カテゴリー「授業中の生活指導」の記事

私語で騒がしい教室を変えるには、どのようにすればよいのでしょうか

 まず考えられるのが、最低限のルールについて、その善し悪しを明示して毅然たる態度で叱ることです。学級崩壊が広く知られるようになった現在でも、教室の秩序維持に貢献しています。
 ただし、叱ることが効力を発揮するのは、教師の言葉に十分な説得力がある場合に限られています。
 例えば、ザワザワしている子どもたちに「静かにしなさい」をくり返しますが、「なぜ静かにする必要があるのか」を子どもたちが納得できるように説明できる教師は案外少ないのです。
 そういう言葉の力の弱い教師が、いくら「毅然とした態度」で子どもたちを叱っても、逆効果になることが多いのです。
 叱ることだけが「騒がしい教室」をなくす方法ではありせん。
 例えば、子どもたちがザワザワし始めた教室で教師が、子どもたちが楽しくなるような「つかみネタ」をぶっつけてみて、子どもの関心を教師に向かせます。
 国語の授業であれば、授業の冒頭でちょっとした漢字遊びをします。「3分間で木のつく漢字をできだけたくさん集めましょう」というような遊びです。ちょっとした漢字遊びが子どもたちの気持ちを授業に誘導します。
 あるいは、黒板にクイズ型の問題を板書して「夏目漱石の作品として間違っているのはどれ?①吾輩は猫である②舞姫③坊ちゃん」というように、こんな三択なら、だれでも参加できます。
 面白い学習クイズをしてみたりして、教室のザワザワを学習に向けた集中へと導く空気づくりをすることは十分に可能です。
 さらに「騒がしさの中で学ぶ」方法があります。
 従来の「静かに」「座って」学ぶスタイルから「明るく」「アクティブ」な学び合いに変えるのです。
 例えば、合法的な立ち歩き活動です。「何かを見て、短い感想文を書く」「賛成・反対の理由の文を書く」「ふり返りの文を書く」ときです。
 教師が教える授業も必要です。しかし、子ども同士が学び合うグループ学習も必要です。グループが苦手な子も慣れると楽しく学べます。
(上條晴夫:1957年山梨県生まれ、小学校教師(10年)、作家、教育ライターを経て東北福祉大学教授。NPO法人「授業づくりネットワーク」理事長、お笑い教師同盟代表、専門は教育方法学・表現教育)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

授業中、不安を感じる子や、おしゃべり、立ち歩く子がいるとき、どうすればよいのでしょうか

 授業時間は学校生活の中で多くの時間を占めるため、授業で子どものやる気を引き出すチャンスはたくさんあります。うまくいかないときがあっても、別の時間に取り返すことができます。
 1時間、1日の授業だけで、子どもたちとの関係が築かれるわけではありません。毎日少しずつ積み重ねていくことで、子どもたちとつながっていくのだと思います。子どもたちに安心感を与えられるように、子どもたちと粘り強くしっかりと向き合っていきたいものです。そのためには
1 授業に不安を感じている子どもたちには
 たくさんの子どもたちが集まる教室では、楽しいと感じ授業に臨む子どももいれば、「できるかなあ」と不安を感じている子どももいるはずです。
 私は「できるかなあ」と不安を感じている子どもたちが「大丈夫。一人じゃない」という気持ちを持つことができるようにしたいと思っています。
 授業でわからない課題に出会ったとき、仲間に聞いてもいいし、教師に聞いてもいい学級にしたい。
 
