カテゴリー「子育て・家庭教育」の記事

親が子育てで陥りやすい傾向と気を付けなければならないこと     菅原裕子

1 子どもに依存する親
 子どもに依存している親は人生の喜びを子どもに求めてしまいます。
 親は「子どもに押しつけている」とは気づいていません。
 子どもの生き方や人生を指図する権利は親にはありません。
 成功している親は「こうあるべき」と型にはめようとします。それは間違いです。
 子どもにかなえたい夢があるなら、親はだまって背中を押し「困ったことがあればいつでも相談しなさい」と声をかけるべきでしょう。
「自分の人生は幸せでない」と感じている親は、「この子だけは幸せになってほしい」と言います。
 自分ができなかったことを子どもに託し、子どもを自己実現の道具としようとします。
 子どもには子どもの人生があります。親は環境を整え、その才能が開花するまで見守ればそれでいいのです。
2 自我に執着する親
 思春期の子どもは、親が意見を言うと反抗することはあるでしょう。
「口ごたえするな」「ちゃんと聞きなさい」と血相を変えて叱る親がいます。
「こけんに関わる」「なめられてたまるか」という親の考えかたは、怖れに基づいています。
 子どもをコントロールできなくなることに対して恐れを抱いているのです。
「自分は親としてこうあるべき」という考えに執着している親は、あるべき姿からはずれることを恐れます。
 だから、押さえようのない怒りの感情が湧きあがります。
 自分に自信のある自立した親なら、子どもに反論、無視されても平気です。
「あれっ、言い返し手きたぞ。無視したな」と冷静に受け止め、一歩引いて対処できます。
 自分の考えを伝えるチャンスを待つこともできるのです。
3 被害者意識が強い親
 子育てがうまくいかないとき、責任は自分以外にあると主張します。
 ささいなことを必要以上にとらえ、問題を大きくしてしまいます。
 たとえば、子どもが「学校で叱られた」ことを知らされた被害者意識の強い親は、まるで自分の子育てを否定されたように感じて「うちの子のどこが悪いのかきちんと説明してください」と教師につめよるケースに発展してしまいます。
 このような場合は親の「認知のゆがみ」(ものごとを認識する基準にゆがみがあること)を疑ったほうがいいかもしれません。
「認知のゆがみ」とは
 「認知のゆがみ」は特殊なことではないので私を含め、自分にあてはまる人はたくさんいるでしょう。例をあげると、
(1)
「白か黒か」の二者択一で処理する
 ほとんどの事実は、その間のグレーゾーンに存在するものです。
(2)
過度の一般化
 ひとつ悪いことがあっただけなのに「いつものことだ」と考える傾向。どんなことでも否定的にとらえるようになるので気分は晴れません。
(3)
心にフイルターがかかる
 ひとつのことにこだわって考えるあまり、ほかのことが見えなくなる状態。
(4)
拡大解釈と過小評価
 自分の失敗や欠点を拡大解釈し、成功や長所を過小評価してしまいます。
(5)
感情的決めつけ
 自分の感情で物ごとを判断してしまう。
(6)
マイナス思考
 すべてを「悪いこと」にすり替えてしまう。
(7)
結論の飛躍
 思い込みで、現実とはかけはなれた悲観的な結論を出してしまう。
(8)
「~すべき」思考
 何かをやるとき「~すべき」と考え、その基準に無理に合わせようとすることで、自分を追いつめてしまいます。
(9)
レッテル貼り
 失敗したとき「自分は能力がない」とレッテルを貼ってしまう傾向。冷静な判断ができなくなります。
(10)
自分のせいにしてしまう
 トラブルが発生したとき、責任がない場合でも自分のせいにしてしまう傾向。
「自分がもう少し努力をしていればこんなことにならなかった」と考えます。
 では、どのようにすればよいのでしょうか。
 認知がゆがんでいると、ひとつの考え方にとらわれてしまいます。
 ものごとは負のスパイラルに入りやすく悪いほうへと流れていきます。
 そんなとき、救いようがないように感じられますが、じつはそれはひとつの見方でしかないのです。
 ものの見方が変われば、現実と思っていることが変わってきます。
(
菅原裕子:人材開発コンサルタント。()ワイズコミュニケーション社長、NPOハートフルコミュニケーション代表理事。仕事の現場で学んだ「育成」の考えを子育てに応用して「ハートフルコミュニケーション」を開発し、親の子育てや自己実現を援助する活動をしている)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

