カテゴリー「子どもの話し方」の記事

子どもたちに「ユーモアのあるスピーチ」の指導をするには、どのようにすればよいでしょうか

 子どもたちは、わかりやすい話やためになる話が好きですが、やっぱり聞いていて楽しくなるユーモアのある話が一番好きです。
 聞き手が楽しくなるスピーチになるように、まず話題を工夫します。
 子どもたちにウケがいいのは、自分のちょっとした秘密やこれまでの失敗に関する話です。
 そこで、いくつかのテーマを提示します。たとえば、
(1)
忘れてしまいたい大失敗
(2)
ちょっと恥ずかしい私の秘密
(3)
こんなバカなことをしちゃいました
 このような話題でスピーチをすると、とても楽しいスピーチになります。
 話している本人がおもしろいと思って話しているので、自然と表情が豊かになります。
 聞き手に楽しんでもらいたいという気持ちからか、いつものスピーチよりも身振り手振りも大きくなります。
 こういう話題だと、子どもたちは、間違いなくウケます。いくつかの中から、自分が話せそうなことを選ばせます。
 スピーチを考えるときに、一つだけ注意しておくことがあります。それは、特定の人を話題にしたり、下品な内容に走らないことです。
 自分が楽しいだけでなく、みんなが楽しむための約束を、全員でしっかりと確認したほうがよいでしょう。
 また、教室では、なかなか知りえない子どもの一面を知るきっかけになることもあります。
 ユーモアのあるスピーチを指導するには
1 ねらい
 どのようなスピーチが聞き手も楽しめる話題や話し方なのか、子どもたちが理解するようになります。
2 やり方
(1)
ユーモアのあるスピーチになりそうなテーマを提示する。
(2)
テーマの中から、自分にできそうなものを選び、スピーチを考える。
(3)
みんなの前でスピーチをする。
(4)
終わった後には、振り返りを書くようにします。
3 留意点
(1)
話す時間を決めておく
 みんなに楽しんでほしいと思うあまり、ウケるまで話を続ける子どもが出てきます。
 そういう子どものスピーチは、ほとんどがダラダラと長くなります。
 事前に時間を決めておき、時間が来たらベルを鳴らすなどのルールを決めておくとよいでしょう。
(2)
聞き手のリアクション
 ユーモアのあるスピーチは、聞き手のリアクションによって、盛り上がり方が変わってきます。
 友だちのスピーチを盛り上げるために
「そんなバカ(あほ)な」「そんなわけないやろ」「それ、いいね」
 などの「合いの手」を聞き手が入れてあげるのが効果的です。
 最初に教師がやってみせると、子どもたちはコツをつかんでタイミングよく行うようになります。
(3)
大人に言いたいことをテーマにする
「大人に言いたいこと」「親に言いたいけど、言えないこと」というテーマも、教室が盛り上がります。
 ユーモアのあるスピーチが終わったら、多くの子どもたちが「また次もやりたい」「次はスピーチコンテストにして、一番おもしろい人を選びたい」などのリクエストが必ず出てきます。
(
菊池省三:1959年生まれ、 福岡県北九州市公立小学校教師、2015年に退職。コミュニケーション教育を長年実践した。「プロフェッショナル-仕事の流儀(NHK)」などに出演、「 菊池道場」(主宰)を中心に全国で講演活動をしている。 北九州市すぐれた教育実践教員表彰、福岡県市民教育賞受賞
)

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教師が身につけておきたい、子どもたちの「話し合う力」の指導ポイントとは

