カテゴリー「子育て・家庭教育」の記事

思春期の子どもの子育てに悩む親たちの救いになることとは

 あんなに素直だったわが子が思春期に、急激に変わってしまうことに戸惑ってしまう親たち。
 子どもたちは思春期に何が起きているのでしょう。子どものSOSってどうすればわかるでしょうか。
 全国各地の教育カフェに集まった母親たちから子育ての悩みが率直に語られました。
「28歳になる娘がいる。小学校までは『いい子』だったが、その後はずーと悩みっぱなし。自信がないようで、家でストレスを発散するので、地雷を踏むような感じです」
「中学3年の息子が3学期から不登校の学校へ。学校へ行っても授業がうけられない。出席をとってもらって帰るだけ。不安を聞いてもあまり語らないので、結局、私が誘導してしまう感じ。どう対応したらよいかわかりません」
 思春期は自立の時期といわれています。自我を確立してひとりあるきできることが求められます。
 しかし、今の子どもは、生活の自立は後回しにされて、学校の体制に乗り遅れないように追い立てられるのです。
「中学生と高校生の子どもがいるが、進路の話をすると火に油。自己肯定感を高めるって、どういうことなんですか」
 思春期の子どもたちは「嫌いな自分」「学校や親が評価している自分」と向き合えない自分に苦しんでいるのではないでしょうか。
 親たちだって同じような出口のない現状に苦しんでいるのです。
 村上康彦(「母親の孤独から回復する」講談社の著者)氏は、わが子からの虐待に追い込まれている母親たちの回復支援に最も有力な解毒剤は「グループの連帯性である」と述べています。
「孤独だと思っていたが、自分だけではなかった」
「孤立の中で、自分のものとしては引き受けることができていなかった出来事が、グループを媒介とすることで引き受けられる」
「他の人が語り、仲間が『聴いて受けとめる』ことが『私も話してよい、話してだいじょうぶだ』という安心感を与えてくれる」
「つながりの安心感を内面化することが回復の仕上げである」
「安心感の獲得と、自分の過去とつながることは、自分自身とのつなぎ直しのことでもある」
 他者から受けとめてもらうことから生れるつながり合う安心感は、虐待に追い込まれた親たちだけではなく、不登校の子どもを持つ親でも、引きこもりの子を持つ親にも、思春期の子育てに悩む親にも大切な意味を持っているのでしょう。
 話し合う中で受けとめてもらえたという、つながり合う安心感を力にして、子どもとの新しい関係を見つけ出し、創り上げていくでしょう。
(村上士郎:大東文化大学名誉教授)

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子育ては年齢別にわけて考えると、どのように育てればよいのでしょうか 

