カテゴリー「保護者にどう対応するか」の記事

保護者がわが子のことで気になることはなんでしょうか、保護者が安心するにはどうすればよいか

 保護者がわが子のことで、すごく気になることが2つあります。
1「授業についていけているか」ということです
 細かくみると、
(1)
学習内容を理解しているか
(2)
技能が身についているか
(3)
先生の話をちゃんと聞いているか
(4)
ふざけていないか
(5)
進んで発表しているか
この中で、保護者が最も気にするのは(1)(2)です。
 特に小学校の低学年、中学年は学習内容も比較的易しいことから、易しい内容も理解できていないのは心配だという思いも混じります。
 具体的には、テストの点数が予想以上に悪かったとき、宿題がなかなか終わらなかったり、授業で的を射た答えが返ってこないときなどに、心配になるようです。
 その心配が高じると、連絡帳や電話で不安を訴えるようになります。保護者の中には、わが子が学習内容を理解できないのは教師の教え方が悪いからだと、一方的に考える人もいます。
2「仲のいい友だちがいるか」ということです 
 わが子のことですごく気になることももう一つは、友だち関係です。仲のいい友だちがいるか、ということです。勉強以上に気になる保護者も多いと思います。
(1)
休み時間に遊ぶ子はいるだろうか
(2)
一人ぼっちでいないだろうか
(3)
いじわるをされていないだろうか
(4)
いじわるをしていないだろうか
 子どもが家に帰って、学校で誰とどんなことをして遊んだのかを親に話します。そのときに「一人で遊んでいた」などと聞くと、悲しくなるものです。
 そうして、友だちと遊べるように何か工夫をしてほしいと連絡帳にその不安を書いてきます。
 このようなとき、教師はどのようにすればよいのでしょうか。
 勉強が苦手な子や、休み時間に友だちと関わることが苦手な子には、教師がなるべく「たくさん関わる」とよいでしょう。保護者は安心します。
 
「今日は先生と勉強したよ」「今日は先生と遊んだよ」と、家に帰って子どもが親に笑顔で話すと、保護者も安心します。
 教師がわが子をちゃんと見ていてくれると分かって安心するのです。
(山中伸之:1958年生まれ。栃木県公立小・中学校教師。実感道徳研究会会長 日本群読教育の会常任委員)


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教師と学校に文句を言っていた親が協力するようになった、どのように対応したか

 学校に文句を言ってくる保護者は「困った親」として、クレーマーとかモンスターペアレントとして敬遠されます。
 教師は親の様子を嘆き、親は教師の状況を嘆き、お互い批判的な眼差しを強めます。学校と保護者との関係は実によそよそしいものになってしまいます。
 「困った親」を「困っている親」として見るという見方に立てるかどうかが肝心なことではないか。
 「困った子」「困った親」といった見方から、保護者と教師、子どもと教師とのすれ違いが生じてきてしまうのです。荒れる、暴れる、ものを壊す、人を傷つけるなど、問題を起こす「困った子」は、実は本人が困っているのだという認識が必要です。
 私は、親と共同して子どもを育てるために「対話」を大事にしました。対話は、直接会って話をする方法と、連絡帳を使って文章で対話する方法とがあります。
 対話による会話は、消えていってしまうという点が利点でもあり、欠点でもあります。おしゃべりは、やがて忘れられます。都合のいいことだけが頭に残ります。
 気持ちや考えが試行錯誤の状況であるときは、会話による意思疎通が大事です。新しい発見があったりするでしょう。
 連絡帳は、文章で確実に思いを伝えていくことができます。くり返し読み返すので、忘れないどころか、読むたびに印象が深まっていきます。
 私が対話を大事にして「困った親」を解決していった実践例を紹介します。
 私はクレーマーの保護者A(以降A)がいる小学校の二年生の担任になりました。
 前年の一年生のとき、つぎのような出来事がありました。
 Aさんの子ども(以降a)が自己中心的で他の子どもの気持ちを考えない言動に、まわりの子どもたちから言葉による攻撃がありました。
 Aさんから「aがいじめられて、学校に行きたくないと言っているので休ませる」と、電話があり、その後、aさんは学校を休み、Aさんから担任への抗議の電話が続きました。
 担任が家庭訪問しても、一方的な担任批判となり、登校させる話にはなりません。学校に来て校長にも抗議するようになりました。
 やがて、Aさんはわが子がB子にいじめられたと弁護士を立てて、B子の親を相手に損害賠償請求したのです。B子の親は子どもを裁判に巻き込ませたくないので金銭的な和解に応じました。
 年度末の三学期になり、Aさんは「B子を転校させろ」と言ってきました。それで異例の学級編成替えをすることになりました。
 私は二年生を担任するにあたって、aさんが四か月におよぶ長期欠席の後、登校できるのだろうか。親と学校の間に生じた不信感をどのように乗り越えていったらよいのか考えました。
 
