カテゴリー「保護者との協力関係をつくる」の記事

一人ひとりの保護者とつながるには、どうすればよいか

 私は、保護者と話すことが苦手だ。20年以上教師としての経験を積んできても苦手だ。
 その理由は「保護者の思いは一人ひとり違うという意識があること」である。
 これまで経験してきた保護者対応で、経験を重ねれば重ねるほど、保護者一人ひとりの思いが違うということが痛いほど、よく分かり、よく見えてくるようになった。
 保護者懇談会で保護者を前に話すとき、保護者一人ひとり異なる思いや価値観がある。力のない私には、これらを受け止め、話すことができているのか、いつも不安でいっぱいだった。
 クラス全体の様子は、保護者にとって知りたい情報のひとつである。しかし、もっと知りたいのは、クラスの中でのわが子の様子ではないだろうか。
 そう考えると、懇談会でクラスの様子を話している時に、どれだけ一人ひとりの保護者に私の話が届いているのか、不安になるのだ。
 一人ひとりの保護者と話せる、家庭訪問や個人懇談以外にも、こまめに家庭に電話をして、子どもの様子を伝える。
 学校の廊下などで保護者を見つけると、そばに寄って、いろいろな話をしながらコミュニケーションをとるようずっと努力してきた。
 しかし、私のキャラクターと能力では、なかなか思うようにできなかった。
 そこで、一人ひとりの保護者とつながるチャンネルを持つことができる、次のような実践を行うようにした。
1 ハガキ作戦(野中信行氏実践)
 一人ひとりの子どもの様子をハガキで伝えるものである。直接、話をすることが苦手でも、これならできると思えたのである。
 子ども宛てに送られるものだが、私は保護者もハガキを見ることを強く意識して取り組んだ。
 私は学期に1枚、年間で3枚のハガキが一人ひとりに届くことを目安にしていた。
 1週間に2枚書けば、クラス全員分を学期中に送れるという見通しで書き始めた。
 ハガキの内容は、例えば
「Aさんへ、今日、ポツンと残っていた牛乳バックを片付けていたよね。自分のじゃないのに、やってくれてうれしかったよ。ありがとう」
「気づいても、なかなか行動に移すことが難しい人が多いのに、Aさんはさすがだと思ったよ。いろんなことに気づけて、行動に移しているね」
 その子のよさは、クラスの様子の中でどうなのかを伝える。
「〇〇を頑張っていたね」ではなく「△△という中で、〇〇を頑張っていたね」と伝えることを意識した。
2 一筆箋(ちょんせいこ氏実践)
 一筆箋に子どもたちのよさを文章にし、保護者に伝えるものだ。私は、一日1枚と決め、本人に渡した。
 学期に一人1~2枚という見通しを持って取り組んだ。
 例えば
「Bさんへ、今日、Bくんが友だちに分からないことを教えている時、膝をついて、同じ視線になって教えてあげていました」
「Bくんのやさしさがあらわれている。とてもステキな姿だと思い伝えました」
 継続できるように、特別なことでなくても書くこと。
「ハガキ作戦」「一筆箋」も、双方向のコミュニケーションではない。しかし、文字情報ならではのよさもあるし、間違いなく一人ひとりとつながるチャンネルになる。
 一人ひとりの保護者とどうつながり、どう信頼を築いていくかという課題を考える時、大切なのは、これなら自分でもできるという発想やツールに出会い、保護者とかかわっていくことである。
(
大野睦仁:1966年生まれ、北海道公立小学校教師。「教師力 BRUSH-UPセミナー」事務局長
)

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若い教師がプロの教師にふさわしい力と教師の心をつかむには、どうすればよいか

