カテゴリー「危機管理」の記事

子どもがケガをしたとき、どのような配慮が必要か

 子どもの事故防止、安全の確保には細心の注意をしなければなりません。しかし、どれほど気を配ろうと、子どもはケガをすることがあります。
 子どものケガは直ちに救急措置をするとともに、あせらずあわてず対処を考えなければなりません。教師があわてれば、ケガした子どもはもちろん、学級の子どもも動揺してしまいます。
 子どもがケガしたときは、励ましと慰めの言葉をまずかけます。そして、言葉をかけながら、救急策を考えて対処します。その際、ケガの状態を軽くみることは避けましょう。
 軽いケガと思って下校させたら、帰宅後に痛みが激しくなり、医師に診てもらったら骨折と診断されたなどの話も聞きます。こうなると事態は厄介です。やはり、監督不行き届きと思われてしまうからです。
 したがって、担任の判断で処理せず、保健室で救急措置をしてもらうようにします。つまり、学校として対応するのです。
 ケガした事実を校長(教頭)に率直に報告しなければなりません。率直に報告しなければ、校長は判断を間違えてしまうかもしれません。このことはぜひ注意したいことです。そして、事故の経過を的確に記録しておきます。ケガの原因によっては事故報告書の作成も必要になります。
 保護者に連絡する際、話し方や言葉の用い方は十分気をつけたいと思います。保護者はわが子がケガをしたと聞けばいささか動転しているでしょう。それを察して話をすることを忘れないようにしたいものです。
連絡の要点は
(1)
ケガをした事実「いつ、どこで、どのように」
(2)
ケガの程度
(3)
現在の状況(保健室にいる、医師に急送等)
(4)
保護者に直ちにしてほしいこと
(5)
お見舞いの言葉を申し述べる
 連絡の際、くどくどと言い訳したり、責任回避の主張ととられがちな話ばかりすると、保護者の心証を害することがあります。また、事故の原因を率直に話さないと、後日トラブルが生じることもあるでしょう。
 こうした際の処置は、落ち着いて冷静に、そして的確にすることです。もし事情がわかりかねる場合は、「目下、調査をしていす」と話して、わかり次第連絡するようにします。不確かな説明はいけません。
 また、日本スポーツ振興センターの給付金、つまり治療費のことを初めに話すと「お金の問題ではありません」と反論されることもあります。お見舞いの言葉の後に、忘れることなく、付け加えたいことであります。
 子どもが学校の管理下にある時、ケガをして診療を受けた場合、日本スポーツ振興センターから、治療費の一部が給付される仕組みがあります。この制度は教師や保護者の多くが承知しています。
 しかし、その細かなルールになると、よく知らないまま過ごしている教師も意外と多いのではないでしょうか。担当者(教頭、養護教諭、事務主事)に、ルールの要点をたずねてから、保護者に説明する慎重さが必要であるように思います。
 もし、説明に自信がないのなら、担当者に説明してもらうように気を配る必要もありそうです。お金がからむだけに、話の内容は正確明解でありたいものです。
(
飯田 稔:1933年生まれ。千葉大学附属小学校に28年勤務、同校副校長、千葉県浦安市立小学校校長を経て、千葉経済大学短期大学部名誉教授。学校現場の実践に根ざしたアドバイスには説得力がある)

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初期対応につまずくと後々まで影響する、大切な理由と失敗しないためにはどうすればよいか

 「初めよければ終わりよし」といいます。初期対応のつまずきは後々まで影響します。
素早い「初期対応」が何よりも大切です。
その理由は次の4点にあります。
(1)
初期対応が効を奏すれば、二次的問題の発生を阻止し、問題の拡大を防ぐことができるからです。逆に、初期対応に失敗すると、その処理に多大なエネルギーを注がなければならなくなります。
(2)
初期対応はそのあとの対応を方向づける重要な段階です。初期対応が危機管理全体の成否を左右するのです。
(3)
問題の渦中にある子どもの「心のケア」を成功させるポイントは、即時対応・早期解決にあるということです。即座に対応すれば小さく収まるということです。
(4)
初期対応で、「素早く対応してくれた」「一生懸命にやってくれた」という評価は、そのあとの「小さな失策」を寛大な目で見てもらえることにつながります。
 日々の教育活動を進めていくなか、多くの危機場面に遭遇します。初期対応をつまずかないようにするにはどうすればよいのでしょうか?
 そのつど「さて、どうしよう?」と首を傾げているわけにはいきません。自ら判断し、即座に対応しなければならない場面は数多くあります。「今すぐ、何をすべきか」に悩んだときに、その答えが詰まった救急箱を各教師が持っていなければなりません。
(
嶋﨑政男:1951年生まれ、東京都立中学校教師・教育研究所指導主事・中学校長等を経て神田外語大学教授)

