カテゴリー「叱る・ほめる・しつける」の記事

ユーモア詩の笑いがあってこそ学校に安らぎが生まれ、子育てに悩む親も心が温かくなり子どもが愛しくなるだろう

 増田修治先生が、その名を教育界に広めたのは、小学校の教師だったときに始めた「ユーモア詩」でした。
 NHK(2002年「にんげんドキュメント 詩が躍る教室』」)で取り上げられ、大きな反響を呼びました。
 学校は、教師も子どもも真面目で一生懸命に勉強をするべき場所と思っていないでしょうか。
 教師を長くやっていると、教師こそそのように思い込み「学校はこうあるべきだ」「子どもはこうあるべきだ」という考えにとらわれてしまいがちです。
 増田先生も、そういう教師になってしまっていました。でも、その思い込みを完全に打ち破ってくれたのが「ユーモア詩」だったのです。
 じつは、これは偶然に発見したものです。
 増田先生が小学校で4年生の担任をしていたとき、男の子が書いた詩を学級通信に載せたのです。それは「おなら」という詩でした。
「おなら」 
 だれだっておならは出る。
 大きい音のおならを出す人もいれば
 小さい音のおならを出す人もいる。
 なぜ、音の大きさが違うのだろう。
 きっとおしりの穴の大きさが違うんだ。
 増田先生はこの詩を見たとき、正直、「ばかじゃないのか」「くだらないことを書いて」と思いました。
 でも、事前に「どんな内容でも学級通信に載せる」と約束していたため、載せないわけにはいかない。
 この詩を見た子どもたちは15分も笑い転げた。
 じつはこの頃、増田先生のクラスは子ども同士の関係があまりうまくいっていませんでした。でも、この詩でみんなが笑い転げている。
 そのとき、気づいたわけです、
「子どもたちは、笑ってつながりたいんだ」
「学校にこそ、笑いが必要なんだ」と。
 子どもは、うんちやおしっこ、おならの話が大好きですよね。
 その子どもたちの「面白い」「楽しい」という感覚に教師が近づかなかったら、子どもたちといい関係が築けるわけがありません。
 そうして、はじめたのがユーモア詩でした。ルールはありません。なにをどう書いてもいい。
 そして、そのうち、ユーモア詩がびっくりするような出来事も引き起こしました。そのきっかけとなったのが、「弟ってすごい?」という詩です。
「弟ってすごい?」 Aくん
 こないだ弟が外を走っていました。
 弟が
「ぼく、すごいのできるよ!」
 と言いました。
 弟は走りながらぼうしやクツも
 ぬぎました。
 そしてクツ下もぬげて
 ズボンもぬげました。
 それから弟はぼくに
「まっ、お前じゃできねーな。」
 と言いました。
 そんなのやりたくねーよ!
 これを見て、増田先生はAくんに「面白い、見てみたい」と言いました。
 Aくんの弟は当時、保育園の年長さん。
 服を全部脱いで裸になって「すごいでしょ?」と自慢げに言う彼を、増田先生は「すごいね、たいしたものだね」と褒めまくりました。
 その2週間後、Aくんが「弟が技に磨きをかけたから、また見てほしいそうです」と。
 もちろん、見に行きました。今度は服を全部脱ぐまでの時間が大幅に短縮されていた。
 増田先生は「もう名人芸だね」と大絶賛しました。
 じつは、Aくんの弟は、保育園ではちょっと問題がある子どもでした。
 ところが、小学校に入学したらきちんと座って真面目に授業を受けている。
「僕は小学校の増田先生に褒められた、できるはずだ」と思ったそうなんです。
 そうして、6年生になったらなんと児童会長になった。
 増田先生は、ただ裸になることが早いと褒めただけ。
 それなのに、子どもにとってはそれが自信になる。
 どんなにばかばかしいことでもいいんです。
「いいよね、面白いよね」と言ってあげることが、その子どもを認めてあげることになる。
 大人は、子どもがいわゆる「いいこと」をしたときにだけ褒めます。そうすると、子どもはその「枠」のなかにしかいられなくなる。
 自己肯定というのは、「いいこと」のようなプラスのことだけに働くものではいけません。
 マイナスのことも含めて、「あなたはそのままでいいよ」と言ってあげなければ、本当の自己肯定感は育たないのです。
 ユーモア詩が影響を与えるのは、子どもだけに限りません。親同士、親子の関係も変えていきます。
 あるとき、保護者にユーモア詩の感想を寄せてもらったのです。親同士のつながりも深まることにもなりました。
 さらには、お父さんと子どもの関係も変わった。共働き家庭が増えているとはいえ、仕事に忙しいお父さんはどうしても子育てはお母さんにまかせがちです。
 たまに子どもに学校の話を聞くにしても「どうだ? 頑張っているか? しっかり勉強しているか?」というような内容になってしまう。
 もちろん、子どもからすれば面白くありません。
 でも、ユーモア詩を目にすれば変わる。「Bくんって面白いな、どんな子なの?」「ところで、おまえはどんなことを書いているの?」と、お父さんが子どもの友だち関係を知り、親子のコミュニケーションをしっかり取れるようにもなるのです。
 もちろん、「ちゃんとしたもの」を書こうとしなくていい自由な表現なので、言葉による表現力も格段に上がっていきます。
 わたしは作文の指導なんてしませんでしたが、作文の全国コンクールで優秀賞を取る子どもも出てきたくらいです。
 ユーモア詩は、家庭ですぐにでもできるものです。詩を例に見せて、子どもに自由に書かせればいいだけ。
 ただ「なにを書かれても絶対に怒らない」と約束してあげることがルールになる。
 普段の会話ではなかなか出てこない子どもの本音を知り、観察眼や表現力を伸ばすことにもつながるはずです。
 クラスでは口げんかがよくあったが、詩を通じて子どもがお互いをよく知るようになり、けんかがなくなったそうだ。
 増田先生は「笑うのは点数にならないが、点にならないことは学校から消えつつある。でも、笑いがあってこそ学校に安らぎが生まれる。子どもにとって、いやすい教室にしていきたい」と話す。
 かわいくて、おかしくて、ちょっぴり切ないユーモア詩は、子育てに悩むお母さん、お父さんもきっと心が温かくなり、今まで以上に子どもが愛しくなるだろう。
(増田 修治:1958年埼玉県生まれ、埼玉県公立小学校教師を経て白梅学園大学教授。子育てや教育にユーモアを提唱している)

