カテゴリー「子どもの実態」の記事

子どもに侮辱されたときの対処法

 子どもは教師の怒り、動揺、いらつき、焦りの表情を見逃しません。すぐに弱点を嗅ぎとり、弱いところから攻めてきます。怒りや動揺などの反応を楽しみ、教師を試すためにいろいろな挑発をするようにもなります。
 教師としての大切な資質に「平静さ」と「演技力」があります。平静を装う演技力のない教師は、子どものレベルに落ちて、あっという間に子どもたちの術中にはまってしまいます。学級の秩序は雪崩を打って崩れます。
 カッとなりそうになったときや、なってしまったときの対処法を決めておくと、少しは演技力がつきます。同僚の教師が持っている処方箋を教えてもらいましょう。教師同士でロールプレイをすれば、トレーニングをかねて身につけることができます。「あ、トイレ!」とか適当な理由をつけて、その場を離れるのも一つです。
 とにかく気持ちを鎮め、頭を整理しましょう。大人の余裕を見せてください。たとえば、
(1)
平静にして沈着
(2)
恬淡(欲が無く、物事に執着しないこと)にして淡白
(3)
茫洋(広々として限りのないさま)にして模糊(はっきりしないさま)
が、教師の“すごさ”のペースです。
「人は軽蔑されたと感じたとき、最もよく怒る。だから自信のある者はあまり怒らない」(三木清『人生論ノート』)
(
白須富夫:1950年生まれ、元東京都公立小学校教師、 児童言語研究会会員)


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年々、子どもや親の質が悪くなってきている

 教師になって20年。この間に、私が感じている変化のひとつは、年々子どもの状態が悪くなっているということです。最近の子どもは、徐々につかみどころがなくなっているように感じます。態度を育てる教育も、きちんと子どもの内に根つくまで、以前よりも時間がかかります。
 年々、親の世代の質が悪くなっているのです。親の世代が悪くなれば子どもも変容してきます。
 私たち教師、大人が肝に銘じておかなければならないのは、私たちがいま教えている子どもはやがて日本を支えていく世代になるということです。教師は「明日の日本」を育てているのです。
 いま最も必要な改革は、子どもたちを正しく育てること。私の言葉でいえば子どもたちを「自立型人間」に育てていくことが、将来の日本をつくっていくことになるのです。そのためには、制度の改革だけでは不十分です。教師の質を上げなければいけません。
 教師の質を上げることは、子どもたちの質をあげることにつながります。子どもたちの質を上げれば、日本という国の質を上げることになるのです。教師が変われば日本が変わる。
 理想を掲げ、志を持って一歩を踏み出せば、個人のレベルでも変えることはできます。特別な力や地位がなくても、できることはいくらでもあるのです。
 本気になった教師による、本気の教育こそが、いま求められているのです。
(
原田隆史:1960年大阪府生まれ、大阪市立中学校教師(20年間)、教師塾主宰を経て原田教育研究所社長、埼玉県教育委員。大阪市立松虫中学校を態度教育・価値観教育・自立型人間育成教育により建て直し、陸上競技では7年間で13回の日本一を達成した)

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親がモンスターになっている場合じゃない、親の学校とのつき合いかたはどのようにすればよいか