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ダメなことはダメと毅然と指導をしなければ、子どもは健全な発達ができない

 生徒の問題行動に対して「ダメなことはどんな理由があってもダメ」とする指導をしなければ子どもは健全な発達ができるはずがない。
 荒れた学校を再生しようとするとき、日常の教育活動を充実するとともに、毅然とした指導の考え方をしっかりと認識したうえで実践にあたっていただきたい。他校の実践を形だけまねてもうまくいかないからである。
毅然とした指導をするための考え方とは
1 毅然とした指導こそが生徒と学校を変容させるという強い信念を持つ
 校長として赴任した中学校は荒れていた。職員会議で「最優先課題は学校秩序の回復である。今後は問題行動に対しては妥協のない対応をする」と宣言した。それまでの生徒の言い分を聞きながらじっくりと説諭する指導からの転換だった。
 生徒の反発を危惧した教師からは「そんなことしたら本校はもっと大変なことになる」と反対意見が出された。しかし不退転の覚悟を決めていた私は「長年の膿を出し切ったその先に学校の正常化ができる」と説得した。その結果、次第に生徒たちは落ち着いて授業を受けるようになり、学力も向上した。学校自由選択制度のもとで人気校になったのである。
 劇的な成果を生んだ理由は、本来子どもは失敗をくり返しながら成長するものだ。子どもが失敗したとき、怖い役割を果す大人がしっかりと叱ることによって、子どもは自分の過ちに気づき、規範意識や自制心を形成することができる。大人にはそのような大事な役割があるのである。
 子育てにおける大人の真の愛情とは、そのような姿勢のなかに存在すると言ってよい。この子育ての原則が見失われたとき、学校や社会は荒廃するのだ。
2 生徒の暴力に負けない強固な意志をもつ教員集団を組織する
 「暴力行為に及ぶ児童生徒に対して、教職員は正当防衛としての行為をするなどの対応も有り得る」との文部科学省の通知がある。教師は体罰が禁止されているが、殴りかかる生徒の腕をつかんで押さえつけることは、体罰であるはずがない。
 教師の力を発揮するには、生徒の暴力に立ち向かえるだけの体制を学校内につくるとよい。体力と気迫のありそうな数人の教師を呼んで、生徒の暴力行為に体を張って阻止してくれるように私は頼んだ。依頼に応じた教師は四人いた。
 私は「たとえ授業中でもなんでも、私が緊急招集の放送をかけたら、すぐ集合して生徒指導にあたってほしい。それでも生徒たちの暴力がやまない場合には、即座に私が警察の支援を要請する」と話した。
 これで生徒集団の暴力には負けないと確信した。実際に召集をかけた場面が二回あったが、これまでと異なるただならぬ雰囲気に強い決意を察知した生徒たちは身を引いた。
 一人の教師が単独で指導した場合には、生徒たちはその一人の教師を標的にする。だから、指導力のある教師を孤立させない対策を講じることは非常に重要なことなのである。
 念のために断っておくが、生徒指導においては「優しい母性的な姿勢の指導」と「厳しい父性的な姿勢の指導」のバランスがとれていることが大切である。もし悪役の教師が一人もいなかったら、だらしのない校風がすぐにできてしまうに違いない。
3 犯罪的な問題行動は躊躇せず警察と連携する
 対教師暴力、校内での放火、対生徒致傷事件、大量の器物破損等の重大な犯罪的問題行動が発生し、学校の指導が十分に及ばないと判断されたときは、すみやかに警察に支援を求めるべきである。
 被害を拡大させないことがもっとも緊急な課題だからである。警察への通報、被害届の提出、取り調べの立ち合い、保護者への説明等はすべて管理職が先頭に立って行う。そして、すみやかに臨時朝礼と保護者会を開催し「責任の取り方を学ばせる指導が大切」という学校の姿勢への理解を求めた。
 警察との連携を円滑に進めるためには、日常的に管理職と生活指導主任が警察署に出向いて、少年係と情報交換を行うことが有効である。学校と警察が日常的に連携を取っていることを、生徒や保護者に周知することが生徒の問題行動へのブレーキとなって働くのである。
4 PTAや地域の関係機関と積極的に連携する
 問題行動が拡大し、通常の指導では手に負えない状況になったときは、PTAや地域や行政などの外部の関係機関との連携を強化することが有効な対策となる。 
 私はPTAの役員と連絡を頻繁に取り、生徒指導について包み隠さず説明して理解と協力を要請した。PTA役員の耳に届く保護者からの学校批判の声には謙虚に耳を傾け、要望については即座に対応していった。
 地域が団結して健全育成に取り組むべきと考えた私は、「非行防止対策協議会」を設置した。PTA会長、指導主事、教育センター相談員、警察署少年係、民生委員、児童相談所職員がメンバーである。月一回開催し、情報連携から行動連携へ発展するようにした。
5 校長の迅速な決断と行動力
 問題行動に対して、教師集団が勇気と自信をもって生徒指導にあたるためには、「決断と実行と責任」のすべてにわたって、管理職が積極的にかかわることが必要である。
 実は、学校秩序が破壊され、状況が悪化しているときこそ、管理職が一段と踏み込んだ対応策を実行するチャンスである。大きな事件が起きた時には反対意見は出にくい。
 失敗や批判を恐れずに管理職が教師の先頭に立ったとき、教師集団の指導エネルギーは確実に増大し、学校は変容の一歩を踏み出すのである。そのときの校長の迅速な決断と行動が非常に大きな働きをするである。
6 教育行政に学校支援を要請する
 荒れた学校に必要なのは、学校秩序を回復するための戦力である。この状況把握を的確に行い、人材を派遣するのは教育委員会の仕事である。その対応にあたることも校長の重要な役割である。校長は積極的に教育委員会へ支援を要請すべきである。
(
山本修司:1950年生まれ、東京都公立中学校教師、指導主事、指導室長、校長を歴任し、荒れた学校を立て直した。2005年度読売教育児童生徒指導部門最優秀賞受賞、編著書『実践に基づく毅然とした指導』は、生徒指導に悩む教師たちのバイブル)