 

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私はすぐに怒りがちです、叱ることについて悩み、他の教師に相談した、もらったアドバイスとは?

 小学校教師の私はとにかくすぐ怒ります。他のクラスの子や教師が見ていてもびっくりするくらいだそうです。
 私は叱ることについて悩み、中 一夫さんにメールで相談してみました。その時のメールの内容は次のようでした。
1 基本的には「人は信頼する人の言葉しか聞かない」ってことじゃないかと思う。
 嫌いな人の話なんか、いくら正しくたってぜんぜん従おうと思わないでしょ。
 ましてや、きつく言われたりしたら、メチャメチャ腹が立つし。納得できなかったら、さんざん愚痴ったりする。
 信頼する人、あこがれるような人から言われたら、かなりきつい言葉でも、素直に聞く。
 信頼している人は、自分のことを好意的に取ってくれての上での一言だと思えるから、素直に聴けるんだ。
2 私は「叱るべきときに叱れないと、信頼されない」と思っています。
 頭に来たようなときには、きつく叱ればいいんだ。
3 感情的に叱るのも「頭にきてる、許せない」って、怒っているってことを示しているわけだから、子どもにとっても大事な教育だと思う。
4 だめなときは、きちっと駄目だしする先生って、子どもたちは評価してくれていると思っている。
5 怒らないで、子どもに寄りそう感じで接するのは、子どもにしたら、すごく押しつけ的に感じるときがある。
 やさしいのに嫌われる先生は、そういうことが原因になっていると思う。
6 子どもから見て、分かりやすい先生の方がいい。
 怒る時は怒るし、優しい時は優しい。教師が自分の正直な気持ちで接しているって伝わったら、そんなに反発されない。
7 教師には変えることのできない個性があると思うから、自分がらくなようにやるといい。
 このメールを読んで、確かに、子どもが「この人は信頼できる」と思えるかどうかで、話を聞いてもらえるかどうかが決まるということはありそうです。
 そして、子どもたちに信頼してもらう、いい関係を築く方法の一つとして、子どもたちとたのしい時間を共有することが頭に浮かびました。
 授業が楽しいということは、教師を信頼する理由の一つになるかもしれません。
 以前、担任した子どもたちとも「一緒にたのしい時間をすごせた」という部分でつながっているからこそ、今でも会うたびに「何の授業してる?」と聞いてくるのかもしれません。
 私はクラスの子どもたちに「先生の叱り方についてどう思うか」ということをアンケートにして聞いてみました。
 結果、よく叱られていた一部の男子は、叱り方が怖いと書いていましたが、8割以上の子どもたちは「特に何とも思わない」と書いていました。
 信頼関係という言葉だけにとらわれすぎずに「長い人生の中で、こんな年もあるんだな」と、自分にラクになるように考えていくことも大切かなと、今は思っています。
 私が叱るときに気をつけていることは、
1 自分の中で「これだけは許せない」ということに関して叱る
 「自分がされたら嫌なこと」「危ないこと」という基準を設けて叱るようにしています。
2 叱るときは短く
 短く叱った後、すぐに叱られた子どもたちのフォローを入れています。
 たとえば、フツーに話す、「さっきは怒り過ぎちゃったね。言い過ぎてごめんね」とかいう感じです。
3 私はこういう理由でしかっている、ということを相手に伝える
 その子の人格を否定しているのではなく、その子の行動について叱っているのだということを意識して伝えています。
 叱ることを後ろ向きに考えず、叱る自分を受け入れつつ、自分と子どもの気持ちを大事にしていこうと思っています。
(中村 文:福岡県・小学校教師、中 一夫:東京・中学校教師)

