、思い切って声をかけてみると、案外、楽しい人だったりすることもある。もちろん、イヤな顔をされることもある。
 そうした経験を積んでいくうちに「人とは話してみるものだ」と、会話の楽しさを実感できるようになる。
 自分のことをとらわれていたり、思い込みが強かったりすると、人の話は聞けなくなる。頭と心をやわらかくして、人の話を聞きとる力を磨くようにするとよい。
 そうすることで、相手に応じた臨機応変な会話ができるようになる。会話上手な人は、やわらかな心の持ち主なのである。会話が変わればあなたが変わる。
1 会話上手の第一歩は
(1)
新鮮で相手に合う話題を選ぶ
(2)
相手や場の状況を読みとる
 好悪の感情、思い込み、早合点すると、きまずい雰囲気になる。先入観にとらわれない。
(3)
相手に応じて出方を変える
 自分が話したいことばかりしゃべると、相手が退屈する。話しながら相手の反応をキッャチすることだ。
(4)
話は相手なりの受けとり方をする
 自分の言ったことは、相手も同じように受けとるものと思い込みがちであるが、そうではない。
(5)
話の結果を気にしない
 結果を気にするのは自分にとらわれているためである。会話上手な人が輝いてみえるのは、自分にとらわれないで、生き生きと話しているからである。
2 初対面で相手の心をつかむ話し方は
(1)
笑顔は魅力がある
 目から入る印象は強いインパクトを受ける。明るい表情で笑顔を見せる人には親しみを覚える。
(2)
アイ・コンタクトで相手の心をつかむ
 目は口ほどにものを言います。笑顔を向けながら、相手と目を合わせ、目を止めて相手を見る。すぐ目をそらさないことと、圧迫感を与えないよう三秒以上見ないこと。
 相手よりも先に目をそらさないようにし、一秒長く見ること。
(3)
あいさつは相手を変える力がある
 先手の声かけは「人の心をつかむ」力を持っているのだ。先手での働きかけは、人の心をリードする作用がある。
 正直に自分を見せ、共通の関心ごとを見つけると、会話に灯がともる。
3 会話がはずむコミュニケーションの条件は
(1)
会話のキャッチボールを心がける
 自分ばかりしゃべらない。自分のことばかり話題にしない。相手の反応に気を配る。
(2)
同じ背丈でのやりとりが大事
 威張った態度で話をしない。説教口調にならないこと。押しつけでなく、エピソードを交えたりして、きずなを強めていきたい。
(3)
敬語を使うと、年齢差を埋めてくれる
 敬語は対等に話す言葉である。会話のやりとりもスムーズいく。
(4)
相手との心の距離をとる
 立ち入ったせんさく、干渉はしない。近づきすぎると心が傷つく、距離を置き過ぎると心がふれ合わない。工夫し知恵を絞らなければならない。
4 人間関係を修復するための原則とは
 人間関係を修復するために、相手が態度を変えてくれたらと、まず相手に求める人が多い。これでは、一向に関係はよくならない。
 関係修復のために「自分に何ができるか」「自分は何をすべきか」と、考えて、自分からできることを実行に移すのが先決である。
 人間関係の原則は「あなたが変われば相手も変わる」である。きっかけづくりに新しいことを始めてみるのもよい。
(
福田 健:ヤマト運輸入社、言論科学振興協会の話し方運動に参加し理事を経て、話し方研究所を設立し会長。話し方、聞き方の指導・研究・啓蒙にあたり、コミュニケーション・リーダーシップ、人間関係などをテーマに各企業・官公庁で講演・講座活動を行っている)

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担任になったとき、子どもや保護者とつながるためには、どうすればよいか