  私は教師の質が下がったとはけっして思いません。親と子ども、社会が変わったのです。
 団塊ジュニアの親はバブル期に青春を過ごし、欲しいものを手にいれてきました。家庭は友だち親子で大人と対等な関係です。言いたいことがあれば言うべきだという意識を持っています。そして、いま親の中心世代は長い不況の時代に学生時代を過ごしています。「がんばってもムダ、真面目にやってもむくわれない」という思いがあります。しかし、学校は真面目にがんばることに価値があり成り立つものです。
 いちばん変わったのは子どもたちです。傷つきやすくて図に乗りやすい子が増えたのです。叱られ慣れていないせいで、叱られると自信を失いひどく傷つきます。ほめると調子に乗って手がつけられなくなる。集団行動をさせにくい、集中力のない、教師の言うことを聞かない子どもが増えてきました。
 社会の価値観が変わりました。学校はよいサービスを提供すべきであるというイメージがつくられたのです。世の中全体がクレーム社会となり「不平や不満は言ったほうがいい」という考えがまかり通るようになりました。権利を主張する一方で義務から逃れようとする人が増えています。そんな我がまま、クレーム社会でモンスター・ペアレントが登場したのです。
 そんな時代だからこそ、親と教師の関係も正しく変わる必要があると私は考えます。親が担任をやりこめても意味はありません。担任を支えバックアップすることで、子どもたちは楽しい学校生活が送れるのです。では具体的に親は担任とどう関わればいいのでしょうか。
(1)
親は文句を言うのではなく、お願いする
 不平不満を言うのはただのクレーマだと思われてしまいます。担任にしてほしいことを整理して「お願いします」という姿勢で、まずは連絡帳で相談し、そのあとで直接話します。学級全体のことは、数人の保護者と相談して意見を統一したうえで担任へ。
 新任などの若い担任であれば「私たちに協力できることはありませんか。がんばってください、応援していますよ」という姿勢を見せ、保護者が味方であることを伝えましょう。学級の荒れなど状況に変化がなければ校長にも相談を。副担任を入れるとかの対応をしてもらえることがあります。保護者が教室で見守のもいいでしょう。くれぐれも若い担任を追いつめないことです。うつ病で休職することも多い時代です。保護者の協力で担任を支えてあげましょう。
 ベテランで気になる担任もいます。そのワンマンぶりに圧倒されることがあります。実はいま50代の女性教師の離職が増えています。理由は感覚の古さ。「これまでの指導では、子どもも保護者もついてこない、厳しすぎるというクレームが絶えない」ということで自信を失ってやめてしまうのです。でも、ベテランらしく、わかりやすい授業をしてくれる能力があります。こういう担任はとてもプライドが高いですから、親の姿勢としては「いつも感謝しています。頼っています」と言うのがいいと思います。「先生に叱られるから学校をやめたいなんて言いまして」と悩みを相談します。担任は「一年生には厳しすぎたかな」と気づき、多少は行動を変えるものです。しかし、それは親が甘やかすからだと怒る場合は、校長先生に相談せざるを得ないでしょう。
(2)
担任の先生を飛ばさない
 いきなり校長や教育委員会に訴える親が増えています。それでは「担任を信頼していない」ことになります。
(3)
担任のプライドを傷つけない
 教師は優等生でプライドが高い。そのプライドがあるからこそ、意欲も生まれます。子どもの聞こえるところで担任の悪口を言うのは厳禁です。
(4)
担任への励ましと感謝を伝えて
 親は問題のあるときだけ担任とコミュニケーションをとろうとしますが、実は担任は「満足しています」というメッセージも欲しいのです。連絡帳に書き込んでみてください。きっと、もっといい担任になろうと思ってくれるはずです。
 親と教師は、子どもがよりよく育つために見守っている存在だということを忘れてはいけません。教師といい関係を考えるとき、中心には子どもがいます。何か困ったことがあり、その原因が教師の指導力や人間性にあると感じた場合でも、教師への不平不満はあえてのみ込んで、子どもが困っているという事実を担任に伝えてください。そして、いっしょに対応を考えてくださいとお願いするのです。親と担任がいがみ合っては何も解決しません。
 そして問題が解決したら「ありがとうございます。さすが先生」と、担任に言葉をかけてほしいのです。どんな仕事も、評価されることでがんばれるものです。担任だって感謝されればさらによくなろうと思います。それが人間というものです。子どものためにも、担任とぜひ、よいパートナーシップを築いてください。
(諸富祥彦:1963年生まれ、明治大学教授,臨床心理学、カウンセリング心理学、現場教師の作戦参謀としてアドバイスを教師に与えている)