「困っ子」は「困っている子」、「困った親」は「困っている親」だという思いを強く胸に抱いて指導する準備を始めたのです。
 親とのていねいな対話が大事なので、連絡帳を預かり、翌日応答するようにしました。aさんのよい言動を連絡帳に書くようにしました。また「子どもたちは、子ども同士のトラブルから学ぶ」ということも連絡帳に書きました。
 友だちづくりを中心にした集団づくりの成果が表れて、aさんは成長してきました。aさんの学校での様子のよいことを中心にAさんに具体的に伝えました。問題点も伝えましたが、こみいったことは会って話したり、電話をしたりしました。
 7月になって、Aさんの問題点が表れました。子どものトラブルを、わが子のいい分だけ聞いて客観的に判断しないのです。Aさんから私に電話があり「Cくんのわが子に対する不愉快な言動が変わらないなら、私は何らかの方法を考えざるを得ません」と、前年と同じ脅しをしてきました。
 私と会いたくないということから、電話でのやり取りとなりました。私は、Aさんのわが子の言い分だけで判断している客観性のなさと、Cくんへの偏見について考えを改めるように迫りました。Aさんも言いたいことを言いました。
 十分聞いたので「aさんの成長をだいなしにしないように」と言って、こちらから電話を切りました。
 やはり、子どもは子どもの中で育つものです。aさんの場合もそうでした。朝の会、帰りの会を大事にして、苦情を出させ、不満を家に持って帰らさないようにしました。
 子どもたちの中で起きたトラブルは、話しい合いを通して解決させていくようにしました。そのうち、1日を振り返って、友だちを認めたり、感謝することが増え、認められる喜びを知ることになったのです。
 二学期の合同誕生日会で、aさんは班の出し物で、ナレーター役をして、ひょうきんさを見せ、みんなを笑わせました。aさんがいると学校が楽しいという声がでるようになりました。aさんはCくんとも仲よくなっていきました。
 12月の生活科のイベントで、誘いを受けてAさんも他の保護者と共に生き生きとお手伝いをするようになり、保護者同士の輪づくりが実ってきました。
(
大和久 勝:1945年東京都生まれ、元東京都公立小学校教師。大学講師、全国生活指導研究協議会常任委員、『生活指導』隔月刊編集長)

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保護者からのクレームがなく、保護者の信頼を得る対応をするにはどうすればよいか

 私は保護者からのクレームをほとんどもらったことがない。なぜ、クレームが出なかったのだろうか。それは「子どもが頑張っている」「子どもが伸びている」という事実があったからである。
 子どもが成長している事実があればクレームは出ない。これがクレームを未然に防ぐ第一条件である。
 子どもが伸びたという事実を一つ一つつくっていれば、クレームはでないものである。教師として「子どもを伸ばしているのだ」という筋を通せばよいのである。
 年度始めのクレームを未然に防ぐには、先回りして、教師の意図を説明しておくとよい。学級通信などで説明しておけばすむことである。
 担任のことがよくわかっていないので「宿題はもっとださないのですか」といった「よくわからなくて不安だ」という気持ちから保護者のクレームがでるのである。
 担任していると、子どものトラブルのことでクレームがくることがある。もしもクレームが出た場合、私が必ず心がけていることがある。
 それは「迅速に」「誠意をもって」「解決に徹する」である。大切なのはスピードである。クレームを聞いたその場で、すぐに解決のための行動を始めるのである。
 ポイントは「保護者が納得するまで、細かな点まで配慮して解決にあたる」ことである。
 例えば「子どもがけんかをして、本人がとても気にしている差別的なことを言われた」といったとき、差別的な発言を許すような雰囲気の学級経営をしていることに保護者が怒っているのだ。
 だとしたら、誠意ある解決のための教師の行動は、
(1)
けんかの理由を聞き、悪かったところを、お互いに謝らせる。
(2)
差別的な発言は、理由があろうと許されないことを話す。
(3)
クラスの子ども全員に差別的な発言をしていないか、振り返る機会をとる。
 こうした対処を、その日のうちにとったうえで、保護者に連絡する。担任の誠意が伝わるよう連絡帳でなく、電話か直接会うのがよい。
 