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保護者のクレームへの危機対応「さしすせそ」

「さ」最初のひとこと
 クレームを言ってくる保護者は感情的に高ぶっている場合が多い。「会議中なので後にしてほしい」といった教師の事情は通用しない。こじれてしまうのは、そういった教師の初期対応のまずさに起因している場合が多い。相手の心情に寄り添って「どうしたんですか」と聞き、「つらい思いをさせましたね」と、ねぎらいの言葉で緊張感をほぐす。
「し」慎重な応答
 クレーム対応の場合、保護者が感情的になっているので、教師の説明が言いわけとしてとらえられる。筋の通らない話でも「それは違います」などと説教してはいけない。保護者に批判されても、教師は感情的になってはいけない。「嫌な思いをさせましたね」と冷静を保ち、巻き込まれないことである。「私はこのように考えますが、いかがですか」と、保護者と共に考える姿勢で接する。
「す」推測の危険
 子どもが石をぶっつけてガラスを割ったようなとき、教師は「親がもっとしっかり家庭でしつけしておいてくれ」と思いがちである。推測で話をせず事実だけをもとに話すことが大切である。保護者に話をするとき「実は、石を投げてガラスを割ってしまったんです。最近イライラしているみたいで、心配なんですが、心当たりはありませんか」と、保護者と一緒になって解決していこうという姿勢が大事である。
「せ」誠意ある態度
 早く解決しようとして、中途半端な返答をしたり、問題を先送りしてはいけない。親の言い分をじっくりと聴くことに徹する。家庭訪問して解決できることなら、その日のうち話をする。要望にすぐ対応してくれたという教師の誠意が伝わるはずである。トラブルはその日のうちに対応することが問題を大きくしない第一歩である。
「そ」組織が一丸となる
 クレームの相手次第では「共感・傾聴・誠意」といった姿勢ではどうにもならないこともある。一人で背負い込まず、徹底的な情報共有と事実の確認、共同で事にあたることである。難題だと思われることは管理職へ報告し、組織一丸となって解決に当たる。そのためにも、事実経過の記録と報告を怠らないようにする。情報不足は後手に回り、問題を余計にこじらせることになる。保護者との対応は担任だけに任せず、生徒指導主事や管理職もあたり、関係諸機関との連携は管理職が担当する。子どものケアは全職員が役割を明確にして見ていくなど組織一丸となった対応が必要となる。
 わからないことは中途半端な言いわけをせず「その点については調べます」と、必ず後日報告する。子どものために「今できる、具体的な取り組み」を提案し、保護者の納得を得る。できないことはなぜかを説明し、結果の報告を約束する。そのような地道なかかわりが保護者の信頼を得ることになる。
 子どもの悪い点を教師から指摘され、保護者が子どもの言い分を話しているうちにクレームに発展する場合がある。話しを少しそらし、よい点を伝え、安心させる。先生はうちの子のこんなところまで見ていてくれていると保護者が思えば信頼される。教師は、日ごろから子どもと接し、事情を知り、もっと子どものいいところを見つけ出さないといけない。
 もつれても、子どもの指導に全力を尽くすことが解決の糸口になる。「何があっても、どの子も好きだ。学級のかけがえのない一員だ」という姿勢で臨めば、共感してくれるはずである。子どもが心配だから来たと、気になることがあれば家庭訪問するとよい。「先生は子どもの面倒をよく見てくれている」と保護者の見方が変わる。
