カテゴリー「教師に必要とされる能力」の記事

楽しい魅力ある教室をつくるためには、教師であるあなたが魅力いっぱいに

「子どもたちが変わってきた」
「子どもたちがわからなくなってきた」
「低学年を担任しても、今までの経験ではどうもうまくいかない」
 といった声をききます。
 現代の子どもたちにとって、楽しい学校、魅力ある教室をつくることは、教育の大切な課題といえます。
 そのためにまず、先生であるあなた自身が、子どもたちの前で魅力いっぱいに活躍してください。
 先生がまず学級のリーダーになって楽しい教室のムードづくりを。
 教室の主人公はもちろん子どもたちですが、そのリーダーはあなた。
 むかしのガキ大将になったつもりで、子どもたちの中にとびこんでいきましょう。
 それには、まずあなたが変身を。
 子どもたちに人気の先生像は「たのしい先生」「やさしい先生」です。
 あそびは子どもの生活と学習を活発に刺激して、学習効果もあがります。
 なにより、あそび名人の先生はすてきです。
 ゲーム指導のコツとポイントは、
1 ゲームをするときは、子どもたちをよく見ること
 ゲームにとりくむときに、気をつけることは
(1) 子どもを生き生きと活動させるのが目的です。
(2) のってこない子に、「やりなさい!」と強制しないこと。
  この場合ははやめにきりあげるように。
(3) 調子の悪い子どももいるので、子どもの状態をよく見てください。
2 ゲーム指導のコツ
(1) まず指導者がたのしく
  教えるのではなく、たのしさを感染させる。
(2) 練習はおこたりなく
  やり方をよく知り、ひそかに練習を。
(3) 臨機応変に
  その場の雰囲気に応じて変化させる。
3 うまくやるポイントは
(1) 子どもたちを見回せるゆとりを持とう
  きょうはどの手でせめてやろうか?
(2) オーバーアクションをやれる演技力をつけよう
(3) はずかしがらないで
(4) さっときりあげるタイミングが肝心
(奥田靖二:元東京都公立小学校教師、子どもの文化研究所員、新しい絵の会会員、マジックの腕もプロ級)

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教師になりたい学生や、若い教師に知っておいてもらいたいこと

