カテゴリー「保護者にどう対応するか」の記事

保護者からの感情的な苦情電話の対応の心得とは

 保護者の顔が見えない電話での対応は、いつも以上に話し方に注意しなくてはなりません。
 電話で話すときは、表情や仕草から相手の気持ちをつかみ取ることができません。
 たとえ相手に見えなくても、相手を非難する気持ちや迷惑な気持ちは声に表れるものです。相手の気持ちを理解しようとする姿勢で対応しましょう。
 特に苦情の電話では、感情的になっていることがあります。
 そのときは「聞き役に徹する」ことです。
 感情的になっている相手に反論したり、説き伏せたりしようとすると、感情を逆撫でして、解決できる問題が、こじれて大問題に発展する恐れがあります。
 相手を受け入れる気持ちで話を聞くことで、相手が落ち着くのを待つことです。
 苦情の電話がかかってきたときは、焦らず慌てず対応するのが効果的です。
 電話でも、あいさつは重要な役割を果たします。必ず「いつも、お世話になっております」の一言を忘れないようにしましょう。
 この一言が相手に親近感を与え、冷静さを取り戻させるきっかけにもなります。
 忙しいからといって、早めに話を終わらせようとしてはいけません。「伝えきれなかった」「聴いてくれなかった」と、後の関係に悪い影響を残しかねません。
 相手が十分に満足するまで付き合う姿勢を見せましょう。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校長。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる) 

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保護者に指導力不足と指摘され、担任や管理職に苦情が来たとき、どうすればよいか

 苦情を保護者が言ってくるときは、冷静さを欠いていることもあります。
 苦情を額面どおり受け取り、その一つ一つに回答していくと「言い訳がましい」「学校が防御している」という不快感を保護者が持ちます。
 また「保護者が自分の子どもの実態をさておいて、勝手なことばかり言っている」と、いう気持ちを学校側が持っていると、その言動の端々から「話しても解決してくれない」というあきらめや怒りを保護者に抱かせてしまいます。
 保護者のいう教師の指導力不足の多くは
1 学級の子どもを掌握できない
2 学級の問題を解決できない
3 授業が子どもたちの実態とずれていて、子どもたちが授業についてこないで、勝手なことをしている
ことが多いようです。
 東京都民が教師に期待する(平成15年教育に関する意識調査)ことは
1 子どもの興味・関心を引き出す授業ができること
2 子どもを適切に評価して、伸ばしてくれること
となっています。
 保護者か様々なニーズを出してくると思いますが、共通していることは
「わが子がかわいい、何とかしてほしい」という一言に尽きると言えます。
 この保護者の心情を理解し、解決に向けて正対して対応する姿勢を見せることが、その後の保護者との信頼関係の構築に生きてきます。
1 直接、担任に苦情があったとき
 担任へ苦情がくるということは、担任への期待が大きいことを意味します。
 この担任なら、真摯に受けとめ、解決に向けて何かしてくれるであろうという期待が保護者にあります。
 直接、面談をし、じっくり話を聞き、何をどうしてほしいか聞く。
 聞いた内容を管理職に相談し、早い時期に今後の対応の方向性を保護者に伝えます。
 できれば、いつでも学級を公開して、保護者が見て、実態を理解してもらう場を設定することが効果的です。
 学級の実態や課題を共有することで学校がすべきこと、家庭がすべきことを互いに確認できることにもつながります。
2 管理職に相談に行った時は
 担任に話しても解決が困難であると判断した場合には、保護者は管理職に相談します。
 管理職は、保護者と担任との信頼関係が構築されていないという前提のもとで面談することが大切です。
 ゆえに、この時点での担任を擁護する発言は逆効果となります。
 管理職がリーダーシップを発揮して、調査をし、教師側に非の部分があれば、事情はさておき、学校組織として非に対してどのように対応し、解決に向けて取り組むかを具体的に説明し、保護者に「見える」形で対応していきます。
3 担任の指導力不足の課題を的確にみつめる
 担任の指導力不足の訴え内容を、管理職は的確に吟味する必要があります。例えば
1 従来の子ども観、指導観等から脱却できないために生じたものか
2 指導のスキルを身につけていないために生じた問題か
3 性格的な要因から生じた問題か
4 自己の課題を課題として受け止めているか
5 管理職等の指導を柔軟に受け容れ、改善できるか
という観点から検討し、学校の指導・支援体制の確立、指導の経過、指導による変容等を細かに記録し、教育委員会との連携のもとに、教師のリカレント教育を実施していくことがもとめられています。
(川崎知己:東京都公立中学校教師、三鷹市教育委員会指導課長を経て東京都公立中学校校長)

