カテゴリー「保護者にどう対応するか」の記事

感情がたかぶっている相手を落ち着かせるには、どうすればよいか

 感情がたかぶっている相手を落ち着かせるコツは、「落ち着かせようとしないこと」が一番です。
 本能的に「急いで、鎮めなきゃ」と考え「落ち着いて」というのは逆効果です。
 相手の感情を否定し、抑えつけるのではなく、まずは認めてあげましよう。
 怒っているのであれば「怒るのも、無理ないよね」と、その感情を承認する。
 そうやって、あせらず、ゆっくり時間をかけて落ち着くのを待つほうが、効率がよいのです。
 大切なのは、常に自分は冷静であること。一緒に感情に流されては、相手を救ってあげることはできません。
 たとえば、相手を怒らせてしまった場合
 できれば、まずは謝ることが一番です。
 自分に明らかに非がないときには
「そんなに怒らせちゃって、ごめん」
「嫌な思いをさせて、ごめんね」
と、相手の状態に対して謝罪を述べましょう。そして、
「どうしてそんなに怒っているのか、聞かせてくれる?」
「詳しく教えてくれる」
と、言い分を聞いてあげることが重要です。
 どうして嫌な気分になったのか、迷惑をこうむったか、そういったことを存分に吐き出すと、人は落ち着きます。
 怒りや不満をぶつけられたときの聞きかたで重要なのは「うなずき」です。
 相手のリズムに合わせることが大切です。
 相手が激しく怒っているときには、激しくうなずき、深刻に怒っていれば、うなずきは深く、ゆっくりとするのです。
 うなずきのリズムに合わせることで、気持ちがわかったという合図になります。
 人は、相手に感情を受け入れてもらえると落ち着くのです。
 ほとんどの場合、怒っている人は、ただ発散したいだけですから、まじめに受けとめすぎると、自分が疲弊してしまうので「そうなんだ」「へえー」と、上手に相づちをうって流しましょう。
 吐き出した後であれば「実は、こういう事情があってね」とか「聞いてもらえると、うれしいんだけど」と、こちらの言い分も聞いてもらいやすくなります。
 先に言い分けから入ってしまったり、「私は悪くない」と開き直ってしまうと、何の解決もしません。
 最初は我慢して、長期的視野にたって良好な関係を築くことをめざしましょう。
(
伊東 明:1969年東京都生まれ、心理学者。ビジネス心理学など、企業研修や執筆活動で活躍)


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モンスターペアレントの問題はどうすれば解決できると思いますか、その解決法とは

 モンスターペアレントの問題の解決策とはなんでしょうか。2008年に保育士にアンケート調査しました。解決法を自由に書いてもらった結果を次に示します。
(1)
保育園依存型の保護者
○園全体で話し合い、できること、できないことをはっきりとさせ、対応を統一する。
(2)
心に病を持つ保護者
○パーソナリティ障がいの疑いがあると思われる人には、話を聞くだけ聞いて保護者をスッキリさせ、話の内容は気にせず、受け流す。
○心理の専門職の職員に相談したり、直接、間に入ってもらったり、チームで保護者の心のケアをする。
○あきらめるしかないように思う。
(3)
保護者を受容し共感する
○結局、人間関係なので、前向きに取り組んでいく。
○寄り添って心を通わす努力をしてみる。しかし、限界もある。職場の支えがあるかが一番のキーポイントと思われる。わかってくれる仲間がいると心強い。
○今の親は、まず自分を見て欲しい、ほめてほしい、認めてほしいという親が多い。「この先生は、私のことを見てくれている」と感じれば、話を聞いてくれるのではないか。
○日頃から親とのコミュニケーションを密にし、傾聴、共感を心がけ、信頼関係を積みあげていく。 
○なんでも親の要望を受け入れるのではなく、子どもにとってどうなのか、子どもにとって最善の利益を共に考えていく。
○常識で考えられないようなことを言ってくる親の場合は。心の奥にある問題を解決しないと難しいと思います。ただし、相手の気持ちや思いを受けとめることが第一段階では必要なことだと思います。
(4)
保護者をケアする
○親自身の育ちに問題がある場合もあるので、子どもの成長を一緒に喜び、親を支援しながら、子育ての喜びが味わえるようにしていく。
○親のがんばっている姿を認めながら、親の気持ちを受け止め、言うべきこと、大切なことはキッパリと言って伝えていく。
○親もさまざまなストレスを抱かえ、発散しきれずにいる。親の会(飲み会も含む)を提案すると、親同士も急に生き生きと相談しはじめ、親の会も実現し、交流を持てたようだ。親の孤立感が減り、相談できる人間関係ができたのはよかったように思う。 
○親の話を聞き、子どもの成長過程をわかるように伝えていく。
 学校現場も、ぜひ、この保育の「育てる」感性と呼吸を学びたいものです。
(
尾木直樹:1947年生まれ、教育評論家。高校・中学校教師22年間を経て退職し臨床教育研究所「虹」を設立。早稲田大学客員教授、法政大学教授などを経て、法政大学特任教授)