 将来教師になりたいと考えている高校生や大学生、それから教師になって5年目までの先生方に理解してもらいたいこととは何か。
 池田 修京都橘大学教授は大学教員になる前、約20年間中学校で国語科の教師をしてきました。
 教育の現場でやってきた事実と、アカデミックな理論・哲学の両方の視点が必要だということです。
 一般的に、現場の先生が書かれた本を読むと、どうしても「教育の方法のみのHow to本」になってしまう傾向があります。
 しかし、どうしてそのHow toが必要なのかということ、つまり「その背景にある教育の理論や哲学といったものを考えなければならない」と池田教授は思うのです。
 池田教授が中学校教師になった頃は、教育の指導技術というのは、いわゆる名人芸でした。
 それがこの後何十年間に、指導方法がかなり整理されてきて、今日では、「こうすれば教師になれる」というようにマニュアル化されてしまいました。
 しかし、本来そうしたマニュアルの背景には、「このような目的を達成するため」という指導者の理論や哲学があるはずです。
 指導の技術を通して教育の哲学と理論を考えていってもらいたいと池田教授は伝えたかったのです。
 日頃、
大学で教えていて感じるのは、技術を習得すれば指導ができると学生達は勘違いしてしまうことです。
 本当なら、そこから教育の哲学を考えていかなければならないのです。
 例えば、黒板に字を書く時には、注意の6割を生徒に、4割を黒板に向けるという6:4の法則があります。
 学生たちはこの法則を教わってなるほどと思うのですが、6:4の構えを型どおりに実践することのみに気を取られ、これが子どもに伝え、理解させるための方法だということがわからないんですね。
 そもそもテクニックは何のためにあるかが抜け落ちてしまっているのです。テクニックやマニュアルの根本的な哲学を考える必要性を痛感しています。
 普通、教師になって3年ぐらいで、自分の教育スタイルがだいたい決まってしまいます。
 それ以降は一国一城の主となり、他者の意見を聞かなくなってしまいがちです。
 ですから、合格をゴールとするのではなく、新卒5年目ぐらいまでは懸命に勉強すべきなのです。
 池田教授の本の読者から頂いた感想によると、この本が自分の教育を考え直すきっかけになったという先生もいます。
 一校目の赴任地で教師スタイルが決まってしまうので、若い先生はどんどん学校を変わった方がよいと私は思います。
 校風というのは、それぞれの学校によって全く異なるものですからね。
 教師を目指している学生には、もっとたくさん本を読んでほしいものです。
 そうすると、「どんな本を読んだらいいですか?」と質問する学生が多くいますが、これは本を読んでいないことを意味するのですよ。
 100冊読めば、本の方から「次はこれを読んで」と言うはずです。
 文章を通して内容を豊かに想像することができるので、活字本をたくさん読むことが望ましいです。
 こうして本をたくさん読むことによって、雑学が身につきます。
 特に小学校・中学校教育においては、雑学はとても大切です。
 教師は、教えたいテーマの周辺に雑談を織り込むことをよくします。
 これにより、子どもたちはストーリーとして記憶し、学習していきます。
 この雑談ができるようになるためには、雑学が必要なのです。
 色々と読んでいったら1年間に軽く100冊は超えますよ。
 それから、色々な先生の授業をその先生の立場で見てほしいと思います。
 池田教授は「視座の転換」というものを求めています。
 子どもたちの側と、先生の視点・立場で物事を見なさいということです。
 池田教授は、大学の恩師から「授業は、子どもの事実から作るもんだ」と指導されてきました。
 子どもの事実とは、子どもの興味や要求や学力のレベルなどだと思っています。
 そこから、授業を作っていく問題解決型の授業づくりをしていただきたい。
 教師の視点で見る例をあげると、
 池田教授の受け持つある講義では「100人の子どもを引率して○○に行く」という実踏計画(実地踏査の計画)を学生に立てさせています。
 まず計画を立て、実際に現地に行って調べ、さらに計画を書き直すということをしています。
 学生は現地調査で、大人数の子どもを引き連れて信号を一度に渡れないことや、全員集合できる場所の確保の難しさなどを思い知ります。
 これによって、教師の視点というものを多少なりとも持てるようになると思います。
(池田 修:京都橘大学教授。東京都公立中学校教師を経て現職。「国語科を実技教科にしたい、学級を楽しくしたい」をキーワードに研究。 恐怖を刺激する学習ではなく、子どもの興味を刺激し、その結果を構成する学びに着目している。全国教室ディベート連盟理事、京都で教育研究会「明日の教室」主催)

 

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教師に必要な資質として大事なものは何か

 教師に必要な資質として大事なものは何でしょうか。
 教師に必要な資質を考えるということは、自分なりに教師の理想像を抱くことを意味します。
 自分なりの理想像をふだんから意識しながら、それを自らの行動の指針として機能させることは私にはとても大切なことのように思えます。
 こうした問いに絶対に正しい答えなどありません。
 年齢を重ね、経験を重ねるうちに少しずつ考えが変わっていくことはあるでしょう。
 自分の成長にしたがって修正していけばよいのです。
 私は教師生活20年を超えましたが、教師に必要な資質として大事なものは、つぎの5つだと思います。
(1)いつも笑顔でいること
 あなたが教育技術をいくら学んだとしても、いつも笑顔でいること以上に威力を発揮することはありません。
 教師は子どもたちにとってモデルとして機能しています。
 いつも和やかにすごす子どもに育てたいと思うならば、他ならぬあなた自身が常に上機嫌でいることです。
(2)孤独に耐える力をもつこと
 教師も人間ですから、他人に嫌われまいという気持ちが働いてしまいます。
 それが生徒指導を甘くさせてしまったり、保護者に事なかれ主義で対応してしまうことにつながります。
 どれも「孤独に耐える力」の欠如に起因しているのです。
 教師は孤独に耐える力が必要なのだという意識を持っていると、具体的な場面で驚くほど対応が異なってくるものです。軽視してはいけません。
(3)無駄とわかっていることに取り組めること
 教師の一つの指導や取り組みによって、すぐに効果があらわれるわけではありません。
 しかし、そうした指導や取り組みを続けることでしか、成果はあがらないのです。
 生徒たちを変えたい、成長させたいと考えるならば「無駄とわかっていてもやり続ける」という覚悟が必要なのです。
(4)子どもといっしょに馬鹿げたことを一生懸命にやるのを楽しめること
 人はいっしょに笑った分だけ人間関係を築くことができます。
 学生時代の友人とのやりとりを思い浮かべれば合点がいくはずです。
 行事やレクレーションなどでは、生徒たちとともに楽しむ姿勢が必要です。
 馬鹿げた取り組みを何度もいっしょに行うことが、少しずつ大きな意味をもち始めることもあるのです。
(5)いつでも変われること
 教師は成長することが重要です。
 それでこそ生徒を教育する資格があるのです。
 成長とは自らを変えることです。
 実は、変化を怖れる人、現状維持にどっぷりとつかっている人は教師に向いていないのです。
 常に自らを変化させようとアンテナを高くする。
 何か現状を一歩でも進める方法はないかと常に考えている。
 そういう教師だけが生徒たちを導く資格があると私は考えています。
(堀 裕嗣:1966年北海道生まれ、札幌市立中学の国語科教師。92年、国語教育研究サークル「研究集団ことのは」を設立、道内の民間教育団体でつくる「教師力ブラッシュアップセミナー」の代表も務める)

