カテゴリー「先生の実態」の記事

職員室のルポ、教師の実態とはどのようなものか

 学校に電話をかけると応対が失礼なことがある。
 教師は電話の対応の仕方を教わらない。サービス業のように電話対応で顧客を失うことがないから、サービスのサの字もない。
「はい、はい、誰ですか」と日頃の偉そうな口調そのままのときがある。
 学校には隠蔽する体質がひそんでいる。
 学校で起きた諸問題を教育委員会に報告するとき、問題のレベルが学校によって違うから、その程度の問題は問題でないと勝手に判断してしまう恐れがある。
 校長も管理能力を教育委員会から測られているため、負の遺産をかばおうとすることがある。
 教師は定年になるまでに現場を離れたいと願うのであれば、教頭など管理職になるか、教育委員会に入ることである。
 しかし「定年まで子どもと関わりたい」という教師が多い。
 だが、その教師の仕事ぶりや人間性を評価されれば、管理職や指導主事に推薦され選考を受けることとなる。
「なんであの教師が? 次は自分だと思ったのに」と思う教師は肩書が欲しいのかも。
 体育の教師は、早朝に学校に来て、最後に帰り、上下関係に耐えてきた教師が多い。 先輩教師を敬い、後輩の面倒をしっかり見る。
 体育教師は、円滑な学校運営の立役者で、生徒の規律も体育教師の力量によることが多い。
 教師の基本は授業で商売している。授業をしっかりしていれば、子どもたちはついてくる。
 なめられている教師は、授業をおろそかにしているか、明らかに力量が足りない。
 授業の中身の充実は、知識の向上と、考え方、生き方、道徳心、自分を律する心など様々な視点で成長できる。
 ときには、手のつけられないような子どもがいる。ある信頼されているベテラン教師は、
「勉強が苦手でしかたがない子どもに強要しても、子どもがかわいそうなだけ。教室に居場所をつくることが我々教師の仕事」
という。
 その子のやり場のない心境を察知し、気持ちよく通学させるのが教師の仕事である。
 卒業式や転勤の際に、花束や寄せ書きをもらい「先生のおかげです」と、子どもや保護者から感謝される教師がいる。
「お礼を言われても。これで給料をもらっているんだから」
と、純粋な気持ちの教師がいる。
 時間を惜しまず、子どもたちに親身になる。こんな教師がまだまだいる。捨てたもんじゃない。
(非常勤太郎:昭和40年代東京近郊生まれ、塾の教室長、私立高校教師、その後臨時的任用教師として公立学校、特別支援学校等のチーフを任される)

 