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子どもや保護者とトラブルが起きたとき、どうすればよいか

 子どもや保護者とトラブルが起きたとき、自分一人では対応するのが難しいときが多い。
 トラブルが起きたとき、必ず学年主任や生徒指導主事に相談して、対応するようにしましょう。
 そのためにも、教師間の日頃の人間関係を良好に保ち、授業や生徒指導の情報を交流するように、進んで話かけるように心がけましょう。
 トラブルが起きたとき、日頃から良好な人間関係を築いておくことが、どれだけ心強いことなのか、痛いほど分かるようになります。
 トラブルが生じたとき、チームで対応することができる体制をつくっておくことが大切です。
 チームで対応すると、複数の教師で役割分担して対応できます。
 例えば、事実確認や子どもの様子を報告する役割、話し合いを進める役割、対応策を決定する役割など、役割を分担することで、冷静に対応することが可能になります。
 相手を受け入れる余裕もでき、落ち着いて話し合いに応じたり、自信をもって対応することができます。
 学校全体で支えることで、相手に誠意を伝えることもできます。
 また、チームで対応することで、相手との向き合い方や、相手との距離のとり方などの対応の基本を他の教師から学ぶこともでき、自分の力量アップにもつなげることができます。
 チームの中でこそ、教師は育つことができるのです。
 トラブルがあったとき「自分の力量不足だと思われたくない」と、隠そうとするのは、最も危険な考え方です。
 自分一人の力ではどうにもならなくなり、他の教師に相談したときには、手がつけられないほど事態が悪化してしまったという話も、よく耳にします。
 何かトラブルが起きたら、早く相談して、軽微なうちにチームで対応するようにしましょう。決して遠慮することはありません。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校校長。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

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教師は保護者と、今を共に生きる仲間として本気で付き合おう