 

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叱る本質を教師が理解して、子どもから信頼されるようになる教師の叱り方とは

 人間は昔から、子どもを叱って育ててきました。子どもの将来のために叱って育てることに、今も昔も変わりありません。
 子どもが大人になったとき、集団や社会に適応しながら自己実現する力を身につけることができるように育ててきたのです。
 その方法として叱ることは必要不可欠な手段として受け継がれてきました。
 集団を乱す行いや、他人に迷惑をかける行いに、厳しく叱ってしつけてきました。
 叱るという行為は、愛情からくる、いわば本能的な行為と言うことができます。
 子どものダメな行いを、見て見ぬふりをしてやり過ごしていると、教師としての指導力が疑われることになります。
 「先生は、頼りにならない」と、子どもたちからの不満が高まることになります。
 保護者からは「その程度の指導もできないの?」と思われるでしょう。
 指導しなければならない子に、教師であるあなたがどのように対応するのか、周りの子どもはもちろんのこと、保護者も、同僚も、管理職もしっかりと見ています。
 子どもを叱ることから逃げ、子どもの不備不足を放置することが、子どもの成長にどれだけマイナスになるのか、常にそのことを考えなくてはなりません。 
 ダメなことはダメ、間違いは間違いと叱って反省を促す。
 人を教え導く教師として、自信をもって毅然とした態度で指導することのできる力量をもつ努力をしなくてはなりません。
「人から嫌われたくない」「みんなとうまくやりたい」と思う人ほど、人からの信頼を失って嫌われてしまいます。
 子どもの誤った行動を見て見ぬふりをして叱ることから逃げ出せば、子どもや保護者からの信頼を失ってしまいます。
 誠実に人と接する人、真摯に仕事に取り組む人は、周囲から信頼されます。
 どんな時でも、逃げることなく、一貫した姿勢で指導することができる教師は、
「先生の言うのだから、間違いない」「先生に叱られるのなら、納得できる」と、自然と相手を納得させていくものです。
 叱る側の教師は、子どもの言動にカチンとくるから叱ります。子どもは叱られると、自分の行動を否定的にとらえられ、落ち込んだり反発したりします。
 叱るという行為は、双方が感情を刺激し合うわけですから、指導の後で気まずくなるのが当たり前です。仕方がありません。
 子どもの成長のために、少々の気まずさを受け入れるのが教師の役割です。
「叱る指導は、気まずくなって当たり前。そうでなくては、叱りの意味がない」
 そう考えておけば、叱ることに対して、それほど臆病になることもありません。
 大切なのは、気まずいからと、教師のほうから子どもを避けたり、反抗的な子どもに高圧的になったりしないように心がけることです。
 教師が「大人」になって、積極的に子どもに関わることが必要です。
 子どものためを思って叱っているのですから、たとえ一時的に気まずくなったとしても、それほど時間を置かずに、元通りになるはずです。
 叱ることは「子どもの自律心を育てる」というねらいをしっかり見据えることによって、叱りによって子どもを育てることを、受け入れていくことができると思います。
 叱るべき内容、その時の状況、相手によって、どのような叱り方をするのか異なってきます。決まった叱りの型というものはありません。
 しかし、次のような叱りの手順は存在します。  
1 気づかせる
 授業中に集中できていないなど、子どもに罪悪感なく間違った行動をしている場合が多々あります。
 このような場合、子どもに「ここがダメだ」と教師が直接伝えてしまっては、子どもが自分の力で間違いに気づく力を身につけることができません。
