カテゴリー「叱る・ほめる・しつける」の記事

教育実践は迷いが多い、ほめる指導がいいのか、厳しく叱る指導がいいのか

 教育実践は迷いが多い世界です。特に生徒指導は迷いが多い。
 その代表的な迷いの1つが「ほめるべきか、叱るべきか」です。
「ほめる」ことが子どもたちの意欲を高め、自信につながると考える教師は、当然「叱る」ことを減らそうとし「厳しく叱る」ことを避けたりします。
 しかし「ほめる」だけで教育ができるといいのですが、現実は「叱り」たくなるような場面がたくさんあります。
 逆に、今の教師は「厳しく叱る」ことができないから、子どもたちを甘やかし規律が育たないのだと考える教師は、小さな乱れも見逃さずに「叱る」指導をします。
 しかし、この「小さな乱れ」が本当に乱れなのかの判断が難しい。
 また、乱れを直させることが目的となり、その乱れの「わけ」を探ることが二次的なことになります。
 そうなると、管理的な教育が先行してしまい「ほめる」指導の立場に立つ教師から批判を受けることになります。
 いったい、どう考えればいいのでしょうか。
 ある研究機関の調査研究発表(2017年)によると、親や教師、近所の人に「ほめられた経験」が多い人ほど、自己肯定感が高く、同時に「厳しく叱られた経験」も多ければ、より自己肯定感が高いという傾向が見られたそうです。
 また、最も自己肯定感が低い人は、「ほめられた経験」も「厳しく叱られた経験」も少なかった子どもたちだそうです。
 この調査結果から少なくとも言えることは「ほめる」ほうが教育効果があり、そのうえで「叱る」行為はさらに効果があるということです。
(吉田 順:1950年生まれ 37年間横浜市立小・中学校に勤務した。担任32年、生徒指導部長16年、学年主任13年などを兼任した。生徒指導ネットワークを主宰。生徒指導コンサルタントとして全国の学校と関わる)