 教師は、保護者に誤解されたり、真意が伝わらなかったり、不信感を抱かれたりすることは避けられないことです。
 しかし、失敗を回避することばかり考えていたら何もできません。失敗から学ぶことも大切です。
 私は、若かりし頃、初めて担任した保護者懇談会で「とにかくいいところをほめればいい」と思い込んで「〇〇さんは、とても素晴らしいですね。」をくり返していました。
 ある保護者が「先生、私は子どもがどうしたら伸びるかを知りたいのです」と言われ、絶句してしまいました。
 教育は、How toではなく「誠意」「本当の気持ち」が大切です。
 口先だけでなく、表情や声のトーン、抑揚、態度など、非言語的なものが相手に伝わります。心のありようが出てしまうものです。少しのおごりも必ず態度に出てしまうものです。
 私は、迅速、丁寧、誠意を心がけています。
 保護者の方とはいえ、やっぱり大事な人生を分かち合う人です。本気でつきあうと本気の関係が返ってきます。子どもたちの成長に代えがたい糧にもなるものです。つぎのような例があります。
 私が30歳くらいの頃、中学校2年生の担任になりました。
 そこにA子がいました。教師に対する暴言、授業エスケープ、いじめなど、あらゆることをして、1年生の2月から登校しなくなりました。
 家庭訪問すると、金髪で眉毛はなく「もう二度と来るな」と言われ、その後、何度、家庭訪問をしても「帰れ、帰れ」と罵声を浴びせられ顔を見ることはできませんでした。
 しかし、私はA子の姿がSOSを発信しているのだと受け取れました。人として無視できなかった。
 ある日、相変わらず家庭訪問していた私に、父親が
「先生、わが子のことは、そっとしておいてください。先生はまだお若く、経験もあまりおありでないようですから」
 私は、本音で次のように答えました。
「確かに、私は経験が少ないです。でも、それは関係ありません」
「A子さんは孤独なんです。荒れるからと、みんなが怖がって距離をとっているから、いつまでたっても孤独なんです」
「結果は、どうなるかわかりません。でも、今が最悪です。これ以上悪くなることはありません。どうか家庭訪問を続けさせてください」
 私の姿をじっと見つめていた母親は、
「お父さん、先生の言うとおりですよ。今まで何をしてもだめだったんだもの」
「先生に任せてみましょうよ。今より悪くなることはないんだから」
 父親は、そのとき初めて私に頭を下げて「先生にお任せします。よろしくお願いします」と言ってくださいました。
 その後も、しばらくの間、私の家庭訪問に荒れ狂うA子でした。
 A子に「もう来るな」と言われた私は「いいや、毎日来る」と言い放ち、A子に「絶対来るな」と言い返された私は、
「それでも、毎日来る、何と言われても来る、私はあなたから目を離しはしない」と叫んだとき、ようやくA子の罵声が止まりました。
 小さな間があって、A子は「・・・・・来るなよぉ」と小さな声で言いました。
 その後も、毎日、自宅へ帰る途中、A子の家に寄り、私はA子とだんだん関係を紡いでいきました。
 その後、A子が卒業してからも、ご両親は私に信頼と親愛の情を寄せてくれました。                                                                        
(堀川真理:1963年生まれ、新潟市公立中学校教師。学校心理士、カウンセラー。カウンセリング・ワークショップ「サイコドラマ新潟」主宰) 

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放課後、職員室に保護者からのクレームの電話が鳴っても驚かないようにするには、どうすればよいか

 子どもたちが下校して、ホッとする放課後、くつろいだ気分で、同僚教師と話しているとき、電話が鳴るときがあります。
 すると、それまでの職員室の空気が一変して、教職員全員の顔が一瞬、キュッと引き締まります。
 このようなクレームの電話がこないように、次のような先手の処置を打っておくようにします。
1 子どもたちを笑顔で下校させる
 帰りの会で楽しい話をしたり、ちょっとしたゲームをしたりして、子どもたちが気分よく下校できるような工夫をしましょう。
 子どもたちが集まる教室では、トラブルが起きて当たり前です。
 しかし、トラブルが起きたときに、瞬時にしっかりと対処し、
「今日は、いろいろあったけど、楽しい1日だった」
と、締めくくることができるような、一言を子どもたちにかけて、下校させるようにしましょう。
 子どもたちが気持ちよく下校できれば、保護者からのクレームは、ほとんどないと思って間違いありません。
2 気になることは、必ず保護者に連絡する
 友だちとのトラブルやケガ、厳しく子どもを叱る、ことがあった場合、必ず連絡帳や電話で保護者に報告しておきます。
 場合によっては、家庭訪問の手間を惜しんではいけません。
 わが子からでなく、教師から先に連絡することで、保護者の気持ちが随分違います。
 ほとんどの場合、保護者が教師を好意的に考え、理解を示してくれます。
「忙しいのに、わざわざすみません」と、恐縮してくれることも珍しくありません。
 しかし、万がいち、苦情の電話がかかってきたら、保護者の話を受け入れる姿勢で対応します。
 解決を急いで、教師が先に言い分を押し付けることのないように注意しましょう。
 相づちを打ちながら、じっくり話を聞けば、保護者の気持ちもおさまってきますし、教師の説明を受け入れる余裕もできます。
 保護者の気持ちをいったん受け入れながら、理解を求めていくことが、苦情への対応の基本です。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校教頭。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方研究会」を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

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保護者に「子どもをよく見ている先生」と思ってもらうには、どのようにすればよいか

