チームで取り組む学校は、トラブルをさけるためにも「報告・連絡・相談」は最も必要なことです
報告・連絡・相談を「ホウレンソウ」といいますが、これはチームとして取り組む学校において最も必要なことです。
これが不十分なため、予期せぬトラブルを招くことが少なくないのです。
相談は遠慮しないで早めにしてください。
困ったときは、先輩や上司をつかまえて、どんどん聞いてほしいと思います。恥ずかしいことではありません。
問題が小さいうちに、早めに相談することが大切です。自分一人で解決しようとしても、問題を余計に複雑にしてしまいます。
そして、相談したら、その後、かならずその経過や結果を報告するようにしましょう。
そのために、それらの経過を日記やメモに残し、情報を整理しておく習慣をつけたいものです。
そうすることが、自分なりの考えをもって相談することになり、相手を振り回さないことにもつながります。
次のような点に留意してください。
(1)上司・管理職への報告を怠らない
組織やチームで教育活動を行っていることを常に忘れず、主任、教頭、校長への報告を忘れないようにします。
連絡や相談がなければ上司や管理職は判断のしようがありませんし、あなたへの評価は高くなりません。
信頼を得て自分を成長させるためには、日常の「ホウレンソウ」は欠かせません。
学校から発行する文書は、校長名のあるなしに関わらず管理職に事前に報告し許可を取る必要があります。
(2)学年・分掌内での「ホウレンソウ」
学校行事や生徒指導では、学年での取り組みが多いので、学年内の「ホウレンソウ」を重視する必要があります。
生徒指導などは常にノートに記録する習慣をつけるようにしましょう。何かあった場合には指導記録が非常に役立ちます。
(3)保護者への事前・事後・経過報告をきちんと行う
学校は保護者から子どもの教育を委託されているともいえます。
したがって、発生した事故やけが、トラブルなどについては、何よりも保護者へ速やかな、きちんとした「ホウレンソウ」が必要です。
さしたる事件やけがでないと勝手に判断し、連絡をしなかったり、遅れたりして、後日、保護者の不信を招くことがあります。
また、教師が指導した結果や状況についても、保護者の気持ちを考えず、報告や相談がなされないなど「ホウレンソウ」がなかったための行き違いや苦情で学校に混乱がもたらされる場合もあります。
保護者との連絡ミスや事前・事後報告の不足により、不信や苦情が膨れあがり、直接教育委員会や議員等に問題が持ち込まれることもあります。
保護者には特に「ホウレンソウ」を十分に心がけるようにしたいものです。
(4)地域や市民への「ホウレンソウ」
学校の説明責任が問われる時代です。
開かれた学校づくりとして、学校の課題や取り組みの方向性など、十分に報告・連絡することが求められています。
(有村久春:1948年生まれ 東京都公立学校教師、小学校長等を経て岐阜大学教授。専門は生徒指導論、カウンセリング、特別活動論)