 教師になれば、年齢や指導力に関係なくプロの教師として振るまうことができる。
 だとすれば、プロの教師にふさわしい力量を自ら求めて身につけなければ、自分に自信が持てず、子どもたちに対して申しわけない。
 若い教師が教師の心をつかむには、どうすればよいか
1 朝の会、帰りの会
 朝の会は「一日のさわやかな出会いをつくる」ためにある。誕生日を祝えば、それだけでさわやかな出会いが生まれる。
 帰りの会は「明日も学校へ行きたいな」と、子どもに思わせるためである。「よかったこと、うれしかったこと」を発表すれば、学級の雰囲気が明るくなる。
2 叱ることを恐れるな
 人を差別したりバカにしたりすることは絶対に許さないという姿勢が担任には必要なのです。中途半端な叱り方はいけません。本気できびしく叱ります。
 長く叱らない。後に残さない。罪を憎んで人を憎まずの精神で臨みましょう。
3 ほめる
 ほめるのは技術ではありません。技術でほめてはダメ。子どもは教師が本気でほめているかどうか、見抜きます。
 おせじ、おだてではなく、ほめずにいられないようになりたいですね。
 教師が何もせずにいて「ほめるところがない」というのはプロの教師ではありません。
 教師は、ほめる場を用意するのです。例えば
「Aくん、ぞうきんを持って、先生と一緒に机の上をふいていこうね」
 こうすれば、仕事をしたAくんをほめることができますね。
「今日は、Aくんがぞうきんで机をていねいにふいてくれましたよ」
 これでわかるように、仕掛けたのは教師ですね。しかし、実行したのは子どもです。子どもは自分でやったんだと思っています。みんなに紹介されたので、うれしさと、自信を持つようになるはずです。
4 保護者との関係を密に
 子どもを理解しようと思えば、保護者を理解しなければならない。保護者の子育ての方法は子どもに反映すると思われるからである。
 教師の方が保護者に近づいていかなければならない。
(1)
参観日に自分の教育観を
 授業参観の後に懇談会がセットされているので、教師はわが教育観を述べて保護者に理解と協力をお願いすることになる。次の三点でよいだろう。
)めざす子ども像
)学級の子どもの実態
)指導の方法や手順など
 注意すべきことは、子どもの具体的な事実をもって話すようにする。子どもの実態を前面に出して自分の教育観を述べていく。
 そうすれば、保護者は、この先生はわが子を大事に思ってくれている、と受けとめる。
 見ず知らずの教師と保護者が、子どもをよくしていこうという点で、理解と協力の関係に立つことができるのである。
(2)
家庭訪問
)子どもの長所を聞く
 私は、家庭訪問は保護者に会って「子どもの長所を具体的に教えてもらう」ため、と考えている。
 つまり、インタビューする人に徹すればよい。保護者が「とりたてた長所はありません」と言っても、ねばり強く聞いていくと話してくれる。
 子どものことを話題にして保護者と教師が楽しくなっていくのである。
)健康と性格を聞く
「〇〇くんの健康や性格の問題で、担任として知っておいた方がよいと思われることがあれば、教えてください」と聞く。秘密は守らなければならない。
)保護者の願い
 保護者がわが子に何を願っているかを聞く。
(3)
学級通信で報告・連絡・相談(ほうれんそう)
 教師の思いを広く全員に伝える手段として、学級通信はますます重要になってきた。
)発刊
 計画的に発刊するようにする。
)読んで楽しくなる内容を
 子どもの生活をよく知らなければニュースが書けず学級通信を出せない。ニユースは明るく楽しいものでありたい。
)子どもたちの作品も
 全文を教師が書かなくてよい。子どもの作品を含む学級通信にすると、内容に変化が出てくる。ただし、どの子にも掲載の機会があるように配慮したい。
)学級の歴史として冊子に
 学年末にこれを冊子にまとめ、表紙をつけると、これが学級の歴史となる。
 表紙の文字やイラストをどうするかは個人にまかせると、ユニークな作品になる。
 子どもたちが自らの学びを自己評価できる具体物にもなる。
5 報告・連絡・相談(ほうれんそ)で人間関係づくりを
 子どもに何かあったときは、同僚の先生や保護者、教頭とよく報告・連絡・相談して、一人で決めないようにします。
 学校の外で研修が終わった時などは必ず管理職に報告しておきたいですね。
 報告・連絡・相談は、とても大事なことです。
6 教師の心をつかむ
 初任者は研修期間をどう過ごすかで、その後の教師生活が左右されるといっても過言ではない。
 その学びは、指導教師等から実践的な「教師の心」をつかむことであると私は考えている。
 学校では思いもよらないことが起きる。それに対応できるマニュアルを求めても、それは無理というもの。だったらどうするか。
「教師は一人ひとりの子どものためにある」
という原点に立ち返り、一つ一つ自分で判断して問題に臨む以外に方法はあるまい。
 その原点を、私はあえて「教師の心」として表現したのである。
(
倉田侃司:1938年広島生まれ、広島大学附属小学校教師を経て広島文教女子大学教授、広島経済大学教授を歴任した
)

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授業態度が悪い、提出物を出さない、時間を守れないなどの子どもの乱れを教師が保護者に伝えるとき、不信感を持たれないようにするには、どうすればよいか

