カテゴリー「子どもの指導の方法」の記事

子どもたちの心づくり指導はどのようにすればよいのでしょうか

子どもたちの、スポーツ等での心づくり指導は、
1 子どもたちの心づくりを成功させるためには「心を使う」(目標設定、イメージの原則)
 私は、オリンピックの金メダリストたちの分析で、心の大切さを知った。
「どれだけ強烈に自分は勝つと思っているか」
 最後は、その心の強さで決まる。勝つ秘訣は「心づくり」です。
 心を使うとは「書く」ということです。
 目標設定用紙に書いて、目標を立て、達成のための方策、予想される問題点、解決策などを考え書く。
 本当にハッキリするまで書くということです。
2 心を強くする(できることの継続と特例の禁止)
 登山家の講演会でヒントをもらった「継続」です。
 毎日、自分が決めた家のお手伝いを三年間つづけさせます。そして、教師に報告します。
3 心を整理する(過去の中の後悔、未来への不安の解消)
 自分ではどうすることもできない未来のことや過去の後悔などに、心が縛られて萎縮してしまうことがある。
 いまの楽しさだけを求めてしまうこともある。
 そういう心のマイナス要素を整理して、気持ちを未来に持っていくこと。
 そのために役立つのが日誌です。日誌に、その日の反省、明日やるべきこと、自分の決意などを書きます。
 私は子どもたちの日誌を読んで、必ずコメントを書いていきます。そうすることで、その子の持っているエネルギーを前に押し出すための後押しができるのです。
4 心をきれいにする(感謝の心。奉仕活動。清掃活動。エコ活動)
 感謝の気持ち、謙虚な心を養うことです。
 スポーツで優勝しても天狗になっては意味がありません。自分の力だけで勝ったという傲慢で利己的な発想を排除すべきものなのです。
 「ありがというございます」「おかげさまです」の心を育てるために、子どもたちに清掃活動(大会会場の清掃)や奉仕活動をさせています。
5 心を広くする(生き方ノウハウの提供、自利即利他の原則)
 強い選手、日本一になれる選手ほど、嫌がることなく真剣に仲間をサポートします。決して利己的な態度、言動はとりません。
 そういう精神を持っている子どもこそ、自立型人間と呼ぶにふさわしいと思います。謙虚であるということです。
 そして、次の四つの方法で実践しています。
 それぞれ「プラン、ドゥ、シー、ショウ」に落とし込んでいきます。
 プラン(目標を決め、計画を立てる)、ドゥ(実行する)、シー(検証する)、ショウ(公表、共有する)
(原田隆史:1960年生まれ 20年間大阪市公立中学校教師、教師塾主宰等を経て原田教育研究所社長。元埼玉県教育委員、高知市教育アドバイザー、三重県政策アドバイザー、奈良市教育スーパーバイザーも務める。ビジネス・ブレークスルー大学教授。大阪市立松虫中学校を態度教育・価値観教育・自立型人間育成教育により建て直し、陸上競技では7年間で13回の日本一を達成した)

 

 

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生徒を指導するとき100通りの声掛けができますか

 生徒のキャラクターを理解することは重要です。
 生徒を指導するとき、必ず見かけるのが、その手法を1通りしか持っていないワンパターンな指導です。
「そんな生徒、ガツンと怒鳴ってやれば良いんですよ」
 どんな場合でも、その一言で片付けようとする教師が残念ながら多くはありませんか。
 その場合の多くが、生徒にとにかく謝らせるような解決方法で済ませることも多い。指導する教師側がスッキリするだけで終わる。
 生徒の側に立った場合、具体的な行動改善への解決にはなっていないことも少なくありません。
 たとえば、生徒が宿題を忘れたとき、なぜ宿題を忘れたかその原因を具体的に探り、そこを共に解決していかなければ本当の意味で指導をした、という事にはならないのです。
 だからこそ、生徒のキャラクターを理解する、ということを重視したいのです。
 私は研修でもよく「生徒に○○する言葉」というテーマで100通りの声掛けを挙げるトレーニングをしていただいたりします。
 試しに「生徒をほめる言葉」というテーマで100通りの声掛けに挑戦して見てください。
 全然増えないのであれば、それが現在のあなたの教師としての幅であり、それだけ限られた生徒に対する理解と適応力しか持ち合わせていない、ということです。
 これを100通り挙げるためには、様々な生徒の状況を想像して、それに合う言葉・声掛けを考えなければいけません。
 しかし、生徒のキャラクター理解がしっかりできていれば、それほど難しいものではありませんので、生徒を良く観察し、キャラクターの理解を深めていってください。
(諸葛正弥:東京生まれ 都内大手進学塾で長年指導、講師育成を経て、諸葛正弥教育総合研究所株式会社 代表取締役、「T’s skill教師塾」代表。教育委員会や各種学校などで講演や教員研修、学校改革のコンサルティング)