〇学級担任が子どもとつながる
 学級担任になったとき、私が一番大事にしているのは始業式の日です。そのとき、子どもたちが先生に対してどんな印象を持ってくれたか、これがとても大事だと思うのです。
 どの親も、子どもが家に帰って来ると、必ず「どんな先生?」と聞きます。
 そのとき「おもしろい先生だよ」「今年は何とかがんばれそう」そんなふうに子どもが答えてくれると、親も安心し、その後のつながりもうまくいきます。
 そのために、私は始業式の日に、学級開きの時間を取りたいと思っています。それで、各教科の教科書すべてと健康診断書などの書類を一セット揃え、一人ひとりの机の上に置いておきます。
 そうすることで、30分くらいですが、学級開きの時間を確保することができます。
 学級開きの準備のために、私は指導要録を見ておきます。
 学級開きのプログラムは
1 子どもたち一人ひとりの呼名
 私は必ず一人ひとりに言葉をかけます。
「〇〇くんは、運動会のリレーで頑張ったんだってね」
「〇〇さんは、図工が得意なんだってね」
 そういう、ひと言メッセージの情報源は指導要録です。子どものいいところがいっぱい書いてあります。それを見て名簿にメモしておくと、一人ひとりに声をかける材料に困りません。
「みんなのいいところをこんなに知っているよ!」というメッセージになります。そうすることで、子どもたちとの最初のいい出会いをつくることになります。
 子どもは、自分のことを知ろうとしてくれる先生が大好きです。
2 教師の紹介
 教師の価値観を必ず紙に書いて、子どもに伝えます。私の場合
「先生はこういうときにほめる先生なんだよ」と、次のような内容を伝えます。
(1)
つらいことでもくじけず、最後までがんばったとき
(2)
友だちのためにがまんできたとき
(3)
友だちにやさしくできたとき
(4)
みんなの前で、自分の考えをしっかり発表できたとき
「先生が叱るとき」次の内容を伝えます。
(1)
物をかくしたとき
(2)
友だちの失敗やまちがいを笑ったとき
(3)
仕事や学習でなまけ心に負けて、さぼったとき
(4)
友だちをたたいたり、悪口を言って悲しませたとき
これは、最初の日に言うから、子どもたちの心に残るのです。これらはやがて、学級づくりの柱になっていきます。
3 教師からのメッセージ
4 楽しいゲーム
 教師がリーダーになって遊びをリードすることで、遊びを伝え、遊び方を教える機会にもなります。
 それくらいで、あっという間に30分が過ぎてしまいます。
〇保護者とつながるために、親の声を聞く
 保護者は、自分の子どもを大事にしてほしい。何よりわが子のことを知ってほしいという強い願いを抱いています。
 そこで私は始業式から三日目くらいに、親の声を聞くために、次のような用紙を保護者に渡します。
「子どもの指導は、一人ひとりのことを知ることから始ります。そこで、お子さんのことについて、できる範囲で情報を頂ければと思います」
「よいところ、印象に残っている出来事(喜び、大変だったこと、病気などで心配したこと)、こんな指導をしてほしいこと」
を、書いてもらうようお願いします。びっくりするほど親は書いてくれます。
〇子どもが起こした事実からルールをつくっていく
 私の場合は、ルールは強制するのではなく、子どもが起こす事実からルールをつくっていくというのが原則です。
 子どもたちが生活していく上で実際に体験した困ったことをルールにしていくのです。
 もう一つ大切なことは、クラスの子の半数以上が賛成すれば、ルールを変えることができるようにすることです。
〇ゲームを楽しめる心をつくる
 ゲームは最初、子どもたちはなかなか楽しめない。負けるといじける、すねる、泣く、ズルする、ズルした子を攻撃する、などトラブルが起きてしまいます。
 私は、すきまの時間を使って、子どもたちにゲームをしてあげます。そのとき必ず約束をします。
教師「これからゲームをするけど、負けてもすねたり、いじけたり、泣いたりしない?」
教師「ズルはしない?」
子ども「しない!」
 そういう約束をして、ルールやマナーを教えながら、教師がリーダーになって楽しいことを積み重ねていきます。
 教師がゲームを通して身体を開け、自分のリーダー性を鍛えていくことは大切なことです。
 例えば、ジャンケンゲームは、子どもたちの目を教師に集中させることができます。なぞなぞを出して、答えを班で相談させたりすれば、班会議の練習にもなります。
〇子どもと遊び、子どもを理解していく
 子ども一人ひとりの変化と子ども同士の変化をじっくりと見ていく必要を感じています。
 子どもは授業中と休み時間とで、関係性が大きく変化します。子ども理解のため、4月にじっくりと子ども同士の関係を観察します。 
 休み時間の子どもの様子を、子どもたちと一緒に遊びながら観察します。遊びをリードしている子、孤立しがちな子、一緒に行動している子などを発見していくのです。
 もう一度、意識的に子どもと遊ぶ時期は、夏休み明けの9月です。夏休み明けというのは、子どもが変化する時期だからです。
〇困ったときは、周りの子どもたちに聞く
 特に重い課題を持っている子がいて、対応に困り果てたときなどは、周りの子に聞くとよい。子どもたちは幼稚園から一緒ですから、友だちのことはよく知っています。
〇早めに家庭訪問する
 課題を抱えている子に気がついたら、早めに家庭訪問をして親とつながるとよい。
 親から話を聞くことで、子どもの別な一面が見えて、その子との出会い直しができます。
 親の子育てをねぎらいながら、この子をどうしたいと思っているのか、その願いを聞きながら、いっしょに子どもの課題に取り組んでいく、そういうことが大切かなと思います。
(
斎藤 修:1953年福島県生まれ、元千葉県公立小学校教師、全国生活指導研究協議会常任委員)