 わがままを言ってくる親の本音は、子育てに悩み、困り果てた悲鳴である。どんなクレームに対しても教師は誠実に取り組むべきである。子どもは教師に認められればよくなっていく。子どもが変われば、保護者も変わる。教師がちょっと子どもや親に誠実に親切に対応していれば、なくなるクレームはいっぱいある。
(
山岡賢三:大阪市公立中学校英語科教師(25年間)、教頭、教育センター指導主事を経て退職し、樟蔭学園英語教育センターコーディネーター。大阪大学小野田教授主催「イチャモン」研究会に所属。大阪市教育センター時代に「保護者との関係づくり」研修プログラムを手掛けた)

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子どもに事故が起こったとき、保護者にどのように対応すればよいか

 事故が起きた時、すぐに校長に報告が届くようにしておくことが重要である。校長がまず事実を正確に把握し、どのように展開していくか、正しい判断をすることが大切である。これを誤ると、打つ手がすべて後手となり「学校の対応のまずさ」が非難をあびることとなる。学校の責任であれば、最初に校長が出て、相手が感心するくらい徹底して頭を下げること。また、「詫びない」と決めたら徹底して毅然とした態度をとること。
 次に、全教職員に「何が起きたか」周知徹底する。子どもの安全を確保する手だてを組織的に迅速に講じる。緊急事態が発生した場合は「早さ」を優先する。保護者に事故の概要と処置経過を知らせる。この保護者への第一報は極めて大切で、誠意ある素早い対応か否かが、今後の話し合いの成否を左右する。保護者や外部からの問い合わせに対応するため、電話受理を一本化する体制をとる。負傷者が出た場合は「かかりつけの病院があるか」確認し、必ず医師の診断を受けさせる。
 職員室のボードに新しく判明したことを書き加えていく。さらに、教育委員会、警察などに報告し指導を受け連携を図る。
 今の時代は訴訟されることを想定して、事実を証明するため一連の経過事実を記録する。苦情や抗議は当然あるものと心得る。「校長に会いたい」と言ってきても、「この件は私に任されていますから」と主任か教頭が対応する。その間に校長は当事者から事実確認ができるし、教育委員会の指導も受けられ、学校としての意思統一も図れる。また、相手の意図が把握できるし、対応の準備もでき、学校として組織をあげて対応できる。
 抗議や苦情を「困ったな」と考えず、子どもに対する愛情が深いのだなと思えばよい。学校としても子どもを愛する姿勢に自信があれば、ひるむことなく、親と信頼関係を築くよい機会と前向きに受け止めることである。
 怒っている人は怒りを共有してくれる人には心を預けるものだ。そこで学校側二人が「話を聞く人」「怒りを共有し誘う人」を役割分担して、「お気持ちはよく分かります」「それは腹が立ちますね」と、話を聞き、怒りを共有する。その上で「でもね」と柔らかく相手の手を取って「冷静」の領域まで誘うのである。
 会話は、ゆっくりとにこやかに、ゆとりを持ってすること。こちらが主導権を握るために、相手の質問に答えるだけでなく、答えの最後に「何があったか言ってませんでしたか?」などと、必ず質問をくり返し、こちらが質問、相手が答えるパターンにもっていくことである。この型をつくることが交渉の基本である。
 人を説得するときは、自信に満ちた態度で、目を見て、パワー(エネルギー)のある言葉で話したい。なによりも大切なのは「子どもにトラブルが発生した親の気持ち」を思いやる、大きく優しく包み込む姿勢である。
(
星 広幸:1944年福島県生まれ、千葉県警察官、警視庁警備局を経て元千葉県警察署長・千葉大学講師。「学校危機管理」等の講演活動を行っている)

