カテゴリー「保護者との協力関係をつくる」の記事

保護者との信頼関係は、子どもの家に「足」を運び、家庭訪問することで築け

 保護者に顔を合わせて伝えるのと、文章や音声だけで伝えるのとでは、同じメッセージでも、受け手側のイメージが大きく異なることがあります。
 トラブルの報告や生徒指導上の必要な事柄は、保護者の顔を見て伝えることで、後の大きな労力を削減することになります。保護者と「顔を合わせる」ことが大切なのです。 
 保護者には誠実さを示すことが教師への信頼を高めます。
 大きなトラブルが生じた時の家庭訪問は、当然です。そうしなければ、保護者の気分を害することになります。
 反対に、ほんの些細と思われることで家庭訪問をすると、保護者は「そんなことで? ありがたい!」と、教師への信頼を高めます。
 家庭訪問し、足を運ぶことはおっくうに感じるかもしれませんが「この30分間の労力が、後のトラブルへ発展することを回避する」と考えて、機会を見つけて家庭訪問をするように心がけましょう。
 大きなトラブル以外での家庭訪問は、保護者と顔を合わせて世間話をする感覚で、気軽に行うことが基本です。
 子どもが病気やケガなどで欠席した時、近所の子どもやきょうだいに連絡帳を預けたり、電話でメッセージを伝えたりするのが一般的な対応です。
 しかし、子どもが欠席した時こそ、家庭訪問のチャンスです。
 保護者と直接、出会って話をするための理由ができます。
 何よりも、子どもを思う誠実さが保護者に伝わり、信頼関係を築く機会になります。
 他の教師がやらないことこそ、効果も大きくなります。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校教頭。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

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学級通信で保護者とよい関係をつくるには、どうすればよいか

 保護者が参加する行事は早めにしらせるようにします。
 最近は共働きの家庭が増えています。間際になってからの休暇の申請はしづらいものです。早めに伝え、計画的に休暇が取れるようにします。
 大事なことは強調して伝えるようにします。
 保護者は授業参観でしか授業の様子を知ることができません。
 学級通信に授業記録を載せることで、授業での子どもの様子を伝えることができます。
 子どもたちの様子を臨場感を持たせて伝えるには、子どもたちがしゃべったことをそのまま書くとよい。
 出来事の説明をしながら、その途中に子どもたちが話したことを書いていきます。教師と友だちとのやりとりを書いていくと、さらに臨場感が出てきます。
 子どもたちの写真を載せると、忙しい保護者でも、数秒で見ることができます。子どもたちの写真にほっとする保護者もいるでしょう。
 写真を載せる場合、事前に校長と保護者に許可を取っておきます。
 学級通信にも保護者から感想をいただいたら、担任との関係もよくなっていくでしょう。
 学級通信に感想記入欄を設けたり、感想記入カードを配ると、保護者も感想を書きやすくなり、関心も高まります。
 保護者から感想をいただいたら、お礼の返事を書きます。
 いただいた感想は、前もって学級通信に掲載することを伝えておきます。その際、名前は出さないこと、文字の訂正をすることもあることを伝えます。
 実際に掲載する場合は、事前に連絡帳などで、掲載してもよいか確かめます。
 感動するエピソードは、子どもたちにも保護者にも喜んでもらえます。
 明るく希望に満ちた感動話を子どもたちに語り聞かせ、学級通信で紹介します。
 時には子育ての情報を載せる。
 ちょっとした失敗談と、それをどのように乗り越えていったかを紹介しましょう。
 保護者の参考になると同時に、同じ悩みを抱かえる親として、親しみを覚えてくれると思います。
(山中伸之:1958年生まれ。栃木県公立小・中学校教師。実感道徳研究会会長 日本群読教育の会常任委員)

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保護者から信頼を得るには、教師の実践による子どもの変容を親が感じとることが基本になる