 授業態度が悪い、提出物を出さない、時間を守れないなど、生活態度の乱れが気になる子どもがいます。
 自己肯定感が低い、授業についていけない、正しい生活習慣が身についてないなどの問題が考えられます。
 教師が子どもの悪い面を一方的に保護者に説明し、原因が家庭にあると考え、家庭で指導を要請する形にならないようにくれぐれも注意します。
 教師から、わが子の生活態度の乱れを知らされると、保護者はわが子が教師から嫌われているのではないかとか、乱れの原因は保護者にあると言われているように感じて、教師に不信感を持つようになります。
 保護者は子どもの問題を素直に受け止められなくなってしまいます。
 さらに、わが子の生活態度の乱れを、教師の授業や指導に原因があると考え、その力量に疑問を持つようになります。
 では、教師は保護者にどう対応すればよいのでしょうか。
 子どもの生活態度が乱れる原因はたくさんあります。
 子ども自身、家庭、友だち関係、教師の指導や関わり方など、多くの問題が複雑に絡み合っています。
 原因の追究だけで話し合いを終わらせることなく、具体的な対応策を提示し、優先順位をつけて
「まず、これから一緒にやっていきましょう」
と、明確に示すことができると、有意義な話し合いになっていきます。
 具体的には、
(1)
子どもの生活態度の乱れの事実を保護者に客観的に報告し、家庭でのようすを聞く
 学校で実際に起こっている事実をいくつかに絞って伝え、家庭でのようすを聞き取ります。
(2)
教師は「子ども自身が困っている」という視点で保護者に話す
例えば
「授業中、集中できず、立ち歩いたりするので、学習がわからなくなっているのではないか」
「宿題などの提出物が出ておらず、やり方がわからないのではないか」
など、困っているのは子ども自身であるという視点で話をし、教師が心配していることを保護者に伝えます。
(3)
今後の指導方針を展望し、家庭での配慮を引き出す
 例えば、教師が
「授業中、〇〇くんができていることに声をかけるようにします」
「宿題を学校で1,2問、一緒に解いてから帰すようにします」
など、教師ができることを提示し、
「ご家庭でも一緒に取り組んでもらえるとありがたいです」
と、保護者の協力をうながすようにします。
 問題の解決に向けて教師と保護者が一緒になって取り組んでいくという姿勢を見せることが大切です。
(河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学総合科学学術院教授。15年間公立学校教諭・教育相談員を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)


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若い教師は保護者があまり信用してくれない、どうすれば保護者が満足してくれるのか

 保護者が若い教師に期待していることは
1 先生の子どもへの温かい気配り
(1)
公平に指名してくれる
(2)
対応に温かさが感じられる
(3)
子どものレベルに合わせ、楽しい雰囲気がある
(4)
作品をよく見て、温かいコメントがある
(5)
板書が丁寧である
(6)
教室がきれいで、落ち着きがある
(7)
子どもの机の中や学用品を見てくれている
2 若いっていいね
(1)
明るい表情で、熱心に語りかけてくる
(2)
自分の考えを、自分の実践をもとに分かりやすく話してくれる
(3)
一人ひとりの保護者と気さくに接する
(4)
批判的な保護者に温かく接する
3 遊び、スポーツ、そして掃除、いつも一緒にしてくれる
以上のような視点でもって、保護者は若い教師の活力を期待して見ているのである。
 初任者であっても、初めからベテラン教師と同じことをしなければならないが、だれでも最初からうまくできる人はいない。
 子どもの指導だけでなく、社会人としての生き方も必要なので、悩むのは当然のことである。保護者に信用されていないのではないかと若い教師は思うでしょう。
 教師が若いか、ベテランに関わりなく、信頼される基本となるものは、専門職としての見識と実践力である。
 指導方針や学級をどう作るか、具体的な抱負を明らかにして、学級懇談会や学級通信などで保護者へ周知するとよい。
 しかし、保護者は若い教師の新鮮な活力に期待しているはずである。 
 最も大切なのは、一人ひとりの子どもをよく知っていることである。
 若い教師が、子どもといつも一緒に遊んだりすると、子どもから親近感とともに、信頼される度合いが増していく。それが子どもから家庭に伝わり楽しい話題になる。
 そのうえ、子どもを十分観察できることから、一人ひとりの長所が把握できる。
 このように、教科指導と生活指導の両面の基礎データを十分蓄えておくと、保護者との直接の話し合いでも、具体的に子どもの実情を伝えることができて、保護者は担任の指導ぶりがよく分かって満足する。
 要するに、若い教師の謙虚さだけでは、かえって心配される。また、子どもとの具体的な対応が見えてこない抽象的な教育論では、あまり信用されない。
 保護者会が近づくと「気が重い」という若い教師が多い。「大変だ」「いやだ」と受け止めないで、専門的な見識を披露する絶好の機会とプラス思考で迎えたい。
 準備を整えて、安心して次のように保護者と接したい。
(1)
構えすぎない。構えてしまって、柔軟性に欠けた対応になると、保護者はその様子に不安感をもつ。
(2)
笑顔で公平に。ユーモアがでればさらによい。
(3)
清潔な髪形と服装。場違いと思われるようなスタイルを避けよう。
(4)
明るく丁寧な話し方で接する。
(5)
包容力のある対応をしよう。
(
関口 寛:1931年生まれ、元宮城県仙台市立小学校長)

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保護者会で保護者と担任が関係をつくり、信頼されるには、どうすればよいのでしょうか

