カテゴリー「子どもの指導の方法」の記事

教師の一番の仕事は「子どもをほめる」こと、教師の1日は子どもをほめるためにある

 私は、昔、明石家さんまさんのTV番組「踊る さんま御殿」を字起こししたことがあります。1時間の番組を全て字起こしするのは、大変な作業でした。
 しかし、大きな発見がありました。
 明石家さんまさんの一番の仕事は「笑うこと」でした。
 他のゲストが笑っていない時でも、さんまさんは笑っています。
 あなたが、さんまさんの番組に出たと想像してみてください。
 大スターのさんまさんが、あなたの話を聞いて、必ず笑ってくれるのです。
 あなたは、きっとうれしく、すごく話やすいはずです。
 さんまさんに、笑ってもらうとは、認めてもらい「ほめられる」ことと同じです。
 だから、さんまさんの番組では、ゲストが生き生きと話せるのでしょう。
 教師の一番の仕事は「子どもをほめる」ことです。
 子どもが「自分が何をしても、先生が必ずほめてくれる」。そんな状況を作れば、子どもたちは自信を持って活動ができますね。
 それなのに、若手教師は、ほめることが少なすぎます。つぎの私の名言を胸に、子どもたちをどんどんほめてほしいですね。
「リスクがゼロ、しかも、コストもゼロ、『ほめる』という武器はどんどん使うに限る。使わないのは、もったいない」
「教師の1日は、ほめるためにある」
のだと、心得ましょう。
 そして、子どもたちをどんどんほめましょう。
 子どもたちをどんどんほめると、子どもが教師を信頼します。クラスがうまく回り始めること間違いなしです。
 例えば、授業態度が悪い子どもがいたとき、隣の子どもをほめます。
 手悪さをしている子どもがいた時です。その子どもを叱るのは素人のすること。
 隣の子どもをほめると、手悪さはおさまります。どうしたら、よいのでしょうか。
 教師は、その子どもを叱りたい気持ちをグッと我慢する。
 手悪さをしている隣の子どもを「手を膝に置いて話が聞けていて、エライ!」とほめる。
 すると、その子もほめられたくて、手悪さをやめ、膝に手を置く。
 それでも、手悪さをやめなければ、逆隣の子どもをほめる。
 それでも、やめなければ
「〇年〇組、膝に手を置いて話を聞けるクラスだね」
「いや、一人だけいた。後1人が膝に手を置けば、完璧なクラスだ」と言う。
 それでもやめなければ、当然、厳しく叱る。
(中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ講演も行っている)

 

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トップ1割の教師が知っている「クラスの子どもの育て方」とは

「どうして、あの先生の言うことだと、子どもは聞くんだろうか?」
「なぜ、あの先生のクラスの子どもはきちんとしているんだろう?」
 そんなふうに気になったことはありませんか。
 すぐれた教師は、自然に「コーチング」の手法を使いこなしているということです。
 コーチングは、人のやる気やアイデアを引き出し、自分自身の力で目標を達成させるための方法です。
 学校で何か問題が起こったとき、いままで多くの場合、教師が正しいことを教えて、子どもにやらせる指導をしてきました。
 でも、コーチングを使うときは、子どもの話に耳を傾け、質問し、子ども自身がどう問題を解決したいかを考えさせます。
 子ども自身が自分で何をやるのかを決めたり、目標を決めたりすることをサポートするのが教師の役割になります。
「コーチングを使ったら、子どもたちとの関係がよくなった」
「クラスがうまくいくようになった」
という声が、数多く寄せられています。
 子どもたちが教師の言うことをきかない。教師の言うことに反発する子どもが多い。
 子どものやる気のなさにイライラする。
 クラスにまとまりがなく、子ども同士がバラバラで、何かを一緒にやろうという意欲が見られない。
 こんなことで困っていませんか。
 教師がコーチングを使うと、
 子どもが教師の言葉に耳を傾けるようになる。
 子どものやる気がぐんぐん出てきて、教師も子どもと話すのが楽しみになる。
 クラスの雰囲気がよくなり、子ども同士のつながりが生まれるようになる。
 子どもが自分で考えて行動を始める。自分の問題の責任をとるようになる。
 というふうに、クラスが変わります。
 コーチングは、200にも及ぶスキルがあります。そのたくさんのスキルの前提になるのが次の3原則です。
 コーチングは、すべての会話がこの3原則からスタートします。
1 双方向性
 教師から子どもへの一方的なコミュニケーションではなく、子どもの話を聞き、質問をすることで、教師と子ども、子ども同士がお互いに考えを伝えあう、双方向のコミュニケーションをとります。
2 個別対応
「たくさんほめる」ときには「見守ってあげる」といったように、子どものパーソナリティーや状況に応じて、関わり方を変えていきます。
3 継続性
 課題の進み具合を共有しながら、最後まで目標に到達できるように、継続的にコミュニケーションをとります。
 クラス運営の中でも、この3原則を大事にしていくと、クラスの雰囲気がよくなり、クラスもまとまってきたと語る教師が多い。
 まずは、クラス運営の中で、場面によって、意識的に3原則を使ったり、試したりしてみてください。
(吉田 忍:1972年東京都生まれ、大手企業の管理職、約6000人の組織リーダーのビジネスコーチを経て、教師向けのコーチングセミナーを全国展開している)

