カテゴリー「先生の実態」の記事

新任教師が感じている困難や負担と校長からみた初任者教員の評価   窪田眞二

 新任教師が感じている困難や負担と校長からみた初任者教員の評価について窪田眞二(監修、学校教育課題研究会編)はつぎのような調査結果を示しています。
 初任者教員のつまずきや育成上の課題を把握することは初任者教員育成の指導体制を整えることになります。
 東京都が新任教師の意識調査(平成19年3月)をした結果はつぎの通りです。
1 新任教師が授業で困難や負担を感じた(とても・少し感じている)のは、
(1)小学校
 基本的な指導技術、学習状況の把握と対応、指導計画・学習指導案、授業規律の保持や徹底・・・(80%以上)
 教材・教具・ワークシート、授業の進度、課題等の事後指導、特定の教科の指導・・・(70%以上)
(2)中学校
 授業規律の保持や徹底、学習状況の把握と対応、指導計画・学習指導案、教材・教具・ワークシート・・・(70%以上)
 授業の進度・・・(60%以上)
 課題等の事後指導・・・(50%以上)
2 新任教師が学級経営で困難や負担を感じた(とても・少し感じている)のは、
(1)小学校
 学級集団の把握や指導の仕方、個々の子どもの理解や指導・・・(80%以上)
 年度当初の学級づくり・・・(70%以上)
 学校行事での指導・・・(60%以上)
 休み時間の指導・・・(30%以上)
(2)中学校
 学級集団の把握や指導の仕方、個々の子どもの理解や指導・・・(70%以上)
 年度当初の学級づくり、学校行事での指導・・・(50%以上)
 休み時間の指導・・・(30%以上)
3 新任教師が保護者・地域の対応で困難や負担を感じた(とても・少し感じている)のは、
(1)小学校
 保護者会や個人面談等の計画・実施・・・(70%以上)
 保護者への連絡や苦情への対応・・・(60%以上)
 PTA・地域の行事・・・(30%以上)
(2)中学校
 保護者会や個人面談等の計画・実施、保護者への連絡や苦情への対応・・・(70%以上)
 PTA・地域の行事・・・(20%以上)
4 校長からみた初任者教員の評価(やや不足・とても不足しているのは
 集団指導の力・・・(70%以上)
 学級づくりの力、子どもを指導する力、学習指導・授業づくりの力、教材解釈の力・・・(50%以上)
 子ども理解力・・・(60%以上)
 豊かな人間性や社会性、常識と教養、対人関係能力・コミュニケーション能力・・・(40%以上)
 同僚と協力していくこと・・・(20%以上)
(窪田眞二:1953年東京都生まれ、筑波大学名誉教授を経て常葉大学特任教授・副学長。専門は教育行政学)

 

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いくら忙しくても頑張れるのは子どもたちの笑顔を見たいから  栗原 剛

 いくら忙しくても頑張れるのは子どもたちの笑顔を見たいからと栗原 剛はつぎのように述べています。
 教師になって十数年になりますが、最初の年はいま考えると自分でも恥ずかしい。
 大学で勉強したことは実践向きではないことを実感しました。
 先輩の先生に相談したり、勉強会などに参加して何でも吸収しようと無我夢中の一年でした。
 勉強し、自分なりに工夫した国語の授業(一読総合法:最初から精読も味読もする)で、子どもたちから「先生、国語って楽しいね」と言われたときは、本当にうれしかったですね。
 高学年の担任を受け持って痛感したことは、いくらかっこいいことを言っても子どもたちの心には響かないんです。
 体当たりで飾らずに話さないといけない。
「先生はこう思っているんだ」という本音の価値観をぶつけて、そこから子どもたちなりの考えを導き、個性のある価値観をつくる手助けになれば、素晴らしいことだと考えています。
 小学校の低学年は幼稚園の先生と同じで体力勝負みたいなところがあります。
 高学年は心が疲れます。教師と対等に話をする子も出てきます。一筋縄ではいかない微妙な年ごろですね。
 毎日いろいろと悩んでいます。
 教師の仕事って、こだわればこだわるほど増えていくんです。
 子どもたちのために「これもやろう、あれもさせてみたい」と思うと、どんどん増えていきます。
 職員室で冗談で「適当にやろうと思えば、いくらでもできるんだけと」と仲間の教師と話しています。
 でもいくら忙しくても頑張れるのは、やっぱり子どもたちの笑顔を見たいからですね。
「あっ、わかった」というときの満面の笑みを見ると疲れも吹き飛んでいきます。
 いまの子どもたちは変わったと、よくいわれますけど、そんなに変わったとは思えません。
 社会環境が変わり、それを子どもたちが受け止めて、周囲に返信しているのだと思います。
 精神的に幼くて授業がやりにくいといった声もありますが、それがいまの子どもの特徴で、子どもが悪いわけではないと思います。
 むしろ、そういった子どもがいるのに、じっくりと向き合って話をする時間が取れないほど忙しい自分を反省しています。
 とにかく、少しでも時間がほしいと思う毎日です。
(
栗原 剛:東京都公立小学校教師)