1 「0~2歳」-「信頼感」の獲得
 新生児から2歳までは、しっかりと親が抱きしめ、安心感で満たしてやることで、親子の間に「基本的な信頼感」が芽生える。
 子どもにとって、母を信頼するという安心感が、これからの人生のうえで支えになり、すべての力の基本になる。母に愛され、必要としているという実感は、人間らしさを形成する。
 本能的・感情的な部分はもちろん、人間の根幹をなすあらゆる能力が0歳から2歳の間に形成される。
2 「2~4歳」-「我慢する心」を身につける
 親子の間に基本的な信頼感があれば、幼児期の4歳ころまでには「自律心」が身についてくる。
 つまり、我慢する心である。自分を抑える力というのは、基本的信頼感が基盤となって身につくものなのである。
 子どもにしてみれば、自分を理解し愛してくれている人が言っていることだから、辛くても我慢しようとするのである。
 お母さんがわが子に、「今、ママは忙しいけれど、もう少ししたら○○ちゃんと遊んであげられるから、もうちょっと待っていてね」と語りかけると待ってくれるのである。
 この時期は何をやっても、かわいいかわいいで育ってしまいがちであるが、我慢をすることも覚えさせておかないと、あとからしつけるのは難しい。
 我慢=苦しみという発想を親がしないこと。「この状況の中では我慢することがいちばん求められること」というシグナルを親が発信する。
 親子の信頼関係が本物であれば、子どもは喜んで我慢するものなのだ。
3 「4~7歳」-「自発心・積極性」を培なう
 この時期は、靴をはくのも服のボタンをかけるのも「自分でする」「イヤ」「ダメ」を連発する。
 何でも自分でやりたいという自我の芽生えは、ときとして親の目には「わがまま」に映りがちだが、ここをしっかり見守れるかどうかが、親も子どもも頑張りどころと言える。
 信頼関係があれば、親は待つことができる。
 子どもの気がすむようにじっと待ち、子どもがたとえ左右反対でも時間をかけてでも、とにかく靴を履くことができたことをほめてやるのだ。
「自分でできたね。やったね!」と喜びを共有できる親になろう。
 どうしても忙しくて子ども任せにできなかったときでも、「ママ、時間がないから今日は一緒に履く練習したけど、次は一人でやってみようか。もしもできなかったら、ママが手伝ってあげるからね」とフォローできるだけの心の余裕がほしい。
 子どもにきちんと納得できるように言い聞かせれば、何でも理解できるほどの頭脳を子どもは備えているのだ。
 自己を肯定する基盤ができていれば、自発心や積極性につながるのはもちろん、他者を肯定する心の寛容さも備えることもできる。
4 「小学校 前期」-「学び努力する勤勉性」を獲得する
 7歳までに、基本的信頼感、自律心、自発心を獲得できた子は、社会に適応する免疫力を持ち、自信と自立心が培われていく。その力が、「学び、努力する」という「勤勉性」につながるのだ。
 この時期に勤勉性をきちんと獲得することがいかに大事かは、知識をより多く身につけた子を観察してみれば一目瞭然である。
 多くの知識があれば、困難にぶつかったときに対処しやすい。また、本をたくさん読んでいれば、問題解決能力が高くなる。
 そして、一つでも熱中できる得意分野があれば、それを究めることで、ほかの知識や能力も引っぱり上げることができる。
 小学校時代は、ともかく一生懸命学ぶ姿勢を身につけさせることである。知識がつけば、自分に自信が持てる。自信がつけばどんどん学ぶことがおもしろくなる。
 問題を解決するための考える力を養い、知的創造性を育む重要な時期である小学校時代に、ぜひ学ぶことのおもしろさに気づかせ、自信をつけさせてやりたいものである。
5 「小学校 後期(10歳くらい~)」-「父性が必要となってくる」
 多くのカウンセリング体験から言えることは、子どもは小学校4年生ぐらいから確実に変わり始めるということだ。
 大人との距離を取り始める重要な時期が10歳である。
 ものごとを推論、分析をしたり想像力を発揮し始めたりする時期だ。
 だから、この時期の子どもの扱いには注意が必要である。
 それまでは母性の中に守られていた子どもは、10歳以降は父性を必要としてくるのだ。
「ここから先はやめておいたほうがいい」「これはこういうものだよ」「世の中とは、社会とは、こういうきまりがあるんだよ」という限界や社会常識、物事のバランスや優先順位を、父親から教えるべきだ。
 10歳までどっぷりと母親の世界に守られてきた子どもは、これまでの受容から一転、制限されることに欲求不満を抱き、「何だよ」という反抗心が頭をもたげる。
 そんな葛藤の中で、「父親の言うことももっともらしいけれど、僕の意見のほうが正しいんじゃないか」とか「父親にしたがうべきだろうか」などと煩悶がでてくる。
 こういった自問自答を繰り返し、父親の言動を反すうして、自分自身の心の自我を完成させてゆく。
 この段階は、大人へのステップとして非常に重要である。
 これが生きる力のフレームを形成し、子どもの人格に規律や常識を組み込んで、社会人として生きるたくましさを培うことができるのだ。
 父親の愛は、競争原理を客観的・相対的に示す教育愛である。
 ライオンの父親は、子ライオンを谷底へ突き落とすことで生きることの厳しさと勇気を教えると言われているが、これは父親の役目を象徴していると言えるだろう。
 人間も、スキンシップの裏には、突き放したり、厳しさを教えなければならない面も備えている。
 人生観や価値観、道徳観、社会観といった広い視野に立った見解を、父親がしっかりと話せるかどうかは、子どもの精神的成熟に大いに関わるところである。
 その際には、子ども自身に考察させることが大事である。父親は自分の価値観を押しつけるのではなく、子ども自身に選択させ、悩ませ、道をきりひらく手ごたえを感じさせてやってほしい。
 その手助けとして、必要とされたときだけ応援し、陰ながら見守ってゆくのが、父親の役目なのである。
6 「青年期」-自己の再認識(アイデンティティー)
 自己存在のあり方に疑問を抱いて、「いったい自分は何だろう、何をすべきなんだろう。目的は、手段は、どうすればいいんだろう」という気持ちも、思春期特有のものだ。
 同時に、他者との関わりの中で自己のあり方を見つめ直し、生きることや将来について深く考えるようになる。
 自己を再認識するというアイデンティティー(自我同一性、主体性、本質)を、迷いながらも突きつめて考え続けていくことで、少しずつ納得したり、ぶつかったりしながら、だんだん心身ともに安定してゆくのが常である。
(
(なみ)川栄太:19432009年、20年間の小学校教師を経て、ニッポン放送「テレホン人生相談」回答者、40年間つとめた教育相談では、悩める子どもたちに体当たりで励まし立ち直らせた)

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子どもは気質によって受け取り方が違う、気質によってどのような言葉かけをするとよいでしょうか