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5月の連休を過ぎるころから、生徒は気のゆるみが見えはじめます、どうすればよいのでしょうか

 5月の連休を過ぎるころから、気のゆるみが見えはじめます。
 生徒は子どもです。放っておくと、けじめのないクラスになります。
 そこで、けじめのある明るさを教師が導いていくのです。教師は「笑い」と「まじめ」を表現する顔を自分で訓練しましょう。
 例えば、おもしろいことを話す中に、教訓めいた話が入るとします。教訓のときは、むずかしい顔をする。その後、破顔一笑するといった具合にです。
 目で笑ってても、ひきしまった顔をする。「百面相」という言葉がありますが、教育的「百面相」も努力次第でできます。
 体での表現もそうです。生徒と、うちとけてワアワア遊んでいても、心まで遊んでしまわない。しかし、生徒から見たら、心から「のぼせ」ているように動き回れる教師になることです。
 私は寄席が好きで、テレビで観ます。落語家のあの表情は、すぐに役立ちます。庶民的な雰囲気の中に、けじめの表情の大切さを教えてくれます。
 生徒に対して、親しさと指導のけじめを、教師がもつことです。
 例えば「人づて行動」がよいと思います。
 人づてに聞いたときには、面と向かって、教師から聞くよりもうれしいものです。
 先生が自分たちのことを陰で、そんなに「心配している」のか、あるいは「ほめている」のか、と知るときほど、生徒が真に受けとめられるものはないでしょう。
 さりげなく行われたら、なおのことです。
 教師は、その生徒をどうにかしようと思うから「叱る」のです。誤ちをしたりした時は、毅然と叱ることが大切です。
 「可愛くば、2つ叱って、3つほめ、5つ教えて、よい子にはせよ」という歌があります。
 今回は許そうと思うこともあろうが、やはり一度は叱ることが必要です。叱ったときには反抗的態度をとることもありましょうが、やはり叱るべきです。
 厳しく叱った後、場の雰囲気では、他の教師による説得が効果があります。「生徒指導は夫婦の呼吸」でといわれます。叱る教師もいけば、救う教師も必要です。
 叱るコツの5か条を次に示します。
(1)許すこと、許さないことを明らかに
(2)大勢の中で個人を叱るな(教師と生徒、一対一で叱ると生徒は素直です)
(3)熱い言葉で叱れ(厳しく、本気で)
(4)追いつめて叱るな(逃げ道を残して、古傷までえぐるな)
「生徒の気のゆるみ」は、やはり教師がつくっているのです。「教師の気のゆるみ」といってもよいでしょう。
 初心にかえること、4月の開幕の時期の緊張感を思い出してほしいものです。
(陣川桂三:1939年生まれ、福岡市立中学校教師、福岡教育大学附属中学校教師、福岡市教育委員会指導主事、中学校長、福岡市教育委員会部長、福岡大学教授を経て退職)

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子どもの指導で、「温かさ」と「厳しさ」のバランスがわからない、「温かく、厳しい」指導の極意とは

