カテゴリー「保護者にどう対応するか」の記事

保護者と連絡をとっていても、毎回、態度や反応が異なる場合、どのように対応すればよいのでしょうか

 子どものことで、保護者と連絡をとり合っているのですが、毎回、態度や反応が異なる場合、どのように対応すればよいのでしょうか。
 
「保護者とのやりとりを記録する」ことと「保護者の言動の冷静な分析」が対応のポイントになります。
(1)
保護者との毎回のやりとりを記録する
 毎回、態度や反応が異なる保護者と連携を図るためには「記録を残す」ことが必須です。
 
「言った」「言わない」という争いや、「何も対応してくれない」というようなクレームに備えて、保護者とのやりとりはその都度記録しておくべきでしょう。
 やりとりするごとに、必ず記録をとるようにしてください。詳細でなくても構いません。日時、対応方法(連絡帳、電話、来校、家庭訪問)、内容などをメモに残します。記録を重ねていくことで、反応のパターンなどがつかめてくるはずです。
(2)
態度や反応が異なる原因が分かるだけでも楽になります
 保護者に精神疾患などがあれば、薬など処方されているはずですので、保護者が「落ち着かない」ことの原因の一つとして考えてみるとよいでしょう。
 その他にも、家庭内や仕事のことでうまくいっていないなど、一見不可解な態度にも、必ず原因があるものです。
 原因が分かったからといって、すぐに事態が改善されないかもしれませんが、こちら側の気持ちとしては楽になることも多いはずです。
(3)
保護者の言動を冷静に分析することで、必要な対応を把握するようにします
 連絡するたびに保護者の言動が異なり、精神疾患が原因であることが予想される場合でも、さまざまな手段で、積極的に情報を引き出すようにしてください。
 保護者が比較的落ち着いている状況の言動がどこにあるのか。また、情報を把握する中で、子どもへの対応の様子も見えてきますし、保護者の言動を一時的なものとして受け止めることもできるようになるでしょう。
(
丸岡慎弥:1983年神奈川県生まれ、大阪市公立小学校教師。教育サークル「REDS大阪」・銅像教育研究会代表、事前学習法研究会会長)

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担任に対し悪口を連絡帳に延々と書いてくる保護者にどのように対応すればよいか

 学校教育の具体的な内容については、法律的にも社会的にも、原則として学校に裁量権があり、個々の保護者は学校に対して意見を具申、あるいは苦情を申し入れる以外に、学校教育に反映させる方法はほとんどない。
 逆に、保護者の意向を完全に無視して学校教育が成り立つかはやや疑問のあるところであり、学校の活動に肯定的な理解を得るためにも保護者の意見を求めることが有益な場合もある。
 また、学校教育として不十分な点についても、学校外から苦情が寄せられる形で学校が状況を把握することが通常であるから、苦情により学校教育をより適切なものとするための契機として位置づけることは、一般論として建設的である。
 以上のことから、保護者からの苦情については
(1)
その内容が的確であり、かつ、改善等を要求する内容が学校教育にとって建設的なものである限り、十分に尊重すべきものである。
(2)
保護者がわが子に対する評価や処遇などの優遇措置を求めたり、保護者個人の悪感情を学校に攻撃的に向けてきた場合や、学校の適切な教育内容に対して誤った観点から修正を求める場合は、教師の受ける悪影響に対して十分な配慮が必要である。
 保護者からの苦情に対して学校は、速やかに事実を確認し、対応を検討していることを伝え、
(1)
特定の子どもを優遇することを求める場合
 
「子どもの健全な成長のためにそのようなことをすべきでない」と考える旨を伝えたうえで、少なくとも実施しないことが合理的である。
(2)
担任などに対する不合理な個人攻撃の場合
 担任に対し悪口を連絡帳に延々と書いてくるような、不合理な個人攻撃に対しては、学校として直ちに止めるよう強く申し入れることが必要であり、申し入れにもかかわらず、なお攻撃が続く場合は、法的対処を辞さない態度を明確に示すべきである。
 不合理な攻撃に対しては、標的となっている教師が学校内で孤立することのないよう学校として配慮し、組織として一体となって対応すべきであり、教師が個人として法的対応をとらざるを得ない状況に陥ることは、極力避けることが重要である。
(
星野 豊:1968年東京都生まれ、筑波大学准教授。研究分野は民事法学 、新領域法学)
(
「先生のための学校トラブル相談所-59の事例で学ぶ危機管理 」)