 

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ストレスに負けない子どもを育てるにはどうすればよいか

 子どもをストレスから守るために大切なことは、自己肯定感をもたせることと、コミュニケーション能力を獲得させることです。
 コミュニケーション能力が獲得できれば、自分自身を“対象化”することができ、子どもたちは人間関係のシラブルやストレスを、楽しめる“たくましさ”を“やわらかく”身につけることができます。
 人間関係のスキルを獲得するには、日常のなにげないやりとりや、双方向のコミュニケーションの中でしか培われないものです。
 ストレスに負けない子どもを育てる処方箋はつぎの通りです。
(1)子どもの話に耳を傾けて聴いてあげる
 “受容”と“共感”の態度で、子どもの話を十分に聴き入るようにしてあげてください。親の価値判断で判断したりせず、ありのままに子どもの思いや感情を聴くことです。
 人はどんなにみじめな状態になっても、そばにいてくれる人が一人でもいれば救われるものです。親が熱心に聴いてくれると、子どもは安心して話をするものです。
(2)親が見守っていることを子どもに伝える
 「いざとなったら親が助けてあげる」と、子どもへ親の気持ちを伝えることで、子どもは不安に対して前向きに対応できるようになります。
 親が子どもに関心を示すと、子どもは「いちいちうるさいな。そんなにかまうなよ」と反発することがあります。でも、それでいいのです。親としては「いつもアナタのことに関心をもっているよ」というメッセージを送り続けることが大切なのです。
 親が“肯定”と“支持”をベースにして、子どもに関心をもってください。肯定的な関心は、親と子どもの会話の糸口になります。
(3)子どもの長所をほめる
 ストレスに負けないようにするためには、親が前向きにプラス思考の姿勢でいることが大切です。子どもの長所をできるだけ多く見つけ、話題にしてあげるのです。
 そうすれば子どもは「こんなふうに、親は自分のことを見てくれているんだ」と、自信につながります。愛情があれば、日常のちょっとした行動でも、ほめる材料はあるはずです。
(4)成功体験を積み上げさせよう
 日々の生活の中で、成功体験を積み重ねることで、自信は育まれていきます。自信を持つことで逆境に強くなります。
 子どもが努力すれば達成できるものを目標とするようにします。ときには、親の目から見ても、とても実現できそうにない“夢”を抱くことがあります。
 そのようなときでも「すごい夢をもっているね。実現できるといいね」と、肯定し、「では、とりあえず、こうしてみたらどうかな」という具合に達成可能な小さな目標を一緒に設定してあげるようにしてください。
 実際にやってみて、失敗することがあっても、目標に向かって取り組んだことを、評価してあげてください。親の価値観で子どもをしばらないようにしてください。
(富田富士也:1954年生まれ 若者たちの悩みに取り組む教育心理カウンセラー 「子ども家庭教育フォーラム」代表)

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教師が子どもに友だち感覚で接すると、子どもに「ていねい語」などが身につかない、子どもにどう接すればよいか