 子どもを叱ると、子どもの心が離れてしまう気がします。
 優しすぎると、子どもにバカにされるのではないかと不安です。
 この問題は、ほとんどの教師が同じ経験をしています。
 この問いに答えるには、子どもの「心理的事実」と「客観的事実」を考えるとよい。
「心理的事実」は、子どもの気持ちです。 
「客観的事実」は、子どもの発言や行動です。
 これが同じなら、子どもを理解するのに苦労することはないのですが、やっかいなことに、違う場合が多い。
 例えば、ある子が遅刻して教室に入るなり「おもしろくねー」と、大きな声を出しながら、前列の子の机の上にあった筆箱を窓の外に放り投げてしまった。
 その子は家を出るとき、ささいなことで父親に殴られていました。どう指導しますか。
A教師
教師:「どうしたんだ?」と尋ねると
その子:「朝、父ちゃんに殴られてムシャクシャしてるんだ」と答えた。
教師:「それじゃ、仕方ないね」と言った。
B教師
教師:「バカもん、筆箱を拾ってきて、しっかり謝れ」と言った。
 どちらも、いい指導とは言えません。
 子どもの「心理的事実」を受け入れ、「客観的事実」には責任をとらせる。
 これが「温かく、厳しい指導の極意」なのです。
「心理的事実」には耳を傾け、子どもの気持ちをしっかり受け止める。「客観的事実」には責任を果たさせるようにするのです。
 例えば、ある日、教師の注意に腹を立てた生徒が故意に窓ガラスを割りました。
 どうすれば、「温かく、厳しい」指導になるのでしょうか。
C教師
教師:駆けつけると、窓ガラスを割った生徒に大きな声で「ガラスの破片を全部片づけろ」と、叱りました。
生徒:C教師の迫力に、その生徒はしぶしぶ破片を拾い始めました。
教師:少したつと、その生徒と額をぶつけるようにして手伝い始めました。
「ところで、何でこんなことしたんだ」と語りかけ、その生徒の辛い気持ちには大きくうなづいていました。
D女教師
D教師:ガラスを割った生徒の手を握り
「どうしてこんなに興奮しちゃったの。ダメじゃない」
「まずは片づけ。手伝ってあげるから」
「このガラス高いんだから、自分の小遣いで弁償するのよ。お母さんには先生から言っとくから」
 C,D教師に共通していたのは「心理的事実」には耳を傾け、子どもの気持ちをしっかり受け止めるが、「ダメなことはダメ」と「客観的事実」には責任を果たさせている点でした。
「温かく、厳しい」指導とは、こういう指導を指すのではないでしょうか。
(
嶋﨑政男:元東京都立中学校教諭・校長、日本教育相談学会事務局長)

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子どもが先生の言うことを聞かないのはなぜでしょうか 

 子どもが先生の言うことを聞かないのはなぜでしょうか。
 私たちは、誰しも学校の先生に習って育ちます。しかし、習う割には、子どもの頃は先生の言うことを聞きません。
 先生は、必ず立派なことを言わなければいけないと決まっています。しかし、その「立派そうなこと」を自分自身がやっていない先生が多いのです。
 人に優しくしましょうと言うけれど、あの先生は優しくない。
 あの先生は「みんなのためを思って自分は言っているのである」という態度をとっているけれど、子どもが騒いでいるときに、丁寧に言い聞かせず、自分の思い通りにならないことに腹を立てて、威圧的に怒鳴っている。
 そういう矛盾が、子どもの目についてしまうのです。子どもが先生の言うことに反抗し、うんざりするのは、そこで言われていることに嘘があるから。
 もし本当に、子どもが騒いでいるとき、怒りを混ぜることなく、自信を持って毅然と注意ができるとか、頼れるリーダーシップがあると感じられたら、子どもも先生の言うことを聞こうとするでしょう。
 優しくすることが実践できていない大人が「人に優しくしましょう」と言ったら、その子が人に優しく穏やかになったら、周囲の大人が楽になる。
 大人は自分の利益のために、子どもを洗脳しようとしている、と敏感な子どもは心のどこかで気づいています。
 人間は本心から相手に優しくすると、心は真から満足して幸せであることを認識するものです。
「人に優しくすることは、自分にとって得くなのだなあ」と、わかっている人は、人に優しくできるわけです。
 そういう人が確信をもって「人に優しくすることは、自分にとって良いことなのですよ」と言うと、説得力があります。
 実際に人に優しくできている人は、その人自身が幸せそうなので、周囲の人も「この通りに真似してみよう」と思えるのです。
 もともと「学ぶ」は「まねぶ」から来ていると言われますけれども、真似したくなるような大人なら、人はそのようにしてみようという感じになります。
 実際にやっていて、気持ちが充実しているという事実に基づいていますので、言葉があいまいになったり、表情が嘘っぽくなることがありません。
(
小池龍之介:1978年生まれ、僧侶。2003年ウェブサイト「家出空間」を立ち上げる。住職をしている「正現寺」(山口県)と「月読寺」(神奈川県)を往復しながら、自身の修行と一般向けの瞑想を指導)

