カテゴリー「子どもの成長をはかる」の記事

子どもたちの自己肯定感を伸ばすにはどうすればよいか

 自己肯定感とは、自分の価値や存在を、自信を持って認める力のこと。
 人生で困難に直面した時、前向きに生きる力の源になる。
 どうすれば、子どもたちに自己肯定感を育て高めることができるのでしょうか。
 自己肯定感を高める取り組みを実践している学校を紹介する。
 山梨県の船津小学校の4年3組は、帰りの会で、日替わりで黒板の前に立つ子どもをみんなで良いところをほめる「今日のきらり」を実践している。
 例えば「優しい性格です。理科の実験の時に手伝ってくれました」と、全員がほめる。
 全員が発言を終えると、担任がほめる。校長は、
「社会で通用する人間を育てるには、自分の存在を認められる経験が必要」
「認められることで、自分らしさを発揮し、様々なことに挑戦できるようになる」
「欠点ではなく、良いところを見つける力がついた」
と話す。
 他人からほめられる以外に、どんなことで自己肯定感が高まるのだろうか。
 ベネッセ教育総合研究所等の調査結果によると、
「将来の目標が明確になった」「勉強が好きになった」「自分のクラスに愛着を感じるようになった」
と答えた子どもは、自己肯定感が高まる傾向があった。
 気を付けたいのは、保護者や教師など周囲の大人の自己肯定感が低いと、子どもも自己肯定感が低くなりがちだということだ。
 自己肯定感が低いと他者を大切に思うことができず、いじめをしてしまうこともある。
 自分を認める力である自己肯定感は、子どもたちが新しいことにチャレンジし、逆境でも負けずに成長するために大切な力として、教育現場でも注目されている。
(読売新聞2019年11月5日朝刊記事)

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授業中にトイレに行ったり、忘れ物をくり返す子どもがいて、対応に手をやいています、どうすればよいのでしょうか

 基本的生活習慣は、まず家庭で身に付けるものです。
 そして、一人ひとりの子どもが基本的生活習慣を身に付けたうえで、集団としての生活習慣を身に付けさせるところが学校です。
 しかし、保護者の価値観が多様化するなかで、子どもの好きなようにさせることが個性や主体性を育てることになると勘違いしている保護者が多いことも事実です。
 小学校に入学する前に身に付けさせておきたい基本的生活習慣については、どの小学校でも、新一年生の保護者会で説明をします。
 しかし、説明会に参加しなかったり、話を聞いても子どもが言うことを聞かないと、あきらめてしまう保護者もいます。
 教師が基本的生活習慣の重要性をしっかりと認識し、それを保護者に粘り強く説明し協力してもらうことが何より必要です。
 できれば、一年生のうちに保護者の協力を得て、しっかりと身に付けさせておきたいものです。
 まず、基本的生活習慣が身に付いていない具体的な事実をていねいに保護者に伝えるとともに、子どもの力を十分に発揮させるために、身に付けさせることの必要性を説明し、協力を求めることが大切です。
 家庭での様子を教えてもらいながら、学校での様子を具体的に伝え、一緒に力を合わせて子どもの力を伸ばしていきたいという気持ちをしっかりと伝えます。
1 連絡帳や電話を活用する
 基本的生活習慣が身に付いていない原因を探るために、連絡帳や電話を活用します。
 授業中にトイレに行くような場合には、休み時間に必ず声をかけて、トイレに行かせてから遊ぶようにして様子を見ます。
 その結果を連絡長や電話で知らせます。もちろん、家庭での様子も見てもらい、連絡を取り合います。病気かも知れないからです。
 忘れ物をする場合には、連絡帳に持ち物を必ず書かせて保護者に毎日、連絡帳をチェックしてもらいます。そして、様子を見ます。
 いずれにしても、体が病気なのか、精神的な原因や学習障害があるのかなど、原因を見極めることが必要です。
 そして、その見極めは担任だけでなく、養護教諭や教育相談担当教師、スクールカウンセラーなどに相談しながら進めます。
2 養護教諭、教育相談教師、スクールカウンセラー等と連携する
 保護者とのかかわりは、担任一人だけでなく学年主任や養護教諭、教育相談教師、スクールカウンセラーなどと協力して行いたいものです。
 そのためには、早めに相談し、子どもの様子を見てもらいます。
 受診する必要があったり、専門機関にかかった方がよいと判断されたりする場合には、養護教諭、教育相談教師、スクールカウンセラーと一緒に保護者に対応します。
 子どもの力を伸ばすためであるということを伝え、説得にあたり、納得してもらうことが大切です。
3 学校全体で取り組む
 基本的生活習慣は、低学年のうちにしっかりと身に付けさせておきたいものですが、生活指導部などを中心に子どもたちへの指導の徹底を共通理解するとともに、保護者への協力を求める具体的な方法を考えます。
 寝不足や遅刻が多いなど、生活リズムを付けさせたいときは、1週間「生活リズムチェック表」に取り組ませることが効果的です。
 寝た時刻や起きた時刻が守れたか、朝食を食べたか、歯磨きができたか、体調などを子どもたちに記録させ、保護者にもコメントをもらいます。
 また、あいさつの習慣などは、年間を通して指導するだけでなく、近隣の小学校と一緒に「あいさつキャンペーン」の取り組みをして効果を上げているところがあります。 
(岡野由紀枝:元東京都公立小学校校長)