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教師になって最もつらかったことは何ですか

1 教師A
 私は初任者のときの担任が最もつらかったですね。
 小学校なので、ずっと担任が授業をするので、子どもとの関係がうまくつくれなくて、すごく落ち着きのないクラスになってしまったことです。
 一生懸命に授業をしても、あまり聞いてくれなかったり、トラブルがいっぱい起きたりした。担任に対する不満もどんどん増えて、悪循環になりました。
 専科の教師の授業では、子どもたちはよい顔をするのですが、私の授業は全然聞いてくれない。そのギャップがすごくつらかった。
 私だけでは、どうにもクラスを変えられなくて、他の教師がフォローに入ってくださってなんとか乗り越えたのですが、結局、良い方向にはならなかった。
 子どもたちは反抗的で学校に行くのが本当につらかったです。
 子どもたちにも、良い思いは残らず、すごく申しわけないことをした感じですね。
 原因は、指導が後手後手に回ったことです。
 例えば、トラブルの解決するとき、指示が明快でないので、子どもたちにストレスが溜まっていった。
 今となってみれば、もっといろいろなやり方があったなと思えます。
 自分にはつらい経験で、すごくつらかったが、得たものも大きい。
 やはり、自分が強い心を持たないとダメだな、負けちゃダメだなと思った。ちょっと迷いがあるとダメだなって本当に思いましたね。
2 教師B
 私が一番つらかったのは、教師になって2年目です。職員室で教師間の関係がものすごく悪かったことです。
 一人の教師が、初任者で立場の弱い私に強いことを言うのです。
 同じ部活動の顧問だったんですが、何か問題があると全部、私のせいにする。
 生徒指導で何かうまくいかないことがあると、私のせいだと言われる。
 その教師に盾ついて自分がターゲットにされると困るから、まわりの教師は、見て見ぬふりをして、私はかなりつらかったです。
 子どもたちのことで、どんなに大変でも、教師同士が助け合える環境だと、まだやっていけると思う。
 教師同士で足の引っ張り合いになると、子どもの前に自信を持って立てなくなる。
 子どもの前で怒鳴られると「あの先生怒られているよ、先生なのに」と、子どもたちから見られ、私から子どもたちは離れていく。
「あの教師に文句を言われないように」と生徒指導もできなくなったりするから、そこはつらかった。
 いい意味で教師って真面目な人が多いから「この先生との関係をなんとかしなきゃ」となってしまうけど、自分がちゃんとできているところに目を向けることは必要だね。
 同じ経験があったとき、次はうまくやれますよね。
 若いうちは、いっぱい教えてもらって助けてもらうことで回っているんだな、ってすごく思いますね。
(先生始めました編集委員会)

 

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教師として手を抜かないのは、子どもたちへの思いの強さがあるから

 私立高校の教師をしている岩崎元気先生は、とてもハキハキとした真面目で実直な人です。
 塾講師にあこがれていた岩崎先生は、大学2年生のときに学習塾のアルバイトを紹介されました。その塾でアシスタントとして働くようになりました。
 岩崎先生は、その塾でたくさん学び、経験をしました。
 最初の1か月は授業のための研修を受けました。
 午後から模擬授業を行い、それをプロの講師に見てもらうのです。できることを徹底してやろうとしました。徹底してやっていくことで人として磨かれていきます。
 この学習塾で、岩崎先生は「子どもたちが勉強しやすいベストな環境を作る」という想いが込められていました。例えば、
 休み時間に黒板を綺麗にし、チョークの粉がついてない状態を作り続けました。トイレ掃除も行いました。
 プリント作成時にコピーした時に出る不要な線を消すなど細かい気配りまで徹底しました。スピートを上げて作業する研究もしたといいます。
 岩崎先生は、授業を行う際の「声」の大きさ、「文字」の丁寧さ、「話す」時の子どもへの目線など、基本的なことを徹底的に教えられました。
 さらに、周到な「授業準備」も教え込まれた。
 教師のノートは見ないで、例題も含めて、すべてを頭に叩き込んでから授業に臨みました。
 このことを徹底することで、子どもたちとの対話が増え、子どもたちの表情を見ながら授業がおこなえるようになりました。
 授業準備のためのノートには、教科書や問題集の内容、いくつもの例題、図表やその単元に関係する資料、余談などを、何パターンもびっしり書き込みます。
 それを頭に叩き込んで、自分の言葉で授業を行う。
 研修中、これを毎回、完璧にこなさなくてはならなかったそうです。
 この準備には、大変な時間がかかったことが想像できます。
 子どもたちのために、完璧におこなう気持ちで取り組んでいたのです。
 どんなことでも、ある期間は夢中になって取り組むと、それが大きな力になっていきます。私は多くの教師をみてきたのでわかります。
 集中して取り組んだその経験が将来、大きな力となっていくのです。
 岩崎先生は、その後、高校の教師になりました。そして、今でも、塾同様に、授業準備を続けているそうです。
 また、子どもたちの人間性を磨くために、新聞のコラムや世の中の出来事、本や講演会で学んだことなどを、メルマガやブログ、学級通信に書き、子どもたちや保護者へメッセージとして送り続けています。
 教師として大切なことは、子どもたちの心を揺さぶり、自ら動いてもらうように指導することだと思います。
 そのためには、まず教師自身がその背中を見せる必要があります。
 高校では、卒業したらすぐに社会人となり、働く生徒がいます。
 だから、自分の力で人生を幸せにする力を卒業までに身につけてほしいのです。そして、自分の周りの人も幸せにできる人になってほしいと岩崎先生は想っています。
(岩崎元気:1988年神奈川県生まれ、神奈川県の私立高校教師。「あしがら教師塾」事務局)
(文章:中野敏治:神奈川県公立中学校校長。「やまびこ会」代表、「あしがら学び塾」主宰)