 教師が子どもたちと友だちのような感覚で接すると、子どもたちとの距離が縮まり、子どもを把握しやすいという利点があります。
 また、子どもたちにとっても、教師を身近に感じ、相談しやすくなるというよさがあります。
 しかし、いつも友だちのように接したのでは、敬語をはじめとした言葉づかいや、礼儀正しい社会的習慣を身につけさせることはできません。
 やがて社会に出て行く子どもたちにきちんとした礼儀作法を教えることも、教師としての大切な役割なのです。
 そこで、教師が自ら進んで言葉づかいや礼儀作法を「時間」「場所」「場合」を踏まえて、「友だち感覚」と「礼儀作法」のスイッチの切り替えを次のように行い、子どもの手本となることが大切です。
(1)「時間」スイッチの切り替え
 休み時間には、子どもと「友だち感覚」で話をすることがあります。
 しかし、授業が始まったとたんに、スイッチを切り替え、きちんとした「ていねい語」で話をします。
 このように、教師自ら休み時間と授業時間を区別するという手本を示すことにより、一人ひとりの子どもに時間のスイッチを切り替える習慣をつけさせることが大切です。
 休み時間と授業時間の区別ができていないのであれば「今何の時間?」と問いかけます。
 同じことを繰り返すときには「ん? 今は?」だけで気がつくようになります。
 また、ていねいな言い方がわからないときは
「そうですか。わすれてしまいましたか」
と、教師がまずていねいな言葉で話し、見本を示します。
 子どものほうから、どのように話せばいいかを聞いてきたら、このときが絶好の指導のタイミングとなります。
(2)「場所」スイッチの切り替え
 休み時間であっても、職員室に来た子どもが「○○先生いるぅ?」ではいけません。
 教師と子どもにとって教室は「家庭」と同じですが、一歩教室を出れば「社会」と同じです。職員室は公共の場なのです。
 場所を考えた行動ができるように、どの場所ではどのような言葉づかいや礼儀作法が必要か教えることが必要なのです。
(3)「場合」スイチの切り替え
 担任に報告するときにも「友だち感覚」から「ていねい語」に切り替えさせます。
 担任に忘れ物をして報告するときに「○○忘れちゃった」ではなく「○○を持ってくるのを忘れてしまいました」ときちんと「ていねい語」で報告させます。
 その際、子どもに何ができていないのかをしっかり見極めて指導します。
 「ていねい語」がわからないときは「そうですか。忘れましたか」と、教師がまずていねいな言葉で話し、見本を示します。
 どのように話せばいいかを聞いてきたら、このときが指導の絶好のタイミングです。必要と感じ、すすんで学んだことは、その子どもの確かな力となります。
(有村久春:1948年生まれ 元東京都公立学校教員・小学校長 岐阜大学教授 専門は生徒指導論、カウンセリング、特別活動論)

 

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子どもたちを生活指導することや学級集団づくりが難しくなってきている