 保護者会では、担任は終始、笑顔で明るい声で話すようにします。保護者の話をよく聞き、笑顔で相対していると保護者会も自然と和やかに終えることができます。
 保護者によい気分で帰ってもらうことができると、担任への信頼につながります。
 保護者会の机の配置で多いのはコの字型とロの字型です。ほぼ全員がお互いに顔を見ながら話したり聞いたりできます。
 初めての保護者会では、名前が分からないと不便でもあり不安でもあります。名札を準備し付けるように、お願いしましょう。
 初めての保護者会では、先生の自己紹介の内容を簡単にプリントして準備しておきます。
 教師になった理由、趣味・特技、好きなこと、苦手なこと、座右の銘、どんな学級にしたいか、具体的な実践、お願いしたいことなど、項目一つ一つについて説明をします。
 もし、時間にゆとりがあれば、質問を受けます。楽しい質問で場が和めば、保護者会もスムーズに進みます。
 保護者会での質問は、類似の質問がないかを全員に聞きましょう。似たような質問を持っている保護者がいる場合、一緒に伺ったほうが効率的です。
 質問の回答は学年や学校で共通理解した上で答えるようにします。即答できない場合は、学級通信や学年だよりで伝えるとよいでしょう。
 保護者会で、保護者に自己紹介してもらい、ひと言話してもらうときには、指名して名前を呼びます。わが子のよいところや家でのエピソードをひと言話してもらうと、和やかな雰囲気になります。
 先生からも学校での様子をひと言返します。こうすることで、保護者とちょっとした会話ができます。
 学校での様子を知らせる最もよい方法は、授業の様子を映像に撮ってみせることです。普段の様子が見られますから、保護者によく分かってもらえます。
 休み時間に遊んでいる様子を映像で見せるのも、とても喜ばれます。
 保護者は、わが子が担任と親しく話をしていたり、担任から親しく話かけられたり、何か一緒にやっていたりする場面を見るとほっとするのです。
 映像に全員の子どもが映っているか必ずチェックします。
 すばらしい行いをした子どもをほめたたえることであっても、特定の子どもの名前を出して話題にするのは避けた方が無難です。紹介する場合は、誰のことか特定できない程度に話すようにします。
 保護者会で、保護者が聞いてよかったと思う内容を話すようにします。教師としての情報網を駆使して、保護者が興味をもつ子育ての話を準備しておきましょう。
 保護者会では、持ち物や生活習慣上のお願いしたり、1年間の行事の予定を説明したりする機会があると思います。
 保護者にとってよくわからないことが多いでしょう。具体物を見せたり、写真に撮って見せると分かりやすいでしょう。
(山中伸之:1958年生まれ。栃木県公立小・中学校教師。実感道徳研究会会長 日本群読教育の会常任委員)

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保護者と会話する、共同して育てる、気持ちを知る、懇談会を成功する、にはどうすればよいか