「一人ではできないことも、みんなと一緒だったらできるかもしれない」と、思えば、難しいことでも挑戦できるかもしれません。
 仲間の力をちょっとずつ借りながら、無理だと思っていたことも達成できたら「自分にもできた! 次もやってみようかな」と、次の意欲へとつながります。このような成功体験の積み重ねが自信へとつながると考えています。
 教科によっては、ある知識について「○○博士」と言われるくらい、とても詳しい子どもがいます。そのような子どもが活躍できる場面を意図的につくります。
「歴史博士の○○くん。よかったらみんなに、織田信長のこと教えてほしいんだけど」とお願いします。そして発表後「教えてくれたありがとう」と、たくさん学べたことを伝えます。
 教師自ら子どもに「教えて」と聞く姿勢を見せることで、「聞くことは恥ずかしいことじゃない」と子どもたちに思わせることができます。それと、認められた子どもと教師がつながります。このような場面を、いろいろな教科で少しずつ繰り返していきます。
 ペアやグループ学習で、わからないところを「教えて」とたずね「これは・・・・」と伝えている姿がみられたときは「いいね、こういう場面がたくさん出てくるにしたいよね」とすぐに子どもたちに伝えます。
2 授業中におしゃべりする子どもがいるとき
 授業に参加せずにおしゃべりをしていたり、ノートに絵を描いていたりする子どもがいます。以前、私は「サボっている」と、腹を立てて、その子を叱っていました。
 しかし、子どもの視点に立って、どうしてやりたくないんだろうと考えました。そうすると「やらないのではなく、やれない理由があるのかも」と思いました。
 勉強の内容がわからない。しかし、教室にいなくてはいけない。「どうしたらいいの? つらいよ」という訴えが、おしゃべりなどの行動に出ているのではないかと考えるようになりました。
 だから、叱るのをやめました。できるだけ寄り添うように声をかけ、どこでつまずいているのかを理解して支援するようにしました。具体的には次のようにしています。
(1)
そばに行って「○○くん?」と名前を呼び、授業に意識を向けさせる。
 
「はっ」として取り組み始める子もいます。「あ、しまった」と自分で気付いてできるようになる子もいます。
(2)
「今ね、この問題やっているんだけど、どうかな、できそう」と、やることを確認する。
(3)
やろうとした努力の跡を見つけて「ここまで頑張ったんだね」「ここから、わからなくなっちゃった? 一緒にやろうか」と、やろうとした意欲やできているところを認め、最後まで取り組めるように支援する。
 教師は気付かないうちに、教師という色のついた「メガネ」をかけてしまっているのではないでしょうか。ありのままの子どもの姿をとらえ、支援していくことで、子どもは「先生、わかってくれた」と感じ、やる気を出すことができると思います。
3 集中力がなく、立ち歩く子どもがいるとき
 声をかけても、それだけでは難しい子どももいます。先生に注目されたと感じ、注意されても繰り返します。
 以前の私は「なんとかしなければ」と、つい手をかけすぎて、一人の子どもにつきっきりになってしまったことがあります。しかし、子どもの行動は全く変わらず、学級も落ち着きがなくなってしまいました。
(1)
授業中に立ち歩いたり、不適切な発言には対応しない。自分の気持ちが抑えきれずに怒り出した場合も対応しない。
(2)
その子が頑張ったことや適切な行動ができた場合は、小さなことでも認めて思いっきりほめる。
 集団の中で不適応を起こす子に対して、私は「どんなあなたでも、先生は大切に思っている」という気持ちをもつようにしています。そして、子どもが「先生は自分の味方」と思えるように粘り強く寄り添います。
 適切な行動ができたときには思いっきりほめることを繰り返していくうちに、少しずつ変化が見られるようになるでしょう。
 毎日少しずつ積み重ねていくことで、子どもたちとつながっていくのだと思います。そして、子どもと教師の間に信頼関係が築かれ、安心感が生まれます。安心感はやる気へとつながります。
(3)
学級の他の子どもたちを大切にする。
 授業に参加しない子につきっきりになってしまうと、学級の他の子どもたちは、一生懸命に授業を受けているのに待たされることになります。「先生は○○くんをひいきにしている」という気持ちが出てきて、教師との関係が崩れてしまいます。
 教師はそれ以上は対応せず、他の子どもたちと楽しく授業を進めていくことも必要だと思います。子どもたちは、この対応を見て「先生は私たちのことも大切にしてくれる」と感じることができるからです。学級の雰囲気も温かくなります。
(
白根奈巳:愛知県名古屋市立小学校教師)


| | コメント (0) | トラックバック (0)