 子どもたちの話し合いに必要な指導のポイントとして、私は次の3点をあげたいと思います。
1 全員参加を保障する
 話し合いが始まると、どうしても一部の子どもたちが活躍するという現象がおきてしまいます。
 数名だけが活発に発言をして、残りの多くの子どもが聞き役になり、次第に手遊びを始める、という現象です。
 このような状態が出てこないようにするために、次のような指導を行います。
(1)
自分の考えや意見をノートに書かせておく
 話し合う前に個人作業として書かせておきます。
(2)
ノートにびっしりと書かせる
「箇条書きで、たくさんかきなさい」と指示を出します。
 ノートは話し合いに参加するための作戦基地です。
 準備をしっかりとさせておく指導が、話し合いを充実させるのです。
2「見える化」を心がける
 話ことばは消えていきます。書き言葉との大きな違いです。
 子どもたちのメモ力が十分でない時期は、教師が出された意見を板書するようにします。つまり「見える化」を心がけるのです。
 このときのポイントは、発言された意見の流れがわかるように、横書きにすることです。どの意見に、どのような意見が継がれたのかがわかるようにするのです。
 この「見える化」を行うことで、言いっ放しで終わる話し合いではなく、かみ合った話し合いが成立するようになります。
 子どもたちには「〇〇さんは、・・・・・と言いましたね。でも、私は・・・・・・・・・・」という「相手の意見を引用する」という技術を教えます。
3 新たな発見や気づきを促す
 話し合いをさせた後は、必ず振り返りを行います。
ポイントは
(1)
うまくいったところと、その理由
(2)
うまくいかなかったところと、その理由
を出させる、ということです。
「相手の意見を予想していたことがよかったです。なぜかというと・・・・・・」
「お互いの意見を否定しないで、いいところを認め合うようにしたらいいです。その理由は・・・・・・」
といった発言を引き出したいものです。
 話し合いをそのままにしておくと、子どもたちは、発言した回数や勝ち負けだけに目が向いてしまいます。
 それでは、話し合いの技術も伸びず、話し合うことの価値にも気づきません。
 話し合うことは、その場にいる全員が参加し、みんなで創り上げていくものであり、繰り返し体験することで、その力が身についてくることを実感させたいものです。
(
菊池省三:1959年生まれ、 福岡県北九州市公立小学校教師、2015年に退職。コミュニケーション教育を長年実践した。「プロフェッショナル-仕事の流儀(NHK)」などに出演、「 菊池道場」(主宰)を中心に全国で講演活動をしている。 北九州市すぐれた教育実践教員表彰、福岡県市民教育賞受賞
)


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教師のよくない話し方とは

 教師の話し方には、ときに、横柄な口調や無造作な言葉や鼻の先でくくったような話し方をする者が少なくない。
 だれに対しても、ていねいな言葉で応じていれば、相手が同僚であろうと、生徒であろうと、保護者であろうと、なんの心配もいらない。
 相手を意識し、相手によって受け方に差をつけようとするから、いつしか低きに流れてしまうのである。
 教師諸君。自分のものの言いようを見直そうではないか。
好ましくない教師の話し方の例をあげると
(1)
権力的な話し方
 子どもが事件をおこすと、すぐに保護者を学校へ「呼びつけ」て「家庭ではなにをやっているんだ」と、親の責任を追及する、いばった話し方。
(2)
事務的な冷たい話し方
 誠意や愛情の感じられない話し方で「こんな事件をおこして、忙しいのにめいわくだ」「しかたないからやっているんだ」という話し方。
(3)
啓蒙的な話し方
 保護者は無知だから「教えてやる」というバカにした話し方。一段高いところから見下したようなものの言い方になる。
(4)
専門家的な話し方
 自分たちは教育の専門家なんだから、しろうとの保護者は黙っていろ。よけいな口出しをするな、教師に任せておけといった話し方。
(5)
独善的な話し方
 学校がやっていることはすべて正しいことだから、家庭は協力してあたりまえという話し方。
(6)
脅迫的な話し方
 学校の言う通りにしないと、警察の厄介や進路に影響しても、責任はもてない。どうなっても知らないからなという話し方。
(
家本芳郎:19302006年、東京都生まれ。神奈川の小・中学校で約30年、教師生活を送る。退職後、研究、評論、著述、講演活動に入る。長年、全国生活指導研究協議会、日本生活指導研究所の活動に参加。全国教育文化研究所、日本群読教育の会を主宰した)