「このように対応しました。ご心配をおかけし、大変申し訳ございませんでした。以後、差別的な発言が出ないよう、担任として注意してまいります」と。
 迅速、かつ誠意ある対応に、保護者は担任に対する信頼を増すことになる。クレームがきても落ち込まないことだ。それよりも、クレームを、信頼を勝ち取る機会にしてしまえばよいのである。
((
大前暁政:1977年生まれ、岡山市立小学校教師を経て、京都文教大学の准教授(理科教育)。理科の授業研究が認められ「ソニー子ども科学教育プログラム」に入賞)


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教師になって三年、「前の担任と比べて授業がへただ、担任を代えてほしい」と言われた、どうすればよいのでしょうか

 私は教師になって三年目です。小学校四年の担任をしています。少し教師の仕事に慣れ、保護者との関係づくりのコツも身についてきたと、自信も持てるようになっていました。
 しかし、二学期末の保護者会でA子の保護者から「前の担任と比べて、あなたは授業がうまくありませんね」と言われたのです。
 
「えっ」と思い、とまどっている私に、前の担任と私を比較し始めました。
「理科の授業は、前の担任は実験もしっかりやらせてくれ、子どもも興味深く授業を楽しみにしていました」
「先生は説明してドリルをやらせるだけなので、子どもも理解しないまま教科書が進んでいくようですね」
「前の担任は、学級通信も毎日出してくれましたが、今は週に一度だけですね」
などと言われ、私の気持ちは沈んでいきました。
 その後、学校に来て、校長に「担任を代えてほしい」と訴えました。保護者の間で私の力のなさが噂になっているかと思うと、私はますます自信がなくなりました。子どもたちの顔を見ていても、その後ろに親の非難する姿が見えてきて、私は神経がまいってしまいました。
 先輩教師からアドバイスをもらい、三学期は授業の準備を今まで以上にしっかり行ったり、学級通信も毎日出したりして、がんばってみました。学級通信には担任への要望を書く欄を設けて、親の声を聞くようにも努めました。
 三学期末の保護者会は個別懇談ではなく、学級懇談で、この一年間の子どもたちの成長や学級の様子を伝えました。
 けれども、意見交換のときにA子の保護者に「先生の努力はわかりますが、私は学校に期待していませんから、学力は塾の先生につけてもらっています」と言われました。
 全体の場で言われたことで、私は教師を続ける気も失せ「いったい、この私にどうしろと言うのですか」と捨てゼリフの一つも言いたくなりました。
 このような場合、どのように対応したらよいのでしょうか。
 以前でしたら、このような発言は、公の場ではまずありませんでした。もちろん教師の未熟さもありますが「学校に期待していませんから」は、その人の考えであり、それを全体の場で公言するのは、人をおとしめるのが目的のクレーマーです。
 無理な抗弁をせず、先輩に相談したり、カウンセリングを受けたりして、新年度からの再起を期して準備をととのえ、再挑戦してください。
(
諏訪耕一編:1937年愛知県生まれ、元愛知県公立中学校教師。長野県に不登校の子どもの回復施設「浪合こころの塾」、「浪合こころの相談室」を開設した)

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担任を通りこして、校長に苦情が持ち込まれたら、どうすればよいのでしょうか

