カテゴリー「子どもの実態」の記事

発達障がいの子どもをどう理解し支援すればよいか

 子どもの困っている状況を把握するには、発達障がいについての理解が欠かせない。
(1)
LD(学習障がい)
 LDの子どもたちは、さまざまな感覚器官をとおして入ってくる情報を受け止め、整理し、関係づけ、表出するという脳の情報処理に、十分機能しないところがあると考えられている。
 そのため、特定の学習活動に困難があり、教科や単元に対する取り組みにばらつきが見られる。
 支援の方法としては、得意なところの能力を使って、苦手なところを補う方法を見つけることだと言われている。
 たとえば「書く」ことに困難がある場合は、漢字を読めることを優先する、書く分量を減らす、書きやすいマス目のノートを用意する、作文はパソコンの使用を認めるなどの支援が有効である。
 また、板書事項をプリントで渡したり、大事なところだけを示して、書く量を減らしてノートに写させたりすることも支援になる。
(2)
ADHD(注意欠陥多動性障害)
 不注意、多動性、衝動性などを中心的な特徴としている。
 ADHDの子どもたちには、環境を調整することが有効だと言われている。
 たとえば、教室では前面の掲示物を減らす、座席を前にする、などして視覚的な刺激を減らすことで落ち着いて学習できることが増えてくる。
 個別指導や少人数指導の時間を取り入れることで、行動を調整し、教室で過ごせる子どももいる。
 また、衝動的な行動や多動が、問題行動として捉えられ、叱られることが多くなりがちなので、叱ることを減らし、ほめることを増やすと、子どもを安定させることにつながる。
 ごく当たり前のことでも、できたことをほめることで、子どもの意欲を高めることができる。
 症状を抑えるための投薬を行っている場合があるので、配慮すべきことについては保護者と相談する必要がある。
(3)
自閉症
 自閉症とは、他人との社会的関係の形成の困難さ、言葉の発達の遅れ、興味や関心が狭く特定のものにこだわることを特徴とする行動障害がある。
 子ども一人ひとりには多様な特性がある。得意なことと不得意なことの差が一般の子どもたちより大きいのが特徴でもある。
 得意なことをいかして活動できるよう配慮すると学習活動に参加しやすくなる。
 決まった場所で決まった活動を行う、はじめと終わりを明確にしたり、次にやるべきことを提示したり、学習や作業工程を写真などの視覚的手がかりで明示し見通しをもって行動できるようにすることなど考えられる。
 行動を観察し、本人と相談して、どういう状況であると学習がしやすいのか、どういう状況で問題を起こしやすいのか、などを踏まえて、指導の手だてを工夫する必要がある。
(4)
高機能自閉症、アスペルガー症候群 
 どちらも知的発達の遅れは伴わないとされているが、コミュニケーションや社会性について自閉症の子どもたちと同様に課題がある。
 相手の気持ちや周囲の状況、雰囲気を読みとることが苦手なため、対人関係をうまく結ぶことができず、集団への不適応を示すことが多い。
 その日の予定や授業の予定など、見通しが持てると安心して取り組める。遠足など日常生活と違う場面では、見通しが持ちにくく、不安が高くなる場合があるので、事前に子どもや保護者と話し合い、不安を軽減することが大切である。
 また、聴覚、味覚、触覚などの過敏さのある子どももいる。
 たとえば、小さな音が気になって集中できない、特定の音が苦手、味や食感でどうしても食べられないものがある。決まった服しか着られないことがある。
 そういった子どもたちには、特性を理解しながら、少しずつ経験を広げたり、刺激を調整したりするなど適切な支援を行うことが必要である。
(
浜崎美保:神奈川県総合教育センター 教育相談課長)

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教師の話を聞く子に育てるには、どうすればよいのでしょうか