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子どもを日ごろから把握し、いじめや不登校にならないようにするにはどうすればよいか

 子どもは日々変容していて、友だちとの関わり方も変わっていく。この子はこういう子だと思い込みがちである。
 それをなくすために、担任として子どもを観る視点を明確にして記録を取る。例えば、授業・休憩・給食・清掃時等で担任が観て「オヤャ」「ナルホド」と思ったこと、行動に変化が生じた具体的な場面や例、個人とまわりの人間関係等を座席表に書き込む。それを一週間ごとに、一人ひとりの子どものカードに書き込む。一か月ぐらいの期間のものをまとめて読み直して指導に生かす。
 しかし、子どもの今のありのままの姿を知るには、日常の子どもの興味や関心、流行についていけなくては時代遅れの先生と言われてしまう。例えば、子どもに人気のあるテレビ番組・タレント・まんが家・歌・歌手・遊び・遊び場所をどれくらい言えるか。
 いじめの把握は大変むつかしいが、教師はいつもアンテナを高くして子どもの送る信号を敏感にキャッチしなければならない。例えば、休憩時や放課後、子どもの不審な動きや遊び方、落し物、破損個所がないか調べる。机や壁、ロッカーなどに特定の子どものあだ名や悪口などは大事な信号。ふだん行かないところに級友と出入りしている。ふだん遊ばない子と一緒に遊んでいる。いつもと違う落ち着かない顔色や様子。仲間遊びをしているが動きや表情がさえない。プロレスごっこやボール遊びで特定の子に強く当てる。特定の子どもをからかう。
 不登校に至るまでに親や担任に何らかのサインをいつもよりは強く送っているときがある。心の不安や悲しみ、苦しみが表情や行動に出るのである。その子の立場で対応できれば未然に乗り越えられる。例えば、学校の話題をもち出さなくなる。楽しくやっていた遊びをしなくなる。しぶしぶ行動する。遅刻・早退・保健室へ行く回数が増える。忘れ物が増える。学習への集中力がなくなる。友だちと遊ばなくなる。係活動に参加したがらない。
(
塚田 亮:元東京都公立小学校長)


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キレる子どもと睡眠の関係

 子どもの寝る時間が短くなっています。例えば、小学校に入る前の5歳くらいの幼児ですが、かつて午後8時には寝て、朝の6時には自然に起きていましたが、今は、夜10時を過ぎて寝る子が4割もいるんですね。
 幼児の頃から遅寝・遅起の習慣がついてしまっています。この睡眠の問題はすでに赤ちゃん時代から始まっています。赤ちゃん時代は1日中ささやかに光が入る部屋の中で、寝たり起きたりを繰り返して16時間ほど眠っていますけれども、今の建物は防音と遮光カーテンなどで、昼夜に受ける刺激の差がなくなってきています。
 乳児の頃から光刺激を得る感覚のかく乱が起きていますね。通常、一番体温が高いのは午後3時過ぎで、非常に活動力旺盛なときで、小学生であれば、放課後学校で走り回ったり遊んだり、家に帰ってからランドセルを放り投げて遊びに行ったりするときですね。
 ところが、遅寝・遅起の子どもは、その体温のリズムが後ろにずれてくるわけですから、朝は眠っている時の低い体温で起こされることになります。機嫌は悪いですし、イライラしてきます。
 そうなってくると、日中、学校に行って活動しようと思っても、朝、起きれない、学校に行けないという状況で、不登校の状況にも結びついたりすることも多いですね。
 体温リズムを整えて、イライラを防止しましょう。
(
前橋 明:早稲田大学教授 医学博士 子どもの健康教育を研究)