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教師を辞めようと思ったことがありますか、どうやって乗り越えましたか?

1 教師Aの場合
 私は初任者のときに、次のようなことですごく辞めたいと思いました。
(1)保護者との関係がうまくできなかったとき。
(2)クラスでいじめ問題が発生したとき。
(3)指導教官に「学級崩壊だ」と宣告されたとき。
 乗り越えられたのは、夜、友人に電話して相談いるとき、友人が
「何か積極的にやりたい仕事が見つかったら辞めてもいいけど、教師やりたくないから辞めるのだったら反対だ」
と言われた。私は
「そうか、じゃ私はそういうものがまだ見つかっていないから、教師の仕事を続ける」
と友人に言いました。
 別の仕事を考えてみても、子どもと関わらない自分っていうのは想像できない。子どもからは離れられない。子どもを見ていると楽しくなってしまうんですよ。
2 教師Bの場合
 私は、初任者の1年目に、職場内でかなりのパワハラを受けて2年間休職をしました。
 そのときは本当に毎日「続けようか、辞めようか」と思っていました。
 パワハラによって、教師に対する不信感をすごく感じたのです。
 子どもたちは可愛かったんだけれど、教師って子どものいじめと一緒だと思って。
「教師って社会性がないし、世界が狭いし」みたいなことばかり考えてしまって。 
 でも、ある勉強会に行って「立派な教師たちがいるのを見て、こういう人もいるんだ」ということがわかったことが、辞めずにとどまってこられた理由だと思う。
 休職2年目になって、次のようなことに気づいた。
「教師の仕事って、10年後、20年後になって初めて結果が出る。未来の世界を形づくる人材をつくる仕事だ」
と考えたら、自分が教師であることの誇りを持てたような気がした。
 それと、何人かの子どもたちから「先生、今どうしてる?」というメールがときどき来るんです。そういうのがすごい支えになった。
 先生を辞めようかなって思っている人って、なんらかの形で自信がなくなってるんですよね。
 教師として認めてもらえるような環境って、とどまる上では大事なような気がします。
 私も勉強会に行ったり、いろんな人に慕ってもらえることで、教師としての自尊心みたいなところを救われたし、力をつけてもらったと思っています。
 すばらしい人を見つけて、それに近づこうとして勉強することが、教師としてスキルアップし続けていくうえでの、力になるのかなっていう気もします。
(先生始めました編集委員会)

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教師は「悪口を言われるのも、お給料の内」、戦場となっている教室では熱意や誠実さだけでは戦えない策略を巡らせて戦う必要がある