 保護者と会うのが苦痛だという教師が多い
 若い教師のなかには、保護者と会うのが苦痛だという人がかなりいる。
 教師が自分の親に抱く感情を保護者にむける傾向がある。
 父を怖がっている男教師は父親に低姿勢になるだろうし、父を憎んでいる男教師は、父親につっけんどんになるだろう。
 父を好いている女教師は、父親と親しく話せるが厳しさに欠けるのが難点である。
 母を恋うる気持ちの強い教師は母親には愛想がよく、保護者に好かれる率が高い。しかし、指導的発言ができなくなる。
 こういう現象がおこるのは、若い教師が自分はまだ子どもだと思い込んでいるからである。
 教師が自分はまだ子どもである、世間知らずであるなどと自分を弱小視しないでもらいたい。若い教師は、稚心を去り、大人としての言動を早くおぼえてほしい。
 稚心を去って、まずすることは、預かっている子どもたちの教育を親と一緒に共同で担当するクラスのリーダーを勤めればよいのである。
 例えて言えば、教師は医師で、親は看護師である。医師だけでは治療はできぬ。看護師が脈や体温を測定して医師に報告してくれないと、医師は判断のしようもない。
 看護師が医師の治療方針に従ってくれないと看護の効果もあがらない。
 看護師の中には医師よりも年長者はざらにいる。医師より症例体験の豊富な人もざら。しかし、それでも医師には医師の役割がある。それと同じである。
 保護者と共同して子どもを育てるには
 保護者と共同戦線をはるには、その子の教育方針について意見の一致をみなくてはならぬ。そのためには、教師と保護者の「目標・方法・価値観など」ができるだけ似ていなければならぬ。
 したがって、教師は自分の考え(目標)、方法、子どもの行動観察の結果、自分の価値観(叱る・ほめる基準)を保護者にオープンにする必要がある。
 一方、保護者にもこのことについて、どんどん語ってもらわねばならぬ。例えば、子どもについて何を知っているか、どんなときに子どもを叱っているかなど。
 ぴたりと意見が一致しないこともある。そこで納得できる線を探すことになる。意見が合わないとき、保護者に憎まれることがある。こういうときは、一時引くのがよい。
 多分、保護者が教師を好きになれないことでもあるのかな、と考えるのがよいと思う。そして、初めからもう一度、関係をつけ直すのがよいと思う。会話や雑談からやり直すわけである。
 保護者との会話
 保護者となるべく抵抗をおこさせない会話のしかたがある。例えば
(1)
保護者の自発性を促す
「〇〇してください」と言わず
「このことについて、お母さんができそうなこと、してみたらいいんじゃないか、というようなことはありませんでしょうか」
「私は学校で〇〇をしばらくやってみようと思っているんですが」
と、保護者の自発性を促す方法である。
(2)
成功事例、失敗事例を語る
「もっと、子どもを可愛がってやってください」と言わず
「あるお父さんが、寝る前に必ず子どもにマッサージをしてやったそうですよ」
「そしたら、子どもが、ぼくもたまにはお父さんにマッサージしてあげるよ、言いだして、だんだん仲良くなって、今、親子でラーメン屋をやっているはずです」
と事例を示すのです。
 保護者への連絡
 保護者との連絡で、気をつけたいこと。
 あるとき、私にきつく言われ、しょんぼり立ち去る中学生がいた。私は、その生徒が帰宅する前に保護者に電話で状況を説明し
「今日、ちょっと落ち込んでいるかもしれませんが、しばらく様子を見てください」と、先に手を回しておくとよい。
 生徒によかれと思ってしたことでも、その真意が伝わらないとかえってマイナスで、不用意なトラブルがおこる。
 保護者の気持ちを知る
 子どもが今度の先生はいい先生だと喜べば、親もその教師に好感をもつようになる。
 子どもがいちいち親に報告しなくても、親は子どもの非言語的表現のなかから、折に触れて教師に対する感情や評価を察知するものである。また、友だちの親から伝わってくることもある。
 親が自分の子どもを批判して悪口を言うことがある。同時に、親は子どもに愛情ももっているのである。教師が調子に乗って「たしかに、そうですね」などと同調しないほうがよい。
 まず、教師は子どものよい点をほめることから始めればよい。ほめてから、改善すべき性癖なりに行動に話を移す。
 例外的に悪口ばかりで愛情のない親もいる。多分、親が自分自身を嫌悪している場合である。自己嫌悪の強い人間は他者嫌悪も強い。
 教師は心理学の専門家ではないが、せめて保護者のパーソナリティのどこに問題があるかくらい、読み取れるほど、カウンセリングの勉強をしておくとよいと思う。
 保護者懇談会
 保護者懇談会といっても、保護者が活発に討論に参加してくれないから、教師が一人独演会で座をもたせようとすることがある。
 私の教え子で保護者懇談会に成功している教師がいる。その方法は
 まず、すべての机を教室の端に寄せて、教室の真ん中にダンスができるほどのスペースをとる。
 保護者全員その空間を自由に歩きまわり、お互いに握手する。教師もこれに参加する。
「私は担任の〇〇です」「私は△△です」
などと名乗りながら握手する。初めはてれくさいが、すぐ慣れてくる。
 すんだら二人一組になり、一人3分間、時間をとる。その3分、相手に家庭教育のことなどをどんどん聞く。
「テレビは何時間見ていますか」「勉強しろとよく言いますか」「どんなとき叱りますか」「どんなときほめますか」
など、どんどん聞く。3分後に交替する。聞いた人が聞かれる立場になる。ねらいは、どんな思いで子どもをしつけているかを知ることである。人のやり方を参照できる。
 このあと、二人一組を二つ合流し四人一組にする。子どものしつけで困っていることを、一人一つずつ語るという課題を出す。一人3分もあればよい。
 このときに守るべきルールは、話し合ったことを自分の子どもに洩らさないことである。
 理由は、他の子どもと比較することになるから、劣等感が生じる。それと、子どもが「お母さん、ぼくの〇〇のことを人にしゃべったでしょう」と、親子のトラブルに発展することがある。
 したがって、始める前に、このことを教師は保護者に徹底しておく必要がある。
(
國分康孝:1930年大阪府生まれ、 東京理科大学教授、 筑波大学教授、東京成徳大学副学長などを歴任。日本カウンセリング学会会長、日本産業カウンセラー協会副会長などを歴任し、日本教育カウンセラー協会会長。構成的グループエンカウンターを開発した)

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担任になったとき、子どもや保護者とつながるためには、どうすればよいか