 職員室で「最近は、話を聞かない子が多い」「何度言っても話を聞いてくれない」という話がよく出ます。
 確かに「話を聞きなさい」と言うだけでは、耳を傾けてくれない子どもたちが増えている気がします。
 しかし、それは子どもたちが悪いのではなく「話を聞かない子どもを育ててしまっている」私たち教師にも原因があるのではないでしょうか。
 教師が「きちんと話を聞く方法を教えたり、話を聞く練習をしたり」しなければいけません。
 そう言うと「でも、先生。話を聞くなんてことは、練習しなくても小さい時に身についているはずです」と反論したくなる先生方がいるかもしれません。
 子どもたちは家で、じっくりと話を聞く場面は、思いのほか少ないのではないでしょうか。ゲームをしたり、テレビなどを見たりして、眠るまでずっと音の垂れ流し状態なのです。
 子どもたちにとって、授業中の教師の話も、単に流れているテレビなどの音のようなものにすぎないのではないでしょうか。
 だからこそ、子どもたちに、話の「聞き方」を学校で教えなくてはいけないと思っています。
 話を聞く子どもに育てるにはどうすればよいのでしょうか。
 
「話は一回しかしない」
 これは話を聞く子どもを育てるための大原則なのです。
 私の「一回しか言わない」というのは、本当に一回しか言わないのです。
 子どもたちを前にして「先生は話を一回しかしません」と宣言したら、同じことを二度と言いません。
 子どもに質問されても「先生は、もう言いました」と、絶対に答えません。
 だからといって、話を聞いていなかった子どもをそのまま放っておくわけにはいかないので、私は
「仕方がないなぁ。誰か教えられる人いますか?」
と言うと、誰かが答えます。
 きちんと答えられた子どもには「えらいな。よく聞いていたね」とほめます。
 
「この先生は、一回しか話をしない」と、子どもたちに強く印象づけることが大切です。
 子どもたちは緊張感をもって、教師の言葉に耳を傾け、話に集中しようとします。
 若い教師は、このようなスキルを学ばないまま、学校現場に放り込まれるといって過言ではありません。
 私も、若い頃は当然、学級経営がうまくできませんでした。学級経営の上手な先輩教師を見ると「どうやってやるのだろう」と疑問に思い、コツを教えてもらっていました。
 まずは「話は一回」を徹底してみてください。誰でも、話を聞く子どもが育てられると思います。
(
楠木 宏:1956年生まれ、三重県公立小学校教頭。教育研究三重県集会理科部会助言者)

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子どもたちは、なぜ教師に反抗するモンスターチルドレンとなるのでしょうか

 子どもたちはなぜモンスターチルドレンとなるのでしょうか。モンスターチルドレンとは、学校や教師に対して、狡猾に反抗する子どものことです。
 子どもたちがモンスターチルドレンとなる原因は、子どもを「小さな大人」として扱い、私たち大人と対等な存在と見なしてしまうことにあります。
 そうすることによって、子どもはかえって絶えず過大な要求をするようになってしまいます。
 私の知っている幼稚園のほとんどは、子どもを大人と対等なパートナーとして教育活動をしています。子どもたちは2~6歳という、人格がほとんどできていない年齢で、もう独自の人格として扱われ、それを伸ばしてやるべきだというのです。
 もし、このような神経医学上の重要な認識に反した考え方が教育の基盤になってしまうと、子どもたちはわがまま放題のモンスターチルドレンになってしまいます。
 ドイツのテレビ番組で、崩壊した家庭で、手のつけられない子どもたちに、金切り声をあげて叫ぶ親の様子が放映されています。こうした番組が高い視聴率を上げているのは、社会にひそむ感情を表現し、家庭崩壊が身近なことととらえられているからです。
 私は診療所で児童精神科医として毎日、子どもや青少年を見ています。問題をおこしている大部分の青少年は精神の成長が6歳以下の精神年齢で止まってしまっています。そのため彼らは、自分たちの周囲の人たちとスムーズな関係を築くことができません。
 子どもたちが精神的に成長するには、けじめある親や教師に囲まれて生活し、社会で生きていくために不可欠な精神の働きが最もよく育つように、基本的なふるまい方をたえず訓練し、誤った行動があれば反省させる指導をしなければなりません。
 子どもの精神を成長させる見込みは、学校の方が大きいということになります。崩壊した家庭では親と子どもとの関係が混乱してしまっているからです。
 したがって、小学校の教師にとって、学ぶことができるようになるための土台を子どもの中に育てる責任があります。学校で子どもの精神を育てることが重要だということです。
(
ミヒャエル・ヴィンターホフ:1955年ドイツ生まれ、医学博士、1988年から児童精神科と精神療法(心理療法)の診療所を開く)