 教師が目や指などで、子どもに「何かが間違っているよ」と伝えたり、「何が悪いか考えてごらん」と問いかけたりして、子ども自身が誤りに気づくように導くことが大切です。
2 納得させる
 よくない指導の一つに、教師が自分の価値観や正義感を子どもに押しつけてしまうことがあります。
 納得して叱られる姿勢を育てるためには、自分のした行為を口に出させることです。
 行いを子ども自身にふり返らせることで、納得して叱られる姿勢になることが可能になります。
3 反省させる
 叱られることに納得したら、反省することができます。
 教師が教えたり、押し付けたりするのではなく「自分の何が悪かったのか?」「反省点はどこか?」と、子ども自身に「なぜ叱られたのか?」を考えさせるようにしなくてはなりません。
 自分の行いの何が間違っていたのか、納得したうえで反省することで「同じ過ちはしないようにしよう」と、前向きな気持ちが生まれるのです。
4 改善させる
 以後、どのような行動をとらなくてはならないか、子ども自身に考えさせるようにします。
「どうすれば、間違いをせずにすんだか?」「どう責任をとるか?」「以後、どうするべきか?」と、問いかけながら考えさせるようにします。
 子どもが自分で考えた改善を行動で示したら、思いきりほめ、自信を実感させてあげましょう。
5 感謝の気持ちをもたせる
 失敗することは、子どもにとって成長の糧です。自分に不足している点は何か、今後身につけていかなければならない力は何かを、実感をもって受け入れることができるのです。
 誰かに叱ってもらわなければ、過ちに気づかず、反省することができません。
 将来「あの時、先生に叱られてよかった」と、感謝することのできる人間に育てたいものです。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校校長。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

 

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やってはいけない「叱り方」とは、どのように叱ることなのでしょうか

 やってはいけない「叱り方」があります。次に示すと、
1 暴力的言動で叱らない
 許せないから叱るのですから、怖い顔をして、時には大声で叱らなければいけないことがあるのではないでしょうか。
 それでも、暴力的になってはいけません。
2 長々とネチネチと叱らない
 荒れている学校で起きる問題は、その大半は悪いとわかってやっているのですから、長々とネチネチ叱っても時間に比例して反省が深くなるわけではありません。
 悪いとわかっていても、そうしてしまう理由は、教師側が考えるしかないのです。
 しかし、「悪いことだ」と本当に知らないでやったのならば、時間をかけて説明しなければいけません。
3 意地の悪い叱り方をしない
「きみがいるから・・・・・・」「きみのせいで・・・・・・」などと、その子どもの存在自体を否定するような叱り方は慎むことです。
 そう言いたくなる時は「昨日のきみならばOKなんだよ」と本人の良い時のことを逆に言うのです。
4 後に尾を引かない
 叱った翌日、子どもと顔を合わせたら「昨日、言ったことは忘れてはいけないよ」などと、蒸し返してはいけません。
 念押しをしたくなるような子どもは、それなりの困難を抱かえている子どもなのですから、そんな念押しで簡単に立ち直るわけがないのです。
 それよりも、まったく関係のないことを話題にして話しかけると、本人は「見捨てられていない」と、ほっとします。 
(吉田 順:1950年生まれ 37年間横浜市立小・中学校に勤務した。担任32年、生徒指導部長16年、学年主任13年などを兼任した。生徒指導ネットワークを主宰。生徒指導コンサルタントとして全国の学校と関わる)