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けんかが起きたとき、どう介入すればよいか

 けんかを見ている見物人を排除し、凶器となりうるものや、机、椅子等の危険な障害物をその場から排除します。
 見物人がいると、どちらかの肩を持ったり、はやしたてたり、面子を失わずにやめることが難しくなります。
 本を落とすか、ドアをバタンと閉めるなどして、大きな音を立て、けんかをしている当事者の緊張した状況に水をさします。
 けんかをやめさせることはできませんが、けんかをしている生徒を我に返らせ、言葉による介入をしやすくします。
 口論の真只中にあせって飛び込まないこと。
 生徒と面と向き合って立つ姿勢では、攻撃的だと受け取られてしまいます。
 安全を期して、興奮している生徒から少なくとも50センチから1メートルほど離れて立ちます。
 パーソナルスペースに侵入すると生徒の不安が高まる傾向があり、暴力行為へ発展する可能性があります。
 生徒が自制心を失うほど、教師の言葉が聞こえなくなります。
 声かけの内容よりも、声の調子やポディランゲージの方が明瞭に伝わります。
 身体暴力に及んでいても、声かけがけんかの制止に効果があります。
 どのような状態でけんかをしているのか、よく観察して劣勢な生徒に
「〇〇さん、けんかを今すぐやめて、こちらに来なさい」などと、声をかけ、面子を保つやり方でけんかをやめさせる助け舟を出します。 
 けんかをしている生徒は、立ち去る口実を先生が与えてくれるのを実際には待っているのです。口実を与えるチャンスを逃がしてはいけません。
 けんかが終わった後、すぐさま当事者を別々の部屋に引き離します。興奮を冷まして気持ちを落ち着かせます。
 けんかはどのような結果をもたらすのか説明し、今後どのような行動をとって欲しいのかという教師の期待を伝えます。
 今回のことを教訓として、成長する機会を与え、コミュニケーションをとって仲直りする手助けをします。
(
新福知子:千葉県スクールカウンセラーを経て、CPI危機予防研究所代表
)

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子どものわがままや甘えをなくすには、どうすればよいか

 子どもを受容するとは、子どものしていることや言い分を100%受け入れることと思っている教師がいないわけではありません。
 子どもを100%受け入れると、子どもの発達課題は達成できそうにないし、学級がどうなってしまうのかと不安を抱く教師も多いはずです。
 そうなのです。子どもを受容するとは、子どものしていることや言い分を、すべて受け入れたり、認めたりすることではありません。
 子どものしていることや言い分には、わがままや勝手さが含まれています。それを受け入れたり、認めたりすると、学校はわがままを助長したり、甘やかしたりする場となりかねません。
 それならどうすればよいのでしょうか。
 子どものしていることや言い分について、いいことはいいし、いけないことはいけないことと、教師は見分ける目を備えていなければなりません。
 そして、いいことは、ほめて励ますことが大事です。
 一方、いけないことについては、どう対処すれはよいのでしょうか。
 いけないことは「いけないのだ」とすることも、子どもが成長していくための支援です。
 支援とは、子どものしていることや言い分を、何もかも認めて受け入れることではないのですから。
 もっとも、それを頭ごなしに厳しく叱りつけることが、支援・指導としてベストだなどと思わないでください。
 子どもが得心するように、教え諭すことが必要です。
 子どもの言い分を聞く耳を持ち、妥当な判断をしながら、子どもに接する術を磨くことが大事な時代になりました。
 それと、説得力のある話し方や、接し方ができるようにすることも大事でしょう。
 やはり、子どもの心をどうとらえるかなのだろうと、思われてなりません。
 それと、子どもに教師がゆとりを持って、接することが大事なのです。これをどう実現していくかが、教育界の大きな問題となっています。
(
飯田 稔:1933年生まれ。千葉大学附属小学校に28年勤務、同校副校長、千葉県浦安市立小学校校長を経て、千葉経済大学短期大学部名誉教授。学校現場の実践に根ざしたアドバイスには説得力がある)