 だれしも自分の悪い点を指摘されることは快いものではありません。
 ましてや自信をもって子どもを指導しているつもりの教師にとって「意見があるなら、直接言ってくれればいいのに」と、怒りの気持ちがわいてくる心情は無理からぬものと思われます。
 しかし、担任は常に子どもの「いたらぬ点を指摘」する側で、「自分の言動を振り返ることが少ない」ことを忘れてはならないと思います。
 担任である自分に対する数少ない苦情にさえ、落ち込むほどなのですから、1日に何度も注意を受ける子どもの気持ちは、どうなのかと考えてみることも必要と思います。
 
「子どもに善悪の判断を身につけさせるため」とか「この時期に、この子のいけない点を直しておかなければ」という大義名分が先立ち「性急に指導していなかったか」「長所より短所に目を向けていなかったか」を振り返るとよい。
 また直接、担任に苦情を持ち込んだら、よけい、わが子が辛い目に合うのではないかという、保護者の気持ちがあるではないか。
 担任にとっては辛いことですが、素直な気持ちになって、自分が指導者として大きく成長するための試練と受けとめ、学級運営を改善するよい機会にしていくよう、発想の転換を図ることが大切です。
 では、どうすればよいのでしょうか。
 子どもが元気な顔で毎日「ただ今」と学校から帰ってくると、保護者は安心して苦情など持ち込まないものなのです。
 子どもが毎日、楽しいと感じ、満足する学級にするには、
(1)
子どもの学習意欲がわく授業づくり
 授業は教師にとって「いのち」ともいうべき大切な切り札です。子どもが主体的に取り組み、一人ひとりの個性が生かされるような授業を意識した教材研究に取り組むことが求められます。
 子どもが興味・関心をもつ教材開発や、子どもの探究心が満たされ、調べ学習へと発展する教材研究などが必要です。
(2)
きめ細かな観察に基づく子ども理解
 子ども一人ひとりの個性が異なります。それぞれの好きなものや特技だけでなく、休み時間や登下校の様子に目を向けると、乱暴だと思っていた子がやさしかったり、友だち同士になると態度の変わる子がいたりするものです。気のついたことはメモしておきましょう。
 そして、子どもの良い点は、機会があったら、ぜひ保護者に伝えてあげましょう。 
(3)
学級内のもめごとに対する適切な処理
 子ども同士のいさかいはよくあることですが、一方がけがをさせられたりしたときは、その日のうちに解決し、仲直りさせてから帰すようにしましょう。
 相手の人権を著しく傷つける言動のあったときも、十分納得させることが大事です。常に公平な目で見、冷静に両者及び第三者の話に耳を傾けて解決していく教師の姿勢が、子どもや保護者の信頼をかち得るものです。
(4)
学級経営の方針や担任の誠意や人間性を平素から理解してもらうようにする
 学級経営の方針を理解してもらうよう、1年間の見通しをもって、学級懇談会や学級便りなどを利用して、具体的に知らせていく必要があります。
 また、連絡帳への返事の書き方、電話での対応、病気やけがをしたときの連絡やきめ細かな配慮を通して、教師の誠意や人間性が自然に伝わっていくものです。
 さらに、どんなに忙しいときでも余裕ある表情で接することを忘れなければ、この先生ならどんな小さな相談にも乗ってくれるのではないかと思われ、保護者は心を開いてくれることでしょう。
(
岸 ゆう子:元千葉県公立小学校管理職)

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通知表の成績について保護者に抗議されたとき、どうすればよいのでしょうか