 文部科学省による教育政策として提起されてきた「毅然とした指導」が学校現場に広がりつつある。
「毅然とした指導」とは「ゼロトレランス」(無寛容)という言葉に象徴されるように、基本的に子どもの行動の背後にある事情について聞く耳をもたない指導である。
 例えば、ある子どもが家庭で大変なことがあって、学校で暴れたり、ふざけて荒れていようが、理由を問わず同じような問題行動には同じように対処するということだ。
「毅然とした指導」の広がりの背景には、最近の成果主義やPDCAサイクル(plan,do,check,action)の流行によって、すぐに成果が出なければならないという強迫観念が教師の間に広がっている。
 荒れている子どもの事情を聞きながら、その子の中にある前進しようという面を励ましていくには根気づよい指導が必要になる。
 しかし、短期の成果が求められると表面的に「きちんとしていること」を求めてしまいがちだ。
 子どもの成長を長い目で見て指導するには、指導の見通しや、一人ひとりの子どもの事情をつかむ努力も必要だ。
 ところが「毅然とした指導」はこのような努力をそれほど必要としない。
 ゆえに「毅然とした指導」は、長期的な実践の見とおしがもてない教師や多忙化した教師に受け入れやすいという事情もある。
 しかし「毅然とした指導」は、教師の管理のもとに表面的に従わせているだけである。
 子どもたちが必ずしも納得しているわけではないし、自分たちが判断して自立的に行動できるように育てるわけでもない。
 だから「毅然とした指導」を基本とする限り、教師は子どもたちを管理し続けなければならなくなる。
 子どもたちを指導することは、指導される子どもたちが最終的に自己指導できるようにすることであるならば「毅然とした指導」は、指導と呼ぶには値しないだろう。
 近年、「学級集団づくり」は従来の「学級集団づくり」の手法では実践がうまくいかない事例が多くなってきた。
 人々の集団観が大きく転換した。「学級集団づくり」は集団には一致した目的と要求があるという集団観に立っていた。
 第一次・第二次産業の人口が多数であった時代には、子どもたちの家庭生活も日常経験も将来像も共通したものが多かったので学級で統一した目標や活動に取り組んだも違和感を持たなかっただろう。
 しかし、世の中の労働形態が多様化するなかで、子どもたちの家庭も将来像も多様化した。ある問題では一致できるが、別の問題では一致できないという事態も広がってきた。
 必ずしも共通の利害関心を持つ者ではない学級のなかで、1つの目標を設定し1つの活動に取り組むことは難しく「学級集団づくり」は困難となってきた。
 こうした状況で実践が行き詰まる中で、当面の到達点として「学級集団づくり」から「子ども集団づくり」への転換が図られつつある。
 これまでは、学級を単位に実践してきたが、学級の内外の同じ要求をもつ者同士が、要求を実現する活動を行いながら、その過程で民主的な組織や運営のあり方を生み出していくという転換である。
 もちろん、学級単位の活動を排除するわけではない。
 それらと並行して、学級内クラブなど小集団の活動、学級や学校を超えた有志活動やボランティア・グループなどを組織する。
 そして、子どもたちが生活に働きかけることを通して生活を変革する多様な活動を組織していくという構想である。
 子どもたちが出ていく大人の社会は多層性をもっており、個人の要求にもとづく活動と、グループの要求にもとづく活動と、地域の自治会などの活動との間には、しばしばあつれきがあり調整が必要なことがある。
 そうだとすれば、子どもたちは、多層的な社会のなかで民主的に問題を解決していく能力を形成することが求められるだろう。
「子ども集団づくり」は、このような多様な要求(幸福追求権)を基にして多層的な関係のなかで民主的な統治能力の形成をめざすのである。
(藤井啓之:愛知教育大学教授)

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どうすれば子どもたちは教師の言うことをきいてくれるようになるのか

 どうすれば子どもたちは教師の言うことをきいてくれるようになるのでしょうか。
 ふだんから、子どもたちをうまく叱ることができず、子どもたちとの接し方に悩んでいませんか。
 教師が子どもたちを指導するとき、
「何で毎日遅刻ばかりするの?」
「どうして先生の言うことを聞けないのだ」
というように、「何で・・・・・」「どうして・・・・・」という言い方には
「・・・・・してはだめじゃないか」という「とがめ」のメッセージだけが子どもに伝わってしまうことがあるのです。
 また、
「先生の言うことが間違っている?」とか
「約束を守らないのは誰が悪いの?」など、
「先生は善、悪いのはあなた」といった形の表現が続くと、だんだん子どもが追いつめられて逃げ場をなくしてしまいます。
 正論だけで迫られると、子どもは「自分は認められている」という思いになれないために、自己肯定感が高まらないのです。
 善悪の判断を伝えるのは大切な仕事の一つですが、できなかった理由をあれこれ詮索するよりも、内心「しょうがないなぁ」と思いながら、その反面、どこか「次に期待する余地」を残しておいて、子どもを見守れるといいですね。
 子どもが出来るまで、毎日同じことを言い続けるのも教師の給料の一部に入っていますから。
 子どもから信頼されている教師に子どもたちにどのように叱り、接しているか話を聞きました。
 すると、子どもが出来るまで、毎日同じことを言い続けながらも、一方では「できるまで、いつまでも待っているからね」という思いで子どもを見守り続けることが大切だと話してくれました。
 それと「子どもは、なぜ教師の言うことをきくかわかるか? 子どもたちはな、ふだんから自分のことを信頼してくれる、認めてくれる、応援してくれる先生のいうことだから、きこうかなという気になるものだ」と。
 荒れる子どもは心のなかに何か満たされない欲求があり、自分の話を聞いてほしいと思っています。
 不思議なもので、子どもは自分の話を最後まで聞いてくれる教師の話はよく聞いてくれます。
 ふだんから、自分の良いところを認めてくれる教師の注意はよく聞きます。
 先生方にお願いしたいことは、子どもたちに教師から「受け入れられた」「認められた」「話を最後まで聞いてくれた」という体験をさせてあげてください。
(
土井一博:公立中学校教師を経て退職後、筑波大学大学院で健康教育学を学び、茨城県等でスクールカウンセラー歴任し、埼玉県川口市学校教職員メンタルヘルスチーフカウンセラー。日本教職員メンタルヘルスカウンセラー協会理事長。専門は教職員のメンタルヘルス、学校健康心理学、教師教育)