 人間はそれぞれ違った気質を持って生まれます。同じ言葉をかけても、ある子は喜び、別の子は傷つくことがあるように、気質によって受け取り方が違います。
 ですから、子どもの気質を知ってそれに合った言葉かけをするとよいでしょう。
 また親と相性が合う子、合わない子がいます。親は自分の気質を知るとともに子どもの気質にも目を向けてみると、子育ての大きな助けになるでしょう。
 気質は胆汁質・多血質・粘液質・憂鬱質に分けることができ、シュタイナー()はそれぞれの気質をよく知って教育を行うことが大切だと述べています。
(1)
胆汁質の子ども
 自己主張がはっきりしていて、意志が強く、言葉もはっきりしています。口答えする生意気な子どもに見えてしまいます。
 意志がはっきりしているので反抗もしますし、生意気な行動を取って怒られたりします。
 叱られやすいので、納得できないと荒れてしまいます。子どもの話を「そうだったんだ」と同調して聞いてあげることが大切です。
 「子どもだから仕方がない」ではなく、どこかで「これはすべきではない」という止める規準をつくり、ブレーキをかけます。
 頭ごなしに叱るのではなく、子どもが落ち着いてきたら、話をしたり、手で示したりして実際にやってみせてあげて、なぜいけないのか納得させるとよいでしょう。
 小学三年生くらいから考える力がついてくると自己分析もでき抑制力がついてくると努力をするようになります。
 正義感が強く論理性があり弁も立つので優れたリーダーシップを発揮できるようになります。
(2)
多血質の子ども
 いろいろなことに興味を持つために、落ち着きがなく、一つのことに集中するのが苦手です。
 遊びが定まらず、今ここにいたかと思ったらすぐ次の遊びに行きます。
 何にでもすぐ反応してしまいますから「落ち着きなさい」と言いたくなりますが、そうすると余計に落ち着かなくなってしまいます。
 おおざっぱな生活リズムをつくることが大切です。
 朝は散歩をする。時間になったら昼寝をする。起きたらおやつにする。寝る時間になったら寝かせる。といった大きな生活リズムにだけ神経を使い、それ以外は使わないようにしましょう。
 次々関心が移る子どもにいちいち対応していると親の方が疲れてしまいます。淡々と生活しましょう。
 子どもが目移りしないように、たくさんの物があふれないよう、余計なものはしまっておいた方がいいでしょう。狭い閉じられたところで自由に遊ばせるのがよいと思います。
 話言葉は「やった」「だから」と言うように、脈絡がわからないので何を言っているのかわからないことも多いです。
 人と接するのが好きで、どんな人ともつきあうことができ、まわりの人を明るくさせ、大人からは可愛らしく見え好まれます。人と人を結びつける潤滑油的なところがあります。
(3)
粘液質の子ども
 ゆっくりしすぎるほどゆっくりしています。一つのことをすぐに止めて、次のことに移ることが難しい傾向があります。
 言葉を発しにくく何を言っているのか分からない場合があります。
 遊びを邪魔されても、ぼーっとしていて抵抗があまりありません。言葉をあまり発しません。
 目立たないけれど、存在感がある。任されたら仕事はきちっと仕上げるので、まわりから信頼を得られる人です。
 こつこつ仕事をこなしますから、同じことを緻密にやらなければならないような仕事に能力を発揮します。
 間違いをして叱られてもそうひどく落ち込まないのも特徴です。
 ゆっくり話ますので、聞くのに時間がかかります。やさしく、できるだけゆっくりと話を聞いてあげることです。
 基本的に豊かなファンタジーの力を持っていますのが、身体が重いような感じで、動くことが少なくなりがちです。
 そこで意識的に少しでも動きやすい、まわりでみんなが遊んでいるような場所に連れて行った方がいいでしょう。
 大きくなってから動かそうとしても無理ですから、小さいときから動く喜びを体験させてあげてください。
(4)
憂鬱質の子ども
 孤独感がただよい、社交性がなく、何かを極めていく人という感じがします。
 特定の人以外は自分を閉ざし、顔つきもあまり明るくはなく、いつもちょっと悲しそうな表情をしているように見えます。
 言葉ははっきり出てくる方ですが、砂遊びのようなことはあまり好みません。
 自分のことが話題になるのを好まないので、ほめられたとしても傷つくときもあります。
 叱られたりすると「自分はダメだ」とひどく落ち込みます。傷つきやすいのが特徴です。
 基本的に脚光を浴びることを好まない。仕事にじっくり取り組むことが好きで正確さを重んじます。
 緊張度が高いので親には本心が話せても、教師には話したがらないことがあります。その意味では、親が話を聞いてあげることが必要な子どもだと言えます。
 育てやすいと感じる子どもは自分の気質によく似た子どもでしょう。
 しかし、可愛くない、憎らしいと思ってしまう子どもも自分の気質に似ていることがあります。
 親が自分の嫌なところをわが子に見てしまうと、その子が嫌いになり、自分にないものを持っている子どもが可愛く感じるということもあるのです。
 つまり、親が自分の中の何を見ているかが、子どもの好き嫌いを左右しているわけです。
 気質はあくまで子どもを見るときの視点の助けです。気質を裏付けにして子どもを観察するのです。
 それなのに「だれだれは、どういう気質である」という決めつけをして、それだけで子どもを見ようとすることは、子どもを見る目をさまたげることになります。
 どうかこのことを忘れずに、上手に気質を利用してください。
(
)ルドルフ・シュタイナー:1861- 1925年、 オーストリア出身の神秘思想家、哲学博士。シュタイナーの人間観に基づき、独自の教育を行うヴァルドルフ学校は600校。
(
堀内節子:小学校教師を経て1975年に愛知県豊橋市に「にじの森」幼稚園を開園し前園長。シュタイナー教育を取り入れた幼児教育を実践)


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子どもが問題行動を起こしたとき、親は子どもにどう接すればよいのでしょうか