 学級通信の内容は、子どもの良さを伝えるものが多い。特に小さな良さを見つけて伝える。例えば
「子どもたちを鍛えるために、毎日漢字のテストを行っています。間違った漢字は10回やり直しさせるという厳しさですが、子どもたちはがんばって取り組んでいます。100点を取る人も、とっても増えてきました。
 〇月△日(金)の2時間目も、最初に漢字テストをしました。すると、Aさんが『先生、テストの紙が1枚足りないのでください』と言いに来ました。
 しかし、Aさんは1番後ろの席ではありません。後ろから3番目です。
 見てみると、後ろの2人はすでに名前を書いています。
 Aさんは、テストの紙が足りないことに気づき、先に後ろの人に紙を回してあげたのです。
 Aさんの優しい行動に、心が温かくなりました。そして、とっても嬉しい、幸せな気持ちになりました。
 Aさん、優しいですね!
 クラスに、Aさんのような優しい行動が増えるといいなあと思います」
 こういう記事を読めば、保護者は
「きちんと子どもたちを鍛える、学力をつける先生だ」
「子どもの細かい所まで、よく見てくれる先生だ」
「子どもの良さを認めてくれる先生だ」
 と思ってくださるはずだ。  
 学級通信でほめると、口でほめる100倍の効果がある。
 実名を出してほめ、その行為を典型化していく。
 ちなみに、学級通信での一番のコツは「必ず、読み聞かせること」である。
 配っただけでは、子どもたちは読まない。読むとしても自分の名前のある所だけ。
 学級通信は読み聞かせて、みんなの前でしっかりほめてやることが大切なのだ。
 子どもの小さな良さを見つけ、学級通信の記事にしよう。
 配って読み聞かせ、その子をほめよう。
 そして、良さをクラスの他の子どもたちにも広げていこう。
(中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ、多くの学生に向けて講演も行っている)

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保護者を味方につけなければ、学級は成り立たない、影響力のある保護者をひいきせよ

 今は、保護者の力が圧倒的に強く、学校の力が弱い。
 保護者は、どうしたら教師が嫌がるか良く知っているのだ。だから、担任に直接文句を言わない。いきなり校長や教育委員会に文句を言う。
 教師が一番心を痛めているのが、保護者対応だという事実を忘れてはならない。
 逆に言えば、保護者対応さえうまくいけば、そんなに心を痛めなくてすむ。
 力のない教師が力を持った保護者と戦うなんて無理な話だ。
 だから、私は保護者とは、絶対に戦わない。例えば
 保護者に「最近、忘れ物が多いですけど」「最近、授業態度が悪いんですけど」なんてことは、絶対に言わない。
 できるだけ保護者には苦情を言わなくて済むようにする。
 ちっとしたことでも保護者に苦情を言う教師が多い。その教師は、教師と保護者との圧倒的な力の差を知っているのだろうか。
 教師は、その子の教育に関われるのは1年間限定のパートタイム教育者なのだ。子どもの一生に責任を持つ親にかなうはずがない。
 プロである教師はその限界を知るべきだ。
 新しいクラスを持って、初めて教室の前に立った時、
 私は「このクラスは、この子とこの子を味方につけておけば大丈夫だな」と感じることが多い。
 私ぐらいのベテランになると「教師の勘」が働く。
 当然、その子に対する対応は、手厚いものになる。手の内に入れようと、あの手この手を尽くす。
 それと同じで、保護者についても、
「このクラスは、この保護者とこの保護者を味方につけておけば大丈夫だな」と考えるようになった。
 影響力のある保護者は味方にしないとマズイ。敵に回してしまっては、あっという間に、保護者の多数が教師の敵になってしまう。
 学級懇談会では、多数の保護者から集中砲火を浴びることになる。そのとき、どんなにその教師の味方であっても、少数派の保護者は助けてはくれない。
 逆に、多数派の保護者の支持を取り付けておけば、大丈夫だ。そのためには、影響力のある保護者の支持が欠かせない。
 では、どうやって影響力のある保護者を見つけるか?
 これは、事前の情報が欠かせない。前の学年の担任たちから積極的に情報を得ておくことが重要だ。それが唯一の方法だと言っていいだろう。
 キーパーソンが分かれば、その保護者への対応は、当然、手厚いものになる。気に入ってもらえるように、様々な手を尽くして対応することになる。
 また、他の保護者への影響力はなくても、些細なことでもすぐに学校に抗議に来たり、教育委員会に電話する保護者がいる。そういう保護者は「有名人」だから、情報は自然と耳に入ってくる。
 その保護者の対応も、手厚いものになる。これは当然のことだろう。
 これからの教師は、どの保護者に手厚く対応するかという「策略」を巡らせる必要がある。策略を持たなければ、学級は成り立たないのだ。
(中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ講演も行っている)