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教師の言うことを、子どもが心から従うようになるには、どうすればよいか

 子どもがバラバラになり。教室が騒然となる原因は教師にある。
 子どもの責任にする教師は、いつまでも、技量が伸びない、伸びようがないのである。
 自分の責任として考えるから、何とかしようと思うから研究するのである。
 教師が「子どもを動かす法則」を知らないからいけないのである。
 では「子どもを動かす法則」は何か。それは、ただ一つである。
「最後の行動まで示してから、子どもを動かせ」
 子どもを動かす秘訣は、これに尽きる。
「最後まで、どうやっていくか」ということが、わからないから、子どもは場当たり的に行動するのである。
 この法則を支える補則は
(1)
何をするのか端的に説明せよ。
(2)
どれだけやるのか具体的に示せ。
(3)
終わったら何をするのか指示せよ。
(4)
質問は一通り説明してから受けよ。
(5)
個別の場面をとりあげ、ほめよ。
 これを、子どもたちに「校庭の石拾いをさせる」ことを例に説明します。
 教師はやることを、子どもたちに端的に示さなくてはいけない。よけいなことは言わない方がいいのだ。
「これから校庭の石を拾います。石はこのバケツに入れます」
 次にどれだけやるかも、端的に示す。
「五分間だけ拾います。五分たったら笛をふきます」
 これだけでも、子どもはやることがはっきりする。
 終わったら、どうするかも、前もって指示しなくてはならない。終わった時にどうするかという指示がないと、活動した後、崩れてしまう。
「終わったら、今の場所に集まって、すわって待ちます」
 さて、ここまで言ってから質問を受ける。途中で質問を受けてはならない。途中で質問を受けると、子どもたちの頭の中が混乱する。
 まず、最後まで一通り説明するのである。すると、はっきりとしたイメージが描ける。それから質問を受ける。
 一度、説明したことを二度言わなくて良い。「前に説明しました」と、きっぱり言えばよい。
 例えば「木の枝も拾うのですか」というような質問が出る。答えは端的に言う。「拾います」これだけでいい。
 質問はスピーディーにやっていくのである。長々と聞く子には「短く聞きなさい」と言う。動作の指示に対する質問は短くさせた方が良い。授業の場なら長々と聞く時もある。
 以上のことをすべて2,3分で終える。
 こうしてから子どもに石拾いをさせる。
 終わったら、子どもたちが集まってくる。やらせっぱなしはいけない。
 こういう活動の時に、光っている子どももいる。それをとりあげてほめる。
「〇〇さんと、△△さんは、こんなにいっぱい拾ってましたよ。先生は、すごいなあと思いました」
 これくらいでいい。まじめに仕事をした、そして授業では目立たない子をほめる。
 時には、仕事をしない子もいる。仕事をしない子を叱りたくなる。叱るのは、後になってからでもいい。
 まずは、ほめることだ。子どものいいところをさがしてやることだ。
 こうすると、学級全体の子どもが変わってくる。さぼっていた子も、さぼらなくなる。
 そうなってきて、なお、さぼる子なら叱ればいい。
 ところが、教師は、しばしばこれを逆にする。悪い子を叱るだけで、良い子をほめないのだ。教師は悪いところたけを見ているのである。
 子どもを評価するとは、まず、良いところを見てあげることだ。それをほめてやることだ。
 ほめてほめて、ほめまくるくらい、良いところを見てやることだ。
 それから、悪いところを叱ればいい。
 自分の良いところを見つけてくれる教師の言うことなら、子どもは心から従うのである。
(
向山洋一:1943年生まれ、元東京都公立小学校教師、教育技術法則化運動代表を務めてきた。教師を退職後、TOSSインターネットランドの運営に力を注いでいる)