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教育実践は迷いが多い、ほめる指導がいいのか、厳しく叱る指導がいいのか

 教育実践は迷いが多い世界です。特に生徒指導は迷いが多い。
 その代表的な迷いの1つが「ほめるべきか、叱るべきか」です。
「ほめる」ことが子どもたちの意欲を高め、自信につながると考える教師は、当然「叱る」ことを減らそうとし「厳しく叱る」ことを避けたりします。
 しかし「ほめる」だけで教育ができるといいのですが、現実は「叱り」たくなるような場面がたくさんあります。
 逆に、今の教師は「厳しく叱る」ことができないから、子どもたちを甘やかし規律が育たないのだと考える教師は、小さな乱れも見逃さずに「叱る」指導をします。
 しかし、この「小さな乱れ」が本当に乱れなのかの判断が難しい。
 また、乱れを直させることが目的となり、その乱れの「わけ」を探ることが二次的なことになります。
 そうなると、管理的な教育が先行してしまい「ほめる」指導の立場に立つ教師から批判を受けることになります。
 いったい、どう考えればいいのでしょうか。
 ある研究機関の調査研究発表(2017年)によると、親や教師、近所の人に「ほめられた経験」が多い人ほど、自己肯定感が高く、同時に「厳しく叱られた経験」も多ければ、より自己肯定感が高いという傾向が見られたそうです。
 また、最も自己肯定感が低い人は、「ほめられた経験」も「厳しく叱られた経験」も少なかった子どもたちだそうです。
 この調査結果から少なくとも言えることは「ほめる」ほうが教育効果があり、そのうえで「叱る」行為はさらに効果があるということです。
(吉田 順:1950年生まれ 37年間横浜市立小・中学校に勤務した。担任32年、生徒指導部長16年、学年主任13年などを兼任した。生徒指導ネットワークを主宰。生徒指導コンサルタントとして全国の学校と関わる)