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子どもたちから、なめられずに信頼を得るにはどうすればよいか

 教師と子どもは、人間として対等な横の関係にありますが、同時に、指導する者と教わる者という、縦の関係でもあります。
 子どもと横の関係のみでとどまってしまえば、教師は指導性を発揮しにくくなり、ときには、なめられたりして、なれあい関係になってしまいます。
 そうかといって、縦の関係を強調しようとすると、子どもとの親しい関係は崩れ、子どもは教師に心を閉ざしてしまいます。
 「厳しくしたら、きらわれた。やさしくしたら、なめられた。もうどうしたらよいか、わからない」と、教師から相談を受けたことがあります。
 この課題に適切に対応する力量こそが、教師の指導力の源になるのです。
 親しい関係を基盤としつつ、教師の指導性を十分に発揮するにはどうすればよいのでしょうか。ポイントとなるのが「教師役割の魅力」です。
「教師役割の魅力」とは、専門性に基づく「教え方のうまさ」や、子どもに関わったり、教えたりするときの「教師の熱意」などです。
 こうした「教師役割の魅力」を伝えると、子どもたちは教師に信頼を抱くようになります。
「教え方のうまさ」で大事なポイントは、最初は教師の指示でやらされていると感じていた取り組みでも「知らないうちに熱中していた」と子どもが感じられるように展開を仕向けることです。
 さらに、取り組んだ後に、子どもがその取り組みの必要性や重要性を感じ「やってよかった」「みんなと関わったり、一緒に学習するおもしろさがわかった」と思うことができれば、次の時間からは自ら取り組むようになるのです。
「教師の熱意」で大事なポイントは「きみの将来のためには必要なんだから頑張れ」という一本気な熱心さだけでは不十分であるということです。
 取り組みの前に、その取り組みの必要性について子どもが納得するように十分に説明することで、教師の熱意が子どもに伝わるのです。 
 日常の関わりのなかで「先生のいう通りに試したらうまくいった」という体験を積み重ねていくことで、子どもたちは教師に対する信頼感を高めていきます。
「教師役割の魅力」を伝える際に重要なポイントは
(1)
教師のことばと行動を一致させる
 子どもは教師の言行不一致に敏感に反応します。ささいなことで信頼を失うこともあります。教師は常に自らの言行を一致させて誠実に接することが必要です。
 子どもたちは守るべきルールが定まっていることで居心地がよくなります。
 まずは「教師が言ったことは守る先生だ」と子どもたちにモデルを見せることで信頼関係を築き、子どもたちもルールを守るようになっていくのです。
 指導するときは、その理由は具体例をあげながら話します。
(2)
授業中と休み時間とでは、けじめをつける
 子どもは、教師と私的な会話をすることで親近感をもつようになります。しかし、授業中も同じような口調で話をすると、わがままが通ると勘違いしてしまいます。
 授業中は「さん、くん」付けで呼んだり、ていねい語で指示を出したりします。言葉づかいを変え、一定のルールに従って行動するけじめを教えることで、子どもと良好な関係を築くことができます。
(3)
子どもの話をよく聴く
 子どもは教師の話を聴いてもらうのが大好きです。
 子どもは教師が自分の話をきちんと聴いてくれると満足し「自分のことをわかってくれる先生」と教師に信頼を寄せるようになります。
 子どもは自分の話を聴いてくれているかに、とても敏感です。手を止め、視線を合わせ、やさしくうなずきながら聴きます。それだけで子どもは安心できるのです。
 どんなに忙しくても教師は手を止め、子どもの話をきちんと聴くことが大切です。
(4)
教師の経験にねざした考えや思いを率直に話す
 子どもたちが「どうして学校に来なくちゃいけないの?」といった学ぶことの意味など本質的な質問することがあります。
 このような問いに、教師がどう向き合い、どう答えてくれるか教師の真価を試すような意味が含まれています。
 子どもたちが聞きたいのは、一般論や損得の話ではありません。教師の人生観など、教師の経験や価値観などの考えや思いを聴きたいのです。
 自分なりの考えを率直に話し、教師の一貫した対応は、子どもたちからの信頼感を得ることにもつながっていきます。
(5)
指示や命令よりも質問形式で行動をうながす
 教師は新学期などの忙しい時は「あれをしなさい」「これをしてはいけない」と指示や命令で子どもを動かそうとしがちです。
 最初のうちは従いますが、だんだんと聞き流しはじめ、従わなくなります。
 指示を出すときは、質問形式で「こうしてみたら、どうかな?」と、望ましい行動をうながすことが必要です。
 子どもはあまり抵抗を感じずに、教師の指示を受け入れ、自ら行動する意欲も高まるからです。
 指示は極力短くして要点だけを述べ、子どもからの発問をうながします。質問させることで、子どもは教師の指示を深く理解し、自発的に取り組む姿勢が生まれます。
(6)
選択肢を示して子どもに決めさせる
 教師は活動の意義や全体像を子どもに説明し、選択肢を示して、子どもに決めさせます。子どもが活動内容に興味を持ち、やってみようという気持ちを引き出すことが教師の役割です。
 こうして「自分で決めた」ことは責任をもってやり遂げる体験を積み重ねることで自信になり、教師への信頼感にもつながります。
(7)
日常活動におもしろさを示して、子どものやる気を引き出す
 そうじや給食活動などの当番活動は同じことのくり返しで、飽きマンネリになりがちです。
 単調になりがちな係活動や当番活動に対して、子どもが楽しく感じる要素を教師が工夫してプラスすることで、やってみようという活動意欲が高まります。
 