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保護者対応を最初に面倒くさがると、後で大変な思いをするようになる

 保護者対応を最初に面倒くさがると、後々、面倒くさい事態に発展してしまうことが多い。
 後で「ものすごく」大変な思いをするぐらいなら、先に「少しだけ」大変な思いをしておいた方が楽だ。私は、このことを経験上、知っている。
 最初の対応を面倒くさがって、後でもっと面倒くさい目にあう同僚教師をたくさん見てきたからである。
 たとえば、保護者から連絡帳で苦情をもらった時、あなたなら、どうするでしょうか。
 私は、連絡帳には書かず、保護者に電話をします。
 電話をすれば、相手の様子がよくわかる。連絡帳では相手の様子がわからない。
 電話をして、怒りを少しでも感じれば、私はすぐに家庭訪問する。その方が、相手に誠意が伝わるからだ。
 家庭訪問をした途端に「先生、わざわざ来てくださらなくても。ありがとうございます」と、怒りが収まるケースさえある。
 相手が思っているよりも、一段上の丁寧な対応をすることが大切なのだ。そうすれば、保護者の怒りも少しは収まる。
 また、顔と顔を見合わせると、相手はなかなか怒りを表現しにくい。電話では怒鳴る保護者も、面と向かっては怒鳴れない人も多い。
 教室で起こったことの責任は、全て担任にある。そう思って、まずは保護者に頭だけは下げておこう。
 保護者に協力を求めることもあるだろう。それならば、最初にすべきは謝罪である。
 学校で起こったことは、とにかく校長に報告しておく必要がある。校長に報告すれば、学校で起こったことは、校長の責任になる。
 私が一番言いたいのは「予防」の大切さである。
 学級崩壊してしまえば、為す術はない。いじめが起これば解決は非常に困難だ。やんちゃ君が反抗すれば指導が入らない。
 そうならないように「先行投資」して「予防」をしておこう。
 面倒くさいと思う気持ちを我慢して、時間と労力を「先に」使って、家庭訪問をしておこう。
 多少のコストはかかるが、後でもっと大きなコストを支払うようになるより、よっぽといい。
 どれだけ大きなコストをかけても、取り返しがつかないような事態になるより、よっぽどいい。
 保護者が教師を信頼していれば、少々のことは問題にならない。
 しかし、不信感を持っていれば、どんなことでも問題になる。
(
中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ、多くの学生に向けて講演も行っている)

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保護者から苦情があれば、その時点で教師の負けである。苦情をもらわないようにするには、どうすればよいのでしょうか

 保護者から苦情の電話や連絡帳をもらった時点で教師の負けなのだ。
 本来なら、教師がその問題に先に気づき、先に対応すべきことである。苦情をもらう前に、教師の方から先に連絡するのがベストだからだ。
 保護者からの苦情で、教師がその問題にやっと気づき、対応するのでは遅すぎる。
 苦情は「こんなことも気づいてないの?」という意味合いも含まれていると理解した方がいい。
 そうならないためには「これ、電話がかかってくるかも」「これ、連絡帳で苦情が来るかも」と察知できたら、教師から先に連絡した方がいい。
 そうすれば「この先生は、よく見てくださっているな」と、信頼も上がるだろう。
 もちろん、気づいたこと全てを連絡する必要はない。
 保護者によっては、問題に気づいていない人も多い。その場合、わざわざ問題を顕在化させるのがベストだとは限らない。
 また、保護者のキャラクターにもよる。丁寧な電話連絡を喜ぶ保護者もいれば、面倒くさいがる人もいる。
 問題の大きさや保護者のキャラクター、その他いろいろなことを考えて、教師が連絡すべきかどうか判断するしかない。
 