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子どもが素直に受け入れる叱り方とは

 叱っても改まらない子どもの言動に、教師はイライラはつのるばかりです。そんなストレスを回避し、冷静に叱る指導方法を紹介します。
1 「ここぞ!」というときに叱ると、メリハリができ効果は高まる
 子どもは、小さいことから大きなことまで、何かしら問題行動をとるものです。
 そのすべてを改善させようと叱っても、教師の心労はつのり、良い結果が生まれません。
 そこで「これだけは絶対に見逃せないぞ」というルールを決めておきます。
「見逃せない」ことの見極めは、本質的・根本的な問題なのかどうかを柱とします。
 子どもたちが起こす日常的な問題を掘り下げていくと、根っこの部分が見えてくるはずです。
 私の場合「丁寧さに欠ける行為」と「心身を傷つける行為」だけは、絶対にそのままにしておきません。
 例えば「物を投げない」と口を酸っぱくして言い続けています。
 ゴミをゴミ箱に入れる時も「捨てる」ではなく「置きなさい」と言っています。
「捨てる」だとポイと投げ入れますから「置きなさい」なら丁寧に入れることになるからです。
 また、子どもたちは安易に「死ね」と言います。そんな時は「今、何と言った!」「死ねと言ったね」と間髪を入れずに聞きます。
 子どもが認めたら「死ね、と言いたいほど、嫌な気持ちだったの?」と尋ね「泣きたいくらい悔しい」などの別の言葉で言い直しをさせるようにしています。
 その他の問題は、ある程度の長いスパンで「叱らない指導」を考えるようにしています。
 そのまま放置しておくのではなく「指導法を工夫して、いずれ行動を改められるようにしよう」と、叱らないかわりに、他の手だてを考えます。 
2 叱る時は、事実確認を優先する
 子どもを叱っている時に「いつもそうなんだから」と過去のことを引き合いだす「便乗叱り」をすると、教師の怒りの感情が加速し、叱る時間も長くなり、子どもはうんざりします。
 こうした事態を避けるには、子どもが違反したことだけに注目して、事実のみを確認することが大切です。
 例えば、友だちを叩いている場面を目撃したとします。
 多くの教師は最初に「何で叩くんだ」と、叩いた理由を聞いてしまいがちです。
 そうではなく「今、〇〇くんを叩いたね?」と「誰が何をした」という事実の確認だけを行います。
 子どもが「だって・・・・」と言い訳をしようとしたら、
「待ちなさい。先生が聞いているのは、叩いたかどうかです」
「理由は後で聞きます」
と制して、事実確認だけを優先します。
 事実確認を優先することにより、興奮していた子どもが落ち着きを取り戻し、冷静に自分の行動を振り返ることができるようになります。
 教師の頭の中も「叩いたかどうか」ということだけになり、他の情報が入ってこなくなります。
 このように事実確認をした後で、トラブルの原因を聞き、解決に導きます。
 事実確認を優先することで、教師の口調は淡々としたものになり、表情も穏やかになります。感情的にならなければ、冷静な判断ができるのです。
3 子どもの言い分を受け入れる
 子どもの問題行動だけに注目すると、指導すべきことを見誤ります。そうせざるを得なかった子どもなりの「やむにやまれぬ事情」があったのかもしれません。
 問題行動に至った理由に注目することで適切な対応ができるようになります。
 例えば「Aさんに叩かれた!」と子どもが泣きながら訴えてきました。けがをしている様子はありません。
 こういう場合、多くの教師は「暴力を振るった」ことだけに注目してしまいがちです。そうなると、意識が叱ることだけに集中してしまい、Aさんへの説教が始まります。
 そこで教師は、まず事実関係を確認した後に「どうして叩いたの?」とAさんに事情を聞きます。
 するとAさんは「悪口を言われて『やめて』と言ったけど、やめてくれないから叩いた」と、話し始めます。
 この時「暴力はだめでしょ」と諭したい気持ちをぐっとこらえて「その気持ちわかるなぁ」と気持ちを理解し「それで、何回叩いたの?」と聞きます。
 Aさんが「1回です」と答えたなら「えっ、1回だけ、すごいなあ。だって『やめて』って頼んでも聞いてくれなかったんだろう」
 こうしたやり取りから、子どもは教師の言葉を受け入れる準備を整えていきます。
 最終的に「本当はどうすればよかったか、わかるよね?」と聞くと「口で返せばよかった」と素直に反省の弁を述べ始めます。
 そして、教師が「それでも我慢ができない時は、先生に『ヘルプ』しにおいでよ」と付け加えれば、Aさんは素直にうなづくはずです。
 子どもの言い分を受け入れると、共感を超えて思わず同情していまうこともあります。
 ただ同情し、許すというわけにはいきませんが、教師のその気持ちが、その後の指導の質をまったく違ったものにします。
4 子どもの口から改善策を提案させる
 私は子どもを叱る時は、説得よりも納得させるように心がけています。
 まず、子どもの問題行動の事実関係だけを確認します。
 そして「〇〇をしなければならない理由があったんだよね」と問いかけ、どうしてこんなことになったのかを考えさせて、子どもの口から答えさせるようにしています。
 次に、どうすればそれをしないですんだのかを考えさせ、その中で今すぐできそうな案を1つ選ばせます。
 子どもから改善策が出てこない時には、教師がいくつか提示し、そのなかから選ばせます。「途中で良い考えを思いついたら教えてね」と子どもの意見を尊重することを伝えます。
 最後に、教師がそれを復唱し、子どもと確認します。子どもと別れる際には「もう、これからは大丈夫だね」と声をかけ、見守っているというメッセージを送ります。
 このように、教師が伝えたいことを、子どもの口から引き出すような問いかけをします。
 そうすれば、子どもは「自ら気づいた」ことになるので、一方的に叱りすぎることもありませんし、子どもも「たくさん叱られた」とは感じないでしょう。
(城ケ﨑滋雄:1957年鹿児島県生まれ、千葉県公立小学校教師、教育委員会、不登校対策教員として不登校児童と関わる。荒れた学級の立て直し、小学校教師として教育情報雑誌「OF」等で情報発信している)

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ルールに関する子どもの質問は個人的に回答せず、学級で確認することで指導に一貫性が生まれ、徹底できる

