子どもを別のクラスに替えてほしいと要求する親にどう対応すればよいか 諏訪耕一
事実を認めようとしなかったり、無理な要求をしたりする親に出会うことがあります。
そのような親は、問題を抱かえていて余裕がなかったり、困って助けをもとめているのではないかと私は思っています。
モンスターになる背景を考えながら対応する必要があります。
例えば、子どもを別のクラスに替えてほしいといった要求には、本人のみクラスを替わったらどうなるか、どんな長所・短所があるのかを、親と一緒に考えてみるとよいと思います。
子どもがよけい苦しい立場に立たされることに気づけば、親もよりよい解決方法を一緒に考えられるようになるでしょう。
人々の考え方、生き方が多様化しています。
自己中心的な、利己的な考え方は道理が抑制されそうで私は心配しています。
いろいろな考え方や生き方を受け入れることができる基礎条件の一つは、他者の意見を聞くことができることです。
他者の意見も聞き、自他の併立を図れることが必要なのです。
私は、モンスターペアレントの要求に対して、何とか現実の学校のしくみと教育の基本を親に理解してもらうべく努力している教師の姿が見られて、意を強くしています。
このような教師たちの存在でもって、世間を動かしてほしいと思います。
教師が「みんなのことを思いやる」子どもの育成に邁進する学校がこれからも続くことを期待しています。
(諏訪耕一:1937年愛知県生まれ、元愛知県公立中学校教師。長野県に不登校の子どもの回復施設「浪合こころの塾」その後「浪合こころの相談室」を開設した)
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