「どうすれば、大きな問題にならないか」を最優先に、決断するしかないのである。
 もし、保護者から苦情の連絡があれば、教師は
 
「教師が先に連絡すべきことなのに、保護者が思い悩んだ末に、勇気を出して、わざわざ先に連絡をしてきてくださった」
「自分の連絡が遅かったことが原因だ」
と考えるべきである。
 しかも、教師の答えが
「様子を見てみましょう」
「管理職に相談してみます」
「学年で相談してみます」
では、保護者は納得がいかない。
 もちろん、そういう回答しかできない場合もあるだろう。その場合には、
「様子を見て、○日後に連絡します」
「相談して、明日の○時までには連絡します」
と、はっきりと期限を示して、約束することが必要だ。そして、約束の期限までに回答する。
 教師が先に連絡をせず、申し訳ないという気持ちを持って、できる限り誠実な対応をするしかない。
(
中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ、多くの学生に向けて講演も行っている)

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苦情・クレーム処理のプロである私が、苦情・クレームの対応でとる基本姿勢とは

 私の苦情の対応でとる基本姿勢とは「相手を持ちあげる」ことです。
 相手を持ちあげるのは、気持ちよく話してもらうためです。もし、こちらが尊大な態度をとったら、相手は敵対心を持つでしょう。
 しかし、こちらが相手を持ちあげる姿勢をとっていても、感情的な態度で接してくる相手もいます。
 ひどい時には、怒号を浴びせたり「役立たず!」などと人格否定をする言葉を投げてきたりします。
 これに感情で応えてはいけません。常に冷静に相手の発言を受けとめ、話をさえぎらないようにします。
 なぜ話をさえぎらないかというと、話の中に相手の本音が見えてくるからです。
 とにかく、相手が納得するまで、しゃべらせます。そうすると、会話の中に何度も繰り返す言葉が出てきます。
 そこに本音が隠されているはずです。怒りの背景に何があるのかを理解するきっかけになります。
 これは、相手を持ちあげる姿勢を貫いていればこそです。
 ただし、大切なのは、持ちあげても、へりくだらないことです。すべて相手の言いなりになる必要はないのです。
 時には、毅然とした態度をとるべきです。
 なぜなら「できないことは、できない」と、はっきりと言うことは、相手に信頼感を与えることにもなるからです。
 低姿勢を維持しながら、譲れない部分ははっきりと、言葉づかいは、やんわりと伝えるのです。
 学校での保護者対応においても「相手を持ちあげながら、へりくだらない」という姿勢は基本だと思います。
 とにかく、教師は悩みを個人で秘めないこと。常に管理職に報告してしまうことで、精神的な疲れを半分にしておくことが肝心です。
 報告の際は、苦情の内容、対応をメモしておいた手帳を見ながら行いましょう。
 メモの書き方がよくないことが多い。たとえば、実際は「バカヤロー」と叫んだのに、メモには「大声をあげた」としてしまうことがあります。
 そうすることの何がいけないかと言うと、その場にいなかった人には、相手の怒りの度合いが伝わりにくくなるのです。
 その時の状況がわかるように、言われた言葉などは、できるだけそのままの表現で残します。
(
関根眞一:1950年埼玉県生まれ、苦情・クレーム対応アドバイザー。百貨店に34年間在職し、お客様相談室長を経て、メデュケーション()代表取締役。新新学校保護者関係研究会委員) 

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保護者が「いつも、うちの子だけが厳しく叱られる」と非難してきたとき、どう対応すればよいか