 

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勉強ギライが治る英語の勉強法とは

 英語の学習のポイントは、モードチェンジのおもしろさです。
「ファンタスティク」とか「オフコース」「リアリィ?」などをドンドン入れて、英語で話していると日本語では味わえない、頭や体のモードにチェンジしますし、雰囲気が盛り上がってきます。
 英語の嫌いな人って、ほとんどは単語を覚えるのが嫌いな人じゃないでしょうか。
 でも、英語の基本は単語力です。これがなければ何も始まらない。
 単語を知らないと、英語を楽しめません。単語を覚えてしまうと、ストレスが非常に減るんですね。
 単語は、記憶力の良し悪しは考えないで、とにかく覚えるしかないというのが結論です。
 単語をたくさん、どんどん覚えていく方が、効率がいいのです。一日に5個や10個ずつ着実に覚えたつもりでも、1か月後には忘れていますから。
 忘れても、それ以上に覚える。人の頭は、どうせ穴のあいたバケツみたいなものだから、忘れた分の以上にまた覚える、というのをくり返す。
 単語の暗記は、卓球でひたすら素振りをするようなもの。これがないと、体が動くようにならない。
 単語をマスターしたら、ストレスのない英語の世界が開けてきますよ。
 英語の学習で身につける必要があるのが、単語力と構文力です。
 構文の違いにつまずく人も多いですね。でも、やっているとパズルを解くようで快感があるんですよ。
 構文をやるときは、まず中心になる主語や動詞を見つける。それ以外の関係代名詞などは全部カッコに入れてしまう。
 すると、全部の単語はわからなくても、おおよその意味が見えてきます。
 そういう練習をしていると、英語的な語順がわかってくるのです。
 たとえば、日本語の単語で「~は」と「~である」の語順はすぐわかるでしょう。こういうのが英語でも身についてくるのです。
 英語の勉強の仕方としては、まず訳を読んでおく。それから英文を音読するのがいいと思いますね。
 意味がわかって英文を読むと、落ち着いて読めるのです。イメージができているところに言葉が張りついていくので、言葉が定着しやすい。
 さらに、日本語の意味がわかっていると、英語ではこう表現するのかという、英語らしさを味わえる。
 日本語で訳された本を読んでから、英語の本を読む。英語というものを楽しめるはずです。
(齋藤 孝:1960年静岡県生まれ、明治大学教授。「身体感覚を取り戻す」で新潮学芸賞を受賞。専門は教育学、身体論)

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勉強して成績が上がるための技とコツとは、どのようなものでしょうか