子どもとの関係に苦労している親は自立した考えを持っていないのではないか   菅原裕子

 子どもとの関係に苦労している親の話を聞くと、多くは親自身が自立した考えを持てないことから発した問題のように思います。
 あなたは親として自立しているか、つぎの項目に答えてチェックしてみてください。
(1)
子どもの気持ちを無視して自分の気持ちを押しつけることはない
(2)
うまくいかないことがあったとき、人のせいにせず自分で解決策を探れる
(3)
子どもと話をするとき、腹をたてたりしないで自分の気持ちをコントロールできる
(4)
子どもは「自分は親から自立している」と感じている
(5)
親として、子どもの将来について冷静に話し合える
(6)
親は自分が「子どものモデルだ」ということを理解している
(7)
親として「自分は子どもとの葛藤や対立を恐れない」と言いきれる
(8)
子どもとは日頃から、対等な立場で互いに理解し合えるコミュニケーションをとっている
(9)
子どもの未来と親としての自分の夢の実現は別のものであることを知っている
 どうですか? 大人として、親として自立している人ほど「イエス」と即答できたのではないでしょうか。
「ノー」がたくさんあった人にとっては、今がスタートです。

「子育ては親育て」などということをよく言います。
 親子は鏡です。

 子どもを自分という鏡に映して見たとき、子どもの問題と思えたものが自分に映し出されます。
 子どもが引っ込み思案だと嘆く親は、子どもを勇気づけなかったのかもしれません。
 子どもが乱暴だと困る親は、子どもにやさしさを教えなかったのかもしれません。
 子どもの自信のなさに不甲斐なさを感じる親は、子どもが愛されていることを伝えきれなかったのかもしれません。
 子どもが勉強しないと困る親は、子どもに勉強の仕方を教えなかったのかも知れません。
 子どもを何とかしようとする前に、親が自分に気づき、自分のやり方を変えることで、子どもにも変化をもたらすことができます。

 それこそが親の自立ではないでしょうか。
 自分が自立していないことに気づき、自立するための努力をすれば、よりよい親子関係を築くことができるようになります。
 親の自立は、同時に子どもの自立を促します。

 親が自立するとき、子どもは安心して自分の道を始めます。
 今、ほんのちょっと立ち止まって、自分を見つめてみませんか?
(菅原裕子:人材開発コンサルタント。(有)ワイズコミュニケーション社長、NPOハートフルコミュニケーション代表理事。仕事の現場で学んだ「育成」の考えを子育てに応用して「ハートフルコミュニケーション」を開発し、親の子育てや自己実現を援助する活動をしている)




| | コメント (0) | トラックバック (0)