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保護者との駆け引きがうまくできるようになれば、教師として一人前

 中部地方の公立小学校に勤務する40歳代半ばの教師。子どもや親からの相談にも気軽に乗る「頼りがいのある先生」でもある。その教師にインタビューした。
 教師側からすると、全般的に昔に比べて、保護者がうるさくなってきている。
 管理職から「親とのトラブルだけは避けてください」って言われます。それはどういうことかといえば、やっぱり「親に合わせろ」ってことなんです。
 でも、親に合わせろといっても、いろんな親がいるわけでね。だから具体的には「こまめに親と話をしなさい」というわけです。「とにかく連絡を取りあいなさい。親の要望を聞きなさい」と。
 つまり、子どもが具合悪くなったら連絡しなさい。ケガしたらすぐに連絡して病院に連れていきなさい。そういったことです。
 だから、私はとにかく親にはこまめに連絡を取るようにしている。何かあれば電話をかける。例えば、
「ちょっと今日は、気分が悪くて給食あんまり食べられんかったから、お家でもよく見てあげてください」とか。昔だと感謝されたんですけどね。今はもう何もないですわ。
 親は、やっぱり不安なんですね。子どもを毎日学校に預けるわけですから。それに今の学校はいじめやらいろんな問題があることを親だって知っている。
 だからこそ教師に期待するわけです。いろいろな問題に対処してほしいと期待するから注文も多くなる。
 でも期待の中身の半分は、じつは「しつけ」なんですね。親自身が子どもの「しつけ」に自信がないんです。いわゆるいい子のイメージは親の頭にあるんだけど、それにわが子がついてこない。
 私なんか小学校一年生ぐらいで、おとなしく教室で座っているほうが不思議だと思うんだけど、お母さんたちは、それが許せないんですね。
 それで、最初の授業参観なんかで、子どもたちがウワーって騒いでいるのを見ると
「これは先生に力がないんだ」
と思うわけです。きちんと座ってないのがすごく不安なのですよ。
 私が親とつきあううえで原則にしていることが三つあるんです。
 一つめは「何か問題が起きたときには、親と一緒に考える」ということです。
 ぶっちゃけた話、学校でのことだから私も頑張るけど、お母さんが、もし教師の私の立場だったらどうしますか。同じような事態になったとき家でどう対応していますか。と一緒に親に考えてもらう。
 つまり、こっちも覚悟を見せたうえで、親も巻きこんじゃうわけです。まあ、それでたいていのトラブルは解決しますね。
 二つめは「問題をひとりで抱かえない」ことです。
 親からクレームなどがあれば、できるだけ同僚や管理職に声をかけ、同僚も巻きこんで学校全体で取り組むということ。
 授業の空いている教師がいたら、集まってもらって話し合う。すると、結構いいアイデアが出てきたりするんです。
 だから私は日頃から口をすっぱくして言っているのは、どうしようもなくなってから人を呼ぶなよと。
 学級崩壊なんかになったら、もう対症療法しかないんだから「ちょっとやばいな」と思ったら早く言えよと言っているんです。
 三つめは「仲のいい親からは情報をどんどんもらいます」ということ。
 親たちとパイプをつくっておいて、ちょっとへんだなと思ったら、裏を取ってすぐに対応します。そうすれば大きな問題にはなりませんね。
 まあ、社会が変化して学校や教師に対する親の見方も変わってきたし、同時に親もすごく変わった。親だって子育てがうまくいかないとか、いろいろ悩みはあるでしょう。
 たとえば、手のかかる子がいて、その親が「いつもお世話になっています」と、ひと言いえるかどうかの差はすごく大きいと思うんですよ。
 やっぱり教師だって人間だから「お世話になって」って言われれば、じゃ、もうちょっと頑張ろうかなって思うわけですよ。そのへんがうまくないというか、自覚していない親が多いんですよね。
(
森口秀志:1966年東京都生まれ、フリーライター、エディター。大学在学中から教育・音楽・若者文化等をテーマにルポを発表)