 わが子の成績が、なぜこのような評価になるのか、根拠を示してと保護者に激しくせまられたとき、どうすればよいのでしょうか。
 通知表の成績について抗議する保護者には、次のような傾向があります。
(1)
わが子の努力や成果が評価されていないことで不満
(2)
塾などではよい成績なのに、学校の成績が塾のように評価されていない不満
(3)
日頃の教師の指導が行き届いていないのではないかという不安
(4)
日頃のテストなどではよい点数を取っているのに、その成績が通知表に反映されていないのではないかという疑問
 保護者の心の奥には、通知表が悪いということだけでなく、日頃授業で、本当に子どもを見てもらっているのかという不安もあるわけですから、安心してもらうように時間をかけて話し合うようにしていくことが大切です。
 不満を訴える保護者は、教育に関心がある人が多いものです。日頃の指導法について関心があるわけですから、授業中のことや、子どものことについて話し合い理解を深める機会にするといいでしょう。
「このごろ少し大きい声で本を読めるようになってきました。家でも読む応援をしてくださるからだと思っています。底力があるのだと思います」
というように、子どもの様子、特に親の気づかないよさを話題にして、家での様子をたずねると、保護者も心を開いて話に乗ってきてくれます。
 通知表への不満を解きほぐし、よさや可能性について話題を広げていくようにします。
 通知表の評価について教師の自信のない反応は、保護者に不信と不安を与えることになります。逆に放漫な態度はかえって反発されます。
 子どもがよくなるためには、どうしたらよいかについて考え合うために留意することは
(1)
優れているところ、得意にしている所を伸ばし自信をもたせる
(2)
もう少し努力をすれば、力が発揮できるところを見つける
(3)
親に協力してもらうところ、教師が引き受けるところはどこかを理解し合う
 保護者の一面的な思い込みで誤解をされないようにするには、子どもにとって今何が大切か、学習という話題で話し合うと理解が得られるものです。
 保護者の抗議に、感情的に対応してはなりません。腹がたっても、それをおさえることができてこそ、教師なのだと思うことです。
 保護者の言い分をよく聞いて、その後に教師が発言するといった、慎重さも大事です。問答無用といった姿勢をみせれば、わかり合える話も、わかり合えぬまま終わってしまいます。保護者との信頼関係は、一歩一歩築いていくものでしょう。
(
吉永高司:元大津市立小学校管理職)

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保護者とどのように接すれば、クレームを生まず、信頼関係が深まるのでしょうか