 学校現場は厳しい。教室は「戦場」のようなものだ。
 それなのに、初任者の教師は「武器」も持たず「策略」も練らずにやってくる。それでは「攻撃してください」と言っているようなものだ。
 教師になるような人は、真面目で叱られ慣れていない。だから、打たれ弱い。
 私も打たれ弱い性格だと自覚している。だから、打たれないようにと気をつけながら、なんとか無難に毎日を切り抜けられるようにしているのだ。
 しかし、若手教師は無難に過ごすことは無理だろう。気をつけていても、失敗するはすだ。たった一つの失敗でも、人格否定されるような攻撃を受けることもある。
 特に、学級懇談会が怖い。保護者が集団になって担任をつぶしに来る可能性があるからだ。学級懇談会の後、私は職員室で泣く若手教師を何人も見て来た。それなりの策略を練り、臨むべきだ。
 それでも、集中攻撃を受けることはあるだろう。傷ついたとしても、絶対に辞めてはいけない。
 初任者のクラスの8割が荒れると言われている。1年目の若手教師はどれだけ失敗しようが、辞めないことが一番いいことだ。厳しい1年目を乗り切れば、2年目は絶対に楽になる。
 ちなみに、私は「教師は悪口を言われる商売だ」と思っている。
 どんなに私の前で「中村先生が担任でよかったです!」と言ってくださる保護者がいても、信用してはいない。 リップサービスだと思って、話を半分に聞いている。
 保護者は担任に何かしらの不満を持っていると思っておいた方がよい。そして、陰で集まって悪口を言ったり、メールやLINEで悪口をやり取りしているに違いない。
 教師は悪口を言われるのもお給料の内なのである。そう思えば腹も立たない。また、陰で悪口を言って気が晴れるのなら、とても有り難いことである。教師にやいばが直接向ってくるよりは、よっぽどいい。傷つかなくて済む。
 教師は内閣総理大臣の支持率のようなものだ。内閣の支持率が100%はあり得ない。
 悪口を言われていることを自覚しながらも「策略」を巡らせ、内閣支持率を上げていくことが大切なのだ。
 私が一番こだわっているのが予防です。例えば、やんちゃくんが反抗的になってしまうと、どんな手を使っても指導は入りません。そこで、やんちゃくんが背を向けないように予防することが大切です。
 やんちゃ君とは絶対に対峙しないことです。戦わなくてすむように予防する配慮が必要なのです。戦わなければ負けることはないですからね。
 やんちゃくんと対峙して反抗的になるぐらいなら、放っておけばいいのだ。やんちゃくんの周りの子どもを個別に叱る。やんちゃくん予備軍の子どもたちがやんちゃくんの真似をして悪いことをしようとしたら、怒鳴って止める。
 やんちゃくんが増えていくと、学級崩壊の危険が高まる。だから、やんちゃくんが増えないように周りの子を厳しく叱るのだ。
 ただ、みんなの前で怒鳴られたことを恨みに思って、やんちゃくん化されても困る。だから個別に呼んで叱る方が効果的だ。
 今の教室は戦場になっています。戦場では熱意や誠実さだけでは戦えません。しっかりと策略を巡らせて戦う必要があります。
(中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ講演も行っている)

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教師が気をつけること、教師が力をつけるために、大事なこととは何んでしょうか

 私の場合は、教師以外の方との付き合いの中から多くを学ばせてもらったような気がします。
 もちろん、先輩教師にも素晴らしい方はたくさんいましたし、教師の中からも学んできました。
 けれども、自分の知らない世界で学んできた方からの学びというものは、学校の中で、いくら逆立ちしても及びもつかないことです。
 教師以外の方から学ぶことの素晴らしさを私は体験することができたのです。
 私たち教師の毎日は、子どもが相手なんですね。教室に行けば、王様です。程度の低い相手としか付き合わない日々なんです。
 そうして10年、20年、30年とたった時に、その人々がどうなるかは、火を見るより明らかです。うっかりすると、自分を下げ続けていくしかないんですから。
 下の者とばかり付き合っているから、いつの間にか程度が低くなりがちです。
 私たち教師は、少なくとも自分より上の人と努めて付き合う日々とすべきです。
 今の自分よりも、もっと高い自分になるためのチャンスを作ることが大切です。
 師を持つことが大切です。自分の及ばない高さの力をお持ちの方と接するということは、自分を向上させていく、大きな目標になるし、力にもなるのです。
 いつも、自分の及び難い上の人と付き合っていれば、ずっと伸び続けることができるんです。
 私は、苦しいことや辛いことを皆さんに伝えているのではありません。
 レベルの高い人と付き合うということは、じつは、素晴らしく楽しいことなんです。
 それは、富士山の5合目までしか登ったことのなかった人が、6合目に上がれば新たに6合目の景色を見られるということだからです。
 「良き師」「良き友」「良き書物」、これが人生を充実させる三つの糧だと言われます。
 良き友というのは、自分よりレベルの高い友であることが望ましいです。
 良き師はむろんのこと。良き書物も同じです。
 一級の人物は、必ず一級の師匠を持っている。
 高杉晋作、山形有朋、伊藤博文らを育てた吉田松陰が松下村塾を開いたのは、2年半くらいでしょう。
 一人の偉大な人物の感化や影響というのは、決して時間じゃないのですね。どんな質で出会うか、ということです。
 人生は一回一回の出会いが、非常に大切なんですよ。
(野口芳宏:1936年生まれ、元千葉県公立小学校校長、植草学園大学名誉教授。千葉県教育委員会委員長職務代理者、日本教育技術学会理事・名誉会長、授業道場野口塾等主宰)