 子どもが問題行動を起こすと、親は突然の豹変ぶりに驚きあわてる。しかし、子どもの心の中では、以前から変化が生じていたのに、親はそれに気づかなかったことが多い。
 親から「こういう場合、何と言ってやれば、子どもはなおるのでしょうか」とよく聞かれる。
 子ども問題行動の多くは、それまでの親子関係を徐々に組み替えることで解決に向かっていく。
 ひと言で子どもが立ち直るといった魔法の呪文はない。
 しかし、子どもが変わるきっかけとなることはある。
 問題行動を起こしている子どもが、それを周囲の誰かのせいにしているうちは、そこから抜け出せない。
 自分の問題として引き受けたとき、はじめて回復に向かうことができる。
 子どもの問題行動を解決するには、子どもの心に働きかける必要がある。もつれた子どもの心の糸を解きほぐすのは容易ではないが、愛情と時間を惜しまなければ必ずできる。
 いつか回復することを信じて接すれば、親子の絆を取り戻すことができるのだ。
 その過程は決して平たんではないが、試練を通して、子どもが変わり、親も変わり、精神的に成長するだろう。親子の絆は以前よりずっと強くなっているはずだ。
 子どもが問題行動を起こすと、落伍者のレッテルを貼られることが少なくない。親が自分の子どもをそんな目で見てしまうのだ。
 子どもを支えるはずの親が説教したり、非難したりしがちになり、ますます子どもを追いやることになる。
 そんなときこそ、親は子どもを信頼してほしい。子どもへの信頼が何よりも大事なことは、私がスクールカウンセラーを始めたばかりのころ、一人の教師から教えられた。
 子どもに建て前を振りかざして説教するのは、親子のギャップを広げるだけだから、子どもの気持ちを動かそうとしたら、子どもと向き合い親の本音をストレートにぶつけるしかない。
 誰でも子育ては試行錯誤の連続だ。親は自分が子どもだった頃を思い出してほしい。
 思春期の頃は覚えているはずだ。そのころ、何を考えながら過ごしてきたのか、どんなことで悩んでいたのか、親との関係はどうだったのか、などを振り返ってほしい。
 振り返ってみると、親に期待していた言葉を言ってもらえなかったり、無神経な言葉に傷ついたことがあるに違いない。もちろん、楽しかった思い出もあるだろう。
 それを実感とともに思い出せば、いま自分の子どもにどう接すればいいか見えてくるはずだ。
 子どもが悩んでいたら、自分が同じ年頃のときに何を悩んでいたかを子どもに話してみるといい。子どもに本音で接することになるだろう。
 子どもの問題行動でカウンセリングに訪れる親を見ると、ほぼ例外なく、心の余裕を失っている。
 私はカウンセリングで、相談者に目のさめるようなアドバイスをしたりできるわけではない。じっくり相手の話に耳を傾け、その言葉の裏側にあるものを理解し、本当に訴えたいことを導き出そうと努めているだけだ。
 誰でも、自分の心の中にある、言いたくても言えなかったこと、それまで気づかなった本当の問題、一人で抱かえていた悩みや苦しみなどを口にしたとたん、半分は解決したのも同然だ。
 心の中で葛藤したり迷ったりする時間が必要だったのだ。
 子どもの話に耳を傾け、言いたいことを聞き出すのは、親や教師、友だちなどもできる。
 親にお願いしたいことは、子どもが問題行動を起こしたとき、子どもの様子がおかしいときは、子どもの話に耳を傾けてほしい。
「いまの気持ちを話してくれるとありがたいんだけど」
「お前もつらかったんだね」
という具合に聞き役に徹し、重い口を開いてもらう。 
 人は話すことで自分の気持ちを整理したり、言葉にすると気づくことがある。子どもも話しているうちは、自分の心を見つめることができるようになる。
 子どもが親と口を利きたくないようなら、子どもの友だちを家に呼んだり、親戚のお兄さんやお姉さんに来てもらって、話し相手になってもらう。
 心の中の葛藤というのは、何本もの糸が絡まり合った状態だ。それを言葉にすることによって、絡まった糸を一本ずつ抜き取り、ほぐしていく作業になる。
 問い詰めずに、話しやすい雰囲気をつくり、言い出すまで待つことが大切だ。
「言いたいことがあれば、今日でなくてもいいから、言いたくなったら、言いにきなさい」と促せばいい。
 自分の気持ちや言い分を言葉にすることを通じて、子どもは失いかけていた自分を組み立て直す必要がある。
 そのうち子どものほうから、言い出したら「じゃあ、どうしたらいいか考えてみよう」と親子で話し合えばいい。子どもが自分で解決策を考え、自分で選択することが大切なのだ。
 子どもの選択は最善でないかもしれない。しかし、子どもの心は大きく成長するはずだ。たとえ間違った選択でも、自分で選択したことならやり直しができる。
 子どもと気持ちのいいコミュニケーションができないという人は「私メッセージ」を発するといい。
 相手を主語にするのではなく、自分を主語にする。叱るのではなく、自分の気持ちを伝えることになる。たとえば
「あなたは、掃除するそばから、散らかすんだから!」
と叱るのではなく、
「せっかく掃除をしたのに、もう散らかって、お母さんはがっかりだわ」
と言うことになる。
 運動部のコーチに言わせると、子どもは叱るよりも、ほめたほうが伸びるが、ここ一番というときは、叱ったほうがいいことがあるという。
 例えば、いい結果が出ると、慢心する子がいる。練習に熱が入らず、手を抜く。そんなとき「少し上達したからといって、つけあがるな」と雷を落とす。
 そういうときは、やさしく言って聞かせるより、ガツンと叱ったほうが効くそうだ。
 子育ても同じで、いつも叱っていては効果は薄い。9割はほめて、1割は叱る程度でちょうどいい。
 子どもが叱られても、納得できるタイミングをとらえ、ここ一番というときに叱るのだ。ただ、叱るときは、逃げ道を残してやる必要がある。
(
吉田勝明: 1956年福岡県生まれ、横浜相原病院院長)

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子育てや教育のキーワードとは何でしょうか、思春期の子どもに具体的にどう接すればよいか