 勉強をやっても成績があがらないという人がよくいますが、それはやり方に問題がある場合が多いと私は思います。
 勉強のコツと技を押さえておけば、勉強の効率はかなりアップするでしょう。
 本は、本という物として見ないで、人との出会いとしてとらえる。そう考えるだけで、ずいぶん変わってきます。
 私は参考書に対して、その本を書いた著者につきあっている感覚でやっていました。
 著者があたかも肉声で教えてくれているという感じが全面に出ているものを探すのがいいですね。
 すると、本で勉強するという無機質な感じが薄らいできます。
 有名な予備校の先生の本などは「もし、この先生に家庭教師してもらったなら、すごく高いよな」と思って読むと、さらにやる気が出ますね。 
 問題集は自分には効く、というものを探しあてると、すごく楽しくなります。作った人の感覚が自分に合うかどうかという相性があるのです。
 学力をアップさせる基本は、とにかく問題を解くこと。どれだけ勉強ができるようになるかは、解いた問題の量なのです。
 参考書と問題集を兼ね備えたような解答が充実している問題集がいい。
 解答は、どうしてそういう答えになっているのか、丁寧に解説してあるのが理想的な問題集です。
 問題集の勉強のやり方は、すぐに解けた問題はやらなくていい。できなかった問題は印をつけておいて、できるようになるまで何度でもやります。
 わからない問題は、あまり長く考えずに解答をすぐ見て、理解して記憶し、もう一度やる。
 しばらくして、同じ問題をやると、答えを忘れて解けないときは、また答を見る。
 そうやって、できない問題ができるまでくり返します。
 できなかった問題をできるようにしなければ学力は決してあがりません。
 予習をすると、すごく勉強の効率がアップします。授業中、わからずジーッと聞かされると苦痛を感じる。それが予習で少しでもわかっていると全然違う。
 試験勉強は、ほとんどが暗記です。記憶力は向上するものです。
 単語なら、0から100語を覚えるまでは大変ですが、1000語覚えた人が1100語目を覚えるのは簡単です。覚えるコツがわかるようになる。
 だから暗記が苦手という人も、きっとアップするという強い自信を持つべきです。
 舞台役者さんたちは、1000行のセリフを間違えずに言いますよね。彼らは勉強が苦手だったという人が多い。そこに暗記のヒントが見えてきます。
 それは声を出すということ。これが効果的なんですね。役者さんも、セリフを声に出して読むのが暗記のコツになっているのです。
 次に書くこと。メモを取ることが記憶させる基本です。メモを取ると、頭の整理がついて情報の吸収能力がグンと上がります。
 色の記憶というのはバカにできない。間違った問題の解答は赤で、教科書に線を引く。ノートも色を使って書くと、重要なポイントがひと目でわかる。
 図で覚えると、理解度が深まって頭にスンナリと入ってくる。図は記憶に残るものです。
(齋藤 孝:1960年静岡県生まれ、明治大学教授。「身体感覚を取り戻す」で新潮学芸賞を受賞。専門は教育学、身体論)

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勉強ギライが治る国語の勉強法とは

 勉強が社会で役立つかというと問えば、国語は社会で使い続けるので、国語は確実に役立つと断言できます。
 国語の能力が高いと、仕事の効率もいいし、仕事の幅も広くなる。国語は最も勉強する意味のある教科と言えます。
 ふだん「この人は、頭がいいね」と言われる、その頭の良さは、国語力によるものと私は思っています。
 具体的に言うと、頭の良さとは、国語で問われる「文脈力」によるものです。
 国語でよく「これはどういう意味でしょう」という問いがあります。
 それは「前後の文章から考えて、どういう意味に推測できますか?」という意味である場合がほとんどです。
 それは「どんな背景があるのかな」とか「こう物事を進めたいんだろう」と、推測する力、それが文脈力です。
 前後のヒントから、結論や相手の考えが早く正確に理解できる文脈力のある人は、仕事ができるものです。
 国語は勉強の仕方がわからないと言われています。また、答が絶対的でなく、あいまいなものであるとされています。
 しかし、国語力が高く、成績がいい人にとっては、答えはひとつなのです。
 国語の問題は、出題者との対話とも言えます。
「出題者が、課題文をどう読んでほしいか」を理解するのが、国語ができるということなのです。
 つまり、出題者が「この文章は、こういう読み方をしろ」と言っているわけで、その意図を正しくくみ取ることができれば正解になります。
 国語力をつけるには主観的に読むだけではダメです。出題者の考えをつかんで文章を読む。これは、思考を客観的にする作業なのです。
 文脈力を問う問題を解くコツは、途中ちょっと飛ばしてもいいから、最後までまず読む。
 1回読んでわかるものは問題にしません。3回くらいザーッと通して読んでみると「ああ、そうだったのか」と見えてくるものです。
 多くの問題は、傍線部の近くにヒントがあります。その付近を重点的に調べる。キーワードと思われるものに丸をつけて、囲みながら読む。
 何文字以内という設問なら、このあたりが大事だなというワードを四角で囲むのです。
 そうやって問題を解く練習をする。国語も問題を多くこなしていけば、できるようになります。
 国語は意外と問題を解くことがなおざりにされがちな教科です。
 国語の勉強の仕方がわからないと言っている人は、たくさん問題を解くことです。高校入試やセンター試験の過去問は最大の宝庫です。使わないのはもったいない。
(齋藤 孝:1960年静岡県生まれ、明治大学教授。「身体感覚を取り戻す」で新潮学芸賞を受賞。専門は教育学、身体論)