〇学級担任が子どもとつながる
 学級担任になったとき、私が一番大事にしているのは始業式の日です。そのとき、子どもたちが先生に対してどんな印象を持ってくれたか、これがとても大事だと思うのです。
 どの親も、子どもが家に帰って来ると、必ず「どんな先生?」と聞きます。
 そのとき「おもしろい先生だよ」「今年は何とかがんばれそう」そんなふうに子どもが答えてくれると、親も安心し、その後のつながりもうまくいきます。
 そのために、私は始業式の日に、学級開きの時間を取りたいと思っています。それで、各教科の教科書すべてと健康診断書などの書類を一セット揃え、一人ひとりの机の上に置いておきます。
 そうすることで、30分くらいですが、学級開きの時間を確保することができます。
 学級開きの準備のために、私は指導要録を見ておきます。
 学級開きのプログラムは
1 子どもたち一人ひとりの呼名
 私は必ず一人ひとりに言葉をかけます。
「〇〇くんは、運動会のリレーで頑張ったんだってね」
「〇〇さんは、図工が得意なんだってね」
 そういう、ひと言メッセージの情報源は指導要録です。子どものいいところがいっぱい書いてあります。それを見て名簿にメモしておくと、一人ひとりに声をかける材料に困りません。
「みんなのいいところをこんなに知っているよ!」というメッセージになります。そうすることで、子どもたちとの最初のいい出会いをつくることになります。
 子どもは、自分のことを知ろうとしてくれる先生が大好きです。
2 教師の紹介
 教師の価値観を必ず紙に書いて、子どもに伝えます。私の場合
「先生はこういうときにほめる先生なんだよ」と、次のような内容を伝えます。
(1)
つらいことでもくじけず、最後までがんばったとき
(2)
友だちのためにがまんできたとき
(3)
友だちにやさしくできたとき
(4)
みんなの前で、自分の考えをしっかり発表できたとき
「先生が叱るとき」次の内容を伝えます。
(1)
物をかくしたとき
(2)
友だちの失敗やまちがいを笑ったとき
(3)
仕事や学習でなまけ心に負けて、さぼったとき
(4)
友だちをたたいたり、悪口を言って悲しませたとき
これは、最初の日に言うから、子どもたちの心に残るのです。これらはやがて、学級づくりの柱になっていきます。
3 教師からのメッセージ
4 楽しいゲーム
 教師がリーダーになって遊びをリードすることで、遊びを伝え、遊び方を教える機会にもなります。
 それくらいで、あっという間に30分が過ぎてしまいます。
〇保護者とつながるために、親の声を聞く
 保護者は、自分の子どもを大事にしてほしい。何よりわが子のことを知ってほしいという強い願いを抱いています。
 そこで私は始業式から三日目くらいに、親の声を聞くために、次のような用紙を保護者に渡します。
「子どもの指導は、一人ひとりのことを知ることから始ります。そこで、お子さんのことについて、できる範囲で情報を頂ければと思います」
「よいところ、印象に残っている出来事(喜び、大変だったこと、病気などで心配したこと)、こんな指導をしてほしいこと」
を、書いてもらうようお願いします。びっくりするほど親は書いてくれます。
〇子どもが起こした事実からルールをつくっていく
 私の場合は、ルールは強制するのではなく、子どもが起こす事実からルールをつくっていくというのが原則です。
 子どもたちが生活していく上で実際に体験した困ったことをルールにしていくのです。
 もう一つ大切なことは、クラスの子の半数以上が賛成すれば、ルールを変えることができるようにすることです。
〇ゲームを楽しめる心をつくる
 ゲームは最初、子どもたちはなかなか楽しめない。負けるといじける、すねる、泣く、ズルする、ズルした子を攻撃する、などトラブルが起きてしまいます。
 私は、すきまの時間を使って、子どもたちにゲームをしてあげます。そのとき必ず約束をします。
教師「これからゲームをするけど、負けてもすねたり、いじけたり、泣いたりしない?」
教師「ズルはしない?」
子ども「しない!」
 そういう約束をして、ルールやマナーを教えながら、教師がリーダーになって楽しいことを積み重ねていきます。
 教師がゲームを通して身体を開け、自分のリーダー性を鍛えていくことは大切なことです。
 例えば、ジャンケンゲームは、子どもたちの目を教師に集中させることができます。なぞなぞを出して、答えを班で相談させたりすれば、班会議の練習にもなります。
〇子どもと遊び、子どもを理解していく
 子ども一人ひとりの変化と子ども同士の変化をじっくりと見ていく必要を感じています。
 子どもは授業中と休み時間とで、関係性が大きく変化します。子ども理解のため、4月にじっくりと子ども同士の関係を観察します。 
 休み時間の子どもの様子を、子どもたちと一緒に遊びながら観察します。遊びをリードしている子、孤立しがちな子、一緒に行動している子などを発見していくのです。
 もう一度、意識的に子どもと遊ぶ時期は、夏休み明けの9月です。夏休み明けというのは、子どもが変化する時期だからです。
〇困ったときは、周りの子どもたちに聞く
 特に重い課題を持っている子がいて、対応に困り果てたときなどは、周りの子に聞くとよい。子どもたちは幼稚園から一緒ですから、友だちのことはよく知っています。
〇早めに家庭訪問する
 課題を抱えている子に気がついたら、早めに家庭訪問をして親とつながるとよい。
 親から話を聞くことで、子どもの別な一面が見えて、その子との出会い直しができます。
 親の子育てをねぎらいながら、この子をどうしたいと思っているのか、その願いを聞きながら、いっしょに子どもの課題に取り組んでいく、そういうことが大切かなと思います。
(
斎藤 修:1953年福島県生まれ、元千葉県公立小学校教師、全国生活指導研究協議会常任委員)