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担任の指導のやり方に何度も苦情を言う保護者に、どう対応すればよいか

 苦情の電話があれば、学年主任に報告する。小規模校であれば、教頭などの管理職に報告する。必要に応じて、生徒指導主任にも報告する。
 保護者が苦情を言ってきたときには、信頼関係に亀裂が入る危機状態である。しかし「雨降って地固まる」ということわざがある通り、この機会に信頼を取り戻し、回復するチャンスにもなるのである。
 一番最初の真摯な対応が、その後の保護者の印象を左右することがある。
「先生は、しっかりと考えてくれる人だ」「学校は丁寧に対応してくれた」と納得する保護者もいる。
 中には、不満を言うだけで、すっきりされる保護者もいる。
 まずは、どんな苦情かを丁寧に聴く。反論したいことがあっても、一生懸命に聴くことが大事である。
 話を聞いたら、まずはお礼を言う。
 苦情や批判でも、子どものためという保護者の思いはありがたいことである。
 その場で、即答できること、お詫びすべきことは、その場でしてよい。ただし、言い訳が多くなったり、子どもの責任にしたりするのはよくない。
 連絡帳で苦情を受けた場合は、教師から保護者に電話を入れて
「とても重要なことなので、詳しくお話しして頂けませんでしょうか」
と、迷惑にならない範囲で話を詳しく聞きたい。 
 次のようなときは、すぐに返事ができないことがある。 
(1)他の教師が絡んでいるとき
(2)学校全体が関係するとき
(3)管理職の判断が必要なとき
(4)重大な過失があったとき
 学校として対応が必要なときは、すぐに管理職に報告する必要がある。
 管理職の指示をよく聞いて、適切に対応することが求められる。
 個人として行ったことでも、保護者から見たら学校の対応と見られる。
 何度も苦情を言ってくる保護者は、必ず管理職に報告をする。
「何度も言ってくる」ことは、学校の対応に納得がいかなかったり、不満があると思われる。保護者の真意が別のところにある場合もある。
 教師個人では対応は難しく、学年主任や管理職から話を聞いてもらったり、家庭訪問をしたりして対応する必要がある。
 また、どうやって返事をしていいか分からないことはある。
 その時には、急いで答えてはいけない。すぐに管理職に相談して、改めて返事することを伝える。
 その際に、いつまでに、どのように返事をするのかを明確に伝える。
 例えば、何時間後、明日まで、2日後までなのか。電話するのか、直接伺うのか。
 この部分が極めて重要である。誤解を生じてしまったために、保護者の印象を悪くすることがある。
(貝沼浩晃:新潟市立小学校教師)

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保護者が学校にクレームを言いに来たとき、教師はどのような心構えが必要か