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教師の一番の仕事は「子どもをほめる」こと、教師の1日は子どもをほめるためにある

 私は、昔、明石家さんまさんのTV番組「踊る さんま御殿」を字起こししたことがあります。1時間の番組を全て字起こしするのは、大変な作業でした。
 しかし、大きな発見がありました。
 明石家さんまさんの一番の仕事は「笑うこと」でした。
 他のゲストが笑っていない時でも、さんまさんは笑っています。
 あなたが、さんまさんの番組に出たと想像してみてください。
 大スターのさんまさんが、あなたの話を聞いて、必ず笑ってくれるのです。
 あなたは、きっとうれしく、すごく話やすいはずです。
 さんまさんに、笑ってもらうとは、認めてもらい「ほめられる」ことと同じです。
 だから、さんまさんの番組では、ゲストが生き生きと話せるのでしょう。
 教師の一番の仕事は「子どもをほめる」ことです。
 子どもが「自分が何をしても、先生が必ずほめてくれる」。そんな状況を作れば、子どもたちは自信を持って活動ができますね。
 それなのに、若手教師は、ほめることが少なすぎます。つぎの私の名言を胸に、子どもたちをどんどんほめてほしいですね。
「リスクがゼロ、しかも、コストもゼロ、『ほめる』という武器はどんどん使うに限る。使わないのは、もったいない」
「教師の1日は、ほめるためにある」
のだと、心得ましょう。
 そして、子どもたちをどんどんほめましょう。
 子どもたちをどんどんほめると、子どもが教師を信頼します。クラスがうまく回り始めること間違いなしです。
 例えば、授業態度が悪い子どもがいたとき、隣の子どもをほめます。
 手悪さをしている子どもがいた時です。その子どもを叱るのは素人のすること。
 隣の子どもをほめると、手悪さはおさまります。どうしたら、よいのでしょうか。
 教師は、その子どもを叱りたい気持ちをグッと我慢する。
 手悪さをしている隣の子どもを「手を膝に置いて話が聞けていて、エライ!」とほめる。
 すると、その子もほめられたくて、手悪さをやめ、膝に手を置く。
 それでも、手悪さをやめなければ、逆隣の子どもをほめる。
 それでも、やめなければ
「〇年〇組、膝に手を置いて話を聞けるクラスだね」
「いや、一人だけいた。後1人が膝に手を置けば、完璧なクラスだ」と言う。
 それでもやめなければ、当然、厳しく叱る。
(中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ講演も行っている)

 

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トップ1割の教師が知っている「クラスの子どもの育て方」とは