親のダメな叱り方とは   岩立京子・無藤 隆・菅原ますみ

 親のダメな叱り方について岩立京子・無藤 隆・菅原ますみはつぎのように述べています。
 グチのように言い続け、インパクトがない叱り方をしている親が多いようです。
 たとえば「もう、なにやってるの。あんたはまったく」と、ただのグチになってメリハリがない。
 だから、子どもも言うことを聞かないし、あまり気にしていません。
 親が子どもを叱るのは、していいことと悪いことの判断力をつけていくためです。
 だから、叱ったことで、子どもがしていることをやめないと意味がないんですよ。
 叱るのであれば「絶対にいけない」と子ども自身が納得できるよう、効果的に叱る必要があります。
 そのために、叱ることと、叱らないことを自分の中で線引きして、
「これはきっぱりしかる」「これは諭すだけ」と使い分けしてください。
 そうすれば親の厳しい表情を見ただけで「これはいけないことなんだ」と子どもが自覚するはずです。
 子どもがなぜ叱られているのかわかっていないことがあります。
 親が一生懸命叱っているのに、「わかっているの?」と繰り返しても「うん」と答えるだけのときは、本当はわかっていないのです。
 何がいけないのか、何をどう直したらいいのかを具体的に言っているかどうか、考えてみてください。
 叱っている内容がわかるように伝えるには、いけないことをしたとき、その場で叱ること。
 小さな子どもはちょっと前のことでも忘れるからです。
 また、短く叱ることも大切です。
 長い時間しかられつづけると原因がなんだったかわからなくなります。
 そして、真剣にしかるようにします。
 厳しい目と声と態度できっぱりしかれば、子どもにも真剣さは伝わります。
 子どもの反応がよくなくても、しつこく言いつづける必要はないのです。
 自分の怒りを子どもにぶつけてしまい、どなりつけたり、たたくなど、親の感情の爆発をともなうしかり方はいちばんの問題といえます。
 強い子どもは反抗的になるし、弱い子どもはグズグズと言うことが聞けない状態になります。
 そんな態度がさらに怒りを爆発させるという悪循環に陥ります。
 親のストレス発散として習慣化すると虐待へと踏み出す恐れがあります。
 厳しさは、言葉や態度で十分伝えられるものだと思います。
(岩立京子:東京学芸大学教授を経て東京家政大学教授。専門は発達心理学、幼児教育)
(無藤 隆:白梅学園大学名誉教授。保育や心理学が専門)
(菅原ますみ:お茶の水女子大学教授、専門は発達心理学)

 

| | コメント (0)

反抗期の子どもを親はどのように叱ればよいか   福田 健

 反抗期の子どもを親はどのように叱ればよいか福田 健はつぎのように述べています。
 小学校高学年から高校にかけて、子どもは親や社会に対して、反発・抵抗・不信などの感情を抱く。
 親に口答えする、乱暴な汚い言葉などを使う。自立しようとする子どもたちの心のあらわれである。
 親はどう接したらよいか戸惑う。
 しばしば言い争いになったりするが母親としては、やさしく受けとめるのが第一である。
 例えば、子どもが、
「うるせいな、わかっているよ」
 と、口答えが返ってきたとする。
 ここで、
「わかっているのね、頼もしいわ。じゃ、お母さん信じているからね」
 と、ひと言い、あとは子どもにまかせる。
 しつこく、くどくど言わない。
 とかく母親は以前にあったことを引き合いに出して、何度も言う癖がある。
 この時期、親から離れようとしている子どもに、心配だからと、いろいろと口をはさみ、世話を焼き、干渉するのは、子どもの自立を妨げ、子どもの「うるせえな」をまねくもとである。
 反抗期は父親の厳しい叱責を必要とする時期である。
 叱る者は、ふだんから、何をしたら叱るかをはっきり相手に告げておく必要がある。
 いわば、叱るさいの自分の考え、方針のようなものを明確にしておくのである。
 気分で叱ることを防ぐことにもなる。
 たとえば、
「子どもが守ると決めたルールを破る」
「親をバカにした態度をとる」
「汚い言葉を使う」
 などの行為が目についたら、父親は断固とした態度で怒涛のごとく叱るべきである。
 子どもが親に反抗するのは、より強い力が前に立ちはだかってほしいと、望んでのことでもある。
 大きな壁を前にして、無力な自分を感じながらも、それを乗り越えようとすることで、子どもは育つのではないだろうか。
 そして、たくましい男性、魅力ある女性になっていくのではなかろうか。
 反抗期の子どもにとって、親の甘い言葉や、ものわかりのよい態度は、逆効果のメッセージなのだ。
 人は育てるものではない。育つものである。
 大人の役目は、子どもが育つ環境をどう整えるかにある。
 反抗期に、子どもが親の言うことや、やることにはむかうのは、自分の力を試そうとしているのでもある。
 この時期、親に叱られて、子どもはつぎの二つのことを自覚する。
「世の中、自分の思いどおりにいかないものである」
「だからこそ、自分に力をつけ、人に協力しなくてはならない」
 このことを理解し、受け入れることができれば、中学校、高校時代に周囲に多少面倒をかけたとしても、しっかりした大人に成長していく。
(福田 健:大和運輸入社、言論科学振興協会の話し方運動に参加し理事を経て、話し方研究所を設立し会長。話し方、聞き方の指導・研究・啓蒙にあたり、コミュニケーション・リーダーシップ、人間関係などをテーマに各企業・官公庁で講演・講座活動を行っている)