授業中に立ち歩く子どもがいると他の子に影響がある、どうすればよいのでしょうか

 授業中に歩き回ったり、教師の指示を聞いていないなどの問題行動の多い子どもは、一昔前までは、落ち着きのない子どもなどとも思われていた。
 現在、このような子どもの中には、発達障害と診断される場合もあり、その原因は「心の持ちよう」や「しつけ」とは関係のない脳機能の障害であることが一般にも知られつつある。
 その症状の度合いや内容は様々であり、子どもの反抗や自己中心的な態度との区別が難しく、教師の判断も困難である。
 勉強についていけないことや、他の子と衝突を繰り返すことで、自信を失ったり、学校生活を楽しめない状況に陥ることも考えられる。
 授業中に歩き回る、教師の話を聞いていない、理解していない、などの問題がみられた場合、どのような理由に基づくものであるのかを観察し、保護者や養護教諭、スクールカウンセラーなどと、共によく検討する必要がある。
 学習に困難を伴う学習障害(LD)や注意欠陥多動性障害(AD/HD)では、視覚や聴覚からの刺激に影響を受けやすいことや、集中できる時間が短いことがある。
 教師による観察では、どのような教科や活動で立ち歩きが目立つのか、など記録しながら把握するのが有効である。そのうえで
(1)
視覚から入る情報を減らすために、
 黒板と教師に近い座席に配置する。カーテンを閉め、外の景色を見えなくするなどの方法をとる。
(2)
学級全体の指示のあとに個別の指示を出す、などの方法で注意を促すとよいとされる。
また、
(4)
休み時間に体を動かす。
(5)
立ち歩きしそうになったら、プリント配布を手伝ってもらう。
など、体を動かしエネルギーを発散させることも有効とされる。
 立ち歩きなどの多動行動は、年齢が進むにつれて目立たなくなる傾向があるとされる。そこで、保護者は悲観的にならず、発達障害の子どもを専門に教育する学習機会の場と連携することで、子どもの能力を伸ばしていくことが必要と考えられる。
 多動行動は、一人で校庭や屋上への飛び出しや衝動的な行動もあることから、本人および周囲の子どもの安全を守るための注意が必要となろう。
 授業中に立ち歩く行動は、他の子に影響を及ぼす。他の子もふざけて立ち歩いたり、教師の注意に反抗的な態度をとるなど、授業や学級運営に支障がでる。
 多動行動のある子も含め、教室内のルール(チャイムがなったら席につく。授業中に立ち歩きしない。必要な場合には教師の許可をとる。など)を確認する必要がある。
 同調する子どもの中にも、授業の内容が理解できていない、興味を持っていない場合もある。授業内容の工夫や、学校組織によるサポート体制など検討する必要がある。
(
畑中綾子:東京大学高齢社会総合研究機構客員研究員、東京大学公共政策連携研究部特別研究員、香港大学上席客員研究員)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

始業ベルがなっても教室に入らない子どもや、私語をなくすには、どうすればよいでしょうか

 教師が少しも変わらずに、子どもだけが変わることを願うのは無理です。教師が変わった分だけ、子どもが変わるのです。
 あなたの授業がその子にとって心躍る授業に変わり、あなたがその子から「先生大好き」と慕われる教師に変わることが、始業ベルが鳴っても教室に入らない子どもをなくし、私語をなくす道だと私は思います。
 始業ベルが鳴っても教室に入らない子は「先生、私にもわかるように面白い授業をして!」と言っているのです。
 あなたが、その子にとって心躍る、楽しい授業をするようになれば、その子は始業のベルを待ちかねて席につきます。
 私の信条は 「面白くも、おかしくもない授業など授業でない」です。
 筋の通った格調の高い、面白くない授業よりは、筋はそんなに通らなくても、多少格調に欠けるところがあっても「面白い授業が子どもを育てる」のです。
 この信条は、教師であるあなたと同じ悩みを何度も繰り返したあげくの私の信条です。
 