 掃除のとき、転校してきたばかりの子どもが、ほうきをもって大暴れをしました。
 そこで、私は掃除を中断させて、子どもたちに
「掃除は何のために行うか」
「掃除をするための方法として大切なことは何か」
ということを、時間をかけて一人ひとりに考えさせ、話し合いをさせました。
 私は、この機会を利用して、受け身で行動してきた子どもたちを、能動的な活動のできる子どもに切りかえさせたいと考えたからです。
 次のことについて、一人ひとりが掃除の必要感をもつまで話し合ったのです。
(1)
学校は自分達の学習するところ
(2)
学校は友だちと学ぶところ
(3)
先生から指導をしていただくところ
(4)
そのために、自分たちの生活の場は、自分たちがいつもきれいにしておくことが大事。そこで、教室の環境を整えるための掃除の果たす役割は大きい
(5)
小学校高学年の掃除の仕方は、低学年とどこを違えたらよいか
(6)
責任ある行動とは
と、いったことです。
 これらのことについて、十分話し合ったあと、子どもたちの中から出てきた合言葉は
「ごみの0運動・ピカピカの5年生」
でした。
 次の日から、子どもたちは時間内に順序よく友だち同士が声をかけあいながら掃除をするようになりました。
 そして、数日後のことです。保護者から担任あてに連絡帳に次のようなことが書かれてくるようになったのです。
「最近、A男が家の庭をはいているんです。何か先生が言ってくださったんでしょうか」
「先生、子どもが家で自分の周りを綺麗にしているんです」
「B子が台所を、きれいに掃除してくれるんです。かわりましたね」
と、いったようなことが書かれてあったのです。
 保護者と連絡帳を通して話が楽しくできるようになりました。
 今回の掃除の問題が結果として、何人かの子どもにとっては、家庭の生活まで波紋を広げたようです。
 子どもは、一つひとつの行動について、必要性を感じ理解すれば、積極的に物事を行うようになるということです。
 そして、今まで、細かく世話をしすぎていた親も、自律していく子どもの行動に驚き、教師の指導性を高く評価して、教師に対する信頼を絶対的なものとしていくのです。
 教師と保護者が信頼を結び、子どもの教育のため、なかよしになるためには、このように実践による子どもの変容を親が感じとることが、基本になると考えてよいと思います。
(
帆足文宏:元東京都公立小学校校長)

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保護者と担任が信頼関係を築くためには、たくさんの連絡方法があるとよい、どのような方法があるか

 保護者が一番知りたいことは、学校でのわが子の様子です。
 もし、わが子に心配なことが起こったとき、状況がわからなければ悪い想像が膨らみ、不安がどんどん増して「一体どうなっているんだ!」となります。
 しかし、学校でのわが子の様子が少しでも見えていれば、状況がつかみやすくなり、落ち着いて「学校での様子を詳しく聞いてみよう」となります。
 人は隠されていると悪い方向に考え、見えていれば安心できるものです。
「学校での様子がよくわかる」と、保護者が安心できるようにすることが、学校と保護者との信頼関係を築く基礎となるのです。
 最初の保護者懇談会で、担任から「保護者への連絡方法」について話します。
「連絡ノート」「学校の電話」「携帯電話」「一筆箋」「学級ブログ」「学級通信」
を準備していることを伝えます。
 保護者から「子どもが、お便りを見せてくれなくて」という声を聞くことがあります。
 保護者と直接つながるチャンネルがいくつもあるというのは、教師も保護者も心強いものです。
 その中から「一筆箋」「学級ブログ」「学級通信」について次に述べます。
 まず「一筆箋」です。用意しておいた一筆箋に、子どもたちのよさを文章にし、本人に渡し保護者に伝えるものです。
 誰でも自分の子どもがほめられれば、うれしいものです。そして、担任は一人ひとりをよく見てくれて、いるんだなあと感じるはずです。
 短い文章で気軽に書け、ちょっと特別な感じが出せるので、私は一筆箋を愛用しています。
 次に「学級ブログ」です。4月に管理職や保護者に実際に見てもらいながらルールを説明し、理解を得るようにします。例えば、
(1)
メリットやデメリット
(2)
「パスワード」を知っている人しか見られないこと
(3)
名前や地名などの固有名詞は載せないこと
(4)
掲載されては困る場合は、写真を載せないこと
(5)
クラスが変わった場合はプログを削除すること
などの運用ルールを説明します。
 内容は、翌日の時間割と持ち物、宿題などの連絡事項と、その日の子どもたちの様子です。子どもたちの様子は、写真に短いコメントをつけるだけという簡単なものです。
 基本的に毎日更新しています。更新に要する時間は5分程度です。
 写真と短い文章だからこそ「この写真は何をしているの?」と、わが子との会話のきっかけになっているそうです。
 最後に「学級通信」です。学級通信は担任と子ども、保護者の交流の場です。
 子どもたちの声を中心に、楽しかったこと、悩んでいること、自分が学んだことや成長したことなど様々です。
 保護者にわが子だけでなく、クラスの子どもたちの考えが見えるように意識して子どもたちの声を選んでいます。
 子どもたちの声にコメントする形で担任の思いや保護者からの感想も載せていきます。
 保護者には、行事や学習発表会などの感想をカードに書いてもらうようお願いしています。届いたカードを学級通信に匿名で紹介します。
 担任からの思いを一方的に伝えるよりも、保護者がどう見ているか、分かる場を用意することが大切だと考えています。
 子どもの成長を願って、学校と保護者が「いつでも」「多チャンネル」「双方向」の情報公開を心がけ、共に手を取り合って進むパートナーとして協力していきたいと思っています。
(
白井 敬:長野県公立小学校を経て信州大学教育学部附属長野小学校教師)