 

| | コメント (0)

聞き上手な親になるにはどうすればよいか   福田 健

 聞き上手な親になるにはどうすればよいか福田 健はつぎのように述べています。
 話しを聞くという活動は相手への働きかけである。
 親が待っているだけでは子どもからの発信は期待できない。
 ものが言いやすい雰囲気づくりをしないと待っていてもだめである。
 聞いているということを話し手に伝えるのが、聞き手の役目なのだ。
 いい方を換えれば「聞くのも表現」なのである。
「聞く」ことを表現ととらえると、ポイントが三つある。
(1)目を見て聞く
 子どもが話しかけてきたときは、目で受け止める。
(2)明るい表情で聞く
 笑顔は歓迎の合図である。
(3)相づちを打つ
 子どもに対して大人はどうしても、先入観や思い入れを持って話を聞いてしまう。
 話を聞いて先入観を改められる人は一流の聞き手なのです。
 そこで、相手の表情、動作などをよく見ながら、子どものいまの気持ちを聞いて理解をするようにする。
 子どもは自分を理解してくれたと思うとき、心が動くのである。
 無口な子どもも「言いたいこと」「聞いてほしいこと」はあるはずである。
 それを察知するには、無口な子どもに強い関心を持ち、表情などにいつもと違う変化がないか注意する。
 声をかけた際、気持ちの変化があらわれることがあるので反応を見逃さないことである。
 いそがしいときでも、できるかぎり話はさえぎらないで、最後まで聞くようにする。
 最後まで聞いてもらえないと、子どもは欲求不満になり、相手に不信感をいだくことになる。
 子どもが親に言われてうれしかったひとことは、
「いつも、最後まであなたの味方だから」
「信じているからね」
 というアンケート結果がある。
 子どもにしてみれば、親が子どもを「信じている」のはわかっていても、ことばに出して言われるとうれしいものなのだ。
(福田 健:大和運輸入社、言論科学振興協会の話し方運動に参加し理事を経て、話し方研究所を設立し会長。話し方、聞き方の指導・研究・啓蒙にあたり、コミュニケーション・リーダーシップ、人間関係などをテーマに各企業・官公庁で講演・講座活動を行っている)

 

| | コメント (0)

家庭で父親と母親はどのような役割をはたせばよいか   内田玲子

 家庭で父親と母親はどのような役割をはたせばよいか内田玲子はつぎのように述べています。
1 父親の役割
 お父さんの役割は、間違っているときは、ビシッと言う必要があります。
 善悪のけじめや、大局的にものを見て間違いを正すことが大事です。
 しかし、それをやらない父親が多くなりました。
 父親に求めても答えない。ただ怒るだけ怒って「お母さんに聞け」と言って役割を果たしません。
 一方的に言っていては会話になりません。
 家の中は練習場です。
 それでは学校や社会でコミュニケーションがとれなくなるのは当然のことです。
 お父さんを立てない家庭というのは基本的によくありません。
 母親の顔色だけを見る子どもが多くなっています。
 父親を悪い見本にして「お父さんのようになっちゃだめだよ」と言う母親があります。
 そうすると、自分もあんなになるんじゃないかと、マイナスの力が働き、子どもの心が育たなくなります。
 そして、学校の先生も信頼しなくなります。
 先生の言うことを聞かない自分勝手な子どもになりがちです。
 家庭内の問題は、社会的な問題へと発展していくのです。
 問題児童をかかえる家の共通点は、父親ががんこか無関心というケースがめだちます。
「仕事で忙しい」と子どもとかかわろうとしない父親では、尊敬するようにはならないでしょう。
 家庭で尊敬する人がいること自体が、生きる希望であり、大きな勇気をもらえます。
 目標があり、中心があると安定します。
 子どもにさまざまな問題が起きても、親が直接指示を出すのではなく、ヒントや示唆を与えて、本人が気づいたり、本当に納得できるまで待ってあげると、子どもに生きる力がつきます。
2 母親の役割
 お母さん、しっかりわが子を叱っていますか