「出来」の異なるすべての子どもに行き届くように授業をすることは正直に言って不可能です。だから、授業は、子どもを「ひとり学びに突き放す過程」と考えるのがいいのです。
 自分の足で歩けるようになった子には余計な口出しをせずに、行く先(目あて)だけをしっかり教えて、道順さえも自分で考えさせて、ひとりで歩かせてやるのがいいのです。 
 授業に心躍る思いもなく、面白さもおかしさも知らぬ子は、まだひとり歩きのできない子どもです。
 子ども40人に教師が一人であるならば、教師はまず、そのひとり歩きのできない子に寄り添うのが人の道であろうと私は思います。
 同じ授業でも、面白いと思う子もいれば、面白いと思わぬ子もいる。肝心なのは誰のために面白い授業を工夫するかだ。
 頼みとするたった一人の教師が、もし、授業がわかって面白いと思う子だけを連れてどんどん歩いていってしまったら、残された子はどう思うでしょう。
 授業に取り残された子は、しかたなしに仲間と私語をし、退屈しのぎに漫画を読み、オレたちも居るぞと、少し大きな声を出して、出来る子をやじったりする。すると教師は叱責する。
 そういう毎日を繰り返していたら、学習の意欲を失って、学校を嫌い、教師を憎むようになるでしょう。そんな教室には入りたくないと思う子が出るのは当然です。
 面白くておかしい、心躍る授業は、その子のために工夫すべきだと私は思います。「キミのため、工夫した面白い授業が始まるゾ」と、始業ベルは鳴るべきものだと思います。
 ところが教師はどうか。授業がわからない子も仲間に入れ、励ましを与えているか。
「わかった人」を連発して、わかる子、出来る子と教師だけで授業を進めていないか。もしそんなことをするならば、それは「弱い者いじめ」「えこひき」です。
 教室でわかる授業を受けられなかった子は、きっと「弱い者いじめ」を始めます。やがて自分よりも弱い教師や親をもいじめるようになります。始業ベルは、教室に入りたくない子には何と無情に響くことか。
 始業ベルは、まだ、自分でひとり歩きして勉強することが出来ない子のために鳴るのです。どの子どもにも生きる喜びと勇気を与えるために鳴るのです。
 廊下に座り込んでいる子には「さぁ、今日もキミのために面白い授業を始めるぞ、きっとキミに声をかけてやるぞ」と鳴るのです。
(
船越準蔵:19262015年 秋田県生まれ、秋田大学附属中学校教師、秋田県教育庁指導主事、教育次長、中学校長、秋田県中学校会長を務めた)



| | コメント (0) | トラックバック (0)

授業中に暴言を浴びせられたときどう対応すればよいか、予防するにはどうすればよいでしょうか

 かなり言葉づかいの荒い子どもがいます。教師を挑発することに快感を覚える子もいます。「クソジジィ」「クソババァ」といった罵声を浴びせられたことがある教師もいると思います。
 あまりにひどいので大声で叱ることがあります。大声で叱っても本人は平気なので、何度も叱っていると、その度に授業が中断し、学級が荒れてしまうおそれがあります。どうすればいいのでしょうか。
 教師も人間です。子どもの暴言にカーッとなることもあるでしょう。しかし、そこが勝負どころ。感情のままにまくしたてるのはやめて、ゆっくり深呼吸しましょう。   
 子どもの挑発に乗ってはいけません。相手のペースにはまって、ケンカを買わないことが重要です。
 なぜなら、教師がカーッとなって子どもと売り言葉に買い言葉のようになってしまうと、学級が一気に荒れてくるからです。
 学級を荒れさせる原因のひとつに「授業の中断」があります。子どもの挑発に教師が乗ってしまうと、授業が中断してしまいます。
 荒れる学級は、ヒートアップしやすく、熱気を帯びやすい。どうやってクールダウンさせるかがポイントです。
 まず、教師自身が子どもの挑発に乗らず、カーッとしないようにすること、自分自身をクールダウンさせることが大切です。
 子どもの挑発に乗らずに、一瞬、間をあけて、一呼吸置くことです。心の中で「1,,,・・・・・」と数えて、頭にのぼった血が下がっていくのを確認しましょう。
 そして、少し低めの穏やかな声で話かけます。例えば「○○さん、私はクソババァではありませんよぉ」と穏やかにたしかめるのもよいと思います。ヒートアップしている学級の雰囲気をスローダウンさせていきます。
 子どもを注意する時も、できる限り、授業を中断させない工夫が必要です。一斉授業の形をとらず、グループ学習や個別学習の時間を多くとるようにするのも一案です。
 荒れない学級をつくるには、ふだんから学級をクールダウンさせておくことが大切です。
 そのためには、たとえば、子どもの言葉づかいが荒くても、教師は一貫して、子どもを「○○さん」と「さん」をつけます。
 教師は子どもに「です、ます」調で話すようにするなど、ていねいな言葉づかいを保つことで、穏やかな雰囲気づくりを心がけたいものです。
 言葉づかいの荒い子どもが、どんな気持ちでそのような行動に出ているか、その背景にある「気持ち」を確かめてみるのもよいと思います。
 気持ちを確かめてもらうと、その子は「先生は自分を信じてくれているんだな」と感じて、教師の言葉を素直に受け取りやすくなります。「ああ、悪いことしたな、オレ」と思うかもしれません。
(
諸富祥彦:1963年生まれ、明治大学教授,臨床心理学、カウンセリング心理学、現場教師の作戦参謀としてアドバイスを教師に与えている)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