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社会人を経験して教師になった人は話題も豊富で、人間性も豊かで魅力的な人が多いように思う  岡部芳明

 社会人を経験して教師になった人は話題も豊富で、人間性も豊かで魅力的な人が多いように思うと岡部芳明はつぎのように述べています。
 僕は福祉事務所の職員から静岡市の小学校の教師になった。
 その頃は、社会人を経験してから教師になる人は、まだ珍しかった。
 しかし、最近は社会人を経験してから教師になる人も増えてきた。
 そういう人たちは、教育に夢と情熱をもち、あきらめずに回り道をして教師になった人がたくさんいる。
 回り道した分、話題も豊富で、人間性も豊かで魅力的な人が多いように思う。
 教師には、民間会社同様に専門知識だけでなく、創造性や協調性、コミュニケーション力等も問われていると思うが、教師にとって大事なことは、教育に夢を抱き、情熱を持ち、子どもとともに自分を高めていこうとする姿勢ではないかと思う。
 私は心豊かで、たくましく、思いやりのある人間を一人でも多く育てたい。
 以前から書きためていた話を本にしました。
 これからも、子どもたちの心を揺さぶる話をしたり、心ときめく体験をさせたりしていく中で、ともに心豊かに成長していきたいと思っています。
 日々の授業は、目の前の子どもに思い寄り添いながら、教科の本質を押さえ、「教えるべきことはきちんと教える」そのうえで「考えさせる」そのような単元展開を構想していきたいと思います。
 今後、年を重ねても、新しいことを学んでいく謙虚さと、子どもたちの豊かな発想に負けない柔軟性、そして、教育に情熱と夢をもち続けていこうと思います。
(岡部芳明:1965年生まれ、福祉事務所を経て、静岡県公立小学校教師)

 