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不幸な子どもに学級で居場所を与えよう

 新しく担任を持ったとき、半数が担任の先生のことを好きになってくれそうな子どもで、残り半数の子どもは反応が鈍く、その内の10人くらいが、反感を持ち、身構えており、牙をむくような子どもでしょう。
 最初の半数の子どもは、これまでの幼い人生のなかで、接した大人たちみんなは、自分に対してよいことをしてくれる、喜ばしてくれる人であるという、幸せな人生を送ってきた子どものはずです。それで「この先生はどんなすてきなことを教えてくれるのだろう」と、先生に期待を持てるわけです。
 それから、後の半数の子どもたちは、いままでの自分の人生の中で何かにぶつかっていて、すぐには心がほぐれてはこない、先生とのかかわりあいどころではないという、悩みを持ち壁にぶつかっていると考えていい状態にあるのです。
 最後の10人は、これまでめぐり合ってきた先生とか、親とか、大人たちから傷つけられてきた子どもたちです。先生に疑いや敵意を持たざるをえない、そうした大人とのかかわりで傷ついてきた子どもであるというふうにわかるものです。
 そうだとすれば、最初の半数の子どもを大切にすることも大事ですが、後の半数の子どもやその中の取りつきにくい子どものほうに、どうやって個別的によく注意を払いながら接近していくかということのほうがより大事になります。
 とりわけ、なかなか接近しにくい最後の10人に、生い立ちとか環境とかにも目配りしながら、どうやって自分との関係で安心感を与え、こころを開かせながら、接近していけるかということをこころがけなければ、その子たちに対する教師の責任は果たせないだろうと思います。
 極端にいえば最後の10人に、クラスのなかで本当に生き生きとできる居場所を与えてあげるということを最終的な目標にして、学級経営をしていってほしいと思うのです。
(浅川道雄:1931年生まれ、東京家庭裁判所に少年調査官として勤務。日本子どもを守る会副会長、「非行」と向き合う親たちの会世話人)

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親が「子どものために自分は犠牲になっている」という思いにとらわれると不幸である、どうすれば楽しい子育てになるか

 親が「子どものために自分は犠牲になっている」という思いにとらわれると、親子にとって不幸である。
 「子どもが全然かわいく思えない」「子どもが泣き出すとイライラする」という親の相談も多い。
 放任・虐待型の親は、じつは子どものころ、放任され虐待されて育ったケースが非常に多い。加えて、自己中心的でわがままな親が増えているので、子育て放棄の件数はうなぎのぼりである。
 テレビに子守を任せるようでは子どもも不幸であるし、それでは親も子育ての醍醐味は味わえない。
 放任されて育った子どもは、孤立感でいっぱいである。喜怒哀楽がないか、自制のきかない暴発型になる。
 逆に過保護に育てられた子どもは、母親にたより自分で考えることができないほど、ひ弱な子どもになる。
 親が「私はこれだけのことをしているのに子どもは応えてくれない」というふうに、子どもが「してくれない」ことばかりを考えていると、出口が見えなくなってしまう。
 親が「報われなくてもいい。子どもの幸せだけを願う」とか「こういうこともあるさ」、こんなふうに思えたら、肩の力が抜ける。
 親は小さいころ、どんなことに興味があって、何にワクワクしていたのかを思い出してほしい。それを子どもと共有できれば、それほど楽しい子育てはないだろう。
 親が童心に返って、わが子と一緒に子ども時代を楽しもう。時間を忘れるほどおもしろいことである。
 親が子どもに対する愛情だけを絶やさずにいたら大丈夫だ。「大好きだよ」としっかりと親が本気で子どもを抱きしめてやれば、子どもの心は必ず開く。
(
(なみ)川栄太:19432009年、20年間の小学校教師を経て、ニッポン放送「テレホン人生相談」回答者、40年間つとめる教育相談では、悩める子どもたちに体当たりで励まし立ち直らせた。元新松下村塾長)

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子どもは反抗する力が旺盛だ、子どものわがままに教師は壁になって、子ども本来の生き生きものにしてやらなければならい