 ルールに関する子どもの質問は、その場で、その子と個人的に回答するだけで終えてしまうことは避けなくてはなりません。
 後で、他の子どもが同じ類の質問をしてきた時に、回答に一貫性を欠いてしまう危険があるからです。
 例えば、ある子どもの赤ペンを許可した後で、別の子どもの赤・青・緑の三色ペンを注意した場合、必ず子どもは「おかしい」と不満をもちます。
 ルールの確認は、必ずクラス全体に向けて、その都度行うことで、指導の一貫性を保障することになります。
 子どもは、さまざまな場面で自分の主張を通そうと、教師を悩ますようなグレーゾーンを突いてきます。
 その時「今回だけだよ」などと、あやふやな対応をしてしまったら、たいへんです。別の子どもが尋ねてきた時に禁止すれば「あの子だけ、ひいきだ!」と、不満を抱かせてしまいます。
 場当たり的な対応は、子どもに不信感をあたえ、学級を崩壊させることにつながります。
 担任一人では判断できないような場合は「他の先生と相談します」と、一時預かりをするなど、無責任な回答をしないように気をつけましょう。
 子どもからの問いかけは、学級全体でルールを確認するためのチャンスです。
 学級全員に確認することで、指導が徹底されることになります。
「あなたのおかけで、学級のみんなで確認できたよ」と質問してきた子どもに感謝すると、その子の不平不満も和らげることができ、人間関係も良好になります。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校校長。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

 

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教師に反抗的、暴力的な態度をとる子どもが学級にいるとき、どう指導すればよいか

 教師が注意すると、敵意をあらわにする子どもがいます。
 教師の言うことをまるで無視するかのような態度をとって、叱られるのを逃げてしまうのです。
 このような子どもには、叱るのをためらいがちになりますが、そういうわけにもいきません。どう指導すればよいのでしょうか。
「叱ることから逃げないで、冷静に対処することを心がけ、学級集団の力で子どもの成長を促す」ようにします。指導のポイントは、
1 叱ることから、逃げない
 反抗されるから、教師が叱らないでいると「なぜ、あの子だけ叱らないの?」と、学級の他の子どもたちが不満を持つようになります。
 また、教師に反抗するような子どもは、教師に反抗することで、自分の存在感を誇示していきます。
「教師など恐くない。教師より上だ」と、周囲の子どもを引き入れていきます。
 叱ることを放置しておくと、多くの子どもたちとの信頼を失い、教師対子どもという構造が学級に生まれてしまいます。
 反抗的な子どもほど、教師の言動を観察しています。
 他の子を叱ったり、全体に注意を喚起したりする時は、「おれのこと?」と思わせるくらい、常に反抗的な子どもを意識して指導します。
 私は反抗的な子どもを指導するときは、他の子が見ていないところで行い、最後に「みんなと楽しくやろう。みんな待っている」と伝えるようにしました。
「あなたが好きだから叱る」「あなたのために叱る」という、叱るという行為の根本に必要な心を込めて私は叱りました。徐々にその心は、子どもに通じていくと思います。
2 教師は、子どもの上に立ち、冷静に接する
 このタイプの子どもは、叱れば叱るほど、挑発的な態度をとります。
 教師が感情的になるのを楽しんでいるかのように「何で悪いの?」という態度をとります。
 このような時こそ、あくまで冷静に接することが大切です。
 子どもの挑発にのって、教師が感情的な姿を見せれば、子どもと対等な関係になってしまいます。
 穏やかな口調の中にも、毅然とした態度で話をするように心がけましょう。
3 学級集団の力で反抗的な子どもを育てる
 反抗的な子どもがもっとも恐れているのが、仲間が自分から離れていくことです。
 教師に反抗的な子どもがいる学級こそ、学級の他の子どもたちと教師との関係を密にしておく必要があります。
 多くの子どもたちが教師を信頼し、素直に反省することができる学級集団に育てることが大切です。
 私が注意すると、反抗的な態度をとるとき、私は
「Aくん、間違ってるよね。みんな」
「先生の言っていることは正しいよね」
と、学級の子どもたちを味方につけながら指導をしました。
 学級が教師を中心に動き、叱られることで成長する学級集団の中では、むやみに教師に反抗することはできません。
 前向きで素直な学級集団の中でこそ、このような子どもは成長することができるのです。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校長。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる) 