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子どもが素直に受け入れる叱り方とは

 叱っても改まらない子どもの言動に、教師はイライラはつのるばかりです。そんなストレスを回避し、冷静に叱る指導方法を紹介します。
1 「ここぞ!」というときに叱ると、メリハリができ効果は高まる
 子どもは、小さいことから大きなことまで、何かしら問題行動をとるものです。
 そのすべてを改善させようと叱っても、教師の心労はつのり、良い結果が生まれません。
 そこで「これだけは絶対に見逃せないぞ」というルールを決めておきます。
「見逃せない」ことの見極めは、本質的・根本的な問題なのかどうかを柱とします。
 子どもたちが起こす日常的な問題を掘り下げていくと、根っこの部分が見えてくるはずです。
 私の場合「丁寧さに欠ける行為」と「心身を傷つける行為」だけは、絶対にそのままにしておきません。
 例えば「物を投げない」と口を酸っぱくして言い続けています。
 ゴミをゴミ箱に入れる時も「捨てる」ではなく「置きなさい」と言っています。
「捨てる」だとポイと投げ入れますから「置きなさい」なら丁寧に入れることになるからです。
 また、子どもたちは安易に「死ね」と言います。そんな時は「今、何と言った!」「死ねと言ったね」と間髪を入れずに聞きます。
 子どもが認めたら「死ね、と言いたいほど、嫌な気持ちだったの?」と尋ね「泣きたいくらい悔しい」などの別の言葉で言い直しをさせるようにしています。
 その他の問題は、ある程度の長いスパンで「叱らない指導」を考えるようにしています。
 そのまま放置しておくのではなく「指導法を工夫して、いずれ行動を改められるようにしよう」と、叱らないかわりに、他の手だてを考えます。 
2 叱る時は、事実確認を優先する
 子どもを叱っている時に「いつもそうなんだから」と過去のことを引き合いだす「便乗叱り」をすると、教師の怒りの感情が加速し、叱る時間も長くなり、子どもはうんざりします。
 こうした事態を避けるには、子どもが違反したことだけに注目して、事実のみを確認することが大切です。
 例えば、友だちを叩いている場面を目撃したとします。
 多くの教師は最初に「何で叩くんだ」と、叩いた理由を聞いてしまいがちです。
 そうではなく「今、〇〇くんを叩いたね?」と「誰が何をした」という事実の確認だけを行います。
 子どもが「だって・・・・」と言い訳をしようとしたら、
「待ちなさい。先生が聞いているのは、叩いたかどうかです」
「理由は後で聞きます」
と制して、事実確認だけを優先します。
 事実確認を優先することにより、興奮していた子どもが落ち着きを取り戻し、冷静に自分の行動を振り返ることができるようになります。
 教師の頭の中も「叩いたかどうか」ということだけになり、他の情報が入ってこなくなります。
 このように事実確認をした後で、トラブルの原因を聞き、解決に導きます。
 事実確認を優先することで、教師の口調は淡々としたものになり、表情も穏やかになります。感情的にならなければ、冷静な判断ができるのです。
3 子どもの言い分を受け入れる
 子どもの問題行動だけに注目すると、指導すべきことを見誤ります。そうせざるを得なかった子どもなりの「やむにやまれぬ事情」があったのかもしれません。
 問題行動に至った理由に注目することで適切な対応ができるようになります。
 例えば「Aさんに叩かれた!」と子どもが泣きながら訴えてきました。けがをしている様子はありません。
 こういう場合、多くの教師は「暴力を振るった」ことだけに注目してしまいがちです。そうなると、意識が叱ることだけに集中してしまい、Aさんへの説教が始まります。
 そこで教師は、まず事実関係を確認した後に「どうして叩いたの?」とAさんに事情を聞きます。
 するとAさんは「悪口を言われて『やめて』と言ったけど、やめてくれないから叩いた」と、話し始めます。
 この時「暴力はだめでしょ」と諭したい気持ちをぐっとこらえて「その気持ちわかるなぁ」と気持ちを理解し「それで、何回叩いたの?」と聞きます。
 Aさんが「1回です」と答えたなら「えっ、1回だけ、すごいなあ。だって『やめて』って頼んでも聞いてくれなかったんだろう」
 こうしたやり取りから、子どもは教師の言葉を受け入れる準備を整えていきます。
 最終的に「本当はどうすればよかったか、わかるよね?」と聞くと「口で返せばよかった」と素直に反省の弁を述べ始めます。
 そして、教師が「それでも我慢ができない時は、先生に『ヘルプ』しにおいでよ」と付け加えれば、Aさんは素直にうなづくはずです。
 子どもの言い分を受け入れると、共感を超えて思わず同情していまうこともあります。
 ただ同情し、許すというわけにはいきませんが、教師のその気持ちが、その後の指導の質をまったく違ったものにします。
4 子どもの口から改善策を提案させる
 私は子どもを叱る時は、説得よりも納得させるように心がけています。
 まず、子どもの問題行動の事実関係だけを確認します。
 そして「〇〇をしなければならない理由があったんだよね」と問いかけ、どうしてこんなことになったのかを考えさせて、子どもの口から答えさせるようにしています。
 次に、どうすればそれをしないですんだのかを考えさせ、その中で今すぐできそうな案を1つ選ばせます。
 子どもから改善策が出てこない時には、教師がいくつか提示し、そのなかから選ばせます。「途中で良い考えを思いついたら教えてね」と子どもの意見を尊重することを伝えます。
 最後に、教師がそれを復唱し、子どもと確認します。子どもと別れる際には「もう、これからは大丈夫だね」と声をかけ、見守っているというメッセージを送ります。
 このように、教師が伝えたいことを、子どもの口から引き出すような問いかけをします。
 そうすれば、子どもは「自ら気づいた」ことになるので、一方的に叱りすぎることもありませんし、子どもも「たくさん叱られた」とは感じないでしょう。
(城ケ﨑滋雄:1957年鹿児島県生まれ、千葉県公立小学校教師、教育委員会、不登校対策教員として不登校児童と関わる。荒れた学級の立て直し、小学校教師として教育情報雑誌「OF」等で情報発信している)

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ルールに関する子どもの質問は個人的に回答せず、学級で確認することで指導に一貫性が生まれ、徹底できる