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新任教師や若い教師に知っておいてもらいたいこと

 新任教師は、教室の中ではもっとも年上で、目の前にいる子どもたちは、全員、自分よりも物を知らないと感じてしまう。
 つまり学校というところは、新任教師でも王様になれてしまう職場である。
 そのため、何の実績もない若い教師でも、自分が一人前の社会人だと錯覚しやすい。これから頑張って成長しなければという謙虚さを失いがちな世界です。
 新任教師は教える側として経験する教室の風景に戸惑います。
 さまざまな学びの要求が渦巻く教室で、すべての学び手に配慮し、各々の学びを高めていくということは、決してたやすいことではありません。
 若い教師の多くは実際に一生懸命に働くが、不幸なことに、一生懸命に働いたからといって、必ずしも有能な教師になるとは限らない。
 ざっくばらんな言い方をするなら、よい教師になるためには、かなり賢くなければならない。
 小学校のレベルでは、よい教師は文学や算数を知っているだけでなく、基礎科学、歴史、芸術にも精通し、さらにソーシャルワーカー(注)や心理学者にもなれる準備をしていなければならない。しかし、若い教師の多くは、そのようなレベルに達していない。
 初めて働く新任教師にとって、同僚や管理職をもつという経験はこれまでになかったことです。
 うまくやっていくためには、同僚の教師や管理職と適切な関係を築くすべが必要となります。
 職場での人と人とのつながりを大切にしてほしいのです。
 あいさつをして、同僚教師や管理職と話し合えるようになること。
 ちょっとした手伝いは快くやってあげることなど、ちっとも損にはならないことです。
 失敗がある程度許される若いうちは、何でも引き受けてやってみることも大切です。
 担当者があいまいな仕事がまわってきても、たくさんの仕事にかかわるおかげで、しだいに自分にできることと、できないことの区別が分かります。
 自分が自信を持ってできることが分かってくると、反対にできないことは迷惑をかけることもあり、いさぎよく断ることができるようになります。
 そのかわり、自分にできることにできる限りの時間と手間をかけ、最高に質のよい仕事をするようにするとよいでしょう。
 人ととけ合う能力を培っていくことが、やがて職場全体のまとまりを築き上げていく力量の土台ともなっていきます。
 学校を組織として見ることが重要になってきます。
 上から決めつけられることが嫌いな人や、民主的な決定過程を忍耐強く持つことができない人は、問題を抱かえることになります。
 管理職は、教師がよい学校をつくるための条件と環境を整備してくれています。
 教師は、管理職が物事を決めるという事態を容認しなければなりませんし、管理職はいつも誰からも好かれるわけではないという事態に耐えなければならないのです。
 学校での仕事がはじまったら、あなたは教育の議論と、日常の問題との間を行き来しなければならないと感じるでしょう。これは当然のことです。
 学校の日常は、実際、葛藤がおきます。管理職はあなたを助ける役割を担っているのです。
 管理職に質問することをおそれないでください。新任教師から、よい質問やするどい質問が出るのはうれしいものです。
 あなたのもっているかぎりの知識と熱意を示しましょう。管理職の仕事というのは、あなたのために仕事の環境と条件整備をすることなのですから。
 学校というところは、新しい考え方や創造力、そしてアイデアを歓迎するところであると同時に、伝統やルールに対して敬意を表すことも要求されるところです。
 あなたは、新しい考え方と伝統の狭間でバランスを見つけていかなければなりません。
 しかも、その葛藤のなかでやる気や喜びを失ってはなりません。忍耐力と勇気が必要となります。
 教師という職業はエキサイティングで挑戦しがいのある職業です。
 よいサポートがあればたくさんのことができます。そして、成功するために一番大切なのは、十分な訓練と心の準備です。
 これからの人生には二つの状況があると考えてください。
 一つは、あなたから力を吸い取っていく事態、そしてもう一つは、あなたにエネギーを与えてくれるという事態です。
 あなたが向かい風のなかにいるときは、楽しくない人や足を引っ張る人といっしょにいるのではなく、あなたが前に進んでいけるようサポートしてくれる人を見つけましょう。
 幸いにも、教師という仕事はさまざまなことを自分で決められます。あなたに、仕事への意欲と喜びを生み出してくれるような教材や活動を見つけてください。
(注)ソーシャルワーカー:社会の中で生活する上で実際に困っている人々や生活に不安を抱えている人々、社会的に疎外されている人々と関係を構築して様々な課題にともに取り組む援助を提供する対人援助専門職)

 

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学校に適応している教師・困った教師とは、どのような教師なのでしょうか