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子どもたちの(スポーツ等での)心づくり指導はどのようにすればよいのでしょうか

(1)子どもたちの心づくりを成功させるためには「心を使う」(目標設定、イメージの原則)
私は、オリンピックの金メダリストたちの分析で、心の大切さを知った。
「どれだけ強烈に自分は勝つと思っているか」
最後は、その心の強さで決まる。勝つ秘訣は「心づくり」です。
心を使うとは「書く」ということです。
目標設定用紙に書いて、目標を立て、達成のための方策、予想される問題点、解決策などを考え書く。
本当にハッキリするまで書くということです。
(2)心を強くする(できることの継続と特例禁止)
登山家の講演会でヒントをもらった「継続」です。
毎日、自分が決めた家のお手伝いを三年間つづけさせます。そして、教師に報告します。
(3)心を整理する(過去の中の後悔、未来への不安の解消)
自分ではどうすることもできない未来のことや過去の後悔などに、心が縛られて萎縮してしまうことがある。
いまの楽しさだけを求めてしまうこともある。
そういう心のマイナス要素を整理して、気持ちを未来に持っていくこと。
そのために役立つのが日誌です。日誌に、その日の反省、明日やるべきこと、自分の決意などを書きます。
私は子どもたちの日誌を読んで、必ずコメントを書いていきます。そうすることで、その子の持っているエネルギーを前に押し出すための後押しができるのです。
(4)心をきれいにする(感謝の心。奉仕活動。清掃活動。エコ活動)
感謝の気持ち、謙虚な心を養うことです。
スポーツで優勝しても天狗になっては意味がありません。自分の力だけで勝ったという傲慢で利己的な発想を排除すべきものなのです。
「ありがというございます」「おかげさまです」の心を育てるために、子どもたちに清掃活動(大会会場の清掃)や奉仕活動をさせています。
(5)心を広くする(生き方ノウハウの提供、自利即利他の原則)
強い選手、日本一になれる選手ほど、嫌がることなく真剣に仲間をサポートします。決して利己的な態度、言動はとりません。
そういう精神を持っている子どもこそ、自立型人間と呼ぶにふさわしいと思います。謙虚であるということです。
 そして、次の四つの方法で実践しています。
 それぞれ「プラン、ドゥ、シー、ショウ」に落とし込んでいきます。
 プラン・・・・目標を決め、計画を立てる
 ドゥ・・・・・・実行する
 シー・・・・・・検証する
 ショウ・・・・公表、共有する
(原田隆史:1960年生まれ 20年間大阪市公立中学校教師、教師塾主宰を経て原田教育研究所社長。大阪市立松虫中学校を態度教育・価値観教育・自立型人間育成教育により建て直し、陸上競技では7年間で13回の日本一を達成した)

 

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子どもたちのよさを引き出す「魔法の質問」とは

 教師が自分から、子どもにかかわっていくことができ、短時間で子どもたちのよさを引き出すことができる方法です。
 例えば、友だちとうまくいかずに悩んでいる子が、相談に来たとしましょう。
 そのとき、次のような、子どもたちのよさを引き出す「魔法の質問」を行うのです。
魔法の質問1
 奇跡が起きて、すべての問題が解決したらどうなるのかなあ、とたずねる方法です。
「もし、あなたがひとばん寝たら、すべての問題が解決しているとしましょう」
「奇跡が起きて、すべての問題がひとばんにして解決してしまうのです」
「そうしたら、あなたはどんなあなたになっているでしょうか」
「あなたは、どう振る舞っているでしょうか」
 すると、その子の持っている一番いいところが引き出されると考えます。
 つまり、
「奇跡が起きて、ひとばん寝ている間に、すべての問題が片付いちゃったら、どうなるのかなあ」
と質問する中で、その子のいいところを引き出していくのです。
魔法の質問2
 子どもたちに自分の状態を「今、何点かな」とたずねていく方法です。
例えば
教師「〇〇ちゃん、先週の水曜日、最悪だったんだよね」
  「先週の水曜日が0点だとしたら、今の〇〇ちゃんは何点かなー」
〇〇ちゃん「4点くらいかなー」
教師「じゃあ、0点と4点とは、どう違うの?」
  「4点を5点にするためには何ができるかな」
このように聞いていくわけです。
 つまり、最低の状態が0点だとしたら、今は何点で、そこからまた1点あげるためには何をする必要があるかを聞いていくのです。
(諸富祥彦:1963年生まれ、明治大学教授,臨床心理学、カウンセリング心理学、現場教師の作戦参謀としてアドバイスを教師に与えている)