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教師に向いていないと考える人こそ、教師に向いている人、どうすればよいか

 失敗して、くよくよして教師に向いていないのではないかと、思い悩む日々があります。
 そんなときは、とても苦しいものです。
 それでも、元気に子どもの前に立ち、少しずつがんばりたいと思います。
 例えば、どうしても相性が合わないものがいるものです。無理に合わせようとしても、かえってすれ違ってしまいます。
 子どもに嫌われないためにできることは、少なくとも教師が子どもを嫌いにならないことです。
「あの子は嫌い」という教師の気持ちは、敏感な子どもたちにはすぐに伝わってしまいます。
 逆に「あの子が好き」という気持ちは、合わない子でも感じ取ります。
 合わない子のどこか好きなところを見つける。これは教師が意識すればできることです。
 教師が子どもたちに教えられる一番のことは「学び続ける」ことだと思います。
 教師自身が失敗しても、振り返り、そこから学び、元気にチャレンジする姿を見せる。
 それが、子どもにとって、一番の学びになるはずです。
「師」とは自分の学ぶ姿を弟子に伝える存在です。
 つまり、自分は教師に向いていないのではないかと考える姿こそ「師」として子どもに見せるべき一番大切な姿なのです。
「教師に向いていないと考える人こそ、教師に向いている」という言葉は、私自身が、自分の師とする人から言われた言葉です。
 ちょっと抜けたところもある教師だからこそ、子どもにも伝わることがあるはずです。
 そうはいっても、どうしてもしんどくて元気がでない時は、決して無理をしないようにしてください。
 教師の仕事は、自分の存在をすべてかける、やりがいのある仕事です。それを生きがいにして元気になるなら、大丈夫です。
 しかし、どうしても、しんどいときが必ずあります。
 しんどいときに、無理に頑張っても、何も解決できないことがあります。
 そんなときは、子どもたちのためにも、自分の身体や心を休め、大切にしてください。
 少し時間をおくと、状況が変わり、解決することもあるでしょう。
 楽しく学び続ける教師の姿こそが、子どもに一番いい影響を与えます。
(桔梗友行:1977年宮城県生まれ、兵庫県公立小学校教師。ユニット授業や学び合いに取り組む。「学び合うin神戸」主宰)

 