1 学校現場に適応している教師
 共通して元気で、個性的で、よく食べ、体力もあって、子どもと一緒によく笑い、子どもに交じってよく遊びます。
 教師が元気で笑顔でいること、教師自身が声を出して笑うこと、これは資質能力としてとても大事なことのようです。
2 困った教師
 教師本人は意識していないのですが、子どもや周りの教師・管理職・保護者からみると困った教師がいます。例えば、
(1) 教師としてのスキルを向上させることに抵抗を示す教師
「私はそんなことしたことがないから教えられない」と、つぶやく教師もいます。
 昔の指導スキルだけで何年も安穏としている教師です。
 常に向上心を持ち、新しいことにチャレンジすることが必要ではないでしょうか。
(2) 子どもたちの変化を受けとめられない教師
 自分の過去の経験から見通せる子どもには対応できるが、その枠からはずれる子どもに対しては、排除したり、レッテルをはったりする教師を見かけます。
「成績がよくて、教師の言うことをよく聞く子どもがよい子ども」と、子どもの評価する教師があいかわらず多い。
 子どもの変化を受けとめ、目の前にいる子どもに愛情を注ぐ教師であってほしい。
(3) 教師として常識を欠く
 携帯電話しか使ったことがない教師が増え、学校の電話の使い方や受け答えに戸惑いを感じている。
 教師自身が親から叱られたことがないので、子どもの叱り方がわかりません。
 小学生の頃に挨拶したことがないので、「とくに困らなかったので挨拶する必要がないのではないか」と考える教師もいます。
 さらに「なんで、ありがとうという必要があるのですか」と真顔で答える教師もいます。
 管理職が「教室に入るときは、ニコッとしたほうがよいよ」とアドバイスをされると「そんなにいつも笑顔でいられません」と言った教師がいたそうです。
(4) 失敗や困っていることを誰にも話せない教師
 自分の評価を気にしすぎる教師がいます。
 誰かに相談すれば失敗したことが知られてしまい評価が下がるのではないかと気にして何も話せないようです。
 問題にぶつかったときに、すぐにくじけて折れやすい傾向もあります。
 思いきりやって失敗してみて、それによって成長しようといった前向きの意識が低いようです。
(5) 他の教師が急に休んだため、自分のその日の予定を急に変えさせられると過度に負担やストレスになると感じてしまう教師
(6) 教師の世代間の乖離が深刻になっている
 世代間の教育技術の伝達が難しくなってきている。
「先輩の教師は、何も教えてくれない」
「後輩の教師は何を考えているのかわからず、教える気持ちにもならない。ことばも通じないし、礼儀もない」
(富永直也:京都府公立小学校教頭、指導主事、京都教育大学准教授を経て立命館大学教職教育推進機構 嘱託講師)

 

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一流の教師とは、どのような教師か

 一流教師の仕事だなあと感じるのは、気配りのこまやかさや、あらゆる観点から検討を加えた働きかけであったりするからだと思います。
 一流教師について福原 忠はつぎのように述べています。一流教師は、
1 空気のような存在であることを旨としますから、子どもを主人公にして自由に活動をさせます。
2 子どもたちは学習に集中して、学び合いの楽しさの中で学力を向上させていきます。
3 物事の微妙な機微を感じ取るセンスのよさを持っています。
 子どもとコミュニケーションをよくとり信頼関係を常に大事にしています。
 子どもとともにいつも行動していますから、子ども一人ひとりの気持ちや考え方をよく知っています。
4 人間的に魅力があり、共感や受容が自然にできる豊かな人間性を身につけています。
 本気になって子どもや親の心の中を思い描く、優しさを持っています。
5 学ぶ喜びを味わわせてくれる授業実践力があります。
「○○さんの意見はすばらしいですね」など、子どもの成長の芽を発見し、心から喜ぶ姿を見せます。
 子どもは教師に認められ自信をもつことができ、教師に親しみと信頼を醸成していきます。
 子ども一人ひとりのつまずきを発見し、どの学年の単元で生じたか把握し、指導資料を豊かにもち補充学習を実施できます。
6 常に学級の人間関係を理解しようと細かな動きを見つめ、全体を掌握し学級が規律正しく行動できるよう、お手本を見せ指示、誘導ができます。
7 常に学び続けようとする強い意志を持っています。
8 ものごとの処理はできだけ早く、誠実に処理しようと考えています。
9 子どもの問題行動の背景についていろんな観点から考える力を持ち、立ち直りのための具体的な筋道を、子どもにも親にも示し、指導することができます。
10 社会の動きに興味関心を持ち情報を収集し、社会的な常識があり、子どもや親からの質問に正確な知識で答えることができます。
(福原 忠:1949年千葉県生まれ、元埼玉県公立小学校校長・一流教師を目指す会代表)