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注意されると、すねて口をきかなくなる子どもがいます、どう指導すればよいのでしょうか

 教師が些細なことで注意すると、ぷいとすねて、不機嫌になる子どもがいます。
 一度すねると、なかなか立ち直らず、長い間、教師と口をきかなくなります。特に小学校高学年の女子に多く見られます。どう指導すればよいのでしょうか。
 教師が注意して、子どもにすねられても、その態度を追及してはいけません。
 その子のそばを離れたり、別の子と会話したりして、気づかないふりをしてあげるのが良い対処法です。その指導のポイントは、
(1)あっさりと、ひと言で指摘する
 このような子どもは、叱られることを恥だと思っています。
 ですから、周りから見て、明らかに「あの子、叱られている」と思われてしまうような叱り方をしてはいけません。
 あっさりと、ひと言「直しなさい」と伝えて、その場を離れるくらいで十分です。
 反省して直すことができるのが、女の子の良いところです。
 しつこく責め続けると、逆に意固地になり、指導を受け入れなくなってしまいます。
(2)女の子は、目に止まりにくいからこそ注意を払う必要がある
 女の子は、どちらかというと、幼い頃から叱られる経験が少なく、聞き分けがあります。
 目につく行動はあまりしませんが、友だちに嫌なことをしたり、こっそりきまりを破ったりするのは男の子と同じです。
 女の子の表面上のふるまいに安心して指導を怠ると、どんどん自分勝手でわがままに育ってしまうおそれがあります。
 だからこそ、男の子以上に注意を払い、その時その時に的確に指導しなくてはなりません。
(3)叱られることが、ありがたいことと分からせる
 家庭で叱られないで育っている子どもが多くいます。日頃から、
「なぜ叱られるのか?」
「叱らなければ、どうなるのか?」 
と、いったことを子どもたちに考えさせることが必要です。
 大人が子どもを叱るのは、その子が好きで、良い人に成長してほしいと願うからです。
 叱る側の大人の気持ちが分かれば、叱られることを極端に避けることもなくなっていきます。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校長。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる) 

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注意されると、すねて口をきかなくなる子どもがいます、どう指導すればよいのでしょうか

 教師が些細なことで注意すると、ぷいとすねて、不機嫌になる子どもがいます。
 一度すねると、なかなか立ち直らず、長い間、教師と口をきかなくなります。特に小学校高学年の女子に多く見られます。どう指導すればよいのでしょうか。
 教師が注意して、子どもにすねられても、その態度を追及してはいけません。
 その子のそばを離れたり、別の子と会話したりして、気づかないふりをしてあげるのが良い対処法です。その指導のポイントは、
(1)あっさりと、ひと言で指摘する
 このような子どもは、叱られることを恥だと思っています。
 ですから、周りから見て、明らかに「あの子、叱られている」と思われてしまうような叱り方をしてはいけません。                                                
 あっさりと、ひと言「直しなさい」と伝えて、その場を離れるくらいで十分です。
 反省して直すことができるのが、女の子の良いところです。
 しつこく責め続けると、逆に意固地になり、指導を受け入れなくなってしまいます。
(2)女の子は、目に止まりにくいからこそ注意を払う必要がある
 女の子は、どちらかというと、幼い頃から叱られる経験が少なく、聞き分けがあります。
 目につく行動はあまりしませんが、友だちに嫌なことをしたり、こっそりきまりを破ったりするのは男の子と同じです。
 女の子の表面上のふるまいに安心して指導を怠ると、どんどん自分勝手でわがままに育ってしまうおそれがあります。
 だからこそ、男の子以上に注意を払い、その時その時に的確に指導しなくてはなりません。
(3)叱られることが、ありがたいことと分からせる
 家庭で叱られないで育っている子どもが多くいます。日頃から、
「なぜ叱られるのか?」
「叱らなければ、どうなるのか?」 
と、いったことを子どもたちに考えさせることが必要です。
 大人が子どもを叱るのは、その子が好きで、良い人に成長してほしいと願うからです。
 叱る側の大人の気持ちが分かれば、叱られることを極端に避けることもなくなっていきます。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校長。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる) 

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