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保護者に「この先生でよかった」と思われるための保護者会・懇談会のポイント

 保護者会・懇談会で信頼を得るためには、笑顔で対応し、具体的にほめることが信頼につながる。ここで大切なポイントは
(1)
笑顔
 何といっても笑顔だ。人間の印象はほとんど会った瞬間で決まるといわれる。それも、話す内容ではなく「表情」や「声」によって左右されるらしい。
 保護者もはじめは緊張している人が大半だ。笑顔はそうした保護者の緊張をほぐす役目も果たす。
 忙しい中、時間を割いてくれた保護者に感謝の言葉を述べ、常に笑顔で対応することが信頼につながる。
(2)
エピソードを語る
 学級で起こったさまざまな出来事、その中で特に子どもが活躍した場面や子どもの優しさが表れた場面などを具体的に語り、ほめていくのである。
 
「この先生、クラスのことをよく見てくれている」と保護者が思ってくれれば成功である。
 どうしても語るのが苦手だ、というのであれば、録画を用意するという手がある。休み時間や給食、掃除時間などに撮った録画を流すのは、保護者にとても喜ばれる。
(3)
時間を守る
 ほとんどの保護者は忙しい中、時間を作って出席している。そこで「保護者会は○時○分まで行います」と最初に告げた上で、その時間にぴったり終わるようにする。
(4)
学期末の懇談会で大切なのは、子どもの成長をほめること
 できるだけ具体的にほめなければならない。「朝の会」「授業中の発表」「ノート」「行事などでの活躍」など、場面を切り取り、具体的な描写を入れてほめるようにする。
 そのために日々、その場その場で少しずつ子どもたちの記録をつけていくようにする。
 
「もっと頑張ってほしいこと」や「保護者へのお願い」は、ほめた後、ほんの少し言うだけに留める。信頼関係があればこそ、担任の「お願い」も聞く気になるのだ。
(5)
日々のクラス運営が大切
 このような子どもの事実を作るには、やはり日々のクラス運営が大切だ。
 当然のことだが、保護者は「保護者会の教師」だけを見て信頼できるかどうか判断するわけではない。
 それまでに「今年の先生はどんな先生か」ということは、子どもを通して保護者の耳に入っているのだ。
 
「笑顔で対応し、具体的にほめる」ということは、保護者会や懇談会だけでなく、クラス運営にとっても大切なことだ。
 子どもに対しても、笑顔でほめ続ける。まずは、子どもから信頼されることが、保護者の信頼を得ることにつながるのだ。
(
岡倉光悦:大阪市立小学校教師。:TOSS大阪てんじん代表)

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保護者に「若い先生だから」と信頼されていないと感じるとき、信頼されるにはどうすればよいのでしょうか

 若い教師は、経験が少ない、若いということで保護者は不安に思います。まず「ちゃんと教えてくれるか」という不安でしょう。教師に期待するのは、学習面や生活面の指導力です。
 それと同時に、子どもが先生が好きか、学校が楽しいかどうか、ということもあります。学校が楽しく、先生のことが好きで、一生懸命勉強している子どもの姿が見られることが、保護者からの信頼を得るポイントであると言えます。
 そこで、子どもががんばっている様子を家庭に伝えるようにします。そのことが、学校への理解や協力を得るための近道にもなります。
 