 

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教師になって感じ、悩むこととは何か

 山崎準二教授は20年間にわたり静岡大学教育学部の卒業生を対象に追跡調査に取り組みました。
 その調査により若い教師が感じ悩んでいることはつぎのようだと述べています。
 実際に教師になってみると、想像以上に多忙でさまざまな仕事をしなければいけない。
 教師は子どもと触れ合い、いっしょに活動することに何よりの喜びを感じるものです。
 ところが、現実には書類作成や校務分掌といった雑務が多く、そちらに取られる時間が増えています。若い教師は特にそのことを強く感じています。
 もう一つ感じることは、子どもの能力差、学力差が想像以上に大きいこと。
 きちんと教えればどの子どもも分かるし、伸びると思って教師になる。
 ところが現実には、小学校中学年くらいから学力格差が開き出し、中学生になるとかなり大きくなる。どう対応したらよいのか、戸惑っています。
 授業一つにしても、どの子どもに焦点を合わせてよいのか分からないし、きちんと教えていけばどの子どもも分かるというような甘い状況ではありません。
 軽度の障害のある子どもへの対処の仕方も含めて、生徒指導の面でも子どもの扱い方が多様化して難しい。
 子どもというのは想像していたほど単純な存在ではないというショックが新任教師にとっては大きくなってきているのです。
 そうした中でも懸命に子どもに向き合おうとエネルギーを注ぐのですが、さらに追い撃ちをかけるのは、保護者から厳しい批判にさらされることです。
 一生懸命にやっている自分を保護者は応援してくれるに違いない、という意識が粉々に打ち砕かれてしまうようなことがおきます。
 教師になって、こうした現状に対応するためには、授業方法や子どもとの接し方といった教育技術だけではないことに気付きます。
 それよりもむしろ、幅広い人生体験や教養から培われる人間性や人間力の方が問われていると感じます。
 それはすぐには身につかないことは十分承知していながらも、原点はそこにあると気付いているのです。
 教師が専門的な力を付けていく最大の要因は何かというと、子どもとの日常的な関わりの中での試行錯誤からの学びと、先輩教師からの助言、指導です。学校現場で鍛えられ、成長していくのです。
 相談相手は初任者研修で知り合った同期の教師や、女性教師の場合は友人や家族が多い。相談して助言を得るというよりも、悩みを打ち明けて聞いてもらえる相手なのです。
 職員室には、空き時間や放課後などでもなかなか気軽に話しかけられない雰囲気があります。
 みんなパソコンに向かって作業をしているからです。学校の中で日常的な教師同士の交流が薄れていく中、校内研修でしか相談できない状況は大きな問題です。
 しかも、研修では子どもの目線に立った指導をしましょう、などときれいにまとめられてしまう。
 研修で学びたいのは、現実に今悩んでいるこの子に対してはどうすればよいのかといったことなのに。それはやはり先輩教師に相談するしかありません。
 現実に実践するには、それなりの経験と力量がいるものなのです。
(山崎準二:1953年山梨県生まれ、静岡大学教授、東京学芸大学教授、東洋大学教授を経て学習院大学教授。専門は教育方法論・教師教育論)

 

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こうすれば小学校の管理職になれる? 穏便に定年まで勤めればという教師がほとんど?