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学級経営の基本である、子どもを理解し実態を把握するには、どのようにすればよいか

 子どもを理解するときに教師が陥りやすい問題点がある。
 学習の成績など優れた点があると、それだけで子どもを一方的によく見てしまい、その子の問題点が見えなくなってしまう。
 第一印象や他の子どもとの比較で判断したり、この子はこうだと決めつけてしまうこともある。
 そうしたことを防ぐためには、子どもを見る目を養い、子どもとできるだけ多くふれあうようにするとよい。
 日頃からいろいろな場面で子どもと接し、子どもの動きを見守り、子どもの話に耳を傾けることが大切になってくる。
 日々変容する子どもを見つめ、子どもの側に立って考え、一人ひとりの子どものよさを見つけ励ますようにしたい。
 その上で、学級が抱かえる問題点とその原因や背景をしっかり把握し、どのように学級経営を進めていけばよいかを考えることが重要である。
 子どもを理解し実態を把握するためには
(1)
学習指導
 学習への関心や意欲、態度のほかに、ものの見方・考え方や知識・技能の定着の様子も大切な視点になる。
 また、学習の仕方や発言の様子、ノートの取り方など、多面的に見ていくことが大切である。
(2)
生徒指導や健康
 身体や健康の状態、言葉づかいや行動の様子、家庭環境や生育歴など本人自身のことや、友だち関係や遊びの様子、集団生活の様子など、本人と周囲の子とのかかわりが視点となる。
(3)
子どもとのふれあいを大切にする
 子どもと一緒に遊ぶ、授業中一緒に活動する。グループ日誌や日記を書くなど、子どもとの会話やふれあいを通して、子どもの姿や友人関係を理解する。
 アンケートなどによって、個人や集団の実態を把握することもできる。
(4)
子どもの個人カルテをつくる
 学校での様子とともに、保護者の話から家庭での様子も把握する。情報を集め、個人カルテをつくる。
 名簿や座席表、個人カルテなどに一人ひとりの様子を継続的に記録していくようにする。
 学級経営を進めていく上で基本となる子ども理解は、一人ひとりの子どもの特徴や性格などを的確に把握することである。
 そのためには、ありのままに子どもの姿を受け止める姿勢をもつことである。
 子どもに関する情報や資料を集めたり、日頃から継続的に観察したりして、子どもと教師がよりよい人間関係を築くことが重要となる。
(
中山正一:元埼玉県公立小学校校長)

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子どもに侮辱されたときの対処法

 子どもは教師の怒り、動揺、いらつき、焦りの表情を見逃しません。すぐに弱点を嗅ぎとり、弱いところから攻めてきます。怒りや動揺などの反応を楽しみ、教師を試すためにいろいろな挑発をするようにもなります。
 教師としての大切な資質に「平静さ」と「演技力」があります。平静を装う演技力のない教師は、子どものレベルに落ちて、あっという間に子どもたちの術中にはまってしまいます。学級の秩序は雪崩を打って崩れます。
 カッとなりそうになったときや、なってしまったときの対処法を決めておくと、少しは演技力がつきます。同僚の教師が持っている処方箋を教えてもらいましょう。教師同士でロールプレイをすれば、トレーニングをかねて身につけることができます。「あ、トイレ!」とか適当な理由をつけて、その場を離れるのも一つです。
 とにかく気持ちを鎮め、頭を整理しましょう。大人の余裕を見せてください。たとえば、
(1)
平静にして沈着
(2)
恬淡(欲が無く、物事に執着しないこと)にして淡白
(3)
茫洋(広々として限りのないさま)にして模糊(はっきりしないさま)
が、教師の“すごさ”のペースです。
「人は軽蔑されたと感じたとき、最もよく怒る。だから自信のある者はあまり怒らない」(三木清『人生論ノート』)
(
白須富夫:1950年生まれ、元東京都公立小学校教師、 児童言語研究会会員)