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保護者が教師のファンになってもらうには、保護者とどのように話せばよいのでしょうか

 私が保護者との関わりで常に意識していることは、保護者を自分のファンになってもらうということです。
 楽しんでもらうときは楽しんでもらい、伝えるべきときは伝え、一本筋の通った先生であると保護者に一目置いてもらう存在になるということです。
 保護者との面談は、わずか一回の会話で、あなたの印象が決まってしまう可能性があります。その機会を最大限に活かすことができるかが大きなポイントになります。
 私が保護者との対話で意識していることは
(1)
敬語を使い、保護者の話をよく聞く
 保護者は教師のちょっとした言葉づかいであなたの常識度を判断しています。
 例えば、保護者が来校したとき「ご苦労様です」という言葉は目上の人が目下の人に使うものとされています。
 
「お世話になっております。ご多忙の中、ご来校ありがとうございます」
という言葉がスマートです。
 人は興味を持ってくれる人に、親近感や信頼感を抱きます。教師が保護者の話を熱心に聞いただけで「なんて、いい先生なんだ」と思います。
 私は、保護者の話8に対して自分の話2くらいが理想と思っています。
 私は経験上、「保護者のことをわかってあげる」=「保護者の話を聴く」ということを強く意識しています。
 そうすると、保護者のニーズや気持ちが理解できて、うまく対応できます。
(2)
保護者の気持ちや苦労を共感する
 
「大変ですよね」「わかります」「おっしゃる通りです」など、保護者の気持ちや苦労を理解していますよということを、言葉にしてあらわす必要があります。
 聞き上手な教師は、保護者に共感し、わが子を「大切にしてほしい」「認めてほしい」とう欲求を満たすことができる教師です。
(3)
担任として、自分の考えを伝える
 「私はこう考えています」「私はこのような方針でクラス運営をしています」と、私はアイ・メッセージで教育方針や人間性を伝えるようにしています。
(4)
積極的に子どもの長所を伝える
 保護者の関心ごとは、わが子のことです。貴重な時間を割いて来校した保護者に、子どもの短所や改善点ばかりを伝えるのは愚の骨頂です。
 長所やどうしても伝えたい、ほほえましい行動・言動を伝えるようにしましょう。
 保護者に「大丈夫でしょうか?」と聞かれたときは、簡潔に改善策も含めて伝えると悪い印象を与えません。
 私はいつでも子どもを見守っているという気持ちを意識しています。
(5)
あらかじめ、話す要点をまとめておく
 私は授業に限らず、子どもたちに伝えたいときは、あらかじめ
「わかりやすい時事ネタから導入してポイントを伝え、具体的な話に落とし込む」
ように話の流れを考え、ノートにまとめておきます。
 たった一回の話だけで、心が離れたり、ファンになったりするのですから。
(6)
わかりやすく話す
 最初に結論を述べます。次にその理由、具体例、締めの言葉の順に話すと納得感のある話になります。
 教師は保護者に流暢に話をしてしまいがちですが、どうしても伝えたいこと、大事な話をする前には、ちょっとした間をあけるようにすると「あれ、何を話すのかな」と聞き手の心に話が吸い込まれます。
(7)
子どもを通して保護者に伝わるようにする
 子どもが自然と保護者に話をしたくなるように振舞うとよい。例えば、トラブルがあったときの迅速な対応、授業の面白さやわかりやすさ、子どもへのちょっとした言葉がけなどです。
 子どもから保護者に伝わると教師の信頼度がアップします。
(
栗田正行:1976年千葉県生まれ、教師、料理人、熟講師を経て私立高校数学教師。コミュニケーションを学び、わかりやすい授業、子どもや保護者への気遣い対応により、塾講師として9割以上の子どもから満足を得た)

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保護者に「協力してあげよう」という気持ちになってもらえるにはどうすればよいか