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教師は子どものなかに身をおき、教師が「子どもが興味を持つように」と願う方向に向けていく

 子どものなかに教師が身をおくことが、教える技術の一つだと思います。子どもの中には入って、子どものことばで話すわけです。
 そういう言葉が、どんなに子どもの心を柔らかにし、開いてくるか、わからないと思うのです。子どもの興味のうえに立って、子どもの関心の深い点で、本気で子どもの生活のなかで考えさせます。
 それは、教師がただ子どもの興味と関心に従っていくことではないと思います。それは教育にならない。
 教師は「この方向に子どもが興味を持つように」と願うところに、静かにゆっくりと向けていく、工夫と努力をしなければならない。興味や関心を育てることは、先生の仕事なのです。
 話し合いが堂々巡りのとき、一つの転機を画すように、ぱっと目が覚めて、抜けだしていい話しができるように、曲がり角を作る人でなければならない。先生自身が目の覚めるような発言をして、みんなを感動させることです。
大村 はま:1906-2005年、長野県で高等女学校、戦後は東京都公立中学校で73歳まで教え、新聞・雑誌の記事を元にした授業や生徒の実力と課題に応じた「単元学習法」を確立した。ペスタロッチー賞、日本教育連合会賞を受賞。退職後も「大村はま 国語教室の会」を結成し、日本の国語科教育の向上に勤めた)

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最近の先生は聞いていて、ビジュアル的なイメージを連想させるトーク力がない

 先生だけじゃなくて人の前に立つ商売人にとって語彙力は生命線である。
 語彙力とは何か。たくさんべらべらしゃべることではないし、評論家のように立て板に水のようにしゃべることでもない。聞き手が聞いて、ビジュアル的なイメージを連想させるトークである。
 一口に言って難しいが、訓練することで出来る。語彙力の貧困な人に共通しているのは、修飾語がすくないことだ。擬態語、擬声語、比ゆ的な語を多く使う訓練が必要である。
 表現力を豊かにするにはまねることだ。盗めといいたい。同僚の古典の荻野先生は露天商のお兄さんの口上を学んだと言っています。口上のお兄さんから学んだのは、表現力と間である。いかにお客さんを逃がさないかということである。またトークの順序である。結論を先に言うか、後で言うかにプロはこだわるのである。
 残念ながら、語彙、表現力を豊かにする努力が欠けている人が多すぎる。私はテレビから、映画から、講演から、小説から学びファイルしている、盗め。
 私はよく、新聞を読んで感動した記事、小説を読んで講演に役に立つ言葉、テレビを見て若い人の関心事から学びファイルしている。語彙、表現力のない人や先生は人の前に立つ仕事に就くなといいたい。
(
瀧山敏郎:小学校、中学校、高等学校(教頭)、大学講師、代々木ゼミナール、東進など有名予備校講師(英語)、全国英語研究団体連合会理事を経て、教師アカデミー主宰。予備校講師時代には爆発的な人気があり大教室で立ち見を出すこともあった)