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教師に怒りや敵意を持った保護者と、共に協力して解決するための道筋とは

 怒りや敵意の感情は、自分の願いが満たされないことから起きます。
 まずは、保護者が何を願っているのかを把握することが基本になります。
 怒りや敵意をもつ人は、必ず状況や相手を変えさせたいとの願いがあるはずです。
 その願いは、どのようなものなのか、その願いを読み取ることが大切なのです。
 本当の願いは、強い怒りに覆われます。
 保護者は「先生は、自分の願いに耳を傾け、味方になる人なのか」を探っています。
 教師は、保護者を分かり、理解してくれる存在になるよう心がける必要があります。
 そのために、教師は意識して保護者の心情に寄り添わなければならないでしょう。
 保護者の願いに意識を集中し、理解した部分を言葉にします。
 あわせて、それまでの保護者の苦労をねぎらいます。 
 教師という立場は、子どもの味方になるのは簡単ですが、保護者の味方になるのは難しいのです。「親がもう少し努力してくれればよいのに・・・・」と願うことが多いからです。
 保護者の願いが分からない段階では、不用意な解釈は慎みます。
 保護者の心情に寄り添い、願いをじっくりと感じとるようにします。
 保護者の願いや心情が分かったら
「〇〇してほしいんですね」「〇〇ということで、腹立たしく感じるわけですね」
などと、怒りを要求に置き換え、願いとして理解し、その願いがかなわないことを受け取って、言葉にします。
 大事なのは「今の問題を少しでも上向けるために、自分はどのようにすればよいか、何ができるか」を考えることです。
 保護者の怒りや敵意を保護者のせいにすると、関係の悪化は続きます。
 問題の解決に歩み出すには、見解の相違を見ないようにします。
 保護者の願いを正確に読み取り、見解が一致する点を探し、その一致点の上に立ち、具体的な解決策を探すのです。それ以外に抜け道はないのです。
 そのためには「どうなりたいのか」「どうしたいのか」について、保護者と共有できるレベルにまで願いを広げ、一致点を見出します。
 広い視点に立って、大きな目標で一致点を見出すようにします。
「お子さんに、幸せになってもらいたい」
「お子さんが、辛い思いから解放されるようにお手伝いしたい」
「お子さんが、今よりも快適な生活を送れるようにしたい」
 この程度まで、共有できる目標レベルを広げれば、保護者も異は唱え難いはずです。
 共通の願いに立っていることを確認し、学校側の願いと保護者の願いの一致点を、さらに狭いレベルでも見出すようにします。
 目標を共有することで、仕切り直しをするためには、学校側が、今後の大目標や当面の目標、そのための方針、方法について、事前に具体的に整理しておかねばならないでしょう。
 そのためには、学校側が様々なレベルでの対応策のアイデアを腹案としてもたねばならないのです。
 現実的な目標が共有できる関係になれば、もはや敵対関係ではなくなります。
 目標に向かい、何をしていけばよいのか、解決策や工夫について、額を寄せ合って考えます。
 学校側は話し合いで、保護者に
「学校にしてもらいたいことがありますか」
「してほしくないことがあれば、おっしゃって下さい」
と尋ねます。また、
「何か変えてみたいと思っていらっしゃることはありますか?」
「何かしてみたい工夫があれば、教えていただけますか?」
と尋ねます。
当面、何ならできるのか」を中心に、極めて具体的に考えます。実行できやすいプランを選択します。
 プランを定めて、一定期間実行した後で、評価し必要に応じて変更します。
 成果の出ているプランは続け、出ないものは取りやめを考えることも考えればよいのです。
 大事なことは、一緒に歩む保護者の意欲や意志を支え続けることです。
(
小林正幸:1957年群馬県生まれ、東京都港区教育センター教育相談員、東京都立教育研究所相談部研究主事等を経て東京学芸大学教授。不登校を始め学校不適応、ソーシャルスキル教育、教育相談、教育技術を研究
)