 新任教師のころは、はじめは子どもオンリーで保護者のことはあまり考えていません。
 それは仕方がないことですが、子どもを育てるためには、やはり保護者との協力や連携は欠かせません。だからこそ、保護者とは、いい出会いをしたいものです。
 始業式は、子どもにとってもいいスタートを切りたいときですが、同時に保護者も「今度の担任は誰だろう?」「今度の担任は、当たり、はずれ?」と気になっています。
 若い教師だと「若い先生は頼りないのでは」と思っていることも確かです。
 そこで、どうするか?
 始業式での保護者との出会いは、まず連絡帳です。慣れた保護者なら「どうぞ、よろしくお願いいたします」ぐらいは連絡帳に書いてきます。
 そのときに、担任が「みました」のハンコ一つで返すと、保護者は「今度の担任はダメ」とらく印を押してしまいます。
 そこで、ハンコだけでなく、担任からも「こちらこそ、ぞうぞよろしくお願いします」と書けば一応及第点はもらえるでしょう。
 さらにもうひと言
「連絡帳ありがとうございました。私もがんばりますので、今後ともどうかご協力のほどよろしくお願いします。何かありましたら、何でもお教えてください」
というように書くと「今度の先生はていねいだ。協力してあげよう」という気持ちになってもらえるものです。
 全保護者の連絡帳にひと言書けば、効果はもっとあがります。
 私はいつも始業式の日には、必ず全員の連絡帳にひと言書いていました。
「始業式の日のいつ書くの、そんな時間はあるの?」と聞かれそうですが、私は、教科書を配ったあと、子どもたちに名前を書かせてから、しばらくの間、教科書を自由に読ませていました。
 このわずかな時間に全員の連絡帳にひと言入れました。
 私は自分の顔のハンコ(絵と吹き出しスペースの入ったもの)を持っていましたので、それを押して、吹き出しに「担任の仲島です。よろしくお願いします」と書いておくだけでした。
 翌日は、ほぼ全員の保護者から「こちらこそ、よろしくお願いします」と返事が戻っていました。
 たかが、ひと言の出会いですが、のちのち大きく影響が出てきます。変な言い方ですが、保護者を味方につけると、学級づくりは、まずうまくいきます。
(仲島正教 1956年生まれ 小学校教師を兵庫県で21年間勤務。指導主事を5年間勤務。年48歳で退職。2005年より教育サポーターとして、若手教師対象に、授業づくり・学級づくり・子ども理解等のセミナーを開いている。若手教師応援セミナー「元気塾PLUS」代表)

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保護者ができないことをしてくれる教師は、保護者が味方をしてくれる

 保護者が味方をしてくれる教師はどのようなことをしている教師なのでしょうか。
1 友だちをつくってくれる教師
 家庭で解決できないことの一つに、子ども同士の人間関係がある。
 親がどんなに努力しても、子どもの友だちを代わりにつくってあげることはできない。
 私はクラスの子どもたちに次のような遊びの方針を伝えた。
(1)
学校は勉強する所でもあり、友だちとうまくつきあうことを勉強する所でもあります。
 ですから、友だちが「仲間に入れて」と言ったら、必ず「いいよ」と言ってください。
(2)
仲間と協力して遊ぶ力をつけるために、1週間に2日、みんなで遊びます。もちろん先生も一緒に遊びます。
(3)
みんなで遊ぶ種目は、みんなが一人ひとりやりたい遊びを順番にやっていきます。一学期のあいだは、遊びのリーダーは先生がやります。
 個人面談や家庭訪問、保護者会でも担任は保護者に「クラスの友だち関係については・・・・」とか「Aさんは、今Bさんと・・・・」といったことを具体的に伝えてあげます。
 友だち関係がうまくいかずトラブルをおこす子どももいます。
 友だち同士、うまい関係をつくれる教師は、間違いなく保護者から信頼され、味方になってくれます。
2 子どものためになる話をしてくれる教師
 わが子を先生が成長させてくれたと実感できると、保護者は間違いなく、よい教師だと思い信頼してくれる。
 子どもは、先生から教えてもらった、子どものためになる、おもしろくてわかりやすい、役に立つ話を、家に帰って親に自慢げに話すのが大好きだ。
 誰だって、おもしろい話を聞けば、他の人に伝えたくなる。
 このような話をいっぱい持っていて、子どもたちに話ができるようになればよいのだが。
3 困っている時に、すぐに手をうってくれる教師
 保護者が先生を頼って相談に来る、また苦情を言いに来るというのは、よほどのことである。
 よほどの困っていることでなければ、ふつうの保護者は担任を頼ってこない。
 こんな一大事な時にこそ、すぐに手を打ってくれれば、さすが先生と思い、保護者は必ず味方をしてくれる。
 だからこそ、保護者からのお願いには、何をおいても、すぐにやるのが一番なのだ。
4 よい習慣づくりをしてくれた教師
 たとえば、家庭学習をさせることに苦労している保護者から
「先生になって、毎日、根気よく宿題をする習慣をつくってくれました。あれだけ身に付きにくかった家庭学習が、みちがえるように、この一年でできるようになりました。本当に感謝しています」
と、連絡がありました。
 読書する習慣、勉強する習慣などを育てると、保護者から感謝され味方してもらえる。
5 連絡帳によいことを書いてあげる教師
 連絡帳は悪いことをしたら書くというイメージが強い。
 よくなったことや、頑張っていること、その日に特別よいことをしてくれたこと、を家に連絡するほうが、保護者に喜ばれ信頼される。
 子どもを伸ばすことにもつながる場合が多い。付箋紙に一言でもいいから書いて、連絡帳にはるのもよい。
(
大場寿子:1961年静岡県生まれ、東京都公立小学校校長)

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