授業を始めるときに教室にごみが落ちているとき、どう指導すればよいか

 授業を始めようとして教室を見渡すと、ごみが目立ち始めてきた。誰かごみを拾ってくれるといいな、と思って期待を込めた目で子どもを見つめても、誰も拾う気配がありません。
 どのように子どもたちを指導すればよいのでしょうか。教師のタイプ別に考えると、
(1)
厳しいタイプの教師-ごみを拾ってから授業開始する
 教室はきれいであるべきである、ということをきっちり示したい教師は、まず授業を始める前にこう言います。
「教室が汚れています。汚れた教室で授業はできません。ごみを拾って、捨てた人から座りなさい」
これで、教室はきれいになります。
 ポイントは「ときどきやる」ことです。ときどきだから効果があります。毎日や毎時間は、絶対にやってはいけません。授業時間が削られると思わせてはだめです。本当に汚いと、子どもに気づいてもらいたいときにやります。
 きれいなときには「今日は、きれいだね。うれしいです」と、きれいな状態を認めることもお忘れなく。
(2)
優しいタイプの教師-教師が自分で拾う
 ごみを子どもが拾ってくれることを期待するから、イライラしたり悲しい気持ちになったりします。だから、ごみは教師が拾う。
 しかし「教室が汚れています。気づいた人は、ごみを拾うようにしてもらえませんか」くらいのことは言っておきます。
 そして、教師の呼びかけに応えてくれ、ごみを拾っている子どもを見かけたら「ありがとう」と感謝の気持ちを示しましょう。
 その後も、教師自らごみを拾いながら、ごみを拾う子どもを見つけては、丁寧に感謝の気持ちを伝えます。ごみを拾う子どもの輪が広がることを地道に支援します。教師があきらめなければ、ごみを拾う子どもは確実に増えます。教室は、きれいになります。
(3)
しっとりタイプの教師-整理整頓の時間を設ける
 子どもに整理整頓の時間を確保することで、穏やかにことを進めたい教師にお勧め。
 汚し屋の子どもがいると、教室やロッカーにごみがあふれます。こういう子どもがいると、通常の清掃だけでは不十分です。定期的な机やロッカーの整理整頓が必要です。定期の整理整頓の時間を設けます。
 整理直後の彼らの机の中やロッカーをときどき見せてもらい「おお、きれいだね!」と明るく声をかけてください。きれいになったところに声をかけられればうれしいはずです。
(4)
元気なタイプの教師-「ごみゼロ」プロジェクト
 ごみ拾いで楽しく盛り上がりましょう。教師が「一分間で、できるだけ紙くずを拾ってもってきてください。用意始め」と指示をします。
 ごみの多いクラスでは、時間をかければいくらでもごみが出てくるので、時間を限定します。終わったら、集めたごみを数えます。そして、数を黒板に記録します。
 紙くずですから、ゼロになることはほとんどありません。でも、確実に紙くずは減ります。紙くずは目立つので、教室がきれいになったという印象がもてます。
 また、子どもたちはごみの数を減らしたいので、ごみを拾っておいてくれるようになります。時折、本当にゼロのことがあります。そのときは、みんなで拍手をして喜びあいましょう。実際にやると、かなり盛り上がります。
(
赤坂真二:1965年新潟県生まれ、小学校教師(19年間)を経て、上越教育大学教授。アドラー心理学アプローチの学級経営を研究。現場の教師を勇気づけたいと願い、研究会の助言や講演を実施して全国行脚している)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