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保護者からの苦情を防ぎ、保護者と関係を築くには、どうすればよいか

 保護者対応と聞くと、苦い経験がある。
 初任者のとき、私はまだまだ未熟で、保護者から信頼されているとは言えない状況だった。学校に電話が鳴るたびに「自分ではありませんように」と願った。
 二つ目は、教師になって7年目。初めて1年生の担任になった。
 私のクラスには毎日遅刻する子どもがいた。そこで、家庭でもしっかり指導してもらおうと、連絡帳で「登校時間に間に合うように協力してください」と伝えた。
 私は心の中で「どうして、家庭で、ちゃんとしてくれないんだろう」という思いがあった。
 次の日、母親から返事があった。「家でも声をかけているが、うまくいかず、つらい思いをしている」ということが書いてあった。
 私は「母親を傷つけた」と後悔した。もっと他に伝え方はなかったのか。今、思いだしても、申し訳ない思いでいっぱいになる。
 私は一目見ただけで「この先生なら安心だ」と思ってもらえるようなタイプではない。
 こんな私でも保護者に信頼してもらいたい。どうしたらよいのか考えた。
 私は自分のキャラクターを考えて、まず、保護者に笑顔になってもらうことから始めてみようと思った。
 保護者と笑顔で話ができるようになることで、私への安心感の第一歩につながるのではないかと。
 同僚の教師が
「職員室に保護者が来たら、立ち上がって、ドアまで用件を聞きに行くようにしている」
「保護者も職員室にそんなに来たくないと思うから」
と教えてくれた。
 その日から、私は職員室に来るお客さんには立ち上がって対応するようにした。
 廊下で会った保護者には、笑顔で「いつも、ありがとうございます」「お疲れ様です」などと挨拶するようになった。
 そして、他にひと言、付け加えるようにしている。そこから、話が広がることもあったし、家での生活の問題などを教えてもらえることもある。
 それは、安心感につながっていくのではないかと思う。
 3年生の担任のとき、父親から学校に苦情の電話があった。
「わが子が友だちに傷つく言葉を言われた」と。
 そこには、わが子がいじめにあっているのではないかという、心配と怒りがあった。
 学校はどういう指導をしているのか、という不信感もあったと思う。
 私は、心臓がどきどきしながらも、頭は冷静になろうとした。
 私は、子どもたちから聞き取りしたメモを持ち、状況を説明し、子ども同士で解決したことを伝えた。
 電話対応では、保護者の話を穏やかに聞き、保護者の思いをくみとる。
 詫びるところは詫び、最後に自分の考えを冷静に伝えることが大切だと私は考えている。
 ここで、失敗すると後から大変なことになってしまう。
 電話対応で、30分以上かかりそうな場合は、家庭訪問させてもらったほうが、お互いの話が伝わりやすいので、その見極めも気をつけている。
 苦情などの電話があった場合は、当たり前のことだが、その子の様子をいつもよりよく見て、声をかける。
 事態が好転すると、つい忘れてしまいそうになるけれど、保護者の心配は続いている。
 参観日などで保護者に合えたとき「この前は、ご心配をおかけしました。その後どうですか?」と必ず声をかけている。
 また、学級でのトラブルで保護者に伝えて分かってもらった方がよいと思ったときには、学級通信で伝えて問題を共有できるようにしている。
「先生、うちの子のこと、お願いします」と言ってもらえるように、笑顔と心配りで関係をつくっていきたい。
(
戸来友美:北海道千歳市立小学校教師)