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生徒をやる気にする、きっかけとなる言葉にはどのようなものがあるか

 生徒はとてつもない可能性を秘めています。その可能性を引き出すのが教師の仕事です。
 可能性を引き出すきっかけをつくるのが教師の激励です。
 私は生徒たちを毎日激励してきました。生徒には良い考えを毎日伝え、幸せな人生を歩んでほしいと思っています。
 人間ならば、どんなにやんちゃな生徒でも必ず人の魂は伝わると信じている。
 教師と生徒は共に、泣いたり、怒ったり、笑ったり、生活を通して信じられるようになっていく。
 その場面、場面に生徒の成長をもたらす教師の言葉がある。 
 生徒は、教師の言葉によって「人間になる」のである。教師もまた「本当の教師になる」のである。
 生徒と過ごす多くの時間がそのことを私に教えてくれた。
 生徒をやる気にするきっかけの教師の言葉にはどのようなものがあるか。例えば
1 クラスをよくすることば
(1)
勉強が好きで学校へ来ている人はいない。みんな友だちと一緒に何かできるのが楽しくて学校へ来るんだよ。
(2)
どんなに悪いと思う出来事も、それは自分たちのクラスが良くなるために必要なことなんです。 
 全ての出来事は、自分たちの学級が、今よりも良くなるために必要な出来事である。
 問題を解決する行動を続けるかぎり、どんな学級も必ずよくなる。
 このことを何度も生徒に話すことだ。事件が起こるたびに、エピソードを変えて何度も何度も話す。
「友情、本気、全力」など、生徒が人間として成長し学級を良くするために必要なことは何度でも語る。
2 友だち関係を良くする言葉
(1)
友だちが大失敗します。それはなぜだと思いますか。それはね、自分が悪いことをしてみんなに、こんなことをするとダメなんだ、ということを教えてくれているんです。それをムダにしちゃいけない。
 失敗する仲間がいるから、自分たちは学べることがあることを話す。
(2)
友情は特別なもんじゃない。友だちの話が聞けるということは、友だちの存在を認めているということです。友情というのは、そういうささいなことの積み重ねで築かれます。
3 勉強をやる気にする言葉
(1)
勉強ができるようになるのは難しいことではない。先生の話を聞くこと。先生の言った通りにやってみること。それをやらない人ができなくなっていく。
(2)
誰でもできることを、できるときに、できるところまでやる。
(3)
やればできるようになる。何もやらないと何の進歩もない。
(4)
人の話をよく聞いていないと、だまされやすい。
(5)
できなくともチャレンジすることが大事。
(6)
続けることはあきらめないこと。あきらめないことは、夢をかなえること。
 習慣になるまで教師は励まし続けること。決してあきらめない。
4 掃除をやる気にする言葉
(1)
掃除を好きな人はいません。みんな掃除はめんどうくさいし、嫌なことなんです。そういう人が嫌がることを頑張っていると、必ず良いことがあります。
(2)
掃除に人柄が現れます。掃除ができる人は信用されます。
(3)
掃除は心遣いです。掃除をしている仲間が見える人は、仲間が悩んでいるときに気づける人です。
(4)
トイレには神様がいます。頑張っている人を神様は見ています。
 どんな掃除が良い掃除なのかを教師が示しながら生徒に語る。
5 もう一人の自分に克つことを教える言葉
(1)
人は誰でも、毎日、もう一人の自分と闘っている。
(2)
大事なものは、心の目で見ないとみえません。
(3)
弱い自分から目を背けぬことです。逃げたらだめです。
 自分のダメなところ、嫌なところを見つめていくことでしか、人は成長できないことを生徒に伝える。
(
垣内秀明:1965年長野県生まれ、長野県公立中学校教師。教育サークルTOSS中学信州代表)