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年々、子どもや親の質が悪くなってきている

 教師になって20年。この間に、私が感じている変化のひとつは、年々子どもの状態が悪くなっているということです。最近の子どもは、徐々につかみどころがなくなっているように感じます。態度を育てる教育も、きちんと子どもの内に根つくまで、以前よりも時間がかかります。
 年々、親の世代の質が悪くなっているのです。親の世代が悪くなれば子どもも変容してきます。
 私たち教師、大人が肝に銘じておかなければならないのは、私たちがいま教えている子どもはやがて日本を支えていく世代になるということです。教師は「明日の日本」を育てているのです。
 いま最も必要な改革は、子どもたちを正しく育てること。私の言葉でいえば子どもたちを「自立型人間」に育てていくことが、将来の日本をつくっていくことになるのです。そのためには、制度の改革だけでは不十分です。教師の質を上げなければいけません。
 教師の質を上げることは、子どもたちの質をあげることにつながります。子どもたちの質を上げれば、日本という国の質を上げることになるのです。教師が変われば日本が変わる。
 理想を掲げ、志を持って一歩を踏み出せば、個人のレベルでも変えることはできます。特別な力や地位がなくても、できることはいくらでもあるのです。
 本気になった教師による、本気の教育こそが、いま求められているのです。
(
原田隆史:1960年大阪府生まれ、大阪市立中学校教師(20年間)、教師塾主宰を経て原田教育研究所社長、埼玉県教育委員。大阪市立松虫中学校を態度教育・価値観教育・自立型人間育成教育により建て直し、陸上競技では7年間で13回の日本一を達成した)

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親がモンスターになっている場合じゃない、親の学校とのつき合いかたはどのようにすればよいか