 

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授業で、教師の話し言葉や教師の態度は、どのようにすればよいのでしょうか

「これは覚えなくてもよいいが、まあ言っておこう」「少し難しいことだが」など、言わないでもよいことを言うために、かえってわかりにくく興味を薄くすることが少なくない。
「アー」「ウーン」など用もない音声は用いないようにしたい。
 教師の動作が沈着であれば、子どもたちも黙って深く考えるものである。
 感化力とは、自分を磨き、成長させることで、まわりの人々によい影響を 与え、考え方や行動に変化をもたらす力です。感化力という偉大な効果は、言語を手がかりにしなければならない。
 言語は、教化を行うのに適している。
 古来、聖賢が教えを説くのに言語の力によるものが多いのは、感化力は言語だからである。
 われわれの舌によって第二の国民が作られることを思えば、人として肝要な武器である 言語は、これに比するものはない。
 言葉は流ちょうなのはよいが、相手が子どもであるから、わかりやすく、はっきりしていなければならない。
 教師の言葉は、活発と熱心で、その発音は怒気を含まず、悲壮を帯びず、要するに声高にして、聴覚しやすくすべきである。
 教師の言葉は「明晰」「生気」「品格」の三要素を必要とする。
 教師の言葉は「声高」「平易」「確実」「透明」「簡潔」の五箇条が求められる。
「ことばに生気がある」と、話しに魂があり、活力を備えているため、人々に感銘を深くすることができる。ことに人を感奮させようとするには、このことが多大な意味をもつ。
「言葉に愛情がこもっている」と、人を動かし人を感じさせることができる。他人から見て趣味ある言葉と認められて、自然と品格があるようになる。
 子どもに対しても、子どもの人格を重んじてやることは極めて重要なことであり、相当な敬語を用いることは大切である。
 ただ口のみで言うよりも、手まねをもって「こればかりの大きさです」というほうが、はるかに解しやすく、適度の態度を工夫することは、教師の大いに努めなければならないことである。
 教師の態度は、ゆったりと落ち着いて、あわてない大器であるなかに、しかも、こまごまとしたきまりにもよく注意の届く、爽快で心の微細な動きがなければならない。
 教室の子どもがあたかも凧の糸目が一点に集まるように、全ての子どもたちの注意が一点に集中するようにあってほしい。
 子どもは教師の望むところに注意をしない。その子どもの心を教科のほうに向けさせる工夫によって、心を傾けるようになる。
 一時間全部の授業を見なくても、数分間で教師の力量は知られる。というのは、教師が多くの子どもの中心に立ちうるか否かによって鑑別されるからである。
 教師は教職の威厳を保つだけの見識を備えたうえに、寛大な愛情のこもっているところがなければならない。
 教師の心は、すなわち子どもの心であって、子どもの心は、やがて教師の心とならねばならない。
「巧みなる教授には、教師と子どもとの間に、感情の交通あり」という言葉が先人によって発せられている。
 どの教科でも、教師が教える必要があると準備しても、もし子どものほうが、これの必要を感じないというのであっては、進んで学習しようという気持ちが起こらない。
 子どもの発達の程度を知らないために、彼らの趣味に投じないために、教師ばかりがみだりに持ちかけても効果は極めて薄い。
 ぜひとも、教師と子どもが相投合していなくてはならない。
 1時間の授業中に、教師が主となって働くときと、子ども自身が主となって働く場合とを適宜に配合する必要がある。
(加藤末吉:明治時代の東京高等師範学校付属小学校の訓導。教材や教科書を生かす伝達の仕事に教職の専門性を求め、それを「教順」(教授活動の形式・手順)と「教式」(教師-児童間の体裁、講演式・問答式・対話式など)を実行する際に教師が注意すべき言語・動作の技術を研究した)