「今、何を学習しているか」「子どもたちがどんな点でつまずいているか」といったことを学級通信などで保護者に知らせていきます。
 一週間に一度でも学級通信を発行し、継続していくことでも「うちの担任は、学校の様子をよく知らせてくれ、子どもの様子もよくわかる。若くてやる気があるな」と、若さを評価してもらえることもあります。
 学級通信で大事なことは、子どものがんばりを多面的にとらえて伝えていくことです。そのもとになるのは、日頃の授業への取り組みや子どもとの関わりです。
 楽しい授業、わかりやすい授業を工夫していると、子どもを通じてそれが保護者に伝わるものです。「今日、先生とくじら雲に乗ったんだ」などと、子どもが家庭で楽しそうなに学校の話をすることで、担任の取り組みが保護者にも伝わっていきます。
 また「先生がわかるまで丁寧に教えてくれた」「できなかったけど、手伝ってくれたんだよ」など、一人ひとりの子どもに合わせた対応ができていれば、子どもの満足感にもつながります。
 このように、若くても、一人ひとりの子どもを大切にして、授業をおろそかにしなければ、保護者からの信頼は得ることができます。
 さらに気をつけたいことは、子ども同士の人間関係です。集団生活ではトラブルはつきものです。いじめや学級崩壊など、保護者は子どもの学校生活に敏感になっています。
 トラブルになったときのポイントは、子どもや保護者の言い分を十分に聞くことです。トラブルになる一番の原因は「先生は何もしてくれない」と思われてしまうことです。
 保護者や子どもから訴えがあったときには、時間を取って十分に話を聞きます。そして、相手が訴えたいことを、まずは受けとめることが重要です。その上で、具体的で目に見える対応をしていきます。
 その後、子どもと保護者が納得してくれたか確認することも必要です。個別のトラブルにどう対応してくれたか、ということが教師への信頼感につながってきます。
 子どもの人間関係のもとになっているのは学級です。子どもたち一人ひとりが楽しいと感じられるような学級集団づくりを意図的に行っていくように努力していく必要があります。
 学級集団づくりのもとになるのは、ルールとリレーションです。
 
「友だちの嫌がることをしない」「友だちの話は最後まで聞く」「掃除はきちんとやる」など学級にしっかりとしたルールが定着していると、子どもたちは傷つけあうことなく安心して生活することができます。
 したがって、いじめなども起こりにくく、授業もスムーズに進み、お互いを高めあうことができるのです。
 また、子どもたち同士の人間関係が希薄だと、温かみのあるふれあいは生まれません。ゲームや遊びを通して子ども同士がふれ合えるような取り組みをどんどん入れて、子どもたちがクラスのいろいろな友だちと接する機会をつくることが必要です。
 今の子どもたちは自分たちで人間関係を作っていく力が弱いように思います。子どもの実態に合わせて、教師のほうで人数や場所、やり方を決めて、子どもたちが安心して関われる場を作ってあげればよいのです。
 以上のような指導や援助を心がけていけば、子どもの姿を通して保護者からの信頼を得ることができるでしょう。
 子どもからの信頼を得やすいのも若いうちだからこそ、教師は自分の持っている資源を十分に生かし、保護者がわが子のことを思う気持ちを十分受けとめ、子どもに真剣に向かい合う姿を大切に、勉強を続けていってほしいと思います。
(
浅川早苗:山梨県公立小学校教頭。上級教育カウンセラー。日本カウンセリング学会認定カウンセラー。学校心理士。河村茂雄教授に師事し、Q‐Uを活用した学級経営について、校内研究会や各種研修会で講師を務めている)

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若い教師は保護者からのクレームにどのように対処すればよいのでしょうか、その鉄則とは

 保護者からのクレームはつきものだ。必ずくるものだと覚悟しておかなくてはならない。若い教師がクレームにあたふたとしている場面によく出会う。
 問題が大きくなり、管理職を交えて延々トラブルが続いていく場合がある。最初の対処法がまちがっていたのである。
 クレーム対応で一番失敗するのは、保護者の怒りがピークにある時に、教師が主張してしまうことである。これではいけない。だから、十分に保護者の言い分を聞いた後に、
 