 「いつも、うちの子ばかり叱られる」と教師に訴えてくる保護者がいます。
 被害者意識が強く、過去に不当な扱いを受けた経験があり、常に強い不安感を持っている可能性があります。
 教師の話を十分に聞く姿勢になれないだけでなく、自分を侵害してきそうだと、感じた相手を、先手を打って非難し攻撃することで、不安感から自分自身を守っているのです。
 教師は保護者の言動に感情的にならないように注意し、子どもに対応すると同時に、保護者の不安を取り除くように努めます。
1 よくない対応
(1)
教師が弁明し、保護者の不安感を受け止めようとしない。
 保護者の思い違いさえ解決できれば、教師への非難が収まると考える。
 保護者の抗議に弁解したり、指導内容を説明したりしがちです。
 しかし、保護者の不安感が強い状態では、かえって不安感を高めてしまいます。
(2)
保護者の不安が高まる
 保護者は自分の訴えを教師に聞いてもらえないと感じると、これからもわが子によくないことが起き、話も聞いてもらえないという不安・不満の感情が高まっていきます。
(3)
保護者は教師に不信感を抱き、怒りとなり、教師や学校を非難する 
 保護者の不安が、教師や学校に対する不信感や怒りになり、非難する言動につながる。
 学校を飛び越え、教育委員会に直接訴えようとすることもある。
2 望ましい対応
(1)
保護者の話を十分に聞き、不安な気持ちを受け止める
 まずは、保護者の不安な気持ちを十分に聞き、受けとめる姿勢を示すことで、不安を軽減させるように努めます。
 例えば、保護者が
「今日も、うちの子が『先生に怒られた』と言って帰ってきました」
「先生、うちの子だけを特別厳しく叱ってるんじゃないでしょうか?」
と、学校に苦情の電話をしてきたとき、
「○○くんのことで、ご心配をおかけしています」
「お母さんの、お気持ちは大変よくわかります」
と、不安な気持ちを受け止め、話を十分に聞くようにします。
(2)
子どもへの指導内容を説明する
 保護者の不安を受け止めたうえで、教師の対応を説明します。
 釈明にならないように、事実のみを分析的に説明します。
 教師は、保護者の感情に巻き込まれることなく、冷静に話すようにします。
(3)
保護者との連絡手段を確立する
 一時的に保護者の不安が軽減できても、その後の不安が根強く残ることもあります。
 そこで、連絡帳や電話など、保護者との連絡手段を決め、学校での子どものようすを定期的・継続的に知らせて、保護者に安心感をもってもらいます。
 
「担任は味方である」と感じられるような関係を日常的に築いておくことが大切です。
 教師への非難や攻撃は悪意からきているのではなく、保護者自身が抱かえる不安からきているものだと考えます。
 教師が感情的に巻き込まれないように、冷静に対処することが大切です。
(河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学総合科学学術院教授。15年間公立学校教諭・教育相談員を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)

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保護者の理不尽クレームに教師が精神的に追いつめられないためには、どうすればよいか

 すべての問題を学校に持ち込む現代社会。特に社会問題となっている「モンスターペアレント」。精神性疾患で休職した公立学校の教師はこの10年で3倍に上り、半数以上が保護者とのトラブルに起因するという。
 教師を追い詰める、保護者の無理難題クレームに教育界はどう対応すべきなのでしょうか。
 保護者と教師は対立する関係ではなく、ともに手をたずさえ子どもの成長を支援するパートナーであり、両者の信頼関係を構築しなければならない。
 私は10年ほど前(2000年頃から)から東京都の公立中学校の教頭・校長として保護者や近隣住民の苦情対応の窓口を務めていましたが、この問題に関心をもち事例を収集していくうちに、「これは放置できない」と強く思うようになりました。
 医療の世界では、医師や看護師の離職者の増加と、就業者の減少が話題になっていますが、教育の世界でも同様のことが起こっています。
 多くの現役教師が「壊れていく」一方で、教職に魅力を感じなくなった若者の「教師離れ」がいっそう加速されることが予想されています。
 幸い、この問題に多くの人々が関心を寄せ、真摯に取り組もうとしています。
 このわずか半年の間に、多くの方と意見交換をする機会に恵まれ、より広い視野からこの問題を考えられるようになりました。
 また、マスコミ関係の方の取材を受けるなか、クレーム問題の奥に日本の社会が抱える課題を見据えようとする、真剣な取材姿勢に何度となく心を打たれました。
 保護者の訴えがいかに理不尽に感じられても、教師に心にゆとりがあるとよい。
 保護者は「話したいのだろう。ともかく、しっかりと聴いてみよう」という、教師の心のゆとりがあれば「お母さんも、がんばって」という気持ちで話を聴くことができます。
 親の訴えを、教師が心にゆとりを持ち、きちんと受け止め、それを心のなかに蓄えることができる「心の保水力」が必要です。
 ところが、こうした「心の保水力」を持たない教師が増えたと言われています。教師の表現力や人間関係調整力の能力の充実、向上が必要とされています。
 それ以上に期待したいのは管理職としての「心の保水力」の上昇充実です。クレームを受けた教師の前に「壁として立つ」くらいの心意気がなければ、教職員の信頼感は薄れるばかりです。
 クレームを捕える学校体制があれば、一人の教師が追い詰められることを防ぐことができます。組織的対応の要として、管理職の組織マネジメント力が試されています。
 その一つが学校内における生徒指導・教育相談体制の再構築です。
 子どもや保護者からの相談に対して、迅速・適切に対応できる体制が整っていれば、苦情や要求にも迅速に対応できます。
 また、困難な事例に対しては、校内サポートチームを立ち上げ、組織的な取り組みを円滑に実施できます。
 スクールカウンセラーの積極的活用や地域人材の積極的登用も、管理職としての手腕が試されます。
 学校と保護者の「つなぎ役」となる人、両者の関係改善に努めてくださる人はきっといます。
 日ごろから、PTA、学校評議会、地域の健全育成団体などと連携・協働に努め、学校の心の保水力を高めることを期待します。
(
嶋﨑政男:1951年生まれ、東京都立中学校教師・教育研究所指導主事・中学校長等を経て神田外語大学教授)