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子どもが変われば、保護者も変わり、教師を信頼する

 新年度が始まった4~5月。保護者たちからは、クラスへの不安が多くよせられました。
「いじめの加害者の〇〇さんと、また同じクラスになってしまった」
「うちの子は△△さんから手を出されたことがあるので心配」
など、わが子にのみ関心が向いている保護者がおおぜいいました。
 家庭訪問でこうした保護者の話を一つひとつていねいに聴きながら、学級経営と授業をしっかりやっていくことをはっきりと伝えました。
 子どものよいところを見つけて、教師がほめることからスタートし、子どもたちがお互いにほめ合う。
 さらに「ほめ言葉のシャワー」「成長ノート」などを通して、友だちのよいところを積極的に見つけていく。
 こうした繰り返しの中で、少しずつ自信をもっていった子どもたちは、学校での様子を積極的に家庭で話すようになりました。
 今まで、友だちや学校への不満をこぼしてばかりいたわが子が、ほめられた喜びや友だちのよいところを話し始めたことに気づいた保護者は「今年は、今までと違う」と感じてくださったようです。
 保護者が学校に抱くマイナスの気持ちをプラスに転換してもらうために、私は最初の授業参観で子どもたちの学び合いの姿を見てもらい、これまでの不満・不安をふっしょくしてもらおうと考えました。
 授業では、話し合いの場面を多く取り入れました。話をしている人の方に体を向けてしっかりと話を聴き、全員が自分の考えを自由の考えを自由に出し合う。
 正解を求めるだけの授業とは全く異なる話し合いの授業に、保護者は驚かれていたようです。
 授業参観の後、子どもたちの「成長ノート」を各自の机の上に置いておきました。懇談会で、わが子の席に座った保護者おもむろに「成長ノート」を広げました。
「成長ノート」は、筋目筋目に合わせた規範意識や育てたい目標など、学級の中で学ばせたい“価値ある行為”を、書くことによって意識化させるノートです。
「今日の話し合いの授業で学んだこと」など、私が提示したテーマについて、子どもたちは意見や感想を書いていきます。
「うちの子が自分の意見をこんなに書けるなんて知らなかった」
 初めて見るわが子の「学びの軌跡」に、保護者は高い関心を示していました。
「うちの子は、新しいクラスでやっていけるのだろうか」という不安が「子どもたちは変わろうとしている」という期待に変わっていく様子がまざまざと感じられました。
 教師の仕事は、日々の授業が中心です。全ての大切なことが授業の中に入っていると思っています。授業づくりには「これくらいでいいだろう」という妥協点はありません。
 私は一人ひとりの子どもの学習ノートや「成長ノート」に必ずコメントを添えます。
 子どもたちに伝えたい大切なルールや学習のポイントをまとめたプリントや、子どもたちの意見や感想を集約したプリントを作って配ることもあります。
 結果的に、子どもたちの学びの姿を保護者に伝えています。
 日頃のつながりとは、日々の授業の積み重ねです。あくまでも教師は、授業で子どもたちと向き合っていくことが大切だと思っています。
 日々の授業で子どもたちが育てば、それを実感した保護者も成長するのです。
(
菊池省三:1959年生まれ 福岡県北九州市公立小学校教師、2015年に退職。コミュニケーション教育を長年実践した。「プロフェッショナル-仕事の流儀(NHK)」などに出演、「 菊池道場」(主宰)を中心に全国で講演活動をしている。 北九州市すぐれた教育実践教員表彰、福岡県市民教育賞受賞)