 

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「教え上手」と言われる教師に共通しているものは何か

「教え上手と言われる教師に共通しているものは何か」と、私は長年の教員生活を通して考えてきました。
 それを考えるには、二つの軸が必要です。
 ひとつは「技術」、そしてもうひとつが「人間性」です。
 指導力不足教師が問題となっています。彼らは教え下手の代表ともいえる存在です。
 二つの軸に当てはめて考えると「技術」も「人間性」も低いということになります。
「技術」がないので、わかりやすく説明することができない。
「人間性」も低いので、教わる子どもを思いやることもできない。
 これでは指導力不足といわれてもしかたがありません。
 このことから、「教え上手」がどのような教師のことを指しているかおわかりでしょう。
「教え上手」とは、
(1)わかりやすく、そして、教わる子どもたちに学びたいと思わせる「技術」を持もっている。
(2)子どもたちを思いやるような、心とユーモアを備えた「人間性」を持つ。
 教師のことを指すのです。
 また、技術は「人間性」の下支え、裏打ちがあって有効になるものです。
 教え上手というのは、技術を技術に見せません。
 技術を使っているときでも「いかにも技術を駆使しています」とは、あからさまに見せないのです。
 では、どのように見せるか。「技術」を「人間性」のように見せるのです。
 たとえば、子どもたちの注意を引くために黒板にわざと日づけを間違えて書く。
 そういうときも、優れた教師は「つい間違ってしまった」かのように、つまり、それがあたかも人間性から生じたほころびやうっかりミスのように見せて、技術でやったとは子どもたちに感じさせないのです。
 子どもたちを笑わせても、それが人間性からにじみ出たユーモアのように思わせて、テクニックとは悟らせない。
 いいかえれば、「教える技術には、人間性が如実に反映する」のですから、ごまかしがききません。
「人間性」が浅い人には、薄っぺらな教え方しかできないのです。
(有田和正:1935-2014年、筑波大学付属小学校,愛知教育大学教授、東北福祉大学教授、同特任教授を歴任した。教材づくりを中心とした授業づくりを研究し、数百の教材を開発、授業の名人といわれた)

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人気がでる先生とは

人気は生徒が決めることです。生徒の目は厳しい。あらゆる面から見てくる。
先生が意図的に人気を取ろうとしても失敗します。嫌味が出てくるのです。
いかに自然体にできるかである。
人気を取ることはなかなか難しいし、かなりの努力が要る。
人気がでる先生の特徴を具体的に列挙してみると、
(1)
授業はわかりやすく、メリハリがある。
(2)
パフォーマンスして生徒を楽しませる。
(3)
言葉に切れがあり、ユーモアがある。
(4)
元気・活気がある。
(5)
服装に清潔感がある。
(6)
専門教科は熟知している。
(7)
生徒の悩みを取り除くことができる。
(8)
生徒の将来にアドバイスできる。
(瀧山敏郎:教師アカデミー主宰。元予備校講師 英語を担当)

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指導者として大切なことは、子どもにイメージを与えほめる、結果が出ないのは指導者の想いが弱いからだ、どうすれば子どもは変わるか