授業中によくしゃべる子どもを静かにするには、どう指導したらよいのでしょうか

 よくしゃべる子どもにどう対応したらよいかを考える前に、自分自身の授業の進め方を客観的に見て、授業のやり方を考えなおすことも必要です。
 テレビカメラのように、よくしゃべる子どもをアップで見るだけでなく、ヒキで教師もふくめて授業中の学級全体を見るようにします。
 そのときの視点として、つぎの7つがあげられるでしょう。
(1)
手作業などをともなった操作活動、学習遊びやゲームなどを取り入れているかどうか。
(2)
しゃべる子どもに授業の本流にそって活躍できる機会を与えているかどうか。
(3)
教師の話術や、指示、発問のしかたは適切かどうか。
(4)
後ろ向きになっての板書や説明調の時間が長すぎはしないか。
(5)
授業中、子どもへの励ましのことばかけより、注意や叱ったりすることのほうが多くなってはいないか。
(6)
しゃべる子どもや同調者をふくむ座席の位置に問題はないか。
(7)
子どもがおしゃべりやふざけの原因になっているかもしれない、子どもが熱中している遊びなどをとらえているかどうか。
 たいせつなことは、気持ちの上でいらだったり、なんとかしようとあせったりしないで悠然とかまえることです。
 子どもの性格やくせはすぐには変えられないものですし、その子のためによかれと思ってやることが、逆に反発をまねくといった事態につながることがあるのです。
 では、どうすればよいのでしょうか。
1 学級指導
 全員の子どもが具体的に活躍できる場面を、授業中に豊富に取り入れることです。
 授業で大切なことは、導入からまとめまでの流れの中に「静」と「動」を適切に組み入れることです。
 静かに話を聞くだけでなく、子ども自身を生き生きと動かすことが必要なのです。体ごと学習に取り組めるような授業を組織することが重要です。
 子どもは、低学年だけでなく、高学年でも、やりたがりやなのです。自分の手でやってみたい、自分の頭で考えてみたいと思っているのです。
 この「やりたい」という要求やエネルギーを生かすことです。ですから、授業を準備するとき「子どもに何をやらせようか」と考えるのです。
 子どもが活動して、熱中していたり、忙しくしているときは学習量が当然多くなり、おしゃべりしたり、席を離れたりするひまは出てきません。
 そのような授業はどのような方法があるのでしょうか。
(1)
チームで子ども同士の力を活かす
 例えば、わり算指導で、四人一チームが黒板で、チョークをバトンにして一つの問題を共同作業でやります。一度に五チームぐらいやることができます。たす、ひく、かけるも四つの部分に分けてやればできます。また、漢字の書き順や音読も可能です。
(2)
作る
 画用紙で分数カードを作る。厚紙でかけ算カルタを作る。折り紙を折る、漢字カードを作る、社会で調べたことを絵にするなどの作業です。
(3)
グループで学習ゲームや学習遊びをする
 参考文献が多く出されています。
(4)
書取り
 書き取りを多く取り入れることです。板書したものをノートに書き写すのではなく、教師が口頭でゆっくり、くり返し発言することを、全員の子どもたちがしずかに聴き取りながらノートに書いていくことです。
 授業の始めに、この時間に学ぶ中身を子どものことばで書かせるとか、学習のまとめ、家庭学習の中身、明日の学習の準備、また、家庭への連絡事項などいくらでもあります。
 書き取りは、耳と頭と手を連動させる高度の精神活動ですから、根気よく続けると、集中力もつき、落ち着いた人間の形成に役立ちます。
2 個別指導
 よくしゃべる子どもは、いくらことばで注意しても効果がないものです。授業中に活躍させる場面をできだけ多く与えることです。例えば、板書させる、教具を操作させる、配る、作るなどです。
 授業がおもしろくて、自分が活躍する場、認められる場があれば、子ども自身が余分なおしゃべりをしなくなります。
 つまり、おしゃべりな子どもの積極的なエネルギー、行動力の発揮する場を、授業中にたっぷり与えることです。
 もちろん、おしゃべりな子どもだけというわけにはいきませんから、ほかの子と上手に組み合わせてのことです。
 そして、やったことについては評価してあげることです。よい意味のリーダーに育てることが個別指導の決めてではないでしょうか。
(
相原 昭:元東京都公立小学校教師)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