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一人ひとりの保護者とつながるには、どうすればよいか

 私は、保護者と話すことが苦手だ。20年以上教師としての経験を積んできても苦手だ。
 その理由は「保護者の思いは一人ひとり違うという意識があること」である。
 これまで経験してきた保護者対応で、経験を重ねれば重ねるほど、保護者一人ひとりの思いが違うということが痛いほど、よく分かり、よく見えてくるようになった。
 保護者懇談会で保護者を前に話すとき、保護者一人ひとり異なる思いや価値観がある。力のない私には、これらを受け止め、話すことができているのか、いつも不安でいっぱいだった。
 クラス全体の様子は、保護者にとって知りたい情報のひとつである。しかし、もっと知りたいのは、クラスの中でのわが子の様子ではないだろうか。
 そう考えると、懇談会でクラスの様子を話している時に、どれだけ一人ひとりの保護者に私の話が届いているのか、不安になるのだ。
 一人ひとりの保護者と話せる、家庭訪問や個人懇談以外にも、こまめに家庭に電話をして、子どもの様子を伝える。
 学校の廊下などで保護者を見つけると、そばに寄って、いろいろな話をしながらコミュニケーションをとるようずっと努力してきた。
 しかし、私のキャラクターと能力では、なかなか思うようにできなかった。
 そこで、一人ひとりの保護者とつながるチャンネルを持つことができる、次のような実践を行うようにした。
1 ハガキ作戦(野中信行氏実践)
 一人ひとりの子どもの様子をハガキで伝えるものである。直接、話をすることが苦手でも、これならできると思えたのである。
 子ども宛てに送られるものだが、私は保護者もハガキを見ることを強く意識して取り組んだ。
 私は学期に1枚、年間で3枚のハガキが一人ひとりに届くことを目安にしていた。
 1週間に2枚書けば、クラス全員分を学期中に送れるという見通しで書き始めた。
 ハガキの内容は、例えば
「Aさんへ、今日、ポツンと残っていた牛乳バックを片付けていたよね。自分のじゃないのに、やってくれてうれしかったよ。ありがとう」
「気づいても、なかなか行動に移すことが難しい人が多いのに、Aさんはさすがだと思ったよ。いろんなことに気づけて、行動に移しているね」
 その子のよさは、クラスの様子の中でどうなのかを伝える。
「〇〇を頑張っていたね」ではなく「△△という中で、〇〇を頑張っていたね」と伝えることを意識した。
2 一筆箋(ちょんせいこ氏実践)
 一筆箋に子どもたちのよさを文章にし、保護者に伝えるものだ。私は、一日1枚と決め、本人に渡した。
 学期に一人1~2枚という見通しを持って取り組んだ。
 例えば
「Bさんへ、今日、Bくんが友だちに分からないことを教えている時、膝をついて、同じ視線になって教えてあげていました」
「Bくんのやさしさがあらわれている。とてもステキな姿だと思い伝えました」
 継続できるように、特別なことでなくても書くこと。
「ハガキ作戦」「一筆箋」も、双方向のコミュニケーションではない。しかし、文字情報ならではのよさもあるし、間違いなく一人ひとりとつながるチャンネルになる。
 一人ひとりの保護者とどうつながり、どう信頼を築いていくかという課題を考える時、大切なのは、これなら自分でもできるという発想やツールに出会い、保護者とかかわっていくことである。
(
大野睦仁:1966年生まれ、北海道公立小学校教師。「教師力 BRUSH-UPセミナー」事務局長
)