「おっしゃることは、よく分かりました」
 
「お気持ちは、十分に理解いたしました」と謝罪するようにする。
 保護者が、わが子の言うことを鵜呑みにしていて間違っていたら、
 
「私は、こういう事実がありましたので、このように指導いたしました」
 
「ちょっと行き違いがあったかもしれません。私も、もう一度よく話を聞いてきちんと指導いたします」
 学校の現場は、苦情にあふれている。苦情への対応策を持たないとパニックになっていく。
 クレームは、全て否定的にとらえる必要はない。ある面、チャンスになる場合も多々ある。クレームの対応しだいで、保護者が教師の支援者になってくれることはよくあることである。
 保護者からの苦情に対して、どのように対処していけばいいか。その鉄則を知っておかなくてはならない。それは
(1)
初期対応が最も大切だと心得よ
 苦情への対処法で最も大切なのが、素早く対処する初期対応である。ずるずる先延ばしにしてはならない。
(2)
保護者からの苦情には、電話で絶対対応しない。面と向かって話し合う
 学校への苦情は、ほとんどが電話である。しかし、これに乗ってはいけない。
 
「申し訳ありません。学校へ来ていただける時間がありませんか」と、連絡をして、面と向かって話し合うことである。
(3)
とりあえずあやまること
 保護者が学校に来られたら、保護者より先に教師の言い分を言ってはいけない。最初は謝ることである。
 
「今回のことは、指導が行き届かないで申し訳ありませんでした」と謝るのである。
 教師の方が正しいと思っていても、まず謝ることら始まる。保護者は、今回のトラブルのことで息巻いている。
 だから、ちょっとした言葉にも、保護者は過剰反応する。一呼吸おいて話に入る必要がある。
(4)
保護者の話をよく聞くこと
 そして、保護者の話をよく聞くことだ。
 
「私の指導したことが、行き違いになっているかもしれません。○○さんが、どのようにお母さんにお話したのか」と聞くことである。だいたい、子どもは自分に都合よく親に伝えているものである。
(5)
保護者の苦情に対して、心から同情を示すこと
 つぎに必要なことは、すぐに教師の言い分を述べないことだ。保護者はわが子を信じているのである。すぐに、苦情に対して「あなたの子は、自分の都合のいいことばかりを言っています」と否定したら、保護者は逆上する。
 保護者の話を聞いたら、教師は「おっしゃることはよく分かりました」と心から同情を示すことである。
 
「だいたい4分30秒」が保護者の怒りのピークだと言われている。それが過ぎると、怒りはだんだんおさまっていく。
 怒りがおさまってきてから、はじめて教師が指導したことを話す。
 
「私は、こういう事実があったので、このように指導しました」と話せばよい。
(6)
感謝の気持ちを表すこと
 大切なことは、最後である。この決め言葉が大切である。
 
「ご連絡していただいて、本当にありがとうございました」
 
「今後とも、どうぞよろしくお願いいたします」
(
野中信行:1947年生まれ、元横浜市立公立小学校教師、学級組織論を研究、実践を私家版で発行した。全国各地で教師向けの講座やセミナーを行っている)

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保護者対応で困ったとき、法律などを根拠に保護者に切り返すにはどうすればよいか

 保護者からのクレームや困った要求を受けたとき、法律や判例を根拠にどう切り返せばよいのでしょうか。例えば
(1)
教育委員会に連絡すると脅されたとき
 保護者が要求を通すため教育委員会へ連絡すると言う場合があります。
 教育委員会に苦情を言うことが不当な要求となるものではないため、
 
「教育委員会への連絡を行っていただく必要もないかと思いますが、連絡をとられるということであれば、当方としてこれをお止する権限もございません」
といったフレーズになります。
 保護者のこのような発言により、学校に責任がないにもかかわらず、学校の対応を変えることのないように注意する必要があります。
(2)
子どもの持ち物が紛失したとき
 子どもの持ち物が紛失したとき、教師や学校に過失がなかった場合は、事実関係の調査の結果を保護者に報告し、
「学校側に過失がない以上、紛失した物の弁済には応じかねます」
と、責任についての見解を伝えます。
(3)
連日2時間を超えるような面会や長電話をしてきたとき
 事案により緊急に一定の対応をするべき場面もあるかと思いますが、そのような対応をとる必要がない場合は、学校側の施設管理権を行使して、
「時間も遅いため、対応については□時までと限定させていただきます」
と、これを拒む意思表示をすることが重要です。
(4)
「土下座をしろ」と保護者から謝罪要求されたとき
 謝罪の方法として土下座などを要求されても応える義務はなく、通常の方法で謝罪することで十分です。
 学校側に非があった場合も、相応の対応を超えての要求に応える必要はないため、
 