 ルールに関する子どもの質問は、その場で、その子と個人的に回答するだけで終えてしまうことは避けなくてはなりません。
 後で、他の子どもが同じ類の質問をしてきた時に、回答に一貫性を欠いてしまう危険があるからです。
 例えば、ある子どもの赤ペンを許可した後で、別の子どもの赤・青・緑の三色ペンを注意した場合、必ず子どもは「おかしい」と不満をもちます。
 ルールの確認は、必ずクラス全体に向けて、その都度行うことで、指導の一貫性を保障することになります。
 子どもは、さまざまな場面で自分の主張を通そうと、教師を悩ますようなグレーゾーンを突いてきます。
 その時「今回だけだよ」などと、あやふやな対応をしてしまったら、たいへんです。別の子どもが尋ねてきた時に禁止すれば「あの子だけ、ひいきだ!」と、不満を抱かせてしまいます。
 場当たり的な対応は、子どもに不信感をあたえ、学級を崩壊させることにつながります。
 担任一人では判断できないような場合は「他の先生と相談します」と、一時預かりをするなど、無責任な回答をしないように気をつけましょう。
 子どもからの問いかけは、学級全体でルールを確認するためのチャンスです。
 学級全員に確認することで、指導が徹底されることになります。
「あなたのおかけで、学級のみんなで確認できたよ」と質問してきた子どもに感謝すると、その子の不平不満も和らげることができ、人間関係も良好になります。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校校長。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

 

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教師に反抗的、暴力的な態度をとる子どもが学級にいるとき、どう指導すればよいか

 教師が注意すると、敵意をあらわにする子どもがいます。
 教師の言うことをまるで無視するかのような態度をとって、叱られるのを逃げてしまうのです。
 このような子どもには、叱るのをためらいがちになりますが、そういうわけにもいきません。どう指導すればよいのでしょうか。
「叱ることから逃げないで、冷静に対処することを心がけ、学級集団の力で子どもの成長を促す」ようにします。指導のポイントは、
1 叱ることから、逃げない
 反抗されるから、教師が叱らないでいると「なぜ、あの子だけ叱らないの?」と、学級の他の子どもたちが不満を持つようになります。
 また、教師に反抗するような子どもは、教師に反抗することで、自分の存在感を誇示していきます。
「教師など恐くない。教師より上だ」と、周囲の子どもを引き入れていきます。
 叱ることを放置しておくと、多くの子どもたちとの信頼を失い、教師対子どもという構造が学級に生まれてしまいます。
 反抗的な子どもほど、教師の言動を観察しています。
 他の子を叱ったり、全体に注意を喚起したりする時は、「おれのこと?」と思わせるくらい、常に反抗的な子どもを意識して指導します。
 私は反抗的な子どもを指導するときは、他の子が見ていないところで行い、最後に「みんなと楽しくやろう。みんな待っている」と伝えるようにしました。
「あなたが好きだから叱る」「あなたのために叱る」という、叱るという行為の根本に必要な心を込めて私は叱りました。徐々にその心は、子どもに通じていくと思います。
2 教師は、子どもの上に立ち、冷静に接する
 このタイプの子どもは、叱れば叱るほど、挑発的な態度をとります。
 教師が感情的になるのを楽しんでいるかのように「何で悪いの?」という態度をとります。
 このような時こそ、あくまで冷静に接することが大切です。
 子どもの挑発にのって、教師が感情的な姿を見せれば、子どもと対等な関係になってしまいます。
 穏やかな口調の中にも、毅然とした態度で話をするように心がけましょう。
3 学級集団の力で反抗的な子どもを育てる
 反抗的な子どもがもっとも恐れているのが、仲間が自分から離れていくことです。
 教師に反抗的な子どもがいる学級こそ、学級の他の子どもたちと教師との関係を密にしておく必要があります。
 多くの子どもたちが教師を信頼し、素直に反省することができる学級集団に育てることが大切です。
 私が注意すると、反抗的な態度をとるとき、私は
「Aくん、間違ってるよね。みんな」
「先生の言っていることは正しいよね」
と、学級の子どもたちを味方につけながら指導をしました。
 学級が教師を中心に動き、叱られることで成長する学級集団の中では、むやみに教師に反抗することはできません。
 前向きで素直な学級集団の中でこそ、このような子どもは成長することができるのです。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校長。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる) 