 善悪のけじめをつけるのは、お母さんです。
 3歳の幼い子どもでも、叱られるようなことをしたときは、悪いことをしたという意識が働くのです。
 そんなとき、お母さんはしっかりと叱ってあげてほしいのです。
 抑えきれない感情の爆発ではなく、イライラやストレスの発散でもなくて、しっかりと子どもの目を見て叱ることで、子どもの体が善悪の味を覚えていくのです。
 本当に愛情があれば、中途半端な叱り方はしません。
 そして、そうした愛情は「お母さんは僕が悪いことをしたときに、本当に叱るんだ」と、そのときは反発したとしても、あとで気がつくものです。
 それを黙って見過ごしたり、自分の都合で簡単に許したりすると、子どもの心を不安定にします。
 同じ悪いことしたとき、叱ったり叱らなかったりする気分屋的な対応では、けじめのない、たががゆるんだ子どもに育ってしまいます。
(内田玲子:1936年生まれ、家庭教育カウンセラー。地方からはたらきに来ている若者のために「働く青少年の家」として自宅を開放した。全国の教育委員会、PTA等で講演活動を行う。著書は世界179ヶ国で読まれている)

 

| | コメント (0)

子どもは育てたように育つ

 学級崩壊、いじめ、不登校など子どもたちが崩れています。
 その根本的な原因は親の育て方、つまり親自身の心のあり方や、暮らしぶりが子どもに反映されているといっていいでしょう。
 私の生まれは四国で小さいころから、お遍路さんのお世話をしていました。
 蒸した芋をあげると「まあ、ありがとう」と言って感謝されるのが、本当にうれしかった。
 与えて奉仕する喜びは、何ものにも替えがたいものです。
 友だちからは貧乏人の子どもとして仲間はずれにされることもありました。
 しかし「ありがとう」の一言は、挫折しかかった私の心に蘇生する力が与えられ、生きる勇気を与えてくれました。
 急にキレたりあばれだす子どもが増えています。
 子どもが生まれた時は純白な心を持っています。
 しかし、親の生活のクセや親との関わり方によって、子どもの心の中に満たされない心をいろいろな形で訴えているのです。
 子どもたちが崩れるのは、家庭の中にしかその根はないのです。
 親が自分の心の中にあるクセを認めない限り、子どもはキレルのです。
 だから、カウンセリングを受けても、親が自分を認めない限りまず解決しないでしょう。
 例えばつぎのような例があります。
 朝、子どもがグズグズすると母親がイライラして「早くしなさい! お母さんが会社に遅れるでしょう。どうして朝からイライラさせるの!」と、お母さんは全部子どものせいにします。
 親が朝早く起きれば解決することです。
 子どもを幸せにしたいと思えば気づくことです。
 我が強い人は、心の中で分かっていても、自分をごまかすために正当化しようとします。
 ちょっとしたことで、子どもは変わります。
 親が自分の生活のクセを認めるか、認めないかです。 
 親が素直に認め、心のスイッチが入れば、子どもは落ち着くのです。
 子どもは親の表現者です。
 たとえばこのような例があります。
 親が遊びに行きたいがために、子どもを園に連れてくることがありました。
 今日、親が休みなのに園に預けられたことが子どもには分かるのです。
 いつもニコニコしてよく遊ぶ子が、その日は一日中泣いていました。
 母親が子どもを産み、育てていくわけですから、家の中での関わり方によって、それぞれの性格が形作られていくことになります。
 気の弱い子、ヒステリックな子、わがままで自分の意志だけを押し通す子、自分の意見をはっきり言えない子など、子どもは親の育てた通りに育っているのです。
 要は育て方なのです。
 子どもは「しっかり、愛してよ」と気づかせようとします。
 このときに気づかなければ、思春期になって親の心の程度に合わせて、いろいろな問題行動となって戻ってきます。
 人生はブーメランのようです。
(
内田玲子:1936年生まれ、家庭教育カウンセラー。地方からはたらきに来ている若者のために「働く青少年の家」として自宅を開放した。全国の教育委員会、PTA等で講演活動を行う。著書は世界179ヶ国で読まれている)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