「やったら楽しかった」「みんなが喜んでくれた」と感じられるような評価活動を定期的に組み込みます。
 活動の目標を明確にして、期間を決めてポイントや賞を与えたりして、子どもの活動を認めて、やる気を引き出します。
(8)
教師に対する暴言は、冷静さを失わず自分の感情をコントロールする方法を身につけておく
 子どもの暴言に、教師は怒りの感情が出てしまい冷静に対処できないことがあります。
 教師は、冷静さを失わないように、自分の感情をコントロールする方法を身につけておく必要があります。
 例えば「今のひと言、へこんだなー」「これ以上は冷静に話せそうにないね。休み時間に相談室で話そう」と、その場でのやり取りを終了させ、場所と時間を変えて冷静に仕切りなおします。
(
河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学教育学部教授。15年間公立学校教諭を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)


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子どもたちとの関係がうまくいかない、クラスがまとまらないとき、どうすればよいでしょうか

 子どもたちとの関係がうまくいかない、クラスがまとまらずバラバラになってしまう、といった嘆きを教師からよく聞くようになりました。
 教師の子ども対応の仕方が少しずつズレるために、教師の思いや意図が子どもに伝わらず、子どもたちから反発され、クラスが荒れてしてしまう、といったケースが多いのです。
 子どもと良好な人間関係を形成するためには「教師の人間的な魅力」を子どもに伝えることが第一歩となることが調査結果でわかりました。どのようにすればよいのでしょうか。
1 子どもに親しみを感じてもらう
 担任が替わると「どんな先生だろう」と、子どもたちは教師を観察します。
 子どもたちとの関係づくりの第一歩は、親しみを感じてもらうことです。教師の表情や声のトーン、身ぶり、手ぶりなどが教師の印象を決定づけます。
 たとえば、笑顔で接する。子どもたちの話をおもしろがって聞く。いまできていることをほめる。といったように、おだやかな表情で接し、子どもたちに親近感や受容感をもたせることが大切です。
 子どもたちは、教師の表情や感情に敏感に反応します。教師が「感動した」「うれしい」「楽しい」と率直に表現してみましょう。
 教師がプラスの感情を全身で表現するとクラス全体の雰囲気がなごみ、自然と笑顔があふれます。子どもの笑顔が多いと、子どもとの関係は良好であるといえます。
 子どもと話すことを楽しむ
 子どもと話す時間をつくり(例:2時間目の休憩時間や放課後)、教師が子どもとの会話を楽しむことが大切です。声かけが特定の子どもやグループばかりにならないように配慮します。
 子どもたちの話題に興味を持ち、話しかけることで、教師が子どもたちのことを知り、理解する。
 逆に、子どもたちにとっては、教師の人間的な魅力に気づき、親しみを感じる機会となります。
3 教師の思いや経験などを率直に話し、自己開示する
 教師がいつも「○○してはいけない」「○○すべきだ」と「正しさ」ばかりを強調すると、子どもは堅苦しさを感じ、常に行動を評価されている気分になります。
 子どもと話をするとき、教師という役割を脇におき、ひとりの人間として、自分の思いや感情、失敗して何を学んだかなどを伝えましょう。
 教師が、自分たちと同じ失敗や挫折を経験してきたことが、子どもたちに伝わります。その結果、子どもたちは教師に人間的な親近感をもつようになり、子どもと良好な関係を築くことにつながります。
 子どもを指導するときにも「先生は○○だと思う」と、意見を率直に話すと、子どもは指導を受け入れやすくなります。
 教師の方から子どもの名前を呼んであいさつをする
 今の子どもは他者から拒否されることを過剰に心配しています。あいさつは人と人が関わるきっかけになります。
 そこで、教師の方から子どもたちにあいさつをし、変化に気づいたらひと言、加えてみましょう。「あなたのことを気にかけている」というメッセージが伝わり、子どもたちは安心して教師との関係がつくれます。
 たとえ、子どもから返事がなくても、毎日続けることが大切で、積み重ねが信頼関係の基盤となっていきます。
 子どものがんばりを認める
 子どもは自分の存在を教師に認められたいと思っています。