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教師たちの仕事上の悩みの声を聞いてみた

 教師として生きる日常をもう一度振り返り、教師仲間たちの声を聞いてみましょう。
〇新任のとき、クラスがまとまらず、課題を抱かえる何人かの子どもにうまく対応できず、学級懇談会で、
「隣のクラスと比べて、落ち着きがない」「もっと細かく連絡してほしい」
など、かなり厳しい意見が出た。
〇教職2年目、病的にクレームを言ってくる保護者に「担任を降りてほしい」と日曜参観の授業中に言われた。
〇校長に「若い女性の先生はダメ」と、最初から決めつけられ、子どもの前でどなられたり、校長室で説教させられた。
〇机の上に物を置いて金曜日に退勤したら、月曜日、机に赤マジックで「机上整理!」と書いた紙が貼ってあった。
〇先輩の教師が「力で抑えつけろ」的な考えだったので、パワハラの恐怖で子どもたちを抑えつける指導をつい、してしまうことがあった。
 理想と現実の間で悩み、自分の人格が歪められた気がして、教師を辞めようと思ったことがあった。
〇同学年を組む教師と進度や掲示物をそろえないと責められる。
〇初任者の1学期、クラスがまとまらず、保護者からの不信感で、臨時の保護者会と、授業参観を開きました。
 授業もへただったので、管理職が授業を監視していました。
 一度、授業の最中に割って入って、
「この授業をこの先、どうやるつもり。私が続きをやるから、あなたは見ていなさい」
と、子どもの前で言われ、シッョクでした。 
〇とにかく仕事量が多く、かなりの負担です。
〇クラスがうまくいかなくなると、管理職から責められる。
〇初任者の年、しんどい時に、養護教諭や事務職員に話を聞いてもらいました。「一人じゃない」と思える環境に自分からしていくことができました。
(佐藤/隆:1957年生まれ、都留文科大学教授。教育科学研究会副委員長、『教育』編集長。教育学、教育実践学、教師教育論を主な研究領域としている)

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教師になって30年、教師人生の中で唯一誇れることは、教師を辞めたいと思ったことは一度なかったこと

 私は教師になって30年になります。
 そんな教師人生の中で唯一誇れることは、教師を辞めたいと思ったことは一度もなかったということです。
 今、教師は難しい状況の中におかれています。
 教師は日々、多忙を極めています。
 子どもたちと、うまく関係を築けず学級運営に困っている教師。
 授業がうまくいかず四苦八苦している教師。
 多忙さから辞めたいと思っている教師。
 このような教師が、どの学校にも多くいます。
 私が辞めたいと思わなかった理由は、つぎのような「人との出会い」があったからです。
(1)
子どもたちとの出会い
 子どもたちの言葉、子どもたちのサインから教師としてどのように立ち振る舞うべきなのかということを突き付けられました。
 たくさんのことを子どもたちから、どうすればよいか学んだように思います。
(2)
研究会で出会った仲間
 研究会で出会った仲間です。困ったとき、行き詰まったとき、多くの仲間からアドバイスをもらいました。
 同じ志を持つ仲間を持つことは、教師として成長するには欠かせないことだと思います。
(3)
アーティストとの出会い
 そして、三つ目は、アーティストとの出会いです。この出会いが、もう一度、自分の実践を見直すことになりました。
 また「どう生きるべきか」ということについても、考え直させてくれたのです。
 例えば、世界的に名声のある穐吉(あきよし)敏子(米国在住ジャズピアニスト)にお願いして学校鑑賞で演奏してもらいました。
 そのとき、穐吉さんから「レベルの高い音楽をめざしたかったのでアメリカに行った。迷いはなかった」という話をお聞きしました。
「道を決めたら迷わない」という、大事なことを私は教わった。
 いろんな出会いが、私の教師人生を豊かなものにしてくれたのだと思います。
(
糸井 登:1959年生まれ、京都府公立小学校教師を経て、私立立命館小学校教師)

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子どもと関わり、成長していくのを見ることが教師としての私の喜びです