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保護者から「担任を替えてほしい」との苦情にどのように対応すればよいか

 5月の連休明けからA教師の授業が
(1)
授業中ざわざわし、遊びと学習のけじめがついていない
(2)
子どもが授業中立ち歩き、教室外に出る子どももいる
(3)
混乱が日常化し、いじめ、暴力が多発し、混乱している
ようになり、保護者から校長に連日のように苦情の電話が入り、担任の交代を厳しく要求されている。また、教育委員会にも苦情の電話が入っている。
 現に起きていることを嘆いているひまはない。
 速やかに対応し、現状を食い止め危機を拡大させないようにする。子どもの学習を充実させるため、授業の回復が最優先である。
 現在、学校としてできる次の方策を複数検討して、そのなかで効果が一番期待できるものを選択し、果敢に実行していくことが実際的である。
1 A教師の授業の実情は確認できているか
2 次のどのレベルで授業は回復するか
(1)
校長(教頭、主幹等)が、授業観察に基づく指導・助言で回復する
(2)
一部の授業を他の教師とTTなどの補助で回復する
(3)
授業や校務分掌の一部を他の教師が肩代わりをし、授業や子どもの扱いを校長などが指導・助言することによって回復する
(4)
担任をはずし、研修所で研修させる。その間、教頭や教師が学級を担任し、授業回復を図る
 学校の問題として組織的に対応していく。子ども・保護者への説明責任をはたし、連携する。その際、子どもや保護者の不満がどこにあるのか、子どもや保護者の状況はどのようであるか。この授業崩壊は何が要因・原因なのか。
などを十分に捉えて、それらを考慮して対応することが重要である。
 学校として対応の仕方を決定し、全教職員が足並みをそろえて行動すること。そして、保護者に学校が取り組み、効果をあげつつある事実を具体的に説明するようにする。
 当該教師の責任や力量不足のみに限定した対応になりがちであるが、孤立させることなく、学校経営の問題としてとらえ、全教職員が協働して組織的に対応したい。
(阪根健二 1954年神戸市生まれ 香川県公立中学校教師、指導主事、教頭、香川大学客員教授を経て、鳴門教育大学教授。研究内容は学校危機管理、防災教育、生徒指導、NIE(新聞活用教育)、教職論)


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大きな事件や問題があった場合、どのようにマスコミ対応すればよいか