 いま、保護者への対応に苦慮する教師が増えています。時代が変わっても、保護者はわが子を心配し成長を願っています。教師は「自分がこの子の親だったら、どう思うだろう」とその親の気持ちをしっかり受けとめる必要があります。
 日ごろから、保護者とどのように接すれば、クレームを生まず、信頼関係が深まるのでしょうか。それには
(1)
すばやく対応する
 すばやい対応は、教師の情熱が保護者に伝わり、保護者の信頼を深めるきっかけになります。「先生は真剣に考え、動いてくれた」となるのです。
 教師は、問題を把握した瞬間から解決に向けて行動を始めなくてはなりません。機を逸してはすべて無になります。対応の遅れは、保護者の教師への不信を増長させる原因になります。
 教師は保護者から苦情や相談を受けた後は、対策を立ててすぐに行動に移ります。保護者に「このようにしました」と連絡することが大切です。
 その成果は、子どもの変化に現われます。例えば「あれから、友だちと仲良くしています」と伝えましょう。子どもの変容という事実こそが、保護者の信頼を得る最大の方法なのです。
(2)
気になる子どもは、すぐ連絡を
 友だち同士のトラブルや教師の指導については、必ず子どもに納得させて帰らすのが基本です。たとえ完全に納得しなくても、下校前には、その子に目をかけて丁寧に接してあげましょう。「先生に心配してもらった」と感じれば、保護者も悪い気がしないはずです。
 子どもがスッキリしない顔で下校し「これは納得していないな」と感じたら、必ず保護者に連絡を入れるようにします。そうすれば、事情を正確に保護者に伝えることができます。手間を惜しまず連絡することが大切です。
 保護者に事実を正確に伝えるためには、当人だけでなく、周りで見ていた子どもたちからも情報を集め、原因や経緯を正確に把握する必要があります。必ずメモを取りながら行います。
(3)
保護者が来校するときは、笑顔で迎える
 苦情などで保護者が来校することがあります。そんなとき、保護者は、不満そうな顔で何か言おうという雰囲気が漂っています。それを見て、教師が緊張して身構える姿勢を見せれば保護者をさらに興奮させます。
 保護者が来校するときは、笑顔で対応し冷静になってもらうことが必要です。不思議なもので、笑顔で対応されると、それまで苦情を言おうと燃え上がっていた気持ちも、調子がくるい、少しは冷静になるでしょう。
 子どものケガや病気など特別な場合を除いて、「忙しいのに、子どものために、ようこそ」と、笑顔で保護者を迎えましょう。
(2)
保護者の勝手な言い分も、余裕を持って、共感しながら聞きましょう
 保護者の話を否定的に聞くと「自分の気持ちがわかっていない」と、保護者ますます教師を責める危険があります。
 保護者は自分勝手でわがままなことを言ってくることもあります。しかし「その気持ちわかります」という教師のひと言が、保護者の気持ちを和らげ、保護者との距離を縮め、話し合いを円滑に進めることにつながります。そのためには、余裕を持って保護者に対応する必要があります。
(4)
保護者が感情的になっても、冷静さを保つ
 保護者が感情をあらわにし、威圧的な態度を取ると、教師は慌ててパニック状態になることもあります。
 感情をぶつけてきた保護者に対しては「相手のペースにのらない」ことを心がけて対応します。相手の言葉をまに受けてカッとなったり、慌ててパニックを起こしたりしないようにします。
 教師は、自分が保護者の話し相手ではなく「誰かに話をしている」と考えるようにします。保護者の感情が「おさまるまで待とう」というくらいの気持ちで、心を落ち着かせることを第一に考えましょう。
 感情的になっている保護者の気持ちを分析しながら相手にしていると、冷静さも保てますし、後の対応にとても役立ちます。こちらが、冷静に対応していると、相手も冷静さを取り戻すようになります。話し合いはそれからでも十分にできます。
(3)
一人だけで対応しない
 一人で対応すると、後で思い違いが生じたとき「言った、言わない」と水掛け論になり、さらに大きなトラブルになる恐れがあります。特に経験の少ない教師は、複数の教師で対応するようにしましょう。
 話し合いに参加してもらう教師は、記録を取ってもらい、話し合いが一通り終わったら、話し合った内容を「ということで間違いありませんね」「これからは、この方向で指導することになりますね」などと、再確認してもらいましょう。
(4)
記録を残す
 後日、話し合いの経過や結果の確認が必要になることがあります。記録を残すことで、正確な事実確認をすることが可能になります。
 保護者が気分を害さないよう、話し合いをする前に「大事なことを忘れないように、メモを取っておきます」と、ひと言ことわっておきます。
 ずっと下を向いてメモを取っていては失礼です。「これは大切だ」という言葉やポイントをサッとすばやくメモするように心がけましょう。電話での対応も記録をします。
(5)
保護者への返事は慎重に
 保護者からの相談や苦情についての対応は、必ず学年主任や管理職に報告します。
 話の内容によって、その場で即答できるものもあれば、学年主任や管理職の指示を仰がなくてはならないものがあります。慎重さを欠いた安請け合い的な返事は、後で大きなトラブルのもとになります。
 学校のきまりはどうなっているのか。学年全体として考えずに、一人の担任の立場で返事(約束)をして良いのか。その場の雰囲気に流されていないか。早くその場から逃れたい気持ちがないか。など、気になることが出てきます。
 迷ったら即答しないのが鉄則です。回答を待ってもらい。主任や管理職に相談したうえで、回答しなくてはなりません。
(6)
保護者と一緒に考える
 保護者から子育ての悩みを相談されることがあります。親と教師は共に子どもの成長を考える協力者として対応しなくてはなりません。
 保護者から相談があった場合、保護者と一緒に考える姿勢を示すことも大切です。「どうすれば良いか」を保護者と一緒に真剣に考えるのです。
 教師が大まかな方針を提案し、具体的な方法を一緒に考えるようにします。例えば、わが子が「勉強がわからないと言っている」というものであれば、
「集中力が身に付けば成績も上がると思うので、良い方法を考えましょう」といった具合です。
 ズバッと解決策を示すよりも、一緒に考えながら導いてあげるほうが、保護者には心強く感じられ、後々頼りにもされるようになります。
(
中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良市立公立小学校教頭。「子どもを伸ばすためには、叱り方が大切」という主張のもと、「叱り方」研究会を立ち上げる。講演会や専門誌での発表活動を行っている)