 最近は「自由」とか「個性」ということばがもてはやされているけど、その弊害というか、いまは「自由」と「好き勝手」のバランスが非常に失われていると思う。
 はじめから自由ということは現実的にはありえないわけでね。何もわからない子どもには、強制を必要とする時期は絶対にある。
 なんでもかんでも好き勝手にするというのが自由ではないだろう。自由や個性というものには、自己責任が伴わなければいけないんだ。
 いま、それが実に少ない。そういうことに気づかせるためには、教育において強制される時期があって当然だし、それなくしてははじめから終わりまで自由にさせて、本当に社会に必要な人間になれるのかなっていう気はするね。
 何をしていいかわからない子にはきちんと目的を与えてやらせる。目的がはっきりしていれば、「これさえやれば、こうなるんだ」とう意識につながっていくんだ。
 逆に、自分の目的に向かって自主的に取り組んでいけるような子は、そのまま見守ってやればいい。そういう子は、何かのときにちょっと手をさしのべてやるだけでグーンと伸びるからね、後からポンと押してやるだけで。
 その意味でも、イメージを与えてやることが大切なんだ。「おまえ、こうなったらいいな」とか「がんばったら絶対日本代表になれるぞ」というように、夢を語ってやったり、目標を語ってやる。
 そういうイメージをその子のなかにぼやっとわかせてやるわけ。それも、個々の子どもに全然違うイメージをね。
 そう言いつづけていくと、本人もだんだんそう思っていくんだよ。そのなかで、徐々にイメージが鮮明になっていく。
 そうなれば、どんどん自分からそのイメージに近づこうとするようになるんだ。何が必要か自分で考えるようになるんだよ。
「やらされてる」のか、それとも「自分でやっている」のか、子どもにどう思わせるのかというのは非常に大事なことなんだ。
 教育に限らず、どんなことでもそうだけど、やっぱり「こういう人になってほしい」とか「こういうチームをつくりたい」というイメージやビジョンを描けない指導者やリーダーは、人を育てることができないんじゃないかなと思うけどね。
 そこでもうひとつ大切なのが、それぞれの段階で「よし、いいぞ」って、きちんとほめてやること。評価してやることだ。
 そういう達成感の喜びがなかったら絶対ダメだね。もちろん、怒ったあとには、ちゃんとアフターケアーをしてやることは言うまでもない。
 よく「いまの子どもは……」って言うだろう。でも、違うと思うね。子どもは変わっていないと、ぼくは思う。
 むしろ変わったのは大人、指導者のほう。「子どもが変わった」とか、「最近の子どもはしんどいことをいやがる」というのは、みんな指導者の言い訳。ぼくはそう思う。
「ここでこういうことに耐えておけば、こんな素晴らしい自分が待っているんだ」というように、子どもがドキドキするようなものを与えてやれば、絶対に反応は返ってくるんだよ。
 子どもの反応が返ってこないというのは、伝える力が弱い。
 子どもに伝える力が強いか弱いを知るのは簡単なんだ。自分に矢印を向ければもう、いっぺんでわかる。
 子どもの結果から学ぶことは、われわれ指導者にとっては非常に大きいんだよ。結果から学ぶというスタンスを、指導者やリーダーはしっかり持たないといけないと思うんだ。
 われわれ教師は前年と同じことをやっているわけにはいかないのだよ。
 つねに結果をフィードバックさせて、反省し、次に活かす。
 子どもを見て、「ああ、いまの子たちにはこんなことが必要だ」ということを経験的にわからないといけないんだ。
 一方では時代が変わっても絶対に残していかなければいけないことも当然ある。そういう気持ちでいれば、どんな子が入ってきてもつねに子どもの状況に対応できるはずなんだよ。
「こうすべき」とか「こうあるべし」っていうことを押しつけてはいけない。それがわからないから、ついつい子どものせいにしてしまうんだ。
 だから、「言っても、わからん子はあかん」と言って、それで切ってしまうのではなくて、
「どうしたらわかるようになるのだろうか」とか
「どうやったら勉強するようになるのだろう」と矢印を自分に向けて、
「じゃあ言い方を変えてみよう」というふうに考えてみる。
 いいか悪いか、できるかできないかで選別してしまうんじゃなくて、
「どうしたらできるようになるんだろう」ということにウェイトを置かなければいけないんだ。
 ちょっとしたきっかけを与えるだけで、子どもは本当に変わるんだよ。そんな指導者や教師を子どもたちは求めているんだ。
 そのためには、矢印を子どもに向けてしまってはダメ。
「おれは子どもたちに何をしてやったんだろう」といつも自分に問いかけて「どうしたらいいんだろう」と考える。
 そういう気持ちがいちばん大切だし、そうしないかぎりは、子どもを変えてやることはできないと思うね。
(山口良治:1943年福井県生まれ、ラグビー指導者で元日本代表。高校教師として京都の無名の公立高校をラグビーで全国制覇させた。ラグビー部生徒への体当たりの指導が多くの反響を呼び、TVドラマ『スクール☆ウォーズ』の主人公のモデルとなった)

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学校の仕事が上達するために必要な心構えや方法とは、どのようなものでしょうか