1 こうすれば小学校の管理職になれる?
 担任した学級の成績を上げたり、作文や絵で大きな成果を出した子がいると評価も上がる。
 部活動で地区大会を突破するくらいの結果を残す。
 30歳代後半までに、いい教師という評価を得ておく。
 クラス内で騒動が起きた場合、とりあえずはクラス内で穏便にまとめ、上への報告は回避したい。
 高学年の担任は嫌な顔ひとつせず引き受け、問題児などを立派に卒業させ、勉強のできる子どもは適度に有名私学中学などに進学させると、ポイントアップにつながる。
 転勤はいらぬ我を出さず、あくまで流れに従うのがいい。
 転勤先の選択肢はあるが、問題の多いエリアは避ける。
 教師の世界はまだまだ保守的な考えが根強い。結婚が遅いとヘンな噂が立つことが往々にしてある。仲人は将来頼れそうな管理職に頼むのがよい。
 私生活では特定の宗教やイデオロギーに熱をあげるのはご法度で、頻繁な海外旅行や外車を乗り回さず、目立たないように振る舞うのがよい。
 職場で読む新聞は読売か産経が無難か。
 管理職や出世をあきらめた教師から、ともに好印象を得るのが大切。
 PTAにはマイナスイメージを持たれないようにする。
 管理職試験は筆記試験と面接。ただし試験を受けるには校長の推薦が必要だ。
 よって、校長へのお歳暮や接待などのゴマスリもときには必要。教育委員会に好印象を与えておけば、のちの試験でプラス評価を得やすい。
2 穏便に定年まで勤めればという教師がほとんど?
 教師の世界では、ことさら出世コースを歩まず、教室で定年まで勤められればという教師が多いという。
「実力がある、結果があるからといって必ず出世できるわけではないというのが先生という職業です」
「運悪く問題児の多いクラスを引き受けてしまったら、ただでさえ忙しいものがさらに忙しくなる。とても管理職試験の勉強なんてしている暇はない」
「コネ、ゴマスリ、タイミング、ラッキーなどいろんな条件がなけりゃ出世できるもんじゃない」と、怒りぎみで語るのは45歳の男性教師。
 彼はこれまで数々の問題児と対峙してきた。問題児のエキスパートとして高学年の問題児の担任ばかりをまかされ続けることに。気がつけば、出世コースからは逸脱していた。
 同期で教頭になっているのが3人いるという。
「はっきりいって、私は彼らと比べれば、3倍は子どものことを考えている」
「彼らは問題児だって『いずれ中学に進むんだから』と、穏便に済ませてきた」
「教室が荒れたってしらぬ顔して黒板に向かっていたようなものばかり」と。
 まあ、こんな“現場派”の教師はいまとなっては少ないのかもしれない。
 たいていの教師はといえば、無理に出世をねらうより、穏便にやって定年まで勤められればいいという人がほとんどのようだ。
「校長、教頭になっても給料はそんなに変わらないし、子どもたちと楽しくやっていたほうが楽ですよ」と、すこし力の抜けた教師のほうが、いまはしっかりと勤まるのかもしれない。
(ザ・小学校教師 別冊宝島)

 

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若い教師は、若いというだけで許されることもある、どうすればよいか