「執拗な要求は強要罪にあたる可能性があるため、お控えください」
といったフレーズを使用します。
(
丸岡慎弥:1983年神奈川県生まれ、大阪市公立小学校教師。教育サークル「REDS大阪」・銅像教育研究会代表、事前学習法研究会会長)
(
大西隆司:1976年奈良県生まれ、弁護士)

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教師は批判を嫌う、保護者にどのような態度で対応すればよいのでしょうか

 教師は批判をいやがる体質があり、自分のしていることに対して注文をつけられることを嫌う傾向があるようです。
 もう一つ、教師は自分の都合ばかり言いたてたり、自分の都合に相手が合わせて当然とでも思っているような対応をしがちだったりすることがあるのではないかということです。
 こうした教師の態度や話し方は、話し合いの際に表れがちなのです。
 教師は、協調性が大事だと、子どもに語りかけたり説いたりします。協調性が大事なら、他人の意見に耳を傾ける度量がありそうなものなのに、それがなかなかできない人もいるでしょう。教師が批判に耳を傾ける、しなやかさの持ち主になれるかが課題なのです。
 
「教師は何をしているのか、どうするつもりだ」などと、教師批判はこれでもかと続いています。このようなときは、冷静に聞くことこそ、大事なのでしょう。
 教師が誠実に日々の仕事を果していれば、だれに何を言われようと卑屈になることなどありません。被害者意識のようなものを、もたなくていいのです。
 それと同時に、どのような職業であれ、あれこれと注文や要望はあるものだと承知しておくことも必要かなと思います。ですから、仕事に誇りをもって、人の声に耳を傾ける謙虚さだってとても大事です。
 教師が被害者意識をもつと、身構え、ついつい言動が感情的になってしまうことはないでしょうか。「そんなことはできません」などと口にしてしまえば、相手との関係修復は困難でしょう。
 教師の仕事は、相手が子どもであれ保護者であれ、長期戦の構えが必要なことはしばしばです。
 どこの世界でも尊大で横柄な態度の人は、好かれることはないでしょう。無愛想な態度も決して評判はよくないでしょう。
 でも困ったことに、そうした人のだれもが自分を、尊大だ、横柄だ、無愛想だなどと、気づくことがないので、態度を改めることも、あまり期待できないのです。特に教師は、批判や忠告を嫌うので、それが難しいと言われています。
 教師は高い志を抱くことを期待されている職業でもあるでしょう。高い志を抱いて、腰を低くしたら、人間関係はうまく整えられるでしょう。
 教師は「志は高く、腰は低く」と言いかえることもできそうです。如才ない人と評判が立つ方が、どれほどいいかわかりません。教師は子どもや親といった人を相手に仕事を進める職業です。これはいつも忘れないでいただきたいことです。
(飯田 稔:1933年生まれ。千葉大学附属小学校に28年勤務、同校副校長を経て、千葉県浦安市立浦安小学校校長。千葉経済大学短期大学部名誉教授。学校現場の実践に根ざしたアドバイスには説得力がある)

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子どもの作り話と思わず保護者から苦情があったとき、担任はどうすればよいか