  私は教師の質が下がったとはけっして思いません。親と子ども、社会が変わったのです。
 団塊ジュニアの親はバブル期に青春を過ごし、欲しいものを手にいれてきました。家庭は友だち親子で大人と対等な関係です。言いたいことがあれば言うべきだという意識を持っています。そして、いま親の中心世代は長い不況の時代に学生時代を過ごしています。「がんばってもムダ、真面目にやってもむくわれない」という思いがあります。しかし、学校は真面目にがんばることに価値があり成り立つものです。
 いちばん変わったのは子どもたちです。傷つきやすくて図に乗りやすい子が増えたのです。叱られ慣れていないせいで、叱られると自信を失いひどく傷つきます。ほめると調子に乗って手がつけられなくなる。集団行動をさせにくい、集中力のない、教師の言うことを聞かない子どもが増えてきました。
 社会の価値観が変わりました。学校はよいサービスを提供すべきであるというイメージがつくられたのです。世の中全体がクレーム社会となり「不平や不満は言ったほうがいい」という考えがまかり通るようになりました。権利を主張する一方で義務から逃れようとする人が増えています。そんな我がまま、クレーム社会でモンスター・ペアレントが登場したのです。
 そんな時代だからこそ、親と教師の関係も正しく変わる必要があると私は考えます。親が担任をやりこめても意味はありません。担任を支えバックアップすることで、子どもたちは楽しい学校生活が送れるのです。では具体的に親は担任とどう関わればいいのでしょうか。
(1)
親は文句を言うのではなく、お願いする
 不平不満を言うのはただのクレーマだと思われてしまいます。担任にしてほしいことを整理して「お願いします」という姿勢で、まずは連絡帳で相談し、そのあとで直接話します。学級全体のことは、数人の保護者と相談して意見を統一したうえで担任へ。
 新任などの若い担任であれば「私たちに協力できることはありませんか。がんばってください、応援していますよ」という姿勢を見せ、保護者が味方であることを伝えましょう。学級の荒れなど状況に変化がなければ校長にも相談を。副担任を入れるとかの対応をしてもらえることがあります。保護者が教室で見守のもいいでしょう。くれぐれも若い担任を追いつめないことです。うつ病で休職することも多い時代です。保護者の協力で担任を支えてあげましょう。
 ベテランで気になる担任もいます。そのワンマンぶりに圧倒されることがあります。実はいま50代の女性教師の離職が増えています。理由は感覚の古さ。「これまでの指導では、子どもも保護者もついてこない、厳しすぎるというクレームが絶えない」ということで自信を失ってやめてしまうのです。でも、ベテランらしく、わかりやすい授業をしてくれる能力があります。こういう担任はとてもプライドが高いですから、親の姿勢としては「いつも感謝しています。頼っています」と言うのがいいと思います。「先生に叱られるから学校をやめたいなんて言いまして」と悩みを相談します。担任は「一年生には厳しすぎたかな」と気づき、多少は行動を変えるものです。しかし、それは親が甘やかすからだと怒る場合は、校長先生に相談せざるを得ないでしょう。
(2)
担任の先生を飛ばさない
 いきなり校長や教育委員会に訴える親が増えています。それでは「担任を信頼していない」ことになります。
(3)
担任のプライドを傷つけない
 教師は優等生でプライドが高い。そのプライドがあるからこそ、意欲も生まれます。子どもの聞こえるところで担任の悪口を言うのは厳禁です。
(4)
担任への励ましと感謝を伝えて
 親は問題のあるときだけ担任とコミュニケーションをとろうとしますが、実は担任は「満足しています」というメッセージも欲しいのです。連絡帳に書き込んでみてください。きっと、もっといい担任になろうと思ってくれるはずです。
 親と教師は、子どもがよりよく育つために見守っている存在だということを忘れてはいけません。教師といい関係を考えるとき、中心には子どもがいます。何か困ったことがあり、その原因が教師の指導力や人間性にあると感じた場合でも、教師への不平不満はあえてのみ込んで、子どもが困っているという事実を担任に伝えてください。そして、いっしょに対応を考えてくださいとお願いするのです。親と担任がいがみ合っては何も解決しません。
 そして問題が解決したら「ありがとうございます。さすが先生」と、担任に言葉をかけてほしいのです。どんな仕事も、評価されることでがんばれるものです。担任だって感謝されればさらによくなろうと思います。それが人間というものです。子どものためにも、担任とぜひ、よいパートナーシップを築いてください。
(諸富祥彦:1963年生まれ、明治大学教授,臨床心理学、カウンセリング心理学、現場教師の作戦参謀としてアドバイスを教師に与えている)

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子どもを日ごろから把握し、いじめや不登校にならないようにするにはどうすればよいか

 子どもは日々変容していて、友だちとの関わり方も変わっていく。この子はこういう子だと思い込みがちである。
 それをなくすために、担任として子どもを観る視点を明確にして記録を取る。例えば、授業・休憩・給食・清掃時等で担任が観て「オヤャ」「ナルホド」と思ったこと、行動に変化が生じた具体的な場面や例、個人とまわりの人間関係等を座席表に書き込む。それを一週間ごとに、一人ひとりの子どものカードに書き込む。一か月ぐらいの期間のものをまとめて読み直して指導に生かす。
 しかし、子どもの今のありのままの姿を知るには、日常の子どもの興味や関心、流行についていけなくては時代遅れの先生と言われてしまう。例えば、子どもに人気のあるテレビ番組・タレント・まんが家・歌・歌手・遊び・遊び場所をどれくらい言えるか。
 いじめの把握は大変むつかしいが、教師はいつもアンテナを高くして子どもの送る信号を敏感にキャッチしなければならない。例えば、休憩時や放課後、子どもの不審な動きや遊び方、落し物、破損個所がないか調べる。机や壁、ロッカーなどに特定の子どものあだ名や悪口などは大事な信号。ふだん行かないところに級友と出入りしている。ふだん遊ばない子と一緒に遊んでいる。いつもと違う落ち着かない顔色や様子。仲間遊びをしているが動きや表情がさえない。プロレスごっこやボール遊びで特定の子に強く当てる。特定の子どもをからかう。
 不登校に至るまでに親や担任に何らかのサインをいつもよりは強く送っているときがある。心の不安や悲しみ、苦しみが表情や行動に出るのである。その子の立場で対応できれば未然に乗り越えられる。例えば、学校の話題をもち出さなくなる。楽しくやっていた遊びをしなくなる。しぶしぶ行動する。遅刻・早退・保健室へ行く回数が増える。忘れ物が増える。学習への集中力がなくなる。友だちと遊ばなくなる。係活動に参加したがらない。
(
塚田 亮:元東京都公立小学校長)