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注意されると、すねて口をきかなくなる子どもがいます、どう指導すればよいのでしょうか

 教師が些細なことで注意すると、ぷいとすねて、不機嫌になる子どもがいます。
 一度すねると、なかなか立ち直らず、長い間、教師と口をきかなくなります。特に小学校高学年の女子に多く見られます。どう指導すればよいのでしょうか。
 教師が注意して、子どもにすねられても、その態度を追及してはいけません。
 その子のそばを離れたり、別の子と会話したりして、気づかないふりをしてあげるのが良い対処法です。その指導のポイントは、
(1)あっさりと、ひと言で指摘する
 このような子どもは、叱られることを恥だと思っています。
 ですから、周りから見て、明らかに「あの子、叱られている」と思われてしまうような叱り方をしてはいけません。
 あっさりと、ひと言「直しなさい」と伝えて、その場を離れるくらいで十分です。
 反省して直すことができるのが、女の子の良いところです。
 しつこく責め続けると、逆に意固地になり、指導を受け入れなくなってしまいます。
(2)女の子は、目に止まりにくいからこそ注意を払う必要がある
 女の子は、どちらかというと、幼い頃から叱られる経験が少なく、聞き分けがあります。
 目につく行動はあまりしませんが、友だちに嫌なことをしたり、こっそりきまりを破ったりするのは男の子と同じです。
 女の子の表面上のふるまいに安心して指導を怠ると、どんどん自分勝手でわがままに育ってしまうおそれがあります。
 だからこそ、男の子以上に注意を払い、その時その時に的確に指導しなくてはなりません。
(3)叱られることが、ありがたいことと分からせる
 家庭で叱られないで育っている子どもが多くいます。日頃から、
「なぜ叱られるのか?」
「叱らなければ、どうなるのか?」 
と、いったことを子どもたちに考えさせることが必要です。
 大人が子どもを叱るのは、その子が好きで、良い人に成長してほしいと願うからです。
 叱る側の大人の気持ちが分かれば、叱られることを極端に避けることもなくなっていきます。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校長。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる) 

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注意されると、すねて口をきかなくなる子どもがいます、どう指導すればよいのでしょうか

 教師が些細なことで注意すると、ぷいとすねて、不機嫌になる子どもがいます。
 一度すねると、なかなか立ち直らず、長い間、教師と口をきかなくなります。特に小学校高学年の女子に多く見られます。どう指導すればよいのでしょうか。
 教師が注意して、子どもにすねられても、その態度を追及してはいけません。
 その子のそばを離れたり、別の子と会話したりして、気づかないふりをしてあげるのが良い対処法です。その指導のポイントは、
(1)あっさりと、ひと言で指摘する
 このような子どもは、叱られることを恥だと思っています。
 ですから、周りから見て、明らかに「あの子、叱られている」と思われてしまうような叱り方をしてはいけません。                                                
 あっさりと、ひと言「直しなさい」と伝えて、その場を離れるくらいで十分です。
 反省して直すことができるのが、女の子の良いところです。
 しつこく責め続けると、逆に意固地になり、指導を受け入れなくなってしまいます。
(2)女の子は、目に止まりにくいからこそ注意を払う必要がある
 女の子は、どちらかというと、幼い頃から叱られる経験が少なく、聞き分けがあります。
 目につく行動はあまりしませんが、友だちに嫌なことをしたり、こっそりきまりを破ったりするのは男の子と同じです。
 女の子の表面上のふるまいに安心して指導を怠ると、どんどん自分勝手でわがままに育ってしまうおそれがあります。
 だからこそ、男の子以上に注意を払い、その時その時に的確に指導しなくてはなりません。
(3)叱られることが、ありがたいことと分からせる
 家庭で叱られないで育っている子どもが多くいます。日頃から、
「なぜ叱られるのか?」
「叱らなければ、どうなるのか?」 
と、いったことを子どもたちに考えさせることが必要です。
 大人が子どもを叱るのは、その子が好きで、良い人に成長してほしいと願うからです。
 叱る側の大人の気持ちが分かれば、叱られることを極端に避けることもなくなっていきます。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校長。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる) 