 人間が生きていくうえで、甘えは絶対必要なものです。決して甘えるなと言ってはならない。
 甘えは、ひとことで言うと、相手の愛情を求めることです。
 甘えが満たされるとき「自分は愛されている」と感じます。「自分は愛される価値のある存在なんだ」と感じます。
 相手に対する信頼と自己肯定感が育ちます。それが安心感につながります。
 自己肯定感は、
「自分は大切な人間だ」「生きている価値があるんだ」「自分は自分でいいんだ」という気持ちのことで、子育て、教育のキーワードで、これ以上大切な言葉はありません。
 この土台があって初めて、しつけや学力が身についていきます。
 相手を信じることのできる人は、思いやりを持ち、深い人間関係を築くことができます。
 甘えが満たされないとき、相手に怒りが生じ、甘えさせてもらえるだけの価値のない人間なんだと思います。それが続くと、周囲に対する不信感や怒りとなり、自己肯定感が低くなります。
 そういう人は、相手を信じることも、甘えることもだきないので、攻撃的になったりしやすく、高じると、さまざまな問題行動や、心の失調となって表れてきます。
 どうすればよいのでしょうか。
 話を聴いてもらうことで、子どもは、親に甘えたい気持ちが満たされ、安心します。また、小学生の間なら、抱っこや、スキンシップなども、まだ十分、有効です。
 少なくとも小学生の間くらいまでは、十分甘えを受け止めてかまいません。
 十歳以降は、親離れしていく時期で、依存の対象は親から友だちに変わってきます。それでも、親の存在は大切です。
 子どもはさまざまに裏切られ、傷つきます。そんなとき、親はしっかり受け止めてやってほしいと思います。
 反抗は自立のサインです。子どもは、批判的なことも口にし、自己主張を始めます。
 そういう話を、しっかり聴く、ということです。子どもはよく見ています。正しいことを、きちんと認めることで、子どもも、自分の感じ方や判断に自信が持てるようになるのです。
 小学校高学年以降、思春期に入ると、自立は、反抗や親への批判、攻撃という形を取ってきます。
 反抗や批判をしてくる、ということは自立がうまく進んでいるということです。子育てが間違っていなかった、と喜んでほしい。
 反抗期が激しく出る場合があります。それはたいてい、それまで反抗ができず、よい子でいたか、あるいは抑えつけられていたため、思春期に一気に爆発した場合に多い。
 そういう場合は、付き合うのに、相当、苦労と忍耐が必要です。
 では、子どもをどのようにして自立させればよいのでしょうか。
 子どもに安心感を与え、自信をもたせる、ということです。
 子どもは自分で悩んで、考えて、成し遂げることで自信を持つのです。
 人から言われた通りにやって、成功しても、子どもの自信にはなりません。ですから、できるだけ手出し、口出しは控えたほうがよいのです。
 子どもが失敗したときは
「ここまで、よくできたじゃないか。ここまで、できただけでもりっぱだ。次は、きっと成功するよ」
 と言われると、自信を回復します。
 思春期にある子どもたちに、どう接していけばよいのでしょうか。
 ひと言でいうと「子どもの揺れに付き合う」「子どものあとをついていく」ということです。子どもに指示、命令をしない。
 子どもの前に立って「あっちへ行け」と指示しない。手を引っ張らない。背中を無理に押さない。先回りしない。ちゃんと歩きだすまで「待つ」ということです。
 もう一つは「見放さない」という態度です。
 子どもに振り回されて「もう知らん、勝手にしろ」と突き放さない。
 子どものあとをついていって、子どもが振り返ったら親が「大丈夫だよ」とうなずいてくれるという関係です。
 ただし、どこへ行こうと「分かったよ」と、ついていくことではありません。
 本当に危ない所に向かっていくときは、きちんと止める。これも「見放さない」ということです。
 思春期に具体的にどう関わればよいのでしょうか。
 まず大切なのは「親が肩の力を抜く」ということです。
 思春期になるまで育ててきました。たとえ親がいなくても、これから何とか生きていくことはできます。ですから、子育てで一番大変な時期はもう過ぎました。
 もう中学生になった子に、いまさらああしろ、こうしろと言っても、そんなに変わりません。
 ここまできたからには、なるようにしかならん、といった現実を認めてしまって、肩の力を抜くということです。
 親が肩の力を抜くと、親が楽になります。親が楽になると子どもも楽になります。
 そうすると、険悪な家庭の雰囲気も次第に和んで、笑いが出るようになります。
 せめて家庭だけでも、ほっとしたいと、みんなが願っているのではないでしょうか。
 思春期に親として出来ることは何でしょうか。
 一番簡単で、大切なことは「話を聴く」ということです。
 思春期の子どもはあまり親に話をしてきません。しかし、ごくたまに、親に話を聴いてほしいと思うことがあります。そういう時には、親がいくら忙しくても、しっかり聴くということです。
 また、親に頼み事をしてくることがあります。よほどの事情があるのですから、そういうときは、親は徹夜をしてでも、真剣に応える必要があります。
 かんじんな時に、親に拒否されたり、無視されたりすると、もう親を当てにしなくなり、相談もしてこなくなります。
 子どもの心が順調に育つために一番大切なことは、自己肯定感を育むことです。そのために大切なことは、子どもを「ほめる」ことです。
 思春期の子どもでも、心にスッと入るほめ言葉は「ありがとう」です。
 上から目線でほめられると思春期の子どもはイライラします。ところが、感謝の言葉である「ありがとう」は、人間として対等です。
 自己肯定感を育む「ありがとう」というほめ言葉は、さまざまな人間関係で苦しむ、思春期の子にこそ、必要なのかもしれません。
(
明橋大二:1959年大阪府生まれ、精神科医。真生会富山病院心療内科部長。専門は精神病理学、児童思春期精神医療。NPO法人子どもの権利支援センターぱれっと理事長)

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子どもが「反抗期だな」と感じたら、親はどうすればいいのでしょうか