子どもが言うことを聴いてくれる対話の方法とは

 子どものふさいだ気持ちをただ認めてやるだけで、その子を慰めることができます。
 気持ちを受け入れられ、尊重された子どもは、自分の感情と問題を十分に処理することができるのです。
 例えば「どうして泣いているの? 泣くほどのことではないでしょう」などと言うかわりに、「涙が出るほど、ひどく悲しい気持ちなのね」と、子どもの気持ちを認めればいいのです。
 ただし「きみの気持ちはわかるよ」と言うのは問題点があり、その言葉を信じない子は、「いいや、わかってないよ」と答えるでしょう。
 そのときは、子どもの悩みを具体的に言ってやれば、あなたが本当にわかっているのだということが、子どもにもわかるはずです。
 たとえ、それが間違っていても、子どもの気持ちを理解しようとする努力は子どもに評価してもらえるものです。
 子どもの気持ちを受け入れてやると、子どもは自分の行動を制限することができるようなります。
 それが、自己鍛錬の第一歩です。
 子どもが問題を抱えているときに、すぐにアドバイスしてはいけません。
 安易に教えてやったりすると、自分で問題と格闘するという経験を奪ってしまうことになります。
 すぐにアドバイスを与えてしまうと、子どもは「どうして思いつかなかったんだろう?」と自分が愚かだと感じるか、「私のことなんだから、指図しないでよ!」と怒るか、「私だってそんなことぐらいわかってるわよ」といらいらするかのどれかでしょう。
 どうしたいのかを自分で考えだしたとき、子どもは確実に成長します。
 また、自分の決断に責任を持とうとするのです。
 問題を抱えている子どもに、考えや気持ちが混乱している点を、はっきりさせるのを助けてあげることや、問題を質問の形で言い表してあげること、また、情報源を教えてあげることもできます。
 子どもが自分の考えや気持ちについて時間をかけて探り、つかめた後でなら、あなたの考えを冷静に聴くことができるでしょう。
 そのようなときは「・・・・・というのはどう思う?」といった表現を使って提案するといいでしょう。
 ただし「それはあなたの問題でしょう。自分でなんとかしなさい」と、問題を親に無視されると、傷つき、見捨てられたような気持になります。
(
アデル・フェイバ&エレイン・マズリッシュ:大人と子どものコミュニケーションに関するラジオ及びテレビの出演や全米で公演を行う人気作家でそれぞれ3児の母)




| | コメント (0) | トラックバック (0)

親はどのように子どもを育てればよいでしょうか

 子どもが2~3歳になると、友だちを意識し自己主張し出します。
 親は手がかかりますが、手抜きや無視はやめましょう。
 手をつくせばつくすほど子どもへの愛は深まるものです。
 手遊びをさせるようにして前頭葉の発達をうながし、友だちと遊び、社会体験をさせましょう。
 小学校に入学しても困らないように、身の回りのことは自分でできるようにします。
 また、集団の中で話ができ、生活できるようにします。
 子どもの前で先生や友だちの悪口は言わないようにしましょう。
 勉強は強制せず、とにかく、やる気にさせることです。
 子どもを家ではお客様扱いはしないこと。
 生活に必要なことは、手伝いをしっかりやってもらいます。
 一人で生活できる人間に育てることを目的としているためです。
 小学生のころから新聞を読ませましょう。
 ニュースは親といっしょに見て話し合いましょう。
 友だちとキャンプやボランティア、ホームスティ、旅などをできればさせましょう。
 中学1年くらいまでは、ギャング時代です。
 もう仕方がない、家をこわされてもがまんです。
 友だちと身体が疲れるほど遊ばせましょう。多少のケガも気にしないことです。
 自分の家の周り30軒くらいをよく見るようにします。
 それぞれの家に何かをかかえています。
 病気や失敗・成功、思わぬできごと、欲、人間関係などその気になれば何からでも学べます。
 思春期はすべてに活動的な時期です。
 親に反抗したりして、自分のイライラの処置に困っているのです。
 しかし、良い悪いはしっかり教えることは必要です。
 多少の悪さ、遊びは目をつむることが必要な時もあります。
 それまでの育て方の良し悪しがこの時期に表面化します。
 親はわが子をよく観察し、子どもが自分で乗り切る土台をつければよいと願うようにします。
 静かに争うことなく、ようすをみる度量をつけましょう。
 家庭の一体感がなくならないよう、食事は全員でする工夫をしましょう。
 親は世の中のさまざまな体験から学び、人生を生きる価値観を身につけるようになります。
 そして、自分なりの人生観が確かな子育て観や信念にもなって、ほめ方やしかり方にも反映します。
(渡部平吾:1945年生まれ 埼玉県公立小学校、群馬県内県立高校に20年間勤務。保育園・子供館の創立に関り、園長・館長)