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子どもが納得する叱り方は、どのようにすればよいのでしょうか

 お説教では納得しない。
 教師の考えを押し付けたり、一方的なお説教をしたりする指導を続けていても、子どもは過ちを素直に受け入れ、納得して反省することはありません。
 お説教は、常に子どもを「受け身」にすることですから、「また先生の長い話が始まった。早く終わらないかな」と、教師が叱ることを軽んじる危険さえあります。
 叱られることに子どもが納得するためには
「なぜ叱られるのか?」
「どこが悪いのか?」
「なぜダメなのか?」
「どうするべきだったのか?」
「どのように改善すべきなのか?」
といったことを、子ども自身が真剣に考えることで、はじめて可能になります。
 子どもに考えさせることが納得につながります。
 子どもの頭と心をフル回転させるためには、例えば、過ちや不足を「子ども自身にしっかり口に出して言わせる」などの方法を工夫して、子どもがしっかり考えざるを得ない状況に置くような叱り方を心がけるようにしなくてはなりません。
 集団の力を活用する。
 互いに注意し合い、正しい行いを認め合える集団の中でこそ、個々の子どもの成長が保障されます。
 正しい行いを認め、不足を注意し合うことのできるクラスにするために、ある子を叱る時に、クラス全体を意識して、他の子どもの考えを聞いたり、善悪を全員で確認したりできるような叱り方を心がけるようにします。
 集団の力を取り入れることで、子ども一人ひとりが納得して指導を受け入れる素地をつくっていかなくてはなりません。
 いくら厳しくしかっても、子どもが納得していなければ、効果が期待できないどころか、教師を信頼しなくなるおそれがあります。
 納得させることで、素直に指導を受け入れられる子どもに成長します。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校校長。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

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子どもを叱るとき、教師が心がけるべき大事なポイントとは

 叱るということは、子どもたちの心の安定と安全の保障とならなければならないのです。
 そのため、教師は感情に流されないようにしなければなりません。
「この子は絶対によくなる」という思いを持ち続けていきたいものです。
1 「許す心」で叱る
「絶対に許さないぞ」という思いで叱ると、どうしても感情的になります。そうなってしまうと、子どもの心に響くことはありません。
「この子は必ずよくなる」という思いをもって子どもに接していきたい。
2 自分の指導不足だったことを認める心で叱る
 教師が「ちゃんと教えただろうが!」と語気を荒くして叱るときがあります。
 しかし、子どもの失敗の裏には、教師の「自分の指導不足があったかも」という内省の心が必要ではないでしょうか。
 教師の「ちゃんと指導していました」という言い訳ほど空しいものはない、と以前、先輩に教えてもらったことが、今でも私の心に残っています。
3 叱る場面を決めておく
 教師が自分の感情で叱ったときに、子どもが「なぜ、叱られるのだろう」と納得できないことがあります。 
 そこで、どのようなときに叱るかを子どもたちに宣言をしておくようにします。
(1)心の安定
 優しさを忘れた時(いじめや差別を許さない)
(2)安全の確保
 命を大切にしない時   
(3)前向きの姿勢
 努力をしない時
4 叱るタイミングと場所は細心の配慮を
 叱る時「直ちにその場で」が原則ですが、子どもによっては、その状況によって、場所を変えるなどの配慮をしないといけないことがあります。
5 みんなの前でなく、一対一で叱る
 「恥をかかされた」という、子どもの自尊心をつぶさないようにします。
 そこで、子どもと一対一で誠意をもって話を聞き、必要に応じて叱るくらいのゆとりをもちたいものです。
6 事実を確認し、事実だけを叱る
「おまえというやつはどうしようもないな」などと、子どもの人格を否定することにならないよう、先入観だけで叱らず、きちんと事実を確認し、叱ることが大切です。
7 心に染み入る温かい言葉を考えて叱る
「あなたらしくなかったね」「もうしないと信じていたんだけど」というように、子どもの存在を認める言葉を入れて叱るようにします。
8 叱るべき時に、叱ることをためらわない
 その子どもとの人間関係が壊れることを恐れて叱ることを避けてしまうことがあります。
 しかし「人には温かく、規則には厳しく」をモットーにして、叱る場合には、毅然とした態度で臨むことが大切です。
9 公平な態度で相手の言い分も聞いて叱る
 気難しい子や成績の良い子は叱りにくいと聞いたことがあります。これでは、他の子どもにとっては教師不信につながっていくものです。
 子どもの言い分を、心を静めて聞き、受けとめてあげることが大事です。そして、事実に基づいて反省させるように叱るようにします。
10 過去にこじつけないで、将来のために叱る
「あの時も同じことをしたな」というように、いつまでも過去にこじつけて叱ることのないようにしたいものです。
 これから、どうしたらよいかという将来につながる言葉かけをしていきたいものです。
(椙田崇晴:1959年福岡県生まれ、山口県公立小学校長。特別活動の実践に取り組む)