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子どもたちを指導するための大切なポイントとは何か

 私たち(菊池道場)が子どもたちを指導するとき、大切なことだと考えていることは
1 子どもたちに「失敗感」を与えない
 自信のない子どもにとっては、みんなの前で失敗すると大きなショックをうけることになります。まちがいを恐れ、進んで友だちとかかわることのできない子どもに育ってしまう恐れも出てきます。
 子どもたちに失敗感を与えないようにするには
)まずは、成功体験を多く積ませる
 特に1年間の最初のうちは、子どもたちに多くの成功体験を積ませることを心がけています。
(1)
誰でも答えられるような簡単なことを尋ねて、発表させる
(2)
まず自分の考えを書いてから話し合わせる
(3)
友だちが言ったことをそのまま言わせる
(4)
進んで発表したり、友だちとかかわった子どものやる気を大きく認め、みんなで拍手する
 学級のみんなから認められた子は、何事にも進んで取り組もうとする子どもへと成長していく。
)間違った時には、教師のフォローで失敗感をもたせない
 一人の間違いを全員の学びにかえるようにします。
「〇〇くんのおかげで、みんなの勉強になりました。どんなことが学べたかノートに書きましょう」
と、全員の学びにつながることで、間違いを恐れない気持ちを育てます。
2 小さな伸びをほめる
 子どもたちは、ほめられると喜びます。
 ほめる点を見つけようと教師が思わないと増えません。見つけようとすると、どんどん増えます。
 基本は、子どもの「伸びた」ことをほめます。「伸びた」ことほめると、どの子でも同じようにほめることができます。子どもたちは「伸びる」ことが価値のあることだと意識するようになります。
 ほめることがないと教師が思うのであれば、ほめることができるように、声をかけたり、指導をしてみたりしてみるとよいでしょう。
 小さな伸びを見つけて、伸びを積み重ねていくことが、子どもの大きな成長には何よりも大切なのです。                
3 子どもたちに活発な対話をさせるために必要なのは、聞き手を指導すること
 積極的な聞き手を育てるためには、まず「うなずく」ことから始めるのがよいでしょう。
 その後で「視線を合わせる」などの態度面を充実させます。
 聞き手が発言するためには、
「話し手が言ったことを引用して返事をする」
「質問する」
「ほめる」
ようにします。
 子どもに、聞き手の技術が身につくと対話が活発になります。
 聞くことを楽しむことができるようになった子どもは、対話を楽しみ、話し手を喜ばせるようになっていきます。
 子どもたちに活発な対話をさせるためには、聞き手の指導が何よりも大切になります。
4 クラスの集団を高めるには、中位の子どもたちを上位の子どもたちに近づける
 クラスの子どもたちは、3つのグループにわけることができます。
(1)
クラス集団を強く意識し、高まりたい「上の2」(2割)の子どもたち
(2)
集団に対する意識をもつことができるが、周りの友だちの考えに引きずられる「中の6」(6割)の子どもたち
(3)
集団に対する意識が低く、友だちの考えや行動にあまり興味を持てない「下の2」(2割)の子どもたち 
 教師が初めに目をつけがちになるのは「下の2」の子どもたちが多いようです。クラスのルールなどになじめずにいる子どもたちに、どうしても目にとまり、指導をしてしまいます。
 そのため、「上の2」や「中の6」の子どもたちの意欲をそいでしまっています。
 クラスを集団として、より高みに上げていくために大切なのは「上の2」や「中の6」の子どもたちの意欲や行動です。
 そこで、まずは「下の2」の子どもを意識しつつ、「中の6」の子どもたちが「上の2」の子どもたちに近づくように指導していきます。
 つまり、「中の6」の子どもたちにも「上の2」の子どもたちの持つ考えや行動を強く意識させ、行動させるようにするのです。
 そのようにして指導を続けていくと「下の2」の子どもたちも自然と上の方に引っ張られ、集団を意識せざるを得なくなっていきます。
 例えば、ある子が朝「おはよう」と友だちに挨拶したら、教師は挨拶した子をほめます。そして「おはよう」のひと言が、クラスを集団として変容させていくことを話します。「おはよう」という挨拶の行為を「価値づけ」ていくのです。
 集団としてよいと思われる行為に「価値づけ」していくのです。
5 クラスの短期・中期の目標を設定して指導する
 多くの学級では、新学期の4月の始めに学級目標を決めています。
 しかし、学級目標は1年後のめざす子どもの姿であるということです。
 常に子どもは変化し、発達するものである、というとらえ方をします。変化・発達していく子どもたちに、ずっと同じようなことを指導していても、それ以上の成長はのぞめません。
 実際に子ども同士が関わり合う体験を積み重ねながら少しずつ身についていくものです。
 例えば、コミュニケーション力を育てていこうとする場合、1年後の子どもたちの姿を見据えながら、スモールステップでコミュニケーション力を身につけていけるようにしましょう。
 コミュニケーション力について指導するとき、相手のことを考え、思いやる心を育てていくように心がけるべきです。
「もっと友だちと仲良くなりたい」「もっと学級のみんなと成長したい」という思いが育っていない子どももいる。
 その時の子どもたちの心の成長をていねいに見取りながら、実態に合わせながらコミュニケーション力を高めていく指導をしていきましょう。
 すぐに成果を求める速成指導は避け、短期・中期の目標達成を積み重ねていくことにより、少しずつ学級目標に近づけていくことが大切です。
(
菊池省三:1959年生まれ、 福岡県北九州市公立小学校教師、2015年に退職。コミュニケーション教育を長年実践した。「プロフェッショナル-仕事の流儀(NHK)」などに出演、「 菊池道場」(主宰)を中心に全国で講演活動をしている。 北九州市すぐれた教育実践教員表彰、福岡県市民教育賞受賞
)