いねむりをする生徒には、教師はどのように指導すればよいか

 いねむりの原因は十人十色です。教師はそれに合わせたいろいろな指導をする必要があります。いねむりの原因に合わせた対策と指導をつぎのように行います。
(1)
体調不良、寝不足、疲労が蓄積しているとき
 身体的原因です。教師は養護教諭の代わりに「少し休ませる」ゆとりを持ちます。五分ほど見守り「もしもし、授業中です。気分が悪いのですか」という簡単な注意と確認を行います。
(2)
どの教科でも、すぐにいねむりする習慣がついているとき
 他の教科の教師と連携するだけでなく、学級担任を通して保護者の協力を要請します。脳疾患を調べるように勧めたり、特別支援学級へ移すことも考えます。
(3)
授業や教師がつまらない、おもしろくない、わからないとき
 教師が反省し、授業を改善します。本当におもしろい授業なら、すべての生徒が集中します。
 最後に、すべてに有効な方法を紹介すると、教師が魅力ある授業を毎時間行うことです。教材研究に励みましょう。
 私の授業でいねむりをする生徒はまれです。机に伏せる生徒は決まっているので、その生徒を寝かせないピンポイント指導をするからです。個人的な悪行は、友だちに気づかれないように叱ります。
(
福地孝宏:1962年名古屋市生まれ、名古屋市立中学校教師。教育に関するHP開設し、実践で得た技術を紹介している。教師の悩み相談にも応じている)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

授業のチャイムが鳴っても席につかないし、静かにしないとき、どうすればよいか

 授業の始まりのチャイムが鳴っても、なかなか教室にもどってこない子もいる。授業の開始時間を子どもたちに守らせることが大切である。
 そこで、つぎのように指導する。全員の子どもたちが教室にもどってきたところで、教師が「全員立ちなさい」指示する。
 つぎに「チャイムが鳴ったとき席につけた人は座りなさい」と指示する。そして「座れた人は、りっぱです」とほめる。
 この指示と評価を毎時間続ける。やがて、チャイムが鳴ると全員の子どもが教室にもどってこられるようになる。
 しばらくすると、この約束がまた守れない場面が出てくる。そのときは、班で取り組ませてみる。
 「全員立ちなさい」「チャイムが鳴ったとき席につけた人は座りなさい」と指示する。そして「○班と△班は、全員座れました。りっぱです」とほめる。班で声をかけ合って席につくことに取り組ませるのである。
 授業を始めようとするとき、子どもたちが静かにしないので「静かにしなさい」と教師が指示するのはよくない。では、どうすればよいのでしょうか。
 まず、はじめに音で集中させる。
 
「みんな、手を3回打ちなさい。さん、ハイ」と指示する。半数以上の子が手を打つ。おしゃべりをしていた子も、何が始まったのだろうかと集中しはじめる。
 さらに続けて「今度は、手を4回打ちなさい。さん、ハイ」と指示する。ほとんどの子が手を打つ。
 次は目で集中させるようにする。「指の数だけ手を打ちなさい」と指示し、指を5本見せる。子どもたち全員が手を5回打つようになれば、完全に子どもたちは教師に集中している。
 最後に「手を上げたら、パチパチと拍手をしなさい。手を下げたら、ぴたっとやめなさい」と指示して、手を上げる。子どもたち全員が拍手する。しばらくして、手を下げる。全員が拍手をひたっとやめる。教室が静かで楽しい雰囲気になる。
 子どもたちに作業をさせているときや、グループ学習をしている場合、教師が「やめて、こちらを見なさい」と指示しても、なかなか指示どおりにならない。
 こんなときには、まず「手をひざの上に置きなさい」と指示する。手に何か持っていると集中できないからである。
 次に「先生のほうに、おへそを向けなさい」と指示する。これで自然と教師の方に体が向き、集中する姿勢がとれる。
 それでも、少しざわついている場合は「静かにしなさい」「口を閉じなさい」と指示するよりも「歯を見せないようにしなさい」と指示するほうがよい。
 このような言葉を使うと、子どもたちは、どのように行動すればよいかがイメージでき、すぐに行動に移ることができる。
(
加藤辰雄:1951年愛知県生まれ、元名古屋市立小学校教師。愛知教育大学非常勤講師)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