 お子さんの反抗期、苦労していますか。わが子に「クソババァ」と言われて真剣に落ち込んでいませんか。
 子どもはこの時期、恐れと不安の中にいますから、ちょっとしたことでピリピリします。
「ウザイ」とか「うるせえ」とか「死ね」とか、この時期の子どもたちが言う言葉は普通です。別におかしなことでも、怖いことでも、不安に思う必要もありません。
 反抗期は、さらりと受け流すのがいちばんです。
 ひどい言い方をされたら、ユーモアと笑いで切り返しましょう。「じゃまや」と言われたら「あーら、失礼しました」と、どけばいいだけのことです。
 
「クソババァ」と言われたら「反抗期なんてこんなもの」と心で叫んで「なんですか、クソガキさん」とサラリと流せばいいのです。それができない場合、泥沼化する確率が高くなります。
 反抗期の背景を理解するだけで、イライラも腹立たしさも、少しは収まるというものです。
 思春期における反抗期は、子どもの心と身体が急激に変化することによって起こります。変化は危険です。
 彼らには「自立」のときが迫っています。けれど、親との決別は容易なことではありません。子どもは、これまでは、親を受け入れていればよかった。
 身体と心は急激に成長し「早く自立しろ」とあせらせます。短期間に親を断ち切るためには「いい子だった自分」を親にあきらめさせることが必要になります。それが、ひどい言葉や反抗的な態度になって現われます。
 親が「よし来た反抗期。そういう時期なのね」と安定感をもって受け止めることができれば、子どもの反抗はさほどエスカレートしません。
 子どもの反抗を上手にクリアできる親は「大人心」を持っている人です。
 大人の心を持つ人とは
(1)
物事を多方面から考えることのできる人
(2)
思いどおりにならない現実を受けとめ「他人(わが子も含む)は、自分の力で変えられない」と実感できた人
(3)
「事情があって、こういう行動に出ているのだ」と、考えられるようになった人
 思うようにならないわが子を受けとめきれず、自己中心的で、怒鳴り続けている親は「子ども心」のままでしょう。
 
わが子が反抗期を迎えたとき、大人心を持っている親は、子どもの反抗を受けとめられるのです。
 子どもが「反抗期だな」と感じたら、親はどうすればいいのでしょうか。
(1)
過剰に反応しない
 子どもの反抗的な態度や、きつい口調などに対して、過剰に反応しないことです。
 怒ってむりやり謝らせたり、腫れ物に触るようにビクビクしたりはしないこと。
(2)
子どもを「殿様」扱いにしない
 「お願いだから勉強して」「テストで何番になったら、ゲームを買ってあげる」というように、親が頼み込んで、子どもに何かしてもらうという姿勢は見せないほうがいい。
 家庭で「殿様」になってしまいます。
(3)
大人として成長させる
 反抗期が始まったら「自立した大人になってもらおう」という姿勢でかかわってほしいと思います。たとえば、手伝ってもらったら、丁寧な言葉で感謝するようにします。
 親子だから「かたづけなさい」なんて、命令調が当たり前だと思わないこと。「これやってください」と頼みましょう。
(4)
まず親が変わる
 子どもを変えようと思ったら、まずは親自身の言葉や対応を変えることから始めてください。
 反抗期のわが子を変えたいと思うなら、わが子を「よその国から、お預かりした留学生」として扱ってみるといい。「バハア」と言われても、異文化ですから仕方がない。
 あきらめて、通ずる言葉を使ってコミュニケーションをとるのです。ほとんどの問題は解決します。
 子どもに「こういう態度をとってほしい」と思うなら、親がそのような態度をとってください。親が変わるまで、子どもは変わりませんよ。
(5)
子どもが危ないことに巻き込まれそうなとき
 子どもが危ない方向に進もうとしている場合は、ここは親が覚悟してブレーキをかけたり、条件を付けたり、交渉したり、ということは必要な時期だと思います。
 思春期に入ったら、そういうこともあるかもしれないという覚悟はあったほうはいいと思います。
 そういう局面では、親としての絶対軸を示していいと思います。
 取り返しがつかないことについては、起こりうる危険なことは何かを考えて、そっち方向に行きそうだったら、ストップをかける。あるいは膝を突き合わせて親子で話し合うのも大事なことだと思います。
(
菅野 純:早稲田大学教授。専門は発達心理学)
(
菅原ますみ:1958年東京生まれ、お茶ノ水女子大学教授。専門は発達心理学)
(菅原裕子:ハートフルコミュニケーション代表)

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孤立感、孤独感を抱くなどで、子育てに問題が生じる保護者は、子どもにどのような影響を与えるのでしょうか 