 仕事をするうえで、人間関係ほど重要なものはないでしょう。どのような関係を築くか、職務が上達するためにはどのようなやりとりが必要か、考えてみましょう。
 次のような心構えや方法で、人間関係が豊かになり、仕事も円滑に進み上達します。
1 あいさつは大きな声で自分から言う
 当たり前のようで、あまりできていないのがあいさつです。子どもたちには指導するのに、教師同士ができていないというところがあります。
「朝のあいさつ」「返事」「はい、ありがとうございます」「よろしくお願いします」「帰りのあいさつ」など
 明るく大きな声で、自分から進んで言ってみましょう。教師同士や子どもたちとの関係に思わぬ効果が表れます。
2 仕事は明るく楽しくやる
 すべての仕事が楽しいわけではありませんが、仕事によって学べることも、技能が身につくことも少なくありません。どうせやるなら、明るく楽しくやろうではありませんか。
 できれば「はい」か「喜んで」以外は言わないようにしましょう。その意気込みや態度は必ずどこかであなたの成果に役立つはずです。
3 人のせいにしないで、自分には何ができるかを常に考える
 子どもの成績や生活態度など、子どもの課題について、多くの教師はその要因を、子どもや保護者などのせいにしていることがあります。
 しかし、発想を変えて、それらの課題に対して自分なら何ができるかを考え、やれることをやっていくようにするとよいでしょう。
 それによって、何かが動きだすことが多いのです。あきらめないで戦略を立て、実行しましょう。
 勇気とは、できないこと、やれそうにもないことをやる意志のことです。
4 新しいことをやってみる
 新しいこと、それが何であれ、やることに意義があります。それに、これが一番重要なことですが「新しいことに失敗がない」のです。
 成功するまであきらめないことです。失敗を恐れず、常に新しいことにチャレンジしましょう。
5 年長者に学ぶ
 教師の世界は職人的なところが多々あります。授業や生徒指導について、能力や才能もさることながら、やはり、年の功がものを言う場合が多いと思います。
 立場や役割を超えて年長者に学ぶ姿勢が必要です。
6 ホウレンソウ(報告・連絡・相談)
 チームとして取り組む学校として最も必要なことです。これが不十分なため、予期せぬトラブルを招くことが少なくないのです。
 報告は、簡潔にポイントを押さえて話すことが大切です。
(1)管理職や上司
 校長や教頭、主幹や主任への報告・連絡・相談がないと、管理職や上司は判断のしようがありませんし、責任だけを取らされるなら、たまったものではありません。
 したがって、自分の評価だけでなく、学校で信頼を得、自分を成長させるために、ホウレンソウは不可欠なのです。
 組織やチームで教育活動を行っていることを常に忘れず、組織の一員としての自覚をもちましょう。
(2)学年や分掌内
 学校行事や生徒指導では、学年単位の取り組みが多いことから、ホウレンソウを重視する必要があります。
(3)保護者
 保護者こそ、子どもたちの教育に直接責任をもつ存在です。
 したがって、何よりも保護者への情報提供が必要であり、発生した事件や状況などについては、きちんとしたホウレンソウが必要です。
 例えば、けがや生徒指導上のトラブルについて、速やかな報告・連絡が必要です。
 保護者との連絡、事前・事後報告の不足により、学校への不信が膨れあがり、管理職を超え教育委員会等に問題を持ち込まれることもあります。
 小さなミスが大きな不信や不満、苦情につながらないよう、保護者には特にホウレンソウを十分心がけるようにしたいものです。
7 聴き上手になろう
 聴き上手は教師として重要なスキルです。
 子ども・保護者・同僚とのコミュニケーションを促進し、成長を促し、問題場面への対処もうまくなっていきます。
 聴き上手のポイントは、
(1)あなたに関心を寄せていますよ」という心を持ち、傾聴する
 その人の目を見る、顔の表情(笑顔やうなずき)、あいづちなどは、その心があるかは相手に伝わり、コミュニケーションを左右します。
(2)相手の言葉をそのまま聴く
 たくさん話してもらうために、テンポよくあいずちを打ち、相手の言葉をそのまま繰り返すオーム返しや「ああ、そうなんですかあ」と、その人が思ったまま、感じたまま、最後まで聴いていくのです。
 賛成や反対、指導、評価、解釈などを早まってしないことです。
 このした聴き方を心がけると「この人は、自分のことをわかってくれる」「次も、この人と話したい」となり、心が開いていきます。
(3)先輩から授業のコツを聞く
 授業のコツは教師と子どもたちとのストーリーの中に生まれています。
 先輩がどういう考えで、どういう体験の積み重ねで、どういう失敗の反省から、そのようなやり方をしているのか、その裏側に価値があります。
 日常から、そうした視点を持ち、先輩の助言を求めたいものです。
(4)上司の忠告を聴く
 忠告の内容をきちんと把握し「ぜひ、改善したいと思います。どんなところがいけないのか、ご指摘お願いします」など、謙虚・純粋な心で、具体的に聴き出したいものです。
 上司はこちらから打たないと響かないし、そうしないと信頼関係も生まれません。
8 話し上手になろう
 教師の力量の中でも最も要求されるスキルです。基本は「生きた言葉」を使うということです。教師自身の「今、ここで」の気持ちがこもった言葉を使うことです。
 話し上手になるための前提として、日頃から新鮮さを保ち、人と交わり、自分の体験を豊かにふくらませたいものです。
 次には、話し出すタイミングがたいへん重要です。相手の話に共感的に傾聴しながら、話の区切りを見つけ「自分の考えを言っていいですか」など区切りとなる言葉を挟み、具体的な話へと進めたほうがいいと思います。
 なにより大切なのは、話が長くならないようにする、ということです。相手に話を聞いてもらうことは、予想以上に相手のエネルギーを消耗させています。
 そのため、結論を先に言うとか、大事なことだけを整理して言うなどして、配慮深い話し方を心がける必要があります。
 話を興味深くするためには「起承転結」を意識したり、体験談や会話などを挿入したり、話す内容の順序や関連を工夫したりして、準備をしておきたいものです。
 笑いを取ろうとする場合、笑いの達人によると「笑いは、相手を笑わそうとするのではなく、自分が笑うこと」だそうです。話し手の笑いが相手に伝わっていくのでしょう。
(有村久春:1948年生まれ 元東京都公立学校教員・小学校長 岐阜大学教授 専門は生徒指導論、カウンセリング、特別活動論)