「どうして、あの先生の言うことだと、子どもは聞くんだろうか?」
「なぜ、あの先生のクラスの子どもはきちんとしているんだろう?」
 そんなふうに気になったことはありませんか。
 すぐれた教師は、自然に「コーチング」の手法を使いこなしているということです。
 コーチングは、人のやる気やアイデアを引き出し、自分自身の力で目標を達成させるための方法です。
 学校で何か問題が起こったとき、いままで多くの場合、教師が正しいことを教えて、子どもにやらせる指導をしてきました。
 でも、コーチングを使うときは、子どもの話に耳を傾け、質問し、子ども自身がどう問題を解決したいかを考えさせます。
 子ども自身が自分で何をやるのかを決めたり、目標を決めたりすることをサポートするのが教師の役割になります。
「コーチングを使ったら、子どもたちとの関係がよくなった」
「クラスがうまくいくようになった」
という声が、数多く寄せられています。
 子どもたちが教師の言うことをきかない。教師の言うことに反発する子どもが多い。
 子どものやる気のなさにイライラする。
 クラスにまとまりがなく、子ども同士がバラバラで、何かを一緒にやろうという意欲が見られない。
 こんなことで困っていませんか。
 教師がコーチングを使うと、
 子どもが教師の言葉に耳を傾けるようになる。
 子どものやる気がぐんぐん出てきて、教師も子どもと話すのが楽しみになる。
 クラスの雰囲気がよくなり、子ども同士のつながりが生まれるようになる。
 子どもが自分で考えて行動を始める。自分の問題の責任をとるようになる。
 というふうに、クラスが変わります。
 コーチングは、200にも及ぶスキルがあります。そのたくさんのスキルの前提になるのが次の3原則です。
 コーチングは、すべての会話がこの3原則からスタートします。
1 双方向性
 教師から子どもへの一方的なコミュニケーションではなく、子どもの話を聞き、質問をすることで、教師と子ども、子ども同士がお互いに考えを伝えあう、双方向のコミュニケーションをとります。
2 個別対応
「たくさんほめる」ときには「見守ってあげる」といったように、子どものパーソナリティーや状況に応じて、関わり方を変えていきます。
3 継続性
 課題の進み具合を共有しながら、最後まで目標に到達できるように、継続的にコミュニケーションをとります。
 クラス運営の中でも、この3原則を大事にしていくと、クラスの雰囲気がよくなり、クラスもまとまってきたと語る教師が多い。
 まずは、クラス運営の中で、場面によって、意識的に3原則を使ったり、試したりしてみてください。
(吉田 忍:1972年東京都生まれ、大手企業の管理職、約6000人の組織リーダーのビジネスコーチを経て、教師向けのコーチングセミナーを全国展開している)

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5月の連休を過ぎるころから、生徒は気のゆるみが見えはじめます、どうすればよいのでしょうか

 5月の連休を過ぎるころから、気のゆるみが見えはじめます。
 生徒は子どもです。放っておくと、けじめのないクラスになります。
 そこで、けじめのある明るさを教師が導いていくのです。教師は「笑い」と「まじめ」を表現する顔を自分で訓練しましょう。
 例えば、おもしろいことを話す中に、教訓めいた話が入るとします。教訓のときは、むずかしい顔をする。その後、破顔一笑するといった具合にです。
 目で笑ってても、ひきしまった顔をする。「百面相」という言葉がありますが、教育的「百面相」も努力次第でできます。
 体での表現もそうです。生徒と、うちとけてワアワア遊んでいても、心まで遊んでしまわない。しかし、生徒から見たら、心から「のぼせ」ているように動き回れる教師になることです。
 私は寄席が好きで、テレビで観ます。落語家のあの表情は、すぐに役立ちます。庶民的な雰囲気の中に、けじめの表情の大切さを教えてくれます。
 生徒に対して、親しさと指導のけじめを、教師がもつことです。
 例えば「人づて行動」がよいと思います。
 人づてに聞いたときには、面と向かって、教師から聞くよりもうれしいものです。
 先生が自分たちのことを陰で、そんなに「心配している」のか、あるいは「ほめている」のか、と知るときほど、生徒が真に受けとめられるものはないでしょう。
 さりげなく行われたら、なおのことです。
 教師は、その生徒をどうにかしようと思うから「叱る」のです。誤ちをしたりした時は、毅然と叱ることが大切です。
 「可愛くば、2つ叱って、3つほめ、5つ教えて、よい子にはせよ」という歌があります。
 今回は許そうと思うこともあろうが、やはり一度は叱ることが必要です。叱ったときには反抗的態度をとることもありましょうが、やはり叱るべきです。
 厳しく叱った後、場の雰囲気では、他の教師による説得が効果があります。「生徒指導は夫婦の呼吸」でといわれます。叱る教師もいけば、救う教師も必要です。
 叱るコツの5か条を次に示します。
(1)許すこと、許さないことを明らかに
(2)大勢の中で個人を叱るな(教師と生徒、一対一で叱ると生徒は素直です)
(3)熱い言葉で叱れ(厳しく、本気で)
(4)追いつめて叱るな(逃げ道を残して、古傷までえぐるな)
「生徒の気のゆるみ」は、やはり教師がつくっているのです。「教師の気のゆるみ」といってもよいでしょう。
 初心にかえること、4月の開幕の時期の緊張感を思い出してほしいものです。
(陣川桂三:1939年生まれ、福岡市立中学校教師、福岡教育大学附属中学校教師、福岡市教育委員会指導主事、中学校長、福岡市教育委員会部長、福岡大学教授を経て退職)