 その子なりに、頑張ったプロセスや小さなことでも成果を見逃さず「見ていたよ」「知っているよ」と、具体的に一人ひとりの子どもに、さりげなくほめ言葉をかけます。
 教師がどう感じたかを「わたしメッセージ」で伝えます。教師が感情を率直に表現すると、子どもたちとの心の距離が縮まります。
 会話を楽しみ、ユーモアを大切にする
 授業中の規律など、けじめをつけることは大切です。しかし、教師がいつでもまじめな態度で接していると、クラスが堅苦しい雰囲気になってしまいます。
 そこで、子どもと他愛のない会話を楽しみ、ユーモアを織り交ぜて、適度にメリハリをつけます。
 ユーモアは、教師がひとりの人間として「私はあなたを攻撃しませんよ」というメッセージでもあります。
 子どもたちは教師に親近感をもつようになり、教師と子どものあいだに良好な関係をつくることができます。
(河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学総合科学学術院教授。15年間公立学校教諭・教育相談員を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)

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子どもが素直になる、私のやり方とは

 子どもは、自分が愛されていると感じると、素直に言うことを聞いてくれるものです。愛されていると感じるのはどのようなときでしょうか。
 たとえば、間違ったりミスしたとき、そっと助けてくれたり、励ましてくれたりしたときに「愛されている」と感じませんか。「先生がついている、大丈夫」と言って、わかるように教えてあげましょう。
 子どもが困っているときには、さっと、そっと、フォローしてあげましょう。そうしているうちに、子どもは素直に言うことを聞いてくれるようになるものです。
 すぐに、結果は求めなくていいのです。いつか誠意は伝わります。指導技術はいつか身につきます。
 若い教師はワザがなくて当然です。でも、自分はその子に何ができるだろう、という気持ちがあれば、子どもに共感したり、よりそったりすることが、だんだん具体的にできるようになっていきます。
 たとえば、子どもが転んだとき、気持ちさえあれば、子どもを見ていて、その子に手を貸したほうがいいのか、今は自分で立たせたほうがその子にとっていいのか、見えてくるようになるし、とっさの反応もできるようになっていきます。
 子どもたち一人ひとりに、自分は何ができるか考えましょう。それが、結果的に、クラスが素直に変わっていくことにつながっていきます。
(1)
あたりまえのことこそ、ほめよう
 「できてあたりまえ」という考え方を変えよう。発想を変えると、教師の見方が劇的に変わります。
 たとえば、子どもたちが作文を書いたとき、ほめることがむつかしい作文でも「書いたことをほめる」「題をつけたことをほめる」「名前を書き忘れなかったことをほめる」など、子どものやることすべて、ほめることろがあります。
(2)
子どものよいところだけを見る
 よいところが1%しかない、子どももいます。子どもたちのほんのわずかなよさを見つけることが大切です。
 あとは、見て見ぬふりをして、育ってくるまで、ほうっておきます。育ってくると、子ども自身で弱点を克服するからです。
 子どもは欠点を指摘されると「うるさいなー」「わかっているよ」「しつこいな」と、反発や落ち込みを招くなど、いいことはほとんどありません。
 しかし、子どもの1%でも、よいところを見つけてもらい、ほめられると、
「そうかな」「先生、ほめてくれる」
と、子どもが少しずつ変わっていき、心を開くようになります。
 心を開かないと、その先の指導には進めません。
 一番変わるのは教師自身です。「こんないいところがあったんだ」と気づくようになります。
 教師がいつもニコニコするようになりますから、子どもは安心します。「先生が変わった」と、教師の努力を感じるのです。
 できない子はいない。子どもができるように、ステップを細かくしてあげてください。細かなステップを必要とする子がいるだけだ。その子に合わせて「次の一手」を打ってみよう。 
(3)
子どもの心のコップを愛で満たそう
 「いくらやっても、子どもがかわらない」それは、心のコップが愛で満たされていないからです。
 愛された経験がないので、拒否するのです。教師の愛が本当かどうかを何度も試します。子どもの否定的な反応は、すべて「お試し」なのです。 
 