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キレる子どもと睡眠の関係

 子どもの寝る時間が短くなっています。例えば、小学校に入る前の5歳くらいの幼児ですが、かつて午後8時には寝て、朝の6時には自然に起きていましたが、今は、夜10時を過ぎて寝る子が4割もいるんですね。
 幼児の頃から遅寝・遅起の習慣がついてしまっています。この睡眠の問題はすでに赤ちゃん時代から始まっています。赤ちゃん時代は1日中ささやかに光が入る部屋の中で、寝たり起きたりを繰り返して16時間ほど眠っていますけれども、今の建物は防音と遮光カーテンなどで、昼夜に受ける刺激の差がなくなってきています。
 乳児の頃から光刺激を得る感覚のかく乱が起きていますね。通常、一番体温が高いのは午後3時過ぎで、非常に活動力旺盛なときで、小学生であれば、放課後学校で走り回ったり遊んだり、家に帰ってからランドセルを放り投げて遊びに行ったりするときですね。
 ところが、遅寝・遅起の子どもは、その体温のリズムが後ろにずれてくるわけですから、朝は眠っている時の低い体温で起こされることになります。機嫌は悪いですし、イライラしてきます。
 そうなってくると、日中、学校に行って活動しようと思っても、朝、起きれない、学校に行けないという状況で、不登校の状況にも結びついたりすることも多いですね。
 体温リズムを整えて、イライラを防止しましょう。
(
前橋 明:早稲田大学教授 医学博士 子どもの健康教育を研究)

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不幸な子どもに学級で居場所を与えよう

 新しく担任を持ったとき、半数が担任の先生のことを好きになってくれそうな子どもで、残り半数の子どもは反応が鈍く、その内の10人くらいが、反感を持ち、身構えており、牙をむくような子どもでしょう。
 最初の半数の子どもは、これまでの幼い人生のなかで、接した大人たちみんなは、自分に対してよいことをしてくれる、喜ばしてくれる人であるという、幸せな人生を送ってきた子どものはずです。それで「この先生はどんなすてきなことを教えてくれるのだろう」と、先生に期待を持てるわけです。
 それから、後の半数の子どもたちは、いままでの自分の人生の中で何かにぶつかっていて、すぐには心がほぐれてはこない、先生とのかかわりあいどころではないという、悩みを持ち壁にぶつかっていると考えていい状態にあるのです。
 最後の10人は、これまでめぐり合ってきた先生とか、親とか、大人たちから傷つけられてきた子どもたちです。先生に疑いや敵意を持たざるをえない、そうした大人とのかかわりで傷ついてきた子どもであるというふうにわかるものです。
 そうだとすれば、最初の半数の子どもを大切にすることも大事ですが、後の半数の子どもやその中の取りつきにくい子どものほうに、どうやって個別的によく注意を払いながら接近していくかということのほうがより大事になります。
 とりわけ、なかなか接近しにくい最後の10人に、生い立ちとか環境とかにも目配りしながら、どうやって自分との関係で安心感を与え、こころを開かせながら、接近していけるかということをこころがけなければ、その子たちに対する教師の責任は果たせないだろうと思います。
 極端にいえば最後の10人に、クラスのなかで本当に生き生きとできる居場所を与えてあげるということを最終的な目標にして、学級経営をしていってほしいと思うのです。
(浅川道雄:1931年生まれ、東京家庭裁判所に少年調査官として勤務。日本子どもを守る会副会長、「非行」と向き合う親たちの会世話人)

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