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ある教師が叱ると子どもたちがビシッとするのに、別の教師が叱ると反発する、自分のキャラクターに合った指導をするにはどうすればよいか

 教師が異なると、同じ内容を説明して授業を進めても、子どもたちの反応が全く異なり、授業に大きな差が生まれることは良くあることです。
 また、生徒を指導するときも同様で、ある教師が叱ると子どもたちがビシッとするのに、別の教師が叱ると反発する、ということも日常みられます。
 このような差はどうして生まれてしまうのか。
 私は、その原因を教師自身、自己のキャラクターに対する認識とその使い方にあるのだろうと考えています。
 教師自身が子どもたちから、どのような教師に見られているのか。
 教師自身が自分という存在についてどれくらい理解しているかが非常に重要です。
 それが分かったうえで、教師が自分のキャラクターに合った行動を選択すると、成果が発揮できるのではないでしょうか。
 次の項目で理解していただきたいことは、自分は「○○」ができるということではなく、子どもたちから見てどの様に見られている可能性があるのか、ということを考えるきっかけにして欲しいということです。
 もちろん、それぞれについて項目の評価が高くても活かす術がなければ意味がないのですが、自分がどのような項目を活かした教師になるのがよいのかということをじっくりと考えてみていただきたいと思います。
自己分析項目(5段階で自己評価)
A 自分の話を的確に伝えることができる( )
A 相手が話を聞いている状態が気になる( )
B 人の話を聞くことができる( )
B 自分の話だけでなく、相手のことにも興味がわく( )
C 自分の失敗を素直に認めることができる( )
C 自分に非がある場合に、自分から謝ることができる( )
D 感情をコントロールして人と接することができる( )
D 相手に注意するとき、相手の気持ちを考えることができる( )
E 学習以外でも子どもに役立つ体験・経験を持っている( )
E 指導要領を超えた学習面で武器になる経験・体験がある( )
F 他人とすぐ仲良くなることができる( )
F 教師として、子どもとケジメのある立場を保っている( )
 自己分析で次の項目が高いと、子どもたちに持たれやすい自分のキャラクターがわかります。
「Aが高い」:情報を伝える力、意思が高い
 相手に自分の意見・主張を説得する力が強く技術もあるので、説得力があるという印象を受けやすい。
「Bが高い」:相手に関心を持ち、聞く力が高い
 人の話を聞き、相手の状況を観察することによって、自分の行動に活かそうとし、聞き上手と思われやすい。
「Cが高い」:自己開示のできる傾向が強い
 自分の失敗に限らず、考えや経験なども開示できるので、本音で関係を作れる印象を持たれやすい。
「Dが高い」:感情、気持ちへの配慮の意識が高い
 感情の起伏をコントロールしたり、相手を思いやれるので、心への気づかいができる人だと思われやすい。
「Eが高い」:授業・指導における展開の幅が広い
 話題の幅が広く、興味・関心を上手に引き出し、授業そのものに特別な価値観を持たれやすい。
「Fが高い」:子どもたちとの距離感を構築する力が高い
 私は初め、子どもたちがすぐに騒いでしまって、授業を思うように進行することができない教師でした。そして、叱ることもできない教師でもありました。
 そこから試行錯誤を繰り返して、他の教師の真似をしてみたり、アドバイスを聞いたりしましたが、そうやって得たノウハウを自分のキャラクターに合わせて取り入れていく、ということがとても重要だったと感じています。
 そのまま真似をしてみても、自分のキャラクターに取り込むことができなければ、当然、違和感があり上手くいきません。
 ただ、その失敗の中で自分が使うことが出来る部分を見つけだして、自分のモノにしていくことが非常に重要なのです。
 そして、最後に自分理解を深めることは即、教室管理に役立つというものではありません。
 あくまでも自分を振り返り、自分に合った指導を身に付けるための土台、きっかけであり、常に謙虚に自分を反省することができる習慣を身に付けるということが最大の目的なのです。
(諸葛正弥:東京生まれ 「T’s skill教師塾」代表として、カウンセリング・コーチング講座もコラボレートした形式で教員対象研修を開催している)