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話しの通じにくい保護者には、どう対応すればよいのでしょうか

 話しの通じにくい保護者に、多くの教師が苦労していることを私は知っています。信じられないような話も、全国各地で聞きました。
 例えば、子どもが学校でケガをしたので家へ電話したところ、それほどのケガではないのに母親が救急車を呼び、教師たちが唖然としたという話があります。こうした事例は枚挙にいとまがありません。
 大人たちのモラルや良識の崩れは、子どもの荒れどころではないとさえ思います。もちろんこうした保護者とのつきあいは、容易なことではありません。
 電話などでは無理でしょう。つごうをやりくりして、家庭訪問して、直接話し合うのがよいと思います。若い教師は一人ではなく、ベテランの教師に同行してもらうのも必要なことです。
 子どもや保護者に信頼される学校づくりを強く意識して取り組まないと、保護者との深いつきあいをつくりあげることはむずかしいと思います。
 教師が保護者に気づかうべきことを具体的にあげると
1 話の通じにくい保護者には
(1)
話の通じにくい保護者ほど正確な情報がつかみにくい環境にあったり、保護者の生育過程が苦難の多かった場合が多い。したがって、時間をかけ、あきらめずに合意づくりを続けるようにする。
(2)
電話や家庭訪問がむずかしい場合は、手紙がよい。とりわけ厳しい生活状況下にある保護者には、励ます手紙が必要といえる。
 手紙で成果を生んだたくさんの実例があります。例えば、わが子に暴力をふるう父親が、女性教師の幾度となく出した手紙によって改心してくれたという話。
 ツッパリの子を放置していた両親が、教師の手紙によってわが子に目を向けるようになったという話など、明るい話があります。
(3)
教師だけで話が通じない場合は、他の人の仲介で合意づくりをするのもひとつの方法です。間接的に他の人がかかわってくれたことにより、教師の願いが実現した例もあるからです。
(4)
話の通じにくい保護者でも、わけへだてなく対応することが重要。「いつかわかってもらえる」ことを期待しながら。
(5)
子どもへの虐待のおそれがある場合や、保護能力に欠ける保護者には、当然のことながら児童相談所、人権擁護委員会などとの協議が必要です。児童福祉施設での保護も必要となってきます。
 自分だけで判断し対応するのは、決して好ましいことではありません。一刻も早くその子を苛酷な状況から救出するために、全教職員で話し合い、全校的な問題として考え合うことが大切です。
2 日常的な保護者とのつきあい
(1)
子どもに何か問題があったときだけ電話などで連絡するのではなく、進歩したこと、成長したことも伝えるとよい。
(2)
病気などで欠席した場合、すばやく電話してようすを聞くことが大切。保護者とのつきあいの大事なチャンスにもなる。
(3)
連絡帳・学級通信・学年便りなどは、事務的な連絡だけでなく、子どもの姿を記し、教師の思いや心が伝わる工夫をするとよい。
(4)
大事なことについては、電話でなく、必ず訪ねて対話する。
3 学級懇談
(1)
保護者が話しやすいように、日常の班・グループを活用した座席にすると効果的。
(2)
懇談のはじめは子どもたちの進歩してきた事実を伝え、家庭での進歩のようすも聞いてみる。そして、欠点や課題については、後半で話し合う方が充実する。
(3)
勉強について話題にするときは、具体的な資料を用意し、保護者に「よい点・悪い点」がよくわかるようにする。また保護者が何をすればよいかが理解できるように、具体的に提案する必要がある。
(4)
話すことに抵抗のある保護者が多い場合、小さな用紙を配布して「話したいこと・聞きたいこと」を書いてもらい、それにもとづいて懇談するもの工夫のひとつ。
(5)
学級の行事(お誕生会・レクレーション・体験学習など)には保護者の参加を求め、共同してすすめるよう工夫する。
(
坂本光男:19292010年、埼玉県生まれ、元小学校・中学校・高校の教師。教育評論家。日本生活指導研究所所長・全国生活指導研究協議会会員)