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若い教師がプロの教師にふさわしい力と教師の心をつかむには、どうすればよいか

 教師になれば、年齢や指導力に関係なくプロの教師として振るまうことができる。
 だとすれば、プロの教師にふさわしい力量を自ら求めて身につけなければ、自分に自信が持てず、子どもたちに対して申しわけない。
 若い教師が教師の心をつかむには、どうすればよいか
1 朝の会、帰りの会
 朝の会は「一日のさわやかな出会いをつくる」ためにある。誕生日を祝えば、それだけでさわやかな出会いが生まれる。
 帰りの会は「明日も学校へ行きたいな」と、子どもに思わせるためである。「よかったこと、うれしかったこと」を発表すれば、学級の雰囲気が明るくなる。
2 叱ることを恐れるな
 人を差別したりバカにしたりすることは絶対に許さないという姿勢が担任には必要なのです。中途半端な叱り方はいけません。本気できびしく叱ります。
 長く叱らない。後に残さない。罪を憎んで人を憎まずの精神で臨みましょう。
3 ほめる
 ほめるのは技術ではありません。技術でほめてはダメ。子どもは教師が本気でほめているかどうか、見抜きます。
 おせじ、おだてではなく、ほめずにいられないようになりたいですね。
 教師が何もせずにいて「ほめるところがない」というのはプロの教師ではありません。
 教師は、ほめる場を用意するのです。例えば
「Aくん、ぞうきんを持って、先生と一緒に机の上をふいていこうね」
 こうすれば、仕事をしたAくんをほめることができますね。
「今日は、Aくんがぞうきんで机をていねいにふいてくれましたよ」
 これでわかるように、仕掛けたのは教師ですね。しかし、実行したのは子どもです。子どもは自分でやったんだと思っています。みんなに紹介されたので、うれしさと、自信を持つようになるはずです。
4 保護者との関係を密に
 子どもを理解しようと思えば、保護者を理解しなければならない。保護者の子育ての方法は子どもに反映すると思われるからである。
 教師の方が保護者に近づいていかなければならない。
(1)
参観日に自分の教育観を
 授業参観の後に懇談会がセットされているので、教師はわが教育観を述べて保護者に理解と協力をお願いすることになる。次の三点でよいだろう。
)めざす子ども像
)学級の子どもの実態
)指導の方法や手順など
 注意すべきことは、子どもの具体的な事実をもって話すようにする。子どもの実態を前面に出して自分の教育観を述べていく。
 そうすれば、保護者は、この先生はわが子を大事に思ってくれている、と受けとめる。
 見ず知らずの教師と保護者が、子どもをよくしていこうという点で、理解と協力の関係に立つことができるのである。
(2)
家庭訪問
)子どもの長所を聞く
 私は、家庭訪問は保護者に会って「子どもの長所を具体的に教えてもらう」ため、と考えている。
 つまり、インタビューする人に徹すればよい。保護者が「とりたてた長所はありません」と言っても、ねばり強く聞いていくと話してくれる。
 子どものことを話題にして保護者と教師が楽しくなっていくのである。
)健康と性格を聞く
「〇〇くんの健康や性格の問題で、担任として知っておいた方がよいと思われることがあれば、教えてください」と聞く。秘密は守らなければならない。
)保護者の願い
 保護者がわが子に何を願っているかを聞く。
(3)
学級通信で報告・連絡・相談(ほうれんそう)
 教師の思いを広く全員に伝える手段として、学級通信はますます重要になってきた。
)発刊
 計画的に発刊するようにする。
)読んで楽しくなる内容を
 子どもの生活をよく知らなければニュースが書けず学級通信を出せない。ニユースは明るく楽しいものでありたい。
)子どもたちの作品も
 全文を教師が書かなくてよい。子どもの作品を含む学級通信にすると、内容に変化が出てくる。ただし、どの子にも掲載の機会があるように配慮したい。
)学級の歴史として冊子に
 学年末にこれを冊子にまとめ、表紙をつけると、これが学級の歴史となる。
 表紙の文字やイラストをどうするかは個人にまかせると、ユニークな作品になる。
 子どもたちが自らの学びを自己評価できる具体物にもなる。
5 報告・連絡・相談(ほうれんそ)で人間関係づくりを
 子どもに何かあったときは、同僚の先生や保護者、教頭とよく報告・連絡・相談して、一人で決めないようにします。
 学校の外で研修が終わった時などは必ず管理職に報告しておきたいですね。
 報告・連絡・相談は、とても大事なことです。
6 教師の心をつかむ
 初任者は研修期間をどう過ごすかで、その後の教師生活が左右されるといっても過言ではない。
 その学びは、指導教師等から実践的な「教師の心」をつかむことであると私は考えている。
 学校では思いもよらないことが起きる。それに対応できるマニュアルを求めても、それは無理というもの。だったらどうするか。
「教師は一人ひとりの子どものためにある」
という原点に立ち返り、一つ一つ自分で判断して問題に臨む以外に方法はあるまい。
 その原点を、私はあえて「教師の心」として表現したのである。
(
倉田侃司:1938年広島生まれ、広島大学附属小学校教師を経て広島文教女子大学教授、広島経済大学教授を歴任した
)