 子どもは、自分に都合のいいように話を作ってしまうことがあります。
 特に「先生がそう言っているから・・・・・・」などと、子どもが話を作って、保護者に話をするとどうでしょう。作り話とは思わず、教師に不信感を抱いてしまう保護者もあります。
 子どもに問いただしたり、冷静に考えたりしてくれればいいのですが、担任にいきなり電話をかけてくる保護者もいます。
 電話を受けた担任にすれば、身に覚えのないことで苦情を言われるのですから、まことに困った事態です。
 さりとて「お宅のお子さんの作り話です。困ったお子さんです」とも言えないのではありませんか。
 言ったこともないことで抗議されれば、だれでも憤慨するでしょう。しかし、教師は冷静さを失わないようにしたいものです。
 こうした際は、保護者の言い分を全部聞いてしまいましょう。相手の言い分を全部聞いてから反論することが、トラブル解決方法です。
 電話で対応するより、面談した方が誤解は解けるかと思います。そして、そうしたことは話したことがない旨、きちんと説明して納得してもらいます。話はなごやかに終わらせたいものです。
 なお、顛末は教頭の耳に入れておきます。また、後日でいいから、子どもに事情をたずね、今後のことについて注意を与えておくようにします。
(飯田 稔:1933年生まれ。千葉大学附属小学校に28年勤務、同校副校長を経て、千葉県浦安市立浦安小学校校長。千葉経済大学短期大学部名誉教授。学校現場の実践に根ざしたアドバイスには説得力がある)

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いじめ問題が起きたとき、保護者にどう伝え、かかわればよいのでしょうか

 いじめであるかもしれないことがわかったとき、保護者にどう伝えればよいかは難しい問題です。
 対応が遅れるほど、取り返しのつかない結果になったり、不登校につながる可能性が高くなります。だから、いじめを学校だけの問題にせず、保護者とも連携をとっていく必要があるのです。
 いじめられている子どもの保護者に伝えるときは、電話ではなく、直接会って話し合うのがよい。このときに大切なのは、いじめの事実を伝えるだけでなく、学校がいじめられている子どもを、どれだけ守り、解決する姿勢でいるのかを強調することです。
 また、保護者に伝えるときには「わが子どもが悪い」と受け取られないようにすることも大切です。保護者が「もっとこうすれば、こんなこと言われないのよ」という言葉は、子どもの心を閉ざし、さらに傷を大きくしてしまいます。
 いじめられると、子どもは深刻な心的外傷後ストレス障害を引き起こします。いじめの残酷な行為は、受けた子どもにとって大きな心の傷になり、後々の発達にも影響を与えます。
 学校にスクール・カウンセラーなどの専門家がいる場合には、その子のトラウマ(外傷体験)をきちんと処理をしてもらうように依頼する必要があるかも知れません。いない場合は、地域の専門機関に依頼して心の傷を癒してもらう必要があるでしょう。
 いじめている子どもの援助も必要です。何らかの悩みや問題、そうせざるを得ない事情を抱かえている場合が多いからです。
 いじめはしてはならないことで、厳しく言う必要があります。しかし、その子の人格を否定してはいけません。そうせざるを得ない気持ちに寄り添い、とことん聴くようにします。
 その結果、家庭での寂しさや、家族の厳しさなど日常生活上の大変さが浮き彫りになるかもしれません。だれにも言えず、いじめのような行為に出ることも多いのです。
 難しいのは、いじめている子どもの保護者に事実を伝えても「うちの子に限って、そのようなことはない」と、わが子をかばう保護者もいます。
 また、事実を受けとめても、わが子に厳しい保護者はますます厳しく接するようになる可能性もあります。
 いじめている子どもの保護者に伝えるときも、子どもの場合と同様です。いじめをせざるを得なかった子どもの気持ちを、子どもの了解を得たうえで伝えます。保護者と一緒にどのような援助をしていくことが、その子どもに必要であるのかを話題の中心にすえるのです。
 その上で、保護者の気持ちも十分に聴きます。保護者自身も、辛く大変な状況であることが多いのです。その状況のままで「わが子がいじめをした」という話を受けとめるのは、困難な場合もあるのです。
 ですから、保護者自身の抱いている気持ちを丁寧に聴くことで、保護者が誰にも言えなかった気持ちを出せるようになります。そうすることで、ようやく、わが子の苦しみに向き合う姿勢が生まれてくるのです。
(
青山洋子:東京都港区立教育センター教育相談員、筑波大学学校教育部技官を経て、駿河台大学講師。専門は臨床心理学・学校心理学)

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