 ベテランになっても尊敬されない教師とは「自分のことしか考えていない教師」です。
 自分さえよければ、自分のクラスさえよければ・・・・・と、周りがみえないベテラン教師は尊敬されません。
 しかし、若手教師はそうではありません。
 自分のクラスのことしか目にはいらなくても、それは許されることが多いようです。
 学校内の校務分掌もたいした役目はないし、まだまだみんなの役に立つことはないでしょう。
 だからこそ、この時期に思いきり「自分のクラスだけ」のことをすればいいのです。
 自分のクラスの「学級づくり」に専念します。それが若手教師の役目です。
 私もこの時期には、思いきり「自分勝手」をさせてもらいました。
 思う存分クラスづくりをしました。
 自分のやりたいこと、自分が勉強したいこと、全部やらせてもらいました。
 私はそのとき、みえないところで先輩がフォローをしてくださっていることは全く知りませんでした。保護者の方々にも声をかけていただいたようです。
 新任3年目を過ぎたころから、ようやく周りがみえるようになってきました。
 そのときにやっと先輩のすごさを実感しました。
 ベテラン教師とはこうやって若手を育てるのだ、こうやって学年をまとめていくのだということがわかりました。
 先輩の心の大きさ、視野の広さに敬服しました。
 そしてそのころから、私は自分のクラスだけでなく、学年も、学校も考えるようになっていきました。
 教師の役割にも順番があります。
 新任教師は、まず自分だけの学級づくりを思う存分すればいいでしょう。
 そしてだんだんと経験を積みながら、学年全体や学校全体をみられる力量をつけていき、新任教師をフォローし、その力を伸ばしてやります。
 それが年代別の役割と言えます。
 若手教師は「失敗してもいいから、もっと思いきってやってほしい」ということです。
「冒険するより地道にいこう」というようなことが、何かもの足りなさを感じさせてしまします。
 ならば、遠慮せずに思いきりいきましょう。
「失敗を恐れたらダメ、一番恐れなければならないことは、失敗を恐れて何もしないことです」と、私は思います。
 いくらいい考えでも、思っているだけでは何も変わりません。
 とにかく一歩踏み出して、やってみなければ変わらないのです。その一歩を踏み出す教師にぜひなってほしいものですね。
 いっぱいチャレンジして、いっぱい失敗して、いっぱい泣いて笑ってこそ、いい先生になっていくのですから。
 子どもはそんな前向きな先生を「すてきだな、かっこいいな」とみているのですよ。
「子どもとうまくいかない」「子どもが言うことを聞いてくれない」「授業がうまくいかない」「教師としての自信を失った」・・・・・などと悩むことは誰でもあります。
 そんなとき、どうするか?
 私は先輩から「悩んだときは、とにかく遊べ!」と教わりました。「悩んだら遊ぶ」。
 これは実践した者にしかわからないことですが、遊んでみると不思議に子どもとの距離が縮まり、通い合わせることができなかった心も、なんとなく通じ始めます。
 人間は動くと変わります。汗をかきながら走り回ると、心がスカッとします。
 これを気分転換とか発散と言ったりしますが、特に子どもはこの機能が発達していますから、すぐに元気を出してくれますし、こちらにも心を寄せてくれます。
 さあ、やってみてください。悩んでいるときは「まず遊ぶ!」そこからです。
 初めは、その最初の一歩がなかなか出ませんが「おい、一緒に遊びに行こう!」と大きな声で誘ってやってください。
 つぎのようなとき、子どもと一緒に遊びます。
・子ども同士がけんかをしたとき
・子どもが落ち込んでいるとき
・教師が落ち込んでいるとき
・子どもを叱ったあと
・授業がうまくいかなかったとき
・学校が楽しくないと感じ始めたとき
 こんなとき、子どもと一緒に思いきり遊びます。
 汗をかきます。息がハァーハァー言うまで遊びます。
 きっと変わります。いえ必ず変わります。
 だまされたと思って、一度やってみてください。「悩んだときは、とにかく遊べ!」です。
(仲島正教 1956年生まれ 兵庫県公立小学校教師21年間、指導主事5年間勤務後48歳で退職。2005年より、教育サポーターとして、若手教師対象に「授業づくり」や「学級づくり」等のセミナーや講演活動は全国各地に年間150回。若手教師応援セミナー「元気塾PLUS」代表、尼崎市教育委員会教育委員)

 

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教師という仕事に失敗は許されませんが、教師に十割バッターはいません、どうすればよいか

 教師に十割バッターはいません。
 教師は完ぺきでなくていいのだと思います。
 プロ野球のバッターは三割打てば一流といわれます。
 逆に考えれば七割は失敗しているということです。
 もっと楽観的にとらえれば、十回のうち七回失敗してもほめてもらえるのです。
 小さな子どもたちを育てていく教師という仕事に失敗は許されません。
 けれど、教師に完ぺきな十割バッターは絶対にいません。
 40年ちかく教師をしてきたものとして、あえて断言しておきます。
 数多くの凡打(失敗)のなかからタイムリー安打をときどき放ち、子どもたちとの向き合い方が自分なりに確立されてくるのだと私は思っています。
 もちろん、凡打のわけを分析し、次の打席に生かす反省はプロである以上求められます。
 そんなときは素直に認め、子どもたちとともに軌道修正していきましょう。
 子どもたちが教師に求める大事なことのひとつが、その柔軟性です。
 「自分らしさ=個性」を素直に出して、子どもたちとともに歩めば、子どもたちのなかにあなたの存在感がきっと広がっていくことでしょう。
(白須富夫:1950年生まれ、元小学校教師。白梅学園大学非常勤講師、児童言語研究会会員)

 

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