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モンスターペアレント問題はどうすれば解決することができるでしょうか

 モンスターペアレントとは、学校や教師に対して、無理難題を突きつけてきたり、理不尽なクレームを訴えてきたりする非常識な親を指して用いられています。
 モンスターペアレントの実態は、一般の方の想像をはるかに超えています。たとえば、ある学校で、ガラスを割った子どもの家に弁償が必要になる旨の連絡をしたところ、
 翌朝、その母親が職員室に駆け込んでくるなり、つぎのようなことを言ったそうです。
「うちの子が悪いなんてとんでもない。子どもが手に取れるようなところに石を転がしておいた学校側の責任でしょう」
「今日、そのことを説明するために私はパートの仕事を休んで学校に来たのですから、その分の休業補償をお願いします」
 これは、あるテレビ局が実施したアンケートによって浮かび上がったきた実話です。
 耳を疑いたくなるほど身勝手な主張だと思われた人が多いことでしょう。しかし、これと似たような例は、ほかにいくらでも挙げられます。
 モンスターペアレントの中には、自分のストレス発散のためであったり、金銭目的である場合もあります。
 理解し合えるとは思えないような事態にまで発展することがありますが、根本的な部分を考えると、多くは、子どもの教育をめぐる考え方の違いなどからトラブルが発生しています。
 教師と保護者の関係がどれだけもつれようとも、根本の願いが「子どもへの愛情」にあって、同じであるとするならば、教師と保護者が理解し合えなかったり、結び合えないことはないはずだ、ということが一番のポイントになるわけです。
 教師と保護者は、わかり合える「子どもへの愛情」というベースを持っているのですから、いつまでも交じり合えない平行線の上を進んでいるわけではないのです。
 私は教師や保護者に「どうすればモンスターペアレントの問題を解決することができますか」とアンケート調査(2007)をしました。その調査結果(複数回答)
1 親と教師の相互理解が高まるよう努力・工夫する  51.6
2 親の子育てを孤立させない  34.4
 (地域にサポートセンターを作る)
 (教育的リーダーシップの発揮)
4 教師にゆとりを求める  23.9
5 学校問題解決支援チームを作る  23.3% 
 (医師・警察OB・臨床心理士・精神科医・弁護士など) 
6 教師の相談にのる教員OBの配置  6.8
となりました。
 保護者側の回答だけを見ても「親と教師の相互理解が高まるよう努力・工夫する」の割合がもっとも高く、55.8%となり、もっとも重要なのは「親と教師の相互理解」となっています。
(
尾木直樹:1947年生まれ、教育評論家。高校・中学校教師22年間を経て退職し臨床教育研究所「虹」を設立。早稲田大学客員教授、法政大学教授などを経て、法政大学特任教授)

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保護者からの苦情はチャンスだ、うまく対応できれば信頼され、味方になってくれる、その方法とは