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保護者に信頼されるにはどのように接すればよいか、そのポイントとは

 学校と家庭の協力は、対等の関係で協力し手を結ぶものです。これまでは、学校や教師の言い分に保護者が従い、協力するものと思い込んできた傾向があります。
 今は、学校は教育サービスを提供する場だと考える必要があると思います。したがって指示的な話し方などは避けるようにします。
 教師は話し方や、話の聞き方など、保護者に対しては社会人として接し、それでいて気配りもできる。つまり、世間の常識を心得ている人になればよいと思います。
 教師は子どもを指導することが仕事ですから、その指導が確かなことが保護者から信頼される第一条件です。
 そして、保護者の意見に耳を傾けることのできる柔軟さも、教師には大事だと思います。保護者の意見の適否は後から考えればよいでしょう。
 保護者が発言すると、文句か批判としか受けとれないようなかたくなな教師の態度は、保護者との心の距離を広げてしまいます。教師は、人間関係づくりに巧みになってほしいし、それをおっくうがらないことです。
 ささいなことで、人間関係がつくられもするし、崩れもします。保護者の問い合わせに対する返事や連絡はすみやかに行うようにします。
 返事することを忘れたり、そのままにしたりすれば、誠実さが無いと思われます。大人同士のかかわりでは「忘れた」では済まされません。誠実さは、人間関係の土台です。
 言い訳、釈明、言い逃れはしない、爽やかさも必要なことです。詫びるときは詫び、主張することは、言葉を選びながらもきちんと話しましょう。
 大ふろしきを広げて「あれも、これも実践する」などと公言せず、できることから小出しに実践する慎重さも必要です。
(飯田 稔:1933年生まれ。千葉大学附属小学校に28年勤務、同校副校長を経て、千葉県浦安市立浦安小学校校長。千葉経済大学短期大学部名誉教授。学校現場の実践に根ざしたアドバイスには説得力がある)

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保護者と連絡をとっていても、毎回、態度や反応が異なる場合、どのように対応すればよいのでしょうか

 子どものことで、保護者と連絡をとり合っているのですが、毎回、態度や反応が異なる場合、どのように対応すればよいのでしょうか。
 
「保護者とのやりとりを記録する」ことと「保護者の言動の冷静な分析」が対応のポイントになります。
(1)
保護者との毎回のやりとりを記録する
 毎回、態度や反応が異なる保護者と連携を図るためには「記録を残す」ことが必須です。
 
「言った」「言わない」という争いや、「何も対応してくれない」というようなクレームに備えて、保護者とのやりとりはその都度記録しておくべきでしょう。
 やりとりするごとに、必ず記録をとるようにしてください。詳細でなくても構いません。日時、対応方法(連絡帳、電話、来校、家庭訪問)、内容などをメモに残します。記録を重ねていくことで、反応のパターンなどがつかめてくるはずです。
(2)
態度や反応が異なる原因が分かるだけでも楽になります
 保護者に精神疾患などがあれば、薬など処方されているはずですので、保護者が「落ち着かない」ことの原因の一つとして考えてみるとよいでしょう。
 その他にも、家庭内や仕事のことでうまくいっていないなど、一見不可解な態度にも、必ず原因があるものです。
 原因が分かったからといって、すぐに事態が改善されないかもしれませんが、こちら側の気持ちとしては楽になることも多いはずです。
(3)
保護者の言動を冷静に分析することで、必要な対応を把握するようにします
 連絡するたびに保護者の言動が異なり、精神疾患が原因であることが予想される場合でも、さまざまな手段で、積極的に情報を引き出すようにしてください。
 保護者が比較的落ち着いている状況の言動がどこにあるのか。また、情報を把握する中で、子どもへの対応の様子も見えてきますし、保護者の言動を一時的なものとして受け止めることもできるようになるでしょう。
(
丸岡慎弥:1983年神奈川県生まれ、大阪市公立小学校教師。教育サークル「REDS大阪」・銅像教育研究会代表、事前学習法研究会会長)

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