 あってはいけないことですが、仮に子どもが自殺した場合を考えてみます。
 事件が起きたとき、窓口を一本化し、記録をする人を決め、いつ、どこで、何が起きたか(51)を時系列で記録します。教育委員会への報告にもなり、説明責任を果たすことになります。
 担任がすぐに家に駆けつけて、校長や教頭に報告するのは当然です。報道関係者の電話が殺到されることが予想される場合は、教育委員会と早急に相談して、記者会見をいつ、どこで開くかを決める。記者が「校長を」と詰め寄っても「記者会見を行います」と言えば、追及しにくいのです。
 教室に行こうとしたら「子どもたちに影響を与えますから、ご遠慮ください」ときっぱり言う。
 記者会見や個別取材で何が問われるかを想定して「想定問答」を準備しておく必要があります。
 担任などに聴き取り調査するなど、教頭や学年主任などが中心になって資料を急いで作ります。とにかく一生懸命に調べて、一定の材料を持って記者会見に臨まないといけない。調査中でも、必ず説明責任を果たすというスタンスをはっきり示せば記者も追及しない。
 きちんと事前に調べておけば「いじめがあったのですか」と聞かれても「今、いじめの可能性も前提に調査しているところです」とスタンスを明示できます。あいまいな答弁では、いじめがあるかないかを突き詰められ、記者側のペースになります。
 きちんと対応しているとわかってもらい、記者にもその問題について同じ悩みをもち、これはもう書く必要もない、学校にまかせたほうがいいと思ってもらうと、記事にならない場合もある。そのためにも、学校側の対応は誠心誠意の構えで行ってほしいと思っています。
(
阪根健二:1954年神戸生まれ、香川県公立中学校教師、指導主事、教頭、香川大学助教授を経て鳴門教育大学教授。専門は学校危機管理,生徒指導)


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学校を脅す者にどう対応すればよいか 

 脅しなど常とする者は言うことに一定の形がある。つぎのような常套用語がある。
(1)
誠意をみせろ
 かなり恐喝に慣れた者である。恐喝罪になるから、決して金を出せとはいわない。
 そんなときは、勇気を出して「誠意って具体的に何ですか、お金のことですか、いくらなんですか」と突っ込んで聞いた方がよい。彼らは恐喝罪になるから困惑するのである。
(2)
責任者を出せ
 テクニックとして最上級者に面会を求めるのが常なのである。彼らは本当に出てくることはないと知っている。これに対しては「この問題の責任者は教頭の私です。組織上、私に任されていますから」がよい。
(3)
一筆かけ
 決して書いてはならない。後にその文書を突きつけられて困難なハメに陥ったりしている例が多い。これは法的効果がつくので特に注意を要する。
 このようなときは、毅然とした態度で「書くつもりはありません」と言わないと、相手に見くびられるだけである。
 では、学校としてつぎのような対策をたてるとよい
(1)
組織的に対応する
 あらかじめ対応責任者(教頭)、補助者(教務主任)を定めておく。マニュアルを作っておくと、電話に誰がでても同じスタンスで対応できる。
(2)
面接は複数で短時間
 来訪者名簿のすべての項目を記入させ、名刺を提示させること。面接するのは校長室以外の場所で複数の人数で。「五分間でよければお会いしましょう」とハッキリと告げる。時間になったら話の途中であっても「約束の時間ですのでお帰りください」と大きな声で告げる。すごまれても無表情に同じ言葉を繰り返す。毅然としっかり言うことが不退去罪の成立要件として有効だからだ。
(3)
警察や関係機関と連携をはかる
 相手が不法行為に及んだときは、犯罪者なのでためらうことなく警察へ通報する。警察へ通報することが不名誉なことだという空気が教育現場にまだ根強い。この考え方が彼らを増長させているのだ。
(4)
相手の威圧や言動に動じないこと
 こちらの言葉尻をとらえて攻撃されないよう、あくまでも慎重な言葉づかいに徹し、余計なことは言わない。不当な要求はその時点ではっきりと断ること。
(5)
軽率な弁解や謝罪はしない
 事実を確認するまでは「現時点では本人から事案を確認していない」と言うべきである。
(6)
メモや録音する
 教頭と教務主任が応対するとき、教務主任が堂々とメモをとる。「後で言った言わないでご迷惑をかけるといけませんので」と言って強引に録音機を置く。彼らはこの録音がとても嫌いである。
(
星 幸広:1944年生まれ、千葉県鉄道警察隊長、千葉県警察署長、地域部参事官等を歴任し、千葉大学ジェネラル・サポーター。子育て・しつけや学校危機管理に関する講演を全国的に展開している)