「この先生は違う」と子どもが思うようになるまで、ひたすら、愛を注いでください。
 子どもの心のコップを愛で満たしてください。愛が満ちると、うそのように問題がなくなります。
(4)
問題が起きたときが、チャンス
 クラスでは、いろいろな問題が起こります。「またか」「子どもが悪い」と相手のせいにしている限り、状況は変わらないと思います。
 ピンチはチャンスです。問題はステップアップのためにくるのです。私は毎日、鏡を見ながら3年間、言い続けました。
 
「困ったときが、チャンス」と、自分を思い込ませることが大切なんですね。
 
「困った!」と思ったときが、成長のチャンスです。「できていない」ということは、ものすごく伸びしろがある証拠。逆転の発想でピンチをチャンスに変えよう。
(
杉渕鉄良:1959年東京生まれ、東京都の小学校教師。「教育の鉄人」と呼ばれる実践家、子どもを伸ばす為に命をかける熱血教師。ユニット授業研究会代表。その実践スタイルは全国の教師、保護者から支持を受ける。2003年夏、日経スペシャル「ガイアの夜明け」に出演。PHP「VOICE」や、経済誌「プレジデント」での教育シリーズに取り上げられ、各方面からの注目も高い。ユニット授業、10マス計算、表現読み、指名なし発言など、子どもの可能性を引き出すため、さまざまな工夫を凝らした教育実践を行っている)

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担任とつながりにくいグループや子どもがいるとき、どのように人間関係を築いていけばよいのでしょうか

 担任に何かと反抗的な態度や後ろ向きな姿勢を見せる子は「困った子やなぁ」と、思っていませんか。
 教師から見て「困った子」は、実はさまざまな「困っている」ことを抱かえている子どもです。
 家庭内で問題を抱かえているかもしれません。友だちや学習のことで悩みを持っているのかもしれません。
 子どもは誰しも「認めてほしい」「わかってほしい」という気持ちを持っています。
 一見、その逆のような問題行動をとるのは「わかってほしい」という合図かもしれないし「この先生は味方か敵か」ということを見ているのだともいえます。
 したがって「つながりにくい」子どもとの関係づくりには、まず「先生はあなたの味方だよ」というメッセージを発信することが求められます。
 そのためには「つながりにくい」子どもと「素でいられる関係」を求めながら、逆の言動をとる背景をしっかり見極めるということが大切です。決して表に表れた言動だけで「○○な子ども」だと判断しないことです。
 こうした行動をとる子どもの多くは自分に自信がなかったり、自分を好きになれないのです。でも「注目されたい」という気持ちが、問題行動をとらせているのだとも言えます。
 人間関係づくりには「いいところ」を見つけることが欠かせません。とりわけ「つながりにくい」子どもたちに対しては、その子の「いいところ」を見つけることが重要になります。
 それまでの「やっかいな子やなぁ」という見方を捨て「いいところを見つけよう」という気持ちで見つめ直せば、必ず「いいところ」は見いだせます。
 見つかったら、その子との人間関係づくりは半分以上、うまくいっているといっても過言ではありません。
 
