カテゴリー「授業中の生活指導」の記事

子どもたちの学習態度を育てるにはどうすればよいか、また机間指導中に行うべきことなんでしょうか

「白井さん、あれは授業ではありませんね。」
 新任の時、初めての授業研究が終わっての帰り道、歩道橋の上で当時の校長であったH先生からいただいた言葉です。
 自分なりにがんばったつもりであり、授業後の研究協議会でも厳しい意見をいただかなかっただけにショックでした。
「模造紙何枚もの資料を作ったのに…」
「睡眠時間を削って指導案を書いたのに…」
 今考えれば、H校長先生の言葉がよくわかります。
 せっかく作ったからといってすべての資料を広げれば、子どもたちは混乱するばかりです。
 授業は私の努力を見せる場ではありません。
 また、睡眠不足は私の準備不足から来たもので、子どものせいではありません。
 むしろ、そんな状態で授業をしたことを子どもたちに謝らなければならないところです。
 つまり主語がすべて自分であって、子どもたちが主語になっていないのです。
 当時はそのことに気付きませんでしたが、この厳しい言葉が、授業について考える出発点になったのは確かです。
 幸いにして、私はたくさんの授業を見せていただく機会に恵まれました。今までに見せていただいた授業の数は、二千本近くになるのではないでしょうか。
 これまでたくさんの授業を見てきて、とても残念に思うのは、学習態度は小学校の低学年の方がしっかりしている場合が少なくないことです。
 学習態度を向上させるのに一番効果的なのは、新年度早々に「○年生らしい姿とは何か」について十分に話し合わせ、めざしたい○年生像を一人ひとりの子どもにしっかりとイメージさせることだと思います。
 その際、具体的な行動の仕方や態度だけでなく、それがなぜ求められるのかということについても十分に話し合わせておくことが大切です。
 また、話し合いの基本的なルールやマナーについて集中的に指導しておくことも有効です。
 年度当初、学級で話し合っておいた方がいいことはたくさんあるはずですから、それらを話し合わせる中でルールやマナーを身につけさせていくのです。
 高学年であれば、下級生の存在を意識させるというのも、自らの行動への自覚を高めていくうえで有効な方法です。
 機会あるごとに、下級生が君たちから何を学んでいるかということを、特にプラス面を中心に伝えていくのです。
 子どもたちの学習態度を高めるために、他の先生方の力を借りるということも大切です。
 なるべくいろいろな教師に教室に来てもらって、授業の仕方だけでなく、子どもたちの様子についても見てもらい、批評してもらうようにするのです。
 なぜこのようなことが大切かと言いますと、知らず知らずのうちに学級の雰囲気やスタイルのようなものができてしまい、教師も子どもたちもそれに慣れてしまって、その中の改善すべき点が気づきにくくなってしまうからです。
 反対に、見てもらって教師からほめてもらった場合は、子どもたちにそれを伝え、共に喜び合うようにします。
 子どもたちにとってほめてもらうということは大きな自信になり、さらにがんばっていこうとする意欲につながっていきます。
 机間指導中に行うべきことはなんでしょうか。
 机間指導は、
(1)子どものつまずきを早期に発見し、適切な手だてを講じるようにします。
(2)よい点を認め、励ますということです。
「この考え、すばらしいよ」と声をかけたり、ノートにその場で花まるを書いたりすると、ふだん発言をためらいがちな子でも発言するようです。
 先生に認められ自信が生まれるからでしょう。
(3)授業の組み立てに役立てるということです。
 たとえば、
「Aさんがノートに書いている疑問は目標と関連が深いから、全員の学習課題にしていこう」
「Bさん、Cさんの順に指名してそれぞれの解き方を説