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子どもの知的興味を引き出すにはどうすればよいか

 子どもの知的興味を引き出すには
(1)
こんな子どもだから(能力の実態)
(2)
こんな教材を使って(能力にマッチした教材)
(3)
こんな指導をして(子どもに合った指導法)
(4)
こんな力をつけたい(目あてを鮮明に)
ということを考えて授業を組み立てることである。
 学力低下が叫ばれているのは「こんな力をつけたい」という目当てを鮮明に持って授業を行っていない実態があるからだ。
 何をしているのかわからない、遊びのような授業が多すぎる。
 子どもの能力や実態、興味・関心・欲求といったものを把握すれば、この能力実態を向上させるべく「何としても、これだけは教えたい、考えさせたい」という教材が鮮明に見えてくる。
 例えば、歴史的な用語に興味・関心を持っていないとすれば、面白い用語を教材として選定し、それに付加価値をつけることだ。
 大和朝廷の学習をしているときならば「大和昼廷」「大和夕廷」「大和晩廷」というものがあったのだろうか、と投げかければ、子どもたちは必ず膝を乗り出してくる。
 実は、私が子どもから授業中に質問されたことなのである。
 子どもたちは「これは面白い、聞いたこともない!」と燃えた。
 私も燃えたが正解はわからなかった。それで必死に調べた。
 その結果、当時の国家公務員は、午前中しか仕事がなく、昼前には家に帰ったということがわかった。
 だから「朝廷」なのであった。
 それ以降、子どもたちは「歴史用語」に興味を持つようになった。
「貴族とは」「荘園とは」というように「はてな?」を持つようになった。
「卑弥呼は、固有名詞か普通名詞か?」「正倉院は、固有名詞か普通名詞か?」といったことにも興味をもつようになったのである。
 子どもたちは、興味を持てば、必ず調べる。
 しかし、調べるとき行き詰まる。そこで「(3)こんな指導をして(子どもに合った指導法)」というところで、調べ方の指導が必要になる。
 私は「このことは、どのようにして調べたらよいか?」と、調べ方をみんなで考え合う授業もした。
 これは「(4)こんな力をつけたい(目あてを鮮明に)」ということが、はっきりしているからである・
 つまり「多様な調べ方を身につけさせたい」ということであり「面白い『はてな?』をみつけさせたい」ということである。
 授業を組織するとき、(1)(2)(3)(4)のことが、はっきりと指導案の中に見えるようにしておくと、知的な興味を引き出したり、伸ばしたりすることができる。
 これに私たち教師は、こたえる授業を組織しなければならない。
(
有田和正:19352014年、福岡教育大学附属小倉小学校、筑波大学付属小学校,愛知教育大学教授、東北福祉大学教授、同特任教授を歴任した。教材づくりを中心とした授業づくりを研究し、数百の教材を開発、授業の名人といわれた
)

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学力を身につけ勉強大好きという子どもに変えるには、どうすればよいのでしょうか