 子育てに問題が起きる多くのケースを見ると、孤立感、孤独感を保護者が抱いている場合が少なくない。
 保護者が付き合う人々の中で、自分が認められ、他人から支えられている実感があればよい。
 しかし、例えば、夫婦関係が微妙にすれ違うようになるなど孤立感、孤独感などがあると、子育てに問題が生じることがある。
 子育てのやり方によって、子どもに問題が生じる保護者には、つぎのようなタイプが考えられる。子どもにどのような影響を与えるのでしょうか。
1 わが子が優れていることにこだわり、子どもを支配しようとする保護者
 世間からの評価を重視します。そのために、世間から「よい親」と認められることをめざします。他者の評価を気にするので不安感が高い。
 いわゆるお受験は、その代表である。「よい学歴がなかったら不幸な将来が待っている」という思いにとらわれ「よい子」に育てることに必死になる。
 不安を背景として「よい子」作りに保護者が躍起になると、そこで育つ子どもは、感情を抑制する傾向が強くなる。
 そして、保護者が高い不安を持つので、子どもも不安そのものは高い。
 したがって、感情が一定以上高まると、もはや自分ではどうにもコントロールできなくなる。
 さらに、常に保護者の「指示」にさらされているので、他者を「指示」して、コントロールしようとする傾向も強くなる。
 一見、よい子だが、つぎのようなタイプの子どもが育まれてくる。
(1)
学校でだけ問題を起こす外弁慶タイプ
(2)
一度感情を害すると、なかなか気持ちの修復が効かない
(3)
言葉によって仲間を傷つけて、それが当然であるかのように振る舞う
2 自分やわが子だけが尊重されることを第一と考える保護者
 保護者がわが身だけが尊重されること第一と考える。同じように、わが子も尊重したいと考える。
 子どもを受容し「子どもの感情を害しない」ように考える。
 子どもから「よい親」と思われることをめざす。他者の評価を気にするので不安が高い。
 このタイプの保護者は、子どもの感情を乱すことは嫌で、子どもに嫌われたくない。それゆえ、子どもを叱らず、子どものご機嫌を取ってしまう。子どもの意見を尊重する。
 しかし、本来、子育ては、子どもの、不快な感情や、願いがかなわないときに生ずる、怒りや哀しさを保護者がしっかりと受け止めてあげなければならない。
 子どもが感情を害しても、子どもに「ダメなものはダメ」と言い、保護者はニッコリと笑って、子どもに向き合うようにしなければならない。
 これが、保護者が子どもと向き合い、子どもを受け入れることの本来の意味なのだ。
 だが、子どもの不快感に保護者がうろたえると、子どもは不安を覚える。不安と不満がくすぶり続ける。
 しだいに、子どもの不快感を出すことで、大人を動かす道具になっていく。そこで、ますます大人は、子どもの要求に譲歩をし続ける。
 このようにして、ストレスに弱く、感情のコントロールが苦手な子どもが育っていく。
 いろんな場面で、不快感を出すことで、大人をコントロールしようとする癖を持つ子どもになっていくのである。
3 自分の生き方を優先する保護者
 子どもの世話そのものを疎ましく感じる保護者がいる。
 保護者が「生計を立てる」ことに精一杯で、子育てにエネルギーを振り向ける余裕をなくしていることもある。
 風呂に入っていない、学校に腹を空かせて登校するなど、保護者から基本的な生活上のケアをうけていない子どもがいる。
 このような保護者に育てられた場合、そもそも感情のコントロールの仕方を学ぶことができない。
 生活の基本そのものについても、子どもは学ばないまま捨て置かれているからである。保護者から敵意さえ持たれ、関わりを拒絶されているのだ。
 そこで、子どもは愛情に対する飢餓と、他者に対する不信、さらには強い不安と怒りを混在させるようになる。
(
小林正幸:1957年群馬県生まれ、東京都港区教育センター教育相談員、東京都立教育研究所相談部研究主事等を経て東京学芸大学教職大学院教授。不登校を始め学校不適応、ソーシャルスキル教育、教育相談、教育技術を研究)

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子どもが反抗期で、ちょっと注意しただけでも「うるせぇー」と怒鳴ります、どうすればよいのでしょうか

 中学生になった息子は反抗期で、ちょっと注意しただけでも「うるせぇー」と怒鳴ります。
 こんな息子の言動が理解できず、何を考えているのか聞いても、親には口をきこうとさえしません。
 毎日、はれものに触るようにして毎日を送っています。どのように対応したらよいのでしょうか。
 子どもは反抗期を通して、精神的にも身体の面でも、子どもから大人へと成長していきます。
 反抗の表れ方には個人差があります。子どもの性格、育ち方、親子関係のあり方などによって表れ方が異なると考えてよいでしょう。
 親への反抗が激しい子どもは、理由がなくても常にイライラしています。
 甘えられる、支配できる、信頼できる人には、理由がなくても感情をついぶつけてしまいます。
 後になって「あんなこと言わなければよかった」と、自己嫌悪が起きたりします。さらに自分に腹を立てたりしてしまう。そんなことを繰り返しています。
 この「甘え」は母親に対して最も強く起こります。口をきいても「小遣いよこせ」「めし早くしろよー」「うるせー」の三種類ぐらいで、命令形です。
 そんな子どもの態度や言葉づかいを親がむきになって、直そうと注意しても、反抗期にはほとんど効果はありません。
 反抗期の子どもを持つ親は、対応の線引きをしっかりつければ、気持ちのうえでも楽になります。線引きのポイントは、
(1)
小学生あつかいしない。中学生として許せる範囲をひろげる。
  その分、責任も生じることを日ごろから理解させておく。
(2)
外食に、親と一緒に行くか、行かないかなどの、非社会的なことは、本人の意思を尊重する。
(3)
法律に触れる行為には、親が絶対に許さない姿勢が大切です。
(
牟田武生:1947年生まれ、民間教育施設「教育研究所」を設立し、特に不登校の子どもの援助活動を中心に行う実践家)

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子どもが問題行動をしたとき、子どもを理解して叱るためにはどうすればよいのでしょうか