 

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教師が実践力を向上させるためには、何が必要なのでしょうか

 新任1年目の私は散々な学級経営をしてしまいました。
 大学時代の私は、家庭教師や塾の講師を務め、自信を持っていました。小学校の先生なんて楽勝な仕事だと思っていました。
 しかし、現実はそんな甘いものではありませんでした。
 学校のルールを破ってシャーペンを持ってきた子どもに「〇〇さん、シャーペンは学校に持ってきたらだめとちがう?」と注意をしました。すると、
「他の子もシャーペン持って来ているのに、なんで、ボクだけ注意されるんですか?」
と、反発された。
 注意したら、すぐに反省して「すみません」と言うだろうと思っていた私にとって、考えてもみなかった反応でした。
 私はカッとなり、感情的に怒鳴りつけ、力で押さえつける指導をしてしまいました。
 こんなことが何度も続き、1学期の終わりの頃にはクラスは最悪の状態になりました。
 どうしたらいいのかわからなくなり、夏休み前に大学の先輩に相談すると、教育サークルや教育セミナーに何度も私を連れて行ってくれました。
 そこでは、テクニックや知識がたくさん紹介されました。
 夏休みが明けて、勉強したことをふまえて、心機一転、再スタートしました。
 学んできた通りにやっているのに、子どもたちの様子が変わらない。私は焦りを感じ、子どもたちにつらく当たってしまいました。
 現在の私は、こんなことで心が乱されません。なぜなら、学んだことはうまくいかないのが当然だからです。
 そもそも、まず子どもたちの状況が違います。目の前の子どもたちに合わせなければなりません。
 そして、子どもとの信頼関係、しいて言うなれば、その先生の性格や人格も違うのに、同じようにいくことなんてあり得ないのです。
 性格は生まれ持って備わっている感情や意志の傾向です。
 人格は、忍耐、優しさ、寛容、謙遜、礼儀、素直さ、誠実さといった後天的に身に付けられるものです。
 教育の知識をたくさん身につけても、いざやってみてもうまくいかなかった経験のある先生も多いのではないでしょうか。
 学んで得た知識を振り返り、自分に合うように変更していく、ひと手間が必要なのです。
 教育技術は、さまざまな分野の知識を利用し、悪戦苦闘しながら実践を続け、自分なりのワザを身につけなければなりません。
 だから、教師が実践力を向上させるためには、人格、知識、技術の力をまんべんなく向上させていかなければならないと私は考えています。
(小野領一:1984年奈良県生まれ、奈良県公立小学校教師。「かれ笑いす」代表)

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