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小学校高学年では「さりげなくほめる」というフォローが有効な場合がある

 子どもたちが望ましい行動をしたとき、多くの教師はほめる。
 ただし、高学年の子どもの場合は見極めが必要である。特に女子の場合は慎重になったほうがいい。
 高学年になると、他の子どもたちから自分がどのように見られているのか、とても気になってくる。
 みんなの前で、ほめることが、その子にとってマイナスになる可能性もあるからである。
 ある日、歌っている時に、なかなか口を開かないA子が、いつもより大きな口を開いて歌っていたので、私は、
「今日は、いつもよりも大きな口を開けて、歌っている人を発見しました」
「それはA子さんです。先生はとてもうれしく感じました」
 A子は笑顔を見せずに座っていました。しかし、私はいいことをしたという気持ちでいっぱいだった。
 次の日、さりげなくA子に目をやると、とても暗い表情だった。明らかに前日の私のフォローが間違っていたようだった。
 後日、国語で話し合いをしていた時、A子がとてもいい発言をした。その後の休み時間に
「今日の発表、とても良かったね」
 と、さらっとA子に伝えると、ニコッと笑いながら、うなずいてくれた。
 このようなことを考えると、A子の場合は、個人的にさりげなくほめたほうが、効果的だったことが分かる。
 A子との出会いを通して、人それぞれ関わり方があるということを学んだ。
 ほめかたにも様々なアプローチがあるということも教えてもらった。
 つまり、子どもたち一人ひとりを、もっとよく見ていくことの大切さを知らされた。
 全体の場でほめるだけでなく、さりげないほめ言葉をかけるというフォローが有効な場合があるということを忘れないようにしていきたい。
(岡本雅弘:岡山県倉敷市立小学校教師)

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子どもたちは、どんな叱られ方だと素直に聞け、どんな叱られ方だといやな気持になるのでしょうか

 私は、子どもたちに、
「どんな叱られ方だと素直に聞けますか?」
「どんな叱られ方だといやな気持になりますか?」
と、聞いてみました。
 子どもたちの答えは
〇熱血的なお説教がダラダラ続くと、最初は「悪かったな」と思っても、そのうちに「ハァー、謝る気なくなった」って思う。
〇一気に「ビシッ」て、叱ってくれれば、納得さえいけば「あ、本当に悪かったなって思う」
〇全然、言い分を聞いてくれないガミガミタイプはいや。
「そうか、そういう気持ちでやっちゃったのか」って共感してくれて、
「でも、それはこういうことで、まずかったよな」って話してくれるとちゃんと直そうって思える。
〇自分のその行いが、どのようなところで迷惑をかけているのかが、ちゃんと分かれば直せる。
〇具体的に、どこが悪いのか教えてくれると直せる。
〇人と比べたり、昔の悪い(本人の)話を持ち出してくるといやだ。
 それより「〇〇やって楽しい?」とか反省させるのがいいな。
〇やさしそうに言うより、ビシッと厳しく、はっきり叱られた方がいい。
 子どもたちの答をまとめると、
(1)
核心をついて的確に、短く、ビシッと叱る。
(2)
子どもたち本人が「何を直せばいいか」がちゃんとわかるように叱る。
といいってことでしょうか。
(
滝本 恵:埼玉県公立中学校教師
)

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