「後ろ向きな発言」「反動的な言動」の多い子には、何でもない時に雑談をたくさんすることが大切です。
 話す言葉がみつからない時でも、目で「きみのことを気にかけているよ」というシグナルは送ることはできます。目を合わせ微笑むことです。目線をはずしても、気にせずそれを続けることが大切です。
 そして、言葉かけやアイコンタクトができるようになれば、なにげなく「いいところ」をほめるのです。
「すごいなァ」「頑張ってるやん」「期待してるよ」など、認めていることが伝われば、しだいに子どもたちも変わり、人間関係も変わっていくはずです。
 学級の中には、女子のグループなど、いくつかのグループがあると思います。グループの存在が学級づくりに困難をもたらすこともあります。
 グループに属して、学級での「居場所」を求めているのです。その多くが腰かけ的なグループです。
 かりそめなグループだからこそ「一体感」を示すために、グループ内の誰かが、教師とうまくいかなくなるとグループ全体で教師に反抗して見せるのです。
 他のグループの悪口を言い合うのも「一体感」を維持しようとするからです。
 グループの存在は学級づくりをさまたげるとネガティブに考えてしまうことがあります。グループを解散させてやろうとすると、余計に団結させてしまうことになりかねません。
 むしろ「グループはできて当然」だと考えることが大切です。
 担任とうまくつながれていないグループがあったとしても、グループを解散させようとしたり、グループを分断しようとしたりすることはつつしむべきです。
 むしろ、グループの存在はそのままにして、そのメンバーの一人ひとりと、しっかりつながることが、学級づくりにつなげる道だと言えます。
「あのグループ」というように扱うのではなく、その一人ひとりの声に耳を傾け、悩みを聞き、相談にのるということこそが肝心です。
(
磯野雅治:1947年京都市生まれ、大阪府公立中学校教師。2008年定年退職。学級づくり交流センターるるる塾を主宰) 

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一筋縄ではいかない生徒とつきあうには、どうすればよいか

 中学生も大物になると教師を教師とも思わない生徒がすくなくない。
 しかし、これが自分のクラスの生徒となると、文句ばかり言っていられない。何よりも担任は彼らの味方という立場にならざるを得ない。
 さて、私は彼らとの付き合いの段階を三つの段階に分けてみている。
(1)
彼らが担任の私と全く会話が成立しない状態
 問題がある生徒は、はなから教師を疑っている。ほとんど信用していない。教師の話を聞かなければならないという前提がない。
 この状態では担任はお手上げである。まず会話が通じるようにするしかない。
 まずやることは、必ず声をかけるということだ。廊下をすれちがうときに、黙って通り過ぎてはいけない。必ず何らかのアクションをかける。
 少しぱかりでも耳を傾けてくれるというのであれば、これは脈がある。
 一ヶ月もアプローチしていると少しずつ関係ができてくるから不思議だ。問題がある生徒も生身の人間なのだと思う。
(2)
本人と担任の関係ができてくれば、時にはこちらのペースで話を進めることができる
 学校は、事務的なことなど、本人の確認や了解を取らねばならないことが少なくない。そのため一対一で話す必要があるのだ。
 彼らの本音を引き出す場合、学校では難しいことが多い。ドロップアウトしたい生徒は学校に対して身構えているのだ。
 私は、頃合いを見つけて放課後、学校の外で話をする。喫茶店やファミレスなどでジュースなどをご馳走する。
 そうすると、威圧的な態度をとっていた生徒が軟化し、対等のようになって本音を引き出せることが多い。
 私も本音をいう。誠意を示さなければならない。そこが一番重要だ。
 他の客がいる手前、彼らは暴れたり大声を出したりはまずしない。そういう場の設定も重要である。
 これは一対一という条件で一度だけ行う。
(3)
学校の秩序の中で行動できる状態
 指導するチャンスだ。時には強気に出ることも可能だ。
 くり返すが、重要なことは彼らとの関係作りである。一筋縄ではいかない生徒の多くは人間不信である。 
 親との不和や、教師や仲間との関係不全が原因となっている。彼らと付き合うときに殺し文句のようなものは役立たないと思う。一つの言葉や方法で解決するということはないのだ。
 むしろ大切なことは、時間はかかるが、彼らとの関係作りである。少しでも話を聞いてやろうと彼らが軟化したりするようにもっていくことが大切なのだと思う。
(
徳永忠雄:1952年生まれ、元千葉県公立中学校教師)

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