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授業態度が悪い、提出物を出さない、時間を守れないなどの子どもの乱れを教師が保護者に伝えるとき、不信感を持たれないようにするには、どうすればよいか

 授業態度が悪い、提出物を出さない、時間を守れないなど、生活態度の乱れが気になる子どもがいます。
 自己肯定感が低い、授業についていけない、正しい生活習慣が身についてないなどの問題が考えられます。
 教師が子どもの悪い面を一方的に保護者に説明し、原因が家庭にあると考え、家庭で指導を要請する形にならないようにくれぐれも注意します。
 教師から、わが子の生活態度の乱れを知らされると、保護者はわが子が教師から嫌われているのではないかとか、乱れの原因は保護者にあると言われているように感じて、教師に不信感を持つようになります。
 保護者は子どもの問題を素直に受け止められなくなってしまいます。
 さらに、わが子の生活態度の乱れを、教師の授業や指導に原因があると考え、その力量に疑問を持つようになります。
 では、教師は保護者にどう対応すればよいのでしょうか。
 子どもの生活態度が乱れる原因はたくさんあります。
 子ども自身、家庭、友だち関係、教師の指導や関わり方など、多くの問題が複雑に絡み合っています。
 原因の追究だけで話し合いを終わらせることなく、具体的な対応策を提示し、優先順位をつけて
「まず、これから一緒にやっていきましょう」
と、明確に示すことができると、有意義な話し合いになっていきます。
 具体的には、
(1)
子どもの生活態度の乱れの事実を保護者に客観的に報告し、家庭でのようすを聞く
 学校で実際に起こっている事実をいくつかに絞って伝え、家庭でのようすを聞き取ります。
(2)
教師は「子ども自身が困っている」という視点で保護者に話す
例えば
「授業中、集中できず、立ち歩いたりするので、学習がわからなくなっているのではないか」
「宿題などの提出物が出ておらず、やり方がわからないのではないか」
など、困っているのは子ども自身であるという視点で話をし、教師が心配していることを保護者に伝えます。
(3)
今後の指導方針を展望し、家庭での配慮を引き出す
 例えば、教師が
「授業中、〇〇くんができていることに声をかけるようにします」
「宿題を学校で1,2問、一緒に解いてから帰すようにします」
など、教師ができることを提示し、
「ご家庭でも一緒に取り組んでもらえるとありがたいです」
と、保護者の協力をうながすようにします。
 問題の解決に向けて教師と保護者が一緒になって取り組んでいくという姿勢を見せることが大切です。
(河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学総合科学学術院教授。15年間公立学校教諭・教育相談員を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)


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