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私の話術のノウハウとは

 教育には、話し方の上手さが求められていると言えよう。授業の大半は「話すこと」によって行われる。私は自分なりに話し方の技術を高めるために次ぎのように努力を続けてきた。
1 人の話し方にこだわりを持つ
 うまい話し方も、へたな話し方もためになる。なぜ上手か、なぜへたかとこだわってみることによって、いろいろなものが見えてくるからである。
 次のように分析し、書きとめることによって自分の話し方と比べてみることがかんじんである。よいところは取り入れ、まずいところはそうならないように努めなければならない。
(1)
話題(日常的な話や体験の話なので親しみやすく真実みがある)
(2)
用語(平易な言葉で分かりやすい)
(3)
緩急・強弱(的を射て巧妙、適切、変化に富む)
(4)
態度(謙虚かつ誠実である、聴き手を尊重している、温かい心)
(5)
表情(笑い・思索・訴え・自省など、豊かな変化がある)
(6)
構成(身近な例をとりあげ、深い解釈を示す)
(7)
姿勢(聴き手と視線を交わしつつ話すので、聴き手の視線を外らすことがない)
(8)
そのほか(発音・発声が明瞭で聞きやすい、言葉使いが正しく美しい)
 このような小さなこだわりを持つことによって、話し方の腕はあげられると野口は考えている。
2 話す内容のメモ
 講演でも、与えられた課題に対する内容を思いつくままに努めてメモをする。
 なるべく具体的な事例を多く集めるようにする。具体例を伴わない話は抽象的で迫力がない。具体例はできれば自分の体験や見聞の中から集めるべきである。その方が自信を持って話せるからである。
3 話の構成を作る
 話す内容が集まったところで、それらをグループ分けして、話の筋書きを作る。まず、話したいことを大きく三つか、四つの項目に束ねて、それにふさわしいタイトルをつけてみるのである。
それぞれの項目の中を次のように組み立てる。
(1)
事例2,3(事例の適否が重要)
(2)
主張点や意見(個性的で有意義な)
 これらの吟味にはじゅうぶん時間をかける。なんどもさしかえたり、順序を入れかえたりしてみる。最後に「枕」と「まとめ」をつけ加える。
4 実際の話し方、話術
 私は話というものは「面白くなければダメだ」と考えている。
 人びとの顔が一番美しいのは楽しい時である。楽しい時には人は笑い、心は明るく解放される。楽しい講演は引きつけられる。
 講演をする時に「楽しい」「面白い」ということを大きな要素として話を組み立てる。
 「笑い」は一つの休憩である。くつろぎの中で心にしみるものが一つか二つ残せればそれで充分ではないかと思っている。本当にすぐれた話はくつろいでいても心に深く、長く残るものである。
野口の話し方のポイントをいくつか挙げてみる。
(1)
ゆっくり語る
(2)
「間」
 聞き手との心の対話の時間の効用を生かす
(3)
問いかける
 問いかけも聞き手との対話である
(4)
具体例や自分の体験をもとにして語る
(5)
ユーモアを大切にする
(6)
正直に話す
(7)
謙虚さを大切にする
(8)
自分の主張を明快にする
 すこし極端でも明確に自分の考えを打ち出してみる
(9)
教えてはいけない「提言」である
(9)
常に「批判」歓迎する
(10)
ともにそのテーマで考え合う姿勢で対すること
(11)
聴衆の反応を常にとらえながら話す
(12)
話を区切り、束ね、まとめる
(野口芳宏:1936年生まれ、元小学校校長、大学名誉教授、千葉県教育委員、授業道場野口塾等主宰)

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子どもに「よく聞きなさい」と言うのは恥と思っている

 「よく聞きなさい」と言うのを自分では恥のように思っています。「よく聞きなさい」と、言わなければ聞かせられないのかと、つらいのです。
 私は教師の話し方は、一ぺんでわかるような話をするということが、教えるときの、教材準備のいちばん大事なところだと思います。
 言葉をいかにやさしくしても、構成の悪い話というのは、子どもにはわかりません。ですから「話し出しのくふう」と、「組み立て」「おしまい」、そういうことは気をつけて、案を立てて話をします。
 話の材料というのは、ほんとうに一生懸命に捜しています。私自身が、心から話したいと思わない話は、どうもだめです。新しい発見がない話、受け売りだけの話は、だれもあまり興味が乗りません。
 子どもたちみんなに「よく聞きなさい」という前に、どれくらい自分がいい話し手になるかということが問題だと思っています。
大村 はま:1906-2005年、長野県で高等女学校、戦後は東京都公立中学校で73歳まで教え、新聞・雑誌の記事を元にした授業や生徒の実力と課題に応じた「単元学習法」を確立した。ペスタロッチー賞、日本教育連合会賞を受賞。退職後も「大村はま 国語教室の会」を結成し、日本の国語科教育の向上に勤めた)


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