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不祥事が起きたときのマスコミ対応

 マスコミに報道されることはしかたがないので、報道を排除するより、ダメージを最小限にとどめるといった意識が大切である。
 不祥事が起きたときマスコミ対策を誤ったケースとして情報の隠蔽、保身、不用意な発言などがある。ではどう対応すればよいか。
 事実は隠蔽できない。先手をうって、まず教育委員会へ事故速報をする。事故の経緯、原因・動機、対処、今後の方針を明らかにしておきたい。
 気になることはPTAにも事前に十分説明し、話し合っておくようにする。保護者との信頼があれば報道の対象や風評にならないのである。単に事故があったという程度の説明では逆効果なのである。
 学校の常識で考えるのではなく、社会的に見てどうかという視点を常に持ちたい。メディアは学校の実態をよく知らないので意識的に弱い側に立つ習性がある。弱者の視点から見ておかしいことが、報道の絶好の取材源になるのである。体罰など、いけないことはいけないとして対応すれば報道以前に問題としては解決する。
 明らかにされた事実と、批判的な取材とで報道される。こんな報道をするほうが問題だという教師の意識が問題をくり返すもとになる。
 マスコミに誠実な対応とは、記者にとって必要な5W1Hを提供し、出せない点は出せないことをきちんと説明することである。教職員はまわりくどい説明をしがちである。記者はまわりくどい専門的な説明を嫌うのでその点を心得ておくこと。
(阪根健二:1954年生まれ、公立立中学校教頭、指導主事を経て鳴門教育大学教授。専門は危機管理、教職論、生徒指導)

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事故が起こったとき親に対してどのように対応すればよいか

 困ったなと考えず、親と信頼関係を築くよい機会と前向きに受け止めることである。
 親は人それぞれ異なるものさし(基準)を持っている。これを理解することが、相手の立場に立ったスタートなのである。
 親を変えることができる。教師に子どもがほめられるとうれしいのが親心である。日ごろ、子どもに対する愛情と情熱を持って接していれば、教師のその誠実さは、子どもを介して必ず親に伝わるものである。
 人間は攻めに強く、守りに入ると弱いという習性を持っているものである。どのような場合でも、攻める気持ちを忘れないことだ。絶対にひるまないこと。
 事案が発生した場合、より早く校長に報告が届き、校長が事実を正確に把握して、正しい判断をすることが大切である。これを誤ると打つ手がすべて後手となり、学校の対応のまずさに外部から大きな非難をあびることになる。
 詫びると決めたら説明責任を果たし、徹底して親が感心するくらい頭を下げることが大切。「校長先生にそこまで頭を下げられたらどうしょうもないな」と言わしめるまで。中途半端だと「しっかり謝れ、なんだその頭の下げ方は」となる。
 また、詫びないと決めたら最後までひるむことなく、毅然とした態度をとること。校長の方針がブレると、もっと傷口を大きくする。
 つぎに、教職員全員に「何が起きたのか」緊急事態の発生を周知徹底し、子どもの安全を確保する手だてを組織的に迅速に講ずることである。そのために、職員室の黒板に新しい情報や判明したことを誰でも書き加えていくことである。さらに、教育委員会、警察など関係機関に連絡し、指導を受けると共に、連携を図ることが大切である。
 事案によっては親に緊急事態の発生を知らせ、子どもの引き取りや安全な下校の措置をとらなければならない。親からの問い合わせに説明が異ならないよう、電話受理体制を確立する。
 もし、負傷者が出た場合は、親にかかりつけの病院があるか確認し、速やかに医師の診断を受けさせる。親への第一報は極めて大切で、今後の話し合いの成否を左右するといっても過言ではない。何よりも大事なのはスピード。誠意ある素早い対応が、その後の責任追及を緩和した例は極めて多い。
 緊急事態が発生したときは、正確さより早さを優先すべきである。正確さは後で補正できるが、早さはカバーできない。悪い状況というものは、時間が経過すればするほど拡大し、手がつけられなくなるものだ。そうなると解決の選択肢も限られてしまう。
 事案が発生したらならば、今の時代、必ず訴訟を起こされるとの心構えで事に当たらなければならない。法廷に立ったとき、親からの苦情を受けたとき、自分を守ってくれるのは、経過を記したメモである。客観的事実のみを箇条書きにするとよい。
 記録がなければ誰もその事実を証明してくれない。公式に認められるのは言葉ではなく文字。そのメモが後日、免責の契機となることもあるのだ。
(
星 幸広:1944年生まれ、千葉県鉄道警察隊長、千葉県警察署長、地域部参事官等を歴任し、千葉大学ジェネラル・サポーター。子育て・しつけや学校危機管理に関する講演を全国的に展開している)

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