 計算練習をやっても、たいして頭を使うわけではないし、考えをつけるうえでほとんど役に立たない。だから文章題とか、もっと難しいことをやらないと頭がよくならないと思っている人はとても多い。
 おそらく9割以上の人はそう思っていることでしょう。そういう思いは、親だけでなく、多くの教師もそう思っています。私もそうでした。
 しかし、川島隆太教授()が、ごく単純な計算に取り組むと、計算をつかさどる左頭頂葉だけでなく、前頭葉・頭頂葉・後頭葉と、脳全体が活動していることが発見されたのです。
 脳神経細胞同士のつながりが強化され、太くなり情報が非常に流れ易くなっていく。計算練習は、まさにそういう働きをする勉強でと言えます。
 読み書き計算の力は、毎日毎日の短時間集中型の勉強を継続して取り組むなかで、子ども自身がびっくりしたり、感動したりするほど、目覚ましく伸びていくのです。
 学力を身につけるには、毎日、ほんの少しの時間でよいのです。そう、小学校一年生であれば、日に10分、三年生なら30分、六年生であれば60分、それだけの時間を、読み書き計算の練習に当てるのです。
 こつこつと続けてさえいけば、一学期間に驚くばかりの伸びを示します。この体験は、子どもを勉強大好きという子に変えていきます。取り組んだ子には、自信と誇りをもたらします。「やったらできる子なんだ」と、その子の人格の発達に好影響を及ぼします。友だちに親切で、学級の仕事もよくやり、信頼される子どもへ成長します。
 子どもたちの未来は、確かな読む力、書く力、計算力という学力の基礎をしっかりと身につけるかどうかにかかっています。
 読み書き計算という地味な勉強は、子どもが根気よく、粘り強く、勉強や仕事を続けていく心性を育てあげていく効果的な学習です。読書好きの子にすること、書き取りの練習を毎日続けていくこと、計算が正しく早くやれるように、こつこつ勉強を積みあげていくことは、学力と人格をつくりあげていきます。
 読書は、文字や文章を読むことによって、新しい知識や考え方を吸収していくことができます。内容そのものは、活字を読むことを通して理解していくのです。ということは、書かれている文章の中身を明確にイメージ化しないと理解できないということです。
 テレビといった映像文化は、読書という文字文化に比べると易しい文化です。目で見、耳で聞くことを通じて瞬間的にわかる文化です。
 文字文化は、読み書き計算といった学力の基礎を身につけなければ理解すらできません。その習得には月日がかかり、相当な習練を要します。その獲得の過程では、集中力・持続力・継続性といった力がしっかりと身についてきます。
 貧しい家庭の子どもでも、多少恵まれた家庭の子どもでも、学力や人格が発達するするためには、学力の基礎としての読み書き計算の力が確かであるということが土台になります。それなくしては、高い水準の学力や知性をわがものとすることができません。
 学力を身につけるには、毎日、ほんの少しの時間でよいのです。そう、小学校一年生であれば、日に10分、三年生なら30分、六年生であれば60分、それだけの時間を、読み書き計算の練習に当てるのです。
 漢字は新しく教わるとき、漫然と同じ字を百字帳に書き続ける練習は効果があがりません。できれば、その字の成り立ちや意味もいっしょに教わると、たいてい一生の間、その記憶は保持されます。
 漢字が読めるというだけでなく、書くことも、その意味も、そして文の中での使われ方も併習させていくことが適切なやり方です。
 実際の文章の中での使い方も一回きりではなく、日を置いて何回か練習させたり、別の使い方をすることによって、子どもの身についた力に体化していくのです。
 物語文学などの読み物は、子どもの心を豊かにします。優しさ、思いやり、美しさや正しさなどを教えてくれます。すぐれた感動的な物語を読むことで、他の本も読みたくなったりするものです。
 文学の授業では、子ども同士が自分の体験に照らしあわせての意見や感想を出しあうことで、教師も含めて、その作品を深く理解していくことができるのです。せかせかした授業では、決して読み物好きの子にすることはできません。
 日本語では概念的・抽象的思考をするとき、必ずといってよいほど熟語を使います。熟語の意味が分からないでは、読み通すことすら困難となります。
 計算の練習も、やはり広い意味での世界を認識するうえでの初歩的な勉強になっているのです。
 例えば、小数や分数を教わるとき、それまでの四則演算だ得た認識では、想像もできなかった数の世界がひらけてきます。小数で、1より小さくて、0より大きい数があるということを知ります。
 また、ある数に小数をかけると、答えが元の数より小さくなってしまいます。これは、子どもにとっては、全く新しい世界の発見であり、知的ショックそのものとなります。
 計算力も算数の学力を伸ばすうえで、分析と総合の能力をつけていく大切な勉強なのです。
 特に顕著なのは、わり算練習です。これは全体と部分をつかむ力、それに分析と総合の力なしでは、正しい答えを求めることはできません。例えば、61403÷768を計算するとき、正しい答えは8よりもちょっと少ないかなと見極めてから、実際の演算に移ります。暗算で概算して、見当をつけてからやると桁間違いしません。