 東京都内の公立中学校に勤務する20年目の美術科女性教師。美術教師は「風変わりな教師が多い」とは世の風評だが、この先生もかなりユニークで、元気印教師。話を聞いてみた。
 私が教師になったのは「教師は時間があるから自分の絵を描ける」と思ったから。じつは大間違いだったけど。
 でも今は自分の作品を描くより、子どもに描かせる才能のほうがはるかにあると思う。
 ちょっとアドバイスしたら「あらら、この子、どうしちゃったの?」と思うくらい、いきなり二段階ぐらいうまくなっちゃうことがあるもの。
 そういう意味では、やっぱり私には教師が天職なんだと思うわ。
 私、中学教師って「おいしい仕事」だなって思う。ちっちゃな子どもだった子が3年間の間に一人前になっていく姿を目の当たりにする。
 しかも、家族にも見せない顔を、私たち教師は間近かでみることができるんですよ。
 中学時代って精神的に不安定なぶん、一生のうち一番キラキラ輝いているときじゃないかな。
 たとえば、すごい感性を持ってて、将来どんな作家、どんな芸術家になるんだろうって子がいる。
 そういう子を見ていると、きっと私たち教師だけが、その子の一生のなかで一番の輝きを見ているんだなって思うんです。
「最近、教師と子どもは信頼関係がないのでは?」なんて問われても、私にはなんとも言えないな。
 だって、子どもとの関係なんて、それこそ一人ひとり、みーんな違う。生徒も親も3年ごとに変わるでしょ。
 でも、私は子どもたちの本質は、どの学校でもそんなに違わないと思うんですよ。
 やっぱり、可愛がられたい、評価されたいという気持ちは同じだと思う。ただ、その表現の仕方が違う。
 中学生といえば思春期まっただ中。一年生のときは緊張感もあって大人しくても、二年生になると反抗期で生活が乱れたり、やる気をなくしたり、悩んだり。三年生になって受験体制に入るのが最近は遅い。
 子どもたちってね、あるとき教師を乗り越えていく瞬間がある。たとえば、教師の意図を超えていい企画が生まれたり、あっと思うような行動をすることがあるんです。
 それと「つぶしがきかない」というかな、生徒指導の方法として、一度失敗させて、自分たちで考えさせるという方法があるんですけど、今の子はそれができないんですよ。失敗するとシュンとなっちゃう。だから生徒との会話でもすごく気を使う。
 私は、生徒との関係に一番気を使っているんじゃないかな。なるべく子どもを追いつめないようにね。
 どんなふうに話すか、言っちゃいけない言葉は何か。その子との対話のなかで素早く嗅ぎ分ける必要がある。
 例えば、受験の前日に夜遅く生徒から電話があって、寝ぼけまなこで電話にでると「先生、明日の試験に行けません」と。
 最初の1,2分が勝負で、まず気を落ち着かせるために、私は「何があったか最初から話してごらん」と、その間にこっちはどう言うか考えるの。時間かせぎね。結局その子は説得されて受験しました。
 そんなふうに落ち着かせるときもあるし、場合によっては泣かせることもある。
 子どもへの対処は毎回違うんですよ。それがうまく当たると「ヤッた」という快感があってね。
 私は、いつも「基本的に、あんたが好き」って態度で生徒に接している。
 なかには合わない生徒もいますよ、合わない生徒に合わないことを悟らせないために、相手のいいところを探して「好き」になる努力をしますからね。
 だから、生徒がいやで教師を辞めたいと思ったことは一度もないな。
 私は、けっこう生徒たちと人生を語り合っちゃうんだよね。放課後とか委員会の後とかに。
 教師と生徒の関係って不思議でね。ときには恋愛関係よりも深いつきあいがあるんですよ。すごく深いむすびつき。なんていうか「あうん」の呼吸なのね。
 いわば会社でチームの仕事をしていて、有能な部下を持った上司の気分なのね。
 私は昔から、クラス担任だけじゃなくて、生徒会とか委員会とか、いくつも担当しているの。なんでかといえば、面白いから。
 それぞれの子どもへの関わり方が違うし、生徒を動かすというか、一方的な命令や管理じゃなくて、いろいろ指導していくうちに、こちらの意図を裏切って育っていく姿を見るのは本当にうれしいですね。
(
東京都公立中学校の美術科女性教師
)

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