 

| | コメント (0)

子どもが言うことを聞かないときは、どうすればよいのでしょうか

 どうして私の言うことを聞いてくれないのだろう、と思うことはありませんか。
 そんなときは、あなたが頼んだことについてどう思うか子どもに聞いてみましょう。
 というのは、自分が子どもだったときのことを忘れ、大人は子どもに無理な要求をしてしまうからです。
 そして、何をすればいいのか、どのようにやればいいのか、頼んだことを子どもがきちんと理解しているかどうかを確かめてください。
 子どもと話せば、心がつながるだけでなく、どうすればよいかヒントをさずけることにもなります。
 穏やかに話しかけてください。大声や駄目と子どもを非難することはやめてください。
 子どもに命令や説教するよりも、子どもと話しあうときが一番うまくいくのです。
 子どもと話すことは、学校や遊び仲間、友だちなどの間で何が起きているかを知って、いっしょになって考えることです。
 よい聞き手になって、子どもの本当の気持ちに気づいてあげてください。
 言葉の裏に潜む本当の思いをしっかりと受けとめてあげてください。
(ドロシー・ロー・ノルト:1924~2005年、米国ロサンゼルス出身。親子の問題をあたたかく見つめるまなざしや長年の経験に裏打ちされた子育てに対するあたたかい言葉は国境を越え、世界中で愛されている)

 

| | コメント (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

いじめの指導 さまざまな子どもの指導 ものの見方・考え方 カウンセリング 不登校 人間とは(心理・行動・あり方) 人間の生きかた 保育幼稚園 保護者との協力関係をつくる 保護者にどう対応するか 保護者の実態 優れた先生に学ぶ 優れた学級担任とは 優れた授業とは 優れた教科授業例 先生の実態 危機管理 叱る・ほめる・しつける 各国の教育 各国の教育改革 各教科の授業 同僚・管理職との関係 問題行動の指導 国語科の授業 地域 子どもから学ぶ 子どもたちに対する思い 子どもたちの関係づくり 子どもと向き合う 子どもの失敗 子どもの実態 子どもの成長をはかる 子どもの指導の方法 子どもの見かた 子どもの話し方 子育て・家庭教育 学び合う学び 学力 学校の実態 学校組織 学校経営と組織 学校行事 学級づくり 学級の組織と活動 学級の荒れ 学級崩壊 学級通信 学習指導・学力 学習指導案 実践のための資料 家庭 宿題 掃除 授業づくり 授業のさまざまな方法 授業の実態 授業の展開・演出 授業の技術 授業中の生活指導 教師との関係 教師と子どもの関係づくり 教師に必要とされる能力 教師の人間としての生きかた・考えかた 教師の仕事 教師の心の安定 教師の成長・研修 教師の話しかた 教師の身体表現力 教材・指導案 教材研究 教育の技術 教育の方法 教育の理念や思い 教育史(教育の歴史と変化) 教育改革 教育法規 教育行政(国・地方の教育委員会) 新学級づくり 特別支援教育 理科の授業 研究会開催情報 社会環境 社会環境(社会・マスコミ・地域) 社会科の授業 算数・数学科の授業 経営とは 英語科の授業 評価 話の聞きかた