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困っている生徒や指導に困っている教師に養護教諭や同僚教師が協力して指導に生かすようにするには、どうすればよいか

 私が養護教諭として保健室で毎日生徒たちと接するなかで、保健室に生徒がやってくるのは、体の具合が悪いだけで来るのではなく、その奥にある心の具合の悪さも訴えて来るのだということを実感しました。
 それは、生徒たちの自覚のあるなしにかかわらず、不満であったり、不安であったり、虚ろな心を抱かえていることでした。体の不調として訴えながら、心の問題と密接な関連がある場合も少なくないことも分かってきました。
 たくさんの生徒たちと出会いました。保健室での生徒たちは、楽しかったことよりは、苦しみや悲しみ、つらさや切なさを、時には涙を流しながら話してくれました。
 生徒たちの体と心の問題に対応しながら、私自身も悩んだり、喜んだり、教えられたりして、生徒たちと一緒に成長してきたような気がします。
 養護教諭が生徒たちに対応している姿を見れば、単なるおしゃべりとしか映らないかもしれません。
 しかし、体のことを通して、さりげなく、どうしても聞いて確認しておかなければならないことは、会話の中に取り入れます。
 できるだけ話しやすく、答えやすいように質問して、生徒の思いのたけを聞き取ることができるように配慮しながら対応しているつもりです。
 養護教諭には特権があります。それは、生徒たちとゆとりを持って十分に時間をかけて会話することができることです。養護教諭は、よく話を聞いてくれるといわれます。
 担任は、次の授業を気にしながら、生徒たちの話を聞いたり、短い休み時間に対応しなければなりません。何か問題が起きたときや、生徒の様子の変化に気づいたときでも、さりげなく話を聞こうにも時間が少なすぎます。
 生徒がいま何に困っているのか、どうしてほしいと考えているかを養護教諭が耳にすることがあります。
 そんなとき、生徒の秘密を守ることに気をつけながら、担任に伝えます。担任と問題を共有しながら指導にあたります。
 そのとき担任は、生徒に養護教諭から聞いたと言わないことを約束してもらいます。
 生徒が養護教諭に話してくれたことを、担任は必ず生徒の口から聴き取ってもらうようにしなければなりません。
 そうしなければ「養護教諭しか知らないはずなのに」ということで、私と生徒の信頼関係はなくなってしまうからです。
 養護教諭がそっと担任に伝えておくと、担任も、生徒が何に困り、悩んでいるのかをあらかじめ知っておくことになります。それほど難しくなく話がすすみます。
 気になる生徒の指導に苦慮している担任から、私に「あの生徒に聞いてみてください」とお願いされることもあります。
 養護教諭と担任との間にかぎらず、学校の中で、信頼関係ができている教師間でも可能です。生徒に対する指導に生かすことができます。
(
白鳥クニ子:1944年福岡県生まれ、元福岡県公立高校養護教諭)

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