 誰しも保護者から苦情を受けるのは嫌だろう。しかし、うまく対応できれば、信頼が上がる。苦情はチャンスだと思うべきだ。そうとでも思わなければ、やってられない。
 保護者から苦情の電話があれば、まず「はい、はい」と声に出して、うなずきながら聞く。
 そして、ときどき、保護者の言葉をくり返す。たまに「なるほど!」「そうですよね」などの言葉を入れるとよい。
 共感的に話を聞いて、保護者の気持ちを落ち着かせる。保護者が話し終わるまで、しっかり聞き続けるのがポイントだ。
 そして次に、保護者に対応策を説明し、相談して確認する。
 保護者の苦情に対して、教師がどう対応しようと思うのか説明して、保護者の意見を聞く。
 保護者の意見を取り入れて対応策を決めたら、くり返し言って確認する。
 そして「これでよろしいですか?」と保護者の許可を得る。許可を得れば「お墨付き」の対応策であるから、うまくいっても、いかなくても、自信を持って対応できる。
 最後に、最も大切なのが、実際に子どもたちに対応した後だ。必ず、保護者に報告の電話をする。
 
「昨日はお電話、ありがとうございました」と、昨日の電話のお礼を言ってから、報告の話を始める。
 子どもたちに対応した時の様子などを説明した後は、
 
「まだ子どもなので、また同じことをくり返すかも知れません。その時には、また、お電話いただけると私も助かります。ぜひ、よろしくお願いします」
と、言っておく。もちろん、もう二度と電話がかかってこないことを祈りながらである。
 電話を切る前に、
 
「今回は本当に申しわけありませんでした。お電話、本当にありがとうございました」
と、謝罪と感謝の言葉を言う。
 対応後の報告の電話に驚かれる保護者が多い。それだけ、報告の電話を省略してしまう教師が多いということだろう。
 対応後に、報告の電話をしよう。それが、保護者の信頼を勝ち得る一番のポイントである。
 苦情の電話を受けたら、ピンチはチャンスだと思い、策略を練って対応しよう。うまく対応ができれば、保護者は、きっとあなたの味方になってくださるはずだ。
(
中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ、多くの学生に向けて講演も行っている)

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保護者に不信感を持たれ、嫌われ、反発される、改めたい教師の態度とは

 自分のあり方を棚にあげて、子育てがうまくいかないのは、すべて学校や教師の責任だとする親、わが子を正しくとらえられない親、非常識な親、身勝手な親がふえてきた。
 教師にしてみれば、いろいろと親に言いぶんはあろう。しかし、親のあり方を声高に追究したところで、教師不信にわをかけるだけで、事態を変えることにはならない。
 まずは、教師の保護者に対する次のような態度を改めることから出発したい。
(1)
専門的態度
 教師は教育の専門家だから、しろうとの親はよけいな口だしをするな、教師にまかせておけといった態度である。
(2)
啓蒙的態度
 一段高いところから、教育の知識がとぼしく、教育の道理が理解出来ない親を、教えてやるのだといった態度である。
(3)
事務的態度
 冷ややかな対応、木で鼻をくくったような誠意や愛情のない態度である。
(4)
観力的態度
 いわゆる、いばった態度である。親を学校に呼びつけ、頭ごなしに叱りつけたり、親の責任を追及したりする態度である。  
(5)
独善的態度
 教師は、子どものためになる、正しいことをやろうとしているのだから、親は学校に協力するのはあたりまえだ、とする態度である。
 例えば、指導に手をやく生徒がいると「親の顔がみたい」などと、原因のすべては、親のせいだとする風潮もこうした態度から生まれるのだろう。
(6)
脅迫的態度
 学校の方針にしたがい、教師の言うとおりにしないと、成績や内申書にも影響して、生徒の進路指導に責任はもてない、どうなっても知らないぞ、といった態度である。
 以上について、教師は日頃の自分の保護者に対する態度をふり返り、問い直す必要がある。
 教育は、保護者とともにすすめる仕事である。教師と保護者が手をとりあって、仲よく教育しなければ、子どもの成長は保障されない。保護者と教師は「共育」のパートナーなのである。
(
家本芳郎:19302006年、東京都生まれ。神奈川の小・中学校で約30年、教師生活を送る。退職後、研究、評論、著述、講演活動に入る。長年、全国生活指導研究協議会、日本生活指導研究所の活動に参加。全国教育文化研究所、日本群読教育の会を主宰した)

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