 反抗してみて、子どもは大きさに目覚める。子どもは抵抗をほしがっている。
 子どもの中でも、早く引き抜いてしまわなければいけない「雑草」の方が、私たちが育てようとしている「作物」よりも、相当力が旺盛だ。
 子どもを大切にするということは、子どものわがままや衝動をのさばらせることではありません。本来の生き生きしたものを客観性のあるものにしてやること。
 個の尊厳を守るということと、「エゴイズム」を許容することとは違う。
(東井 義雄:19121991年、兵庫県生れ、小中学校長、ペスタロッチ賞を受賞、地域の生活を取り上げる生活綴り方教育の代表的な実践家)


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親や教師は本当に自分には問題がないのか?ただなんとなくやっていると、子どもはさまざまなことをやらかしてくれます

 親や教師が、人や自分自身への見方を深めたり、人と自分との関係を深く考えたりするようになることを、誰よりも子どもたちは望んでいるのです。親も教師も、人間としてもっと成長していくことが重要なのですね。
 自分には問題がないと思っている母親が、いっぱいいます。問題は学校だとか、あるいは夫が問題だ、と思っている母親。自分ではいい子育てをしていると思っている母親。
 ただなんとなく親をやっていると、子どもはさまざまなことをやらかしてくれます。
 人や自分自身への見方を深めたり、人と自分との関係を深く考えたりする取り組み中で、親は、今まで自分の歩いてきた道を振り返らざるを得なくなっていきます。
 そうして、親は自分の中に何が問題であり、何が不足しているのか、そのために、自分は子どもにどういう問題を引き起こしているのか、ということを初めて深く考えることができるようになっていくのです。
 親がそういうことにきちんと取り組むようになると、親の子どもへの接し方も違ってきて、子どもは落ち着いて、本質的な学びに入っていけるのです。
 子どもは全身で、目に見えないものをシャワーのように浴びています。子どもは理屈とかでなくて、大人の存在のありよう全体で相手を感じ、見ているのですね。
(
鳥山敏子:19412013年、30年にわたって東京都公立小学校で教え、子どものからだと心に生き生きと働きかける革新的な授業を展開、1994年「賢治の学校」を創立し自分自身を生ききるからだの創造を目指した)

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子どもたちが問題行動を起こす根底にあるものは何か

 人が「真に愛された」と感じるのは、自己の意思を大切にされたときである。それが満たされないとき、人は見せかけの愛でもいいから、自分に関心を持って欲しいと願う。
 問題行動は圧倒的に離婚や家庭内不和が原因で起きやすい。大人の関心が子どもにいかず、気持ちを置き去りにされたり、意思を無視されたりすることが多いからだ。
 逆に過保護の家庭では、子どもは自己の意思を発揮しないですむ。放任の家庭では、子どもの意思は関心をもたれない。いずれも子どもの「生きる意思」が尊重されないため、子どもは心から満たされた感じを味わえないでいる。
 自己の「生きる意思」を大切にする体験が不足すると、周囲に対して警戒心が強くなり、人を信頼できない性格となることが多いのである。
 私が出会う問題行動を起こした少年少女は、皆一様に自己否定が強い。強く見せたいがために奇抜なファッションをして、威嚇的な言動をする裏には、自尊心の低さが見え隠れする。震えながら、強がっているのである。
 強がりは見せかけで、心の中では自信がない。そのために、自己の意思を抑え、気をつかう。擬似的な人間関係にすがる。家では孤遊び。自室にこもり、テレビ、音楽、ゲームに浸る。ワクワクするような楽しいこと、体が軽くなるような解放感が見つかっていない。反逆する子どもたちも、結局は自他不信が根底にある。
 彼らに、自律心がつき、たくましく生きぬく、ようにするためには、我慢するのではなく、自らが、良き社会人になることを喜び、真に大切にし合う人間関係をつくることを誇りにする、意思を育てる必要がある。
(竹内小代美:日立製作所、大分県立高校英語教師、医科大学卒業しクリニック開業、青少年自立支援センター立ち上げを経て大分県議会議員)

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