 まず、子どもの起こした問題行動に対しては、親自身が心を平静に保つことが求められます。そのためには
「ア」:あわてない
「イ」:いらいらしない
「ウ」:うろたえない
「エ」:遠慮しないで、全容が分かるまで冷静に話を聞く
「オ」:怒らない。何も理解しないうちに子どもを怒らない。
「ニ」:逃げないで、子どもと一緒になって解決していきましょう。
 問題が起こった時には、その背景を理解することによって、子どもの心の動きや問題の深さがわかります。そしてそのことが、今後の問題行動の予防にもなります。
 子どもが悪いことをしたら
「そのような悪いことをする気持ちがどうして起きたのか」
「どうして、そのような間違った行動をしたのか」
「その時、葛藤、苦しみ、良心の痛みがなかったのか」
を親が理解し、子どもの問題点を整理することが大切です。
そのためには、
「カ」:過去のことを整理する。問題行動に関連する過去のことを整理しましょう。
「キ」:気持ちを聞く。感情を深く分かってあげる。
「ク」:苦しみを理解してあげる。
「ケ」:結論をなぜ出したのか。
「コ」:行動した気持ちや思いの変化を考える。
 そうすることの中に、子どもが自然と誤りに気づくテクニックが潜んでいるのです。
 子どもが問題行動を起こした時に、その気持ちや苦しみを親が理解して「誤りを正す」のと、何も理解しないで「頭から誤りを正す」のとでは、親と子どもとの信頼関係は全く異なってきます。
 最後に、「悪いものは、悪い」と、親の考えを明確に伝えることにしましょう。子どもを叱るときには、
「サ」:先取りした注意をやってはいけません。
   「もう一度、同じことをしたら承知しないよ」
   といった、先取りした注意は「親は私のことを信用していない」と、子どもの心を傷つけます。
「シ」:しっかりとした態度で叱る。
「ス」:すっきりと分かりやすく。
「セ」:責任の所在を明確にする。
「ソ」:「相談はいつでものるからね」と伝えてあげましょう。
 たとえ、親が受容し、子どもを理解しても、子どもに反省がなければ、人間として成長できません。悪いことをしたときは、子どもを叱ることが必要になります。
(
牟田武生:1947年生まれ、民間教育施設「教育研究所」を設立し、特に不登校の子どもの援助活動を中心に行う実践家)

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子どもと関わるときに、してはいけないこと、すべきこととはなんでしょうか

 昔から言われている子育ての知恵をごぞんじですか。
 乳児は肌を離すな。幼児は肌を離して手を離すな。少年になったら、手を離して目を離すな。青年期に入ったら、目を離して心を離さないようにと。
 思春期の子どもと向き合うときに、してはいけないことがあります。
1
 子どもと対等になって衝突しない
 子どもが罵詈雑言をぶつけてきたときカチンとくるのは、子どもと同じ精神年齢になっているからです。子どもと同じレベルになると、衝突が起きるので、同じレベルにならないことが大事です。
2 子どもを傷つける言葉を使わない
 今の多くの子どもたちは荒い言葉を使います。子育てで「荒い言葉しか、かけられてこなかったのだろう」と私は思います。大事にされなかった子どもは、相手を大事にすることができません。
 子どもに優しい言葉をかけるようにしてください。
3 ガミガミ言わない
 過去にさかのぼって怒らない。話が長引くと、いやになってしまいます。目の前のことだけを短く(3分以内)さとすこと。
4 子どもを追いつめたり、つきはなしたりしない
 やりすぎは禁物です。「勝手にしなさい」といった言葉は子どもの心を深く傷つける。
 子どもが思春期になれば、安心して生活できる環境を整えましょう。「待ってやること」が大事です。
 だから、距離をとって「いつも見守っているよ」というメッセージは伝えてください。
 大人が子どもに話を聞いてもらいたいのであれば、大人が子どもの思いを聴いてやることです。そのうえで話すと、最低ひとつは、子どもの心に入っていきます。
 子どもの問題行動に大人の問題が隠れていることはよくあります。
 大人がそれに気づくと、子どもへの対応が違ってきます。大人が自分をふり返り、ありようを考えることで、再生のきっかけになることはたくさんあると思います。
 子どもを変えようと考えないで、大人がちょっとした工夫や努力をしてみてください。子どもの態度にも変化が生まれてきます。
 気持ちが揺れる思春期だからこそ「ほめる、認める」が必要なのです。そのためには
 まず、子どもにまなざしを注ぎ続ける。つぎに子どもの言葉にじっと耳を傾ける。
 そうすれば、必ずといってよいほど、ほめるべき言葉が出てきます。子どもをほめていくうちに、大人の喜びも増えるはずです。
 「どうせ自分なんて」と口ぐせの自己肯定感の低い子どもには、できてあたりまえのことでもほめるようにします。
 そういう子どもたちは、反抗的な態度をとって強がっていても、精神的には弱りきっています。
 成長するには水やりが欠かせません。ほめることは愛情という水やりです。
 Iメッセージで「がんばりを見ていて、私も励まされたわ」と、子どもの行動をどう感じたか伝えるとよい。
 できるだけ肯定語で「さとす」ことも大事です。「○○するな」ではなく「○○しようね」とか「○○をしてみるといいよ」という言い方を心がけましょう。
 何よりも大事なのは、叱った後には、その何倍も「その子の良いところ」をほめてあげることです。大人が「心から心配しているんだ」というメッセージが伝わってこそ、子どもは素直に謝ることができます。
 子どもと向き合うとき私が心がけていることは、声を荒げないこと。目を見て話すこと。
 声を荒げると、子どもも声を荒げます。強い言葉を出しても、子どもの心に入っていくわけではありません。
 目を見て穏やかに話すことは、子どもと向き合う出発点です。「私はこれをあなたに伝えたいのよ」という思いを込めてていねいに話してください。
 そして、必ずほめて終わること。「最後までよく聞けたね」「がんばったね。ご苦労さん」と声をかけて終わります。
 子どもの自尊感情を高め、お互いの絆を確かめる言葉かけは、とても大事です。
(
土井高徳:1954年福岡県生まれ、里親。心に傷を抱かえた子どもを養育する「土井ホーム」代表)

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