 習熟してくると反射的にできるようになりますが、そこまでになるには、反復練習を続けて練習しないと、すらすらできるようにはなりません。
 わり算が自由自在にできる域に達した子は、算数のよくできる子になります。その反対に、わり算でつまずいた子は、勉強の嫌いな子になっていきます。
 計算力は、練習密度の濃さに比例して伸びていきます。だらだらとしたやり方では力はつきません。わきめもふらず少なくとも10分は集中して続けます。それを毎日やっていくことです。
 かけ算九九は、ゼロの段を含めると全部で100題あります。その100題を正しく書き切るには、小学2年で2分、3年なら100秒で完答します。この速さでやれるようになるには相当量の練習を積まなければなりません。10000題は必要です。多いように思われますが、10分で500題やれる子であれば20日でできます。
 家族の人よりも速くできれば、大喜びするようになります。勉強嫌いだった子も勉強大好きの子に蘇えってくれます。この100マス計算は、子どもに自信を持たせる最良の勉強法です。
 最も基本となる一けた同士のたし算や、くり下がりのある15ひく7といったひき算には、いろいろなやり方があります。他の友だちの知らないやり方を見つけたり、いろいろと工夫して発見した方法を発表すれば、先生も、友だちも心からほめてくれます。子どもの向学心を高めてくれます。
 計算の練習に時間を浪費すべきではないといった考えの教師や大人は意外に多いですが、実は漢字や計算の練習によって、能力や勉強への気力を格段に高めていくのです。
 学力の優劣は、学力の基礎である読む力・書く力・計算力にほぼ規定されます。学力の高低は、その土台である言語能力によってほぼ定まります。なかでも、書きことばにどれだけ習熟し、活用できるかが学力の指標になります。
 書きことばの習得は、教科書だけでなく、広汎な読書への取り組みによってなされます。
 小学校4年あたりからは、学校で教わる勉強も、日常的・体験的な世界から、非日常的・理論的・抽象的な勉強が多くなってきます。そのとき用いるのが、漢字の合成によってできている概念語・抽象語です。漢字は、論理的・抽象的思考の世界へ向けて、子どもたちを離陸させるうえで不可欠な力として機能します。
 計算も、いままでとちがった小数とか分数など日常的に使わない数などが出てきます。計算練習は、抽象度の高い考えや処理ができる能力がおのずと発達してきます。
 毎日こつこつと学級で10分ほど、また家庭でも10分ほど基礎基本の計算練習をしっかりやっていくと、やがて小学生なのに、大人を追い越すぐらい正しく速くできるようになります。
 計算練習を毎日の基本的な生活習慣として取り組ませるとよい。計算は練習の過程で、努力や集中力にほぼ比例して、正確性と敏速性が上伸します。その中で計算のやり方や意味も分かるようになってきます。
 計算練習は、打ちこみの度合い応じて、計算力がぐんぐん伸びていきます。当初の1か月ぐらいはあまり著しい進歩はありませんが、100日ほど、毎日10分ぐらい練習を続けていくことによって、子ども自身が自らの伸びを実感することができます。
 そして、ある日、親や兄姉をみごと追い越すまでになります。このときこそ、子どもが勉強大好きな子に変身します。子どもに誇りと自信をもたらします。
 自らの集中力×持続力×継続によって、こんなに計算がすらすらできるようになったのか、その喜びと感動は、自分を見直す契機となります。
 小学生時代の6年間は、子どもの発達を主導するのは、学力の獲得と習熟にあります。低学力のままでは、人格の発達もはかばかしくありません。
 教わることがよく分かり、読み書き計算の力を、毎日こつこつ続けてやっていくことにより、学力が身についていく-学力の体化がなされていくのです。
 学んだことが分かる、覚えたというだけでは、体化した学力にはなりません。反復的・再生的・応用的な練習を通じて学力は体化します。練習が少なくては、せっかく覚えたものも身にはつきません。
 読み書き計算という学力の基礎がしっかりと身についてくると、すべての知的活動にゆとりがもたらされる。読書速度も速くなります。知的好奇心が多様に広がり読書分野も広くなります。
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岸本裕史元:19302006年、神戸市生まれ、小学校教師。百ます計算の生みの親。1985年 「学力の基礎を鍛え落ちこぼれをなくす研究会(落ち研)(現「学力の基礎をきたえどの子も伸ばす研究会」)結成し、代表委員)
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) 川島隆太:1959年千葉県生まれ、東北大学加齢医学研究所教授、医学博士。子どもたちが将来やりたいことができる大人になるには、(1)早寝早起きで、小学生であれば夜9時までに寝ましょう。(2)朝ごはんをおかずと一緒にモリモリたくさん食べること。(3)家にいるときは、家族と話をしたり、本を読んだりするように意識すること。(4)学校などでしている勉強も公文も、自分たちのさまざまな能力を上げる力を秘めている。

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