授業中の私語を叱るとはどんなことか、どうしたらいいのか

 新任の教師が口をそろえて言うことは、授業中の私語についてである。「いったいどうしたら私語がなくなるか」「うるさい教室をどうしたらいいか」と深刻に悩んでいる。私はそんなとき「自分の授業を録音して聴いてみなさい」と言う。
 多くの教師は授業中「おしゃべりするな」と、どなった経験者は少なくないはずだ。私語する子どもたちは何も授業のじゃまをしようと意図しているわけではない。ただ、その授業に熱中できていないことは確かです。
 集中できない授業そのものが問題ということになる。そこで、まず教師が自分の授業を見たり聞いたりすることをおすすめする。録画や録音してみると、どうして子どもたちが騒がしくなるのか、わかる気がする。それだけでも、教師である自分が何をしたらいいか、手がかりがつかめる。
 そういう教師自身の授業の仕方、話の仕方などを見ようとしないで、子どもたちだけに教室の騒がしさの罪を押しつけるのは、教師の自分勝手というものである。
 実際、教室のかたい椅子に座って「自分の授業」を見たり、聞いたりしてみる。想像してみる。どういう感じがするだろうか。あるいは校内研修で教師が教室の椅子にすわり授業を受け、子どもの立場を体験してみるのもよい。
 授業を受ける体験をすれば、授業をすることとは、こんなに大きな差があるものかと実感する。
 教師の「授業がやりにくい」というのは、実は「授業に魅力がなく、授業に熱中しにくい」という子どもたちの気持ちでもなければならないのに、教師だけが一方的に「授業がやりにくい」と感じ、叱って静かにさせようとするのは、いかがなものか。
 授業は静かに教師の話を聞くばかりではなく、子どもたちにとっても自己表現の場でなくてはならない。授業というのは、一つのテーマを全員で追究する場であり、共通の問題意識を深める場である。
 子どもたちが授業に熱中しているときは、私語があってもそれがいい意味で授業の雰囲気になっていることもある。いわゆる授業の活気になるのである。
 人が話しているときは、傾聴するといった一定のルールとマナーを学校でしつけながら、テーマについて自由に発言できなければならない。
 どうも教師が授業中の「おしゃべり」をうるさいと感じるのは、教師の一方的な考えからのようにも思える。その教室の子どもたちの感覚をも考慮に入れなくてはならない。
 このように考えてみると、私語を叱るとはどんなことか。どうしたらいいのかの手がかりになると思う。
(
関根正明:1931年生まれ、小・中学校教師、指導主事、東京都公立中学校校長、大学助教授を経て、元山形大学講師)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

いじめの指導 | さまざまな子どもの指導 | ものの見方・考え方 | カウンセリング | 不登校 | 人間の生きかた | 保護者との協力関係をつくる | 保護者にどう対応するか | 保護者の実態 | 優れた先生に学ぶ | 優れた授業とは | 優れた教科授業例 | 先生の実態 | 危機管理 | 叱る・ほめる・しつける | 各国の教育 | 各教科の授業 | 問題行動の指導 | 国語科の授業 | 地域 | 子どもから学ぶ | 子どもたちに対する思い | 子どもたちの関係づくり | 子どもと向き合う | 子どもの失敗 | 子どもの実態 | 子どもの成長をはかる | 子どもの指導の方法 | 子どもの見かた | 子どもへの話し方 | 子育て・家庭教育 | 学び合う学び | 学校の実態 | 学校経営と組織 | 学級づくり | 学級の組織と活動 | 学級の荒れ | 学級崩壊 | 学級通信 | 学習指導・学力 | 学習指導案 | 実践のための資料 | 家庭 | 掃除 | 授業づくり | 授業のさまざまな方法 | 授業の展開・演出 | 授業の技術 | 授業中の生活指導 | 教師との関係 | 教師と子どもの関係づくり | 教師に必要とされる能力 | 教師の人間としての生きかた・考えかた | 教師の仕事 | 教師の心の安定 | 教師の成長・研修 | 教師の話しかた | 教師の身体表現力 | 教材・指導案 | 教材研究 | 教育の技術 | 教育の方法 | 教育の理念や思い | 教育史(教育の歴史と変化) | 教育改革 | 教育法規 | 教育行政(国・地方の教育委員会) | 新学級づくり | 理科の授業 | 社会環境(社会・マスコミ・地域) | 社会科の授業 | 算数・数学科の授業 | 経営とは | 英語科の授業 | 評価 | 話の聞きかた