 保護者が、わざわざ来校するのですから、教師が保護者に「何しに来るの」などと思わないことです。
 教師が「忙しい中、子どものためにようこそ」という精神で迎え入れ、自然に笑顔で対応するように心がけましょう。
 教師が笑顔で迎え入れ、保護者に共感の一言をかけることで、保護者の気持ちが和らぎ、円滑で前向きな話し合いが可能になります。
 教師が保護者に共感できるためには、教師が余裕をもって保護者に対応する必要があります。
 教師として、子どもを思う保護者の気持ちに共感できる感性を養うようにしましょう。
 保護者も教師と同じ「人間」です。怒りもすれば、笑いもし、分かりあえることもできるのです。
 教師が、そう考えて対応することによって、教師の考えを保護者に理解してもらうこともでき、前向きな話し合いが可能になります。
 興奮している保護者の感情をよく考えて、言葉は慎重に選びましょう。
 保護者が来校した時、教師の何気ないひと言で、保護者が「何か言いたことでもあるの?」と気分を害してしまい、保護者の気持ちをヒートアップさせる原因にもなりかねません。
 また、共感の一言が大切だからとは言え、納得できないことや、他の人を否定するような話にうなずいてはいけません。
 保護者と一緒に問題を解決していくという気持ちで話し合いに臨みましょう。
 教師に至らない点があれば、素直に謝罪して、改善できることがあれば、改善策を提案します。
 子どものために、真剣に考えていきたいという真摯な姿勢を示さなくてはなりません。
 クレームを言ってくる保護者は、教師の誠意を理解してもらえれば、逆に心強い応援団になってくれることが多いものです。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校教頭。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

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保護者からの苦情対応はどうすればよいか、弁護士から学校や教師へのアドバイス

 弁護士として学校関係者から相談を受けるたび、先生方が「誰のために何をしたいと考えているのか」という疑問を禁じえません。
 また、明らかにダメなものには、はっきりとダメだと言えばいい、そうすればもっと楽になるのに、どうしてしないのかとも思います。
 また、法律的に白黒の判断がよく分からない場合、真っ白なところと真っ黒なところをまず知ってください。それが分かるだけでも、楽になるのではないでしょうか。
 そう見ていると、先生は線引きが非常に下手だと思うのです。
 この保護者はクレーマーなのか、それとも訴えを聞くことで、幸せにつながる大事な宝物をもってきてくれている保護者か、という判断が、学校や教師ができていない、しようとしていないということです。
 保護者からの苦情を、目の前にいる子どもへの教育的配慮として、学校はどうするべきなのか、を考えることだと思います。
 つまり、子どもの成長、学習の保障という部分から見て、その保護者の訴えが正当か正当でないかということです。
 常にこの発想に立って学校は対応するべきです。
 この発想がしっかりとできていて、それをきっちり説明できれば、ほとんどの場合はうまくいきます。
 ただし、これが通用しない少数の保護者もいます。そういう人たちへの危機管理を意識して学校経営を考えなくてはいけないと思います。
 先生はすぐ保護者をクレーマーにしようとします。その理由は、保身や対人関係スキル不足が大きいのではないかと思います。
 もう少しちゃんと対応すればいいものが、出てくる保護者をクレーマーだと言うのは「私には、もう扱えません」と告白しているも同然だということです。
 ダメなことはダメだと言うことは「是々非々」を判断して実行するということです。
 この「是々非々」の線を、教師や管理職も含めて、実行に移すという「術(すべ)」が必要なのです。
 目の前に起こっていることが是か非か分からなくては困ります。
 その線が分かったとしても、判断に従って行動する際に、障壁や支障が出てくる場合もありますので、そこをどう具体的に対応していくかを含めて「術(すべ)」がなくてはなりません。
 最前線に立つ現場の先生方が、トラブルの際に孤立しないで教育活動を遂行できないといけません。
 そこでは、誰かに支えてもらうことが必要な場面が出てきます。校長や教頭の役割の重要性に焦点があたります。
 同時に、クレーマーのような人たちに対して、まっとうな要望の出し方がどういうものかを理解してもらう視点も必要なのかとも思います。
 また、人がそれぞれ寄って成り立つ人間社会では、うまく関係をとっていくには、相手のことを考えないとけないという根本的な視点、また学校は子どもたちに何をすべきかという視点も必要だと思います。
(三木憲明:大阪弁護士会)

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