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子どもの指導で、「温かさ」と「厳しさ」のバランスがわからない、「温かく、厳しい」指導の極意とは

 子どもを叱ると、子どもの心が離れてしまう気がします。
 優しすぎると、子どもにバカにされるのではないかと不安です。
 この問題は、ほとんどの教師が同じ経験をしています。
 この問いに答えるには、子どもの「心理的事実」と「客観的事実」を考えるとよい。
「心理的事実」は、子どもの気持ちです。 
「客観的事実」は、子どもの発言や行動です。
 これが同じなら、子どもを理解するのに苦労することはないのですが、やっかいなことに、違う場合が多い。
 例えば、ある子が遅刻して教室に入るなり「おもしろくねー」と、大きな声を出しながら、前列の子の机の上にあった筆箱を窓の外に放り投げてしまった。
 その子は家を出るとき、ささいなことで父親に殴られていました。どう指導しますか。
A教師
教師:「どうしたんだ?」と尋ねると
その子:「朝、父ちゃんに殴られてムシャクシャしてるんだ」と答えた。
教師:「それじゃ、仕方ないね」と言った。
B教師
教師:「バカもん、筆箱を拾ってきて、しっかり謝れ」と言った。
 どちらも、いい指導とは言えません。
 子どもの「心理的事実」を受け入れ、「客観的事実」には責任をとらせる。
 これが「温かく、厳しい指導の極意」なのです。
「心理的事実」には耳を傾け、子どもの気持ちをしっかり受け止める。「客観的事実」には責任を果たさせるようにするのです。
 例えば、ある日、教師の注意に腹を立てた生徒が故意に窓ガラスを割りました。
 どうすれば、「温かく、厳しい」指導になるのでしょうか。
C教師
教師:駆けつけると、窓ガラスを割った生徒に大きな声で「ガラスの破片を全部片づけろ」と、叱りました。
生徒:C教師の迫力に、その生徒はしぶしぶ破片を拾い始めました。
教師:少したつと、その生徒と額をぶつけるようにして手伝い始めました。
「ところで、何でこんなことしたんだ」と語りかけ、その生徒の辛い気持ちには大きくうなづいていました。
D女教師
D教師:ガラスを割った生徒の手を握り
「どうしてこんなに興奮しちゃったの。ダメじゃない」
「まずは片づけ。手伝ってあげるから」
「このガラス高いんだから、自分の小遣いで弁償するのよ。お母さんには先生から言っとくから」
 C,D教師に共通していたのは「心理的事実」には耳を傾け、子どもの気持ちをしっかり受け止めるが、「ダメなことはダメ」と「客観的事実」には責任を果たさせている点でした。
「温かく、厳しい」指導とは、こういう指導を指すのではないでしょうか。
(
嶋﨑政男:元東京都立中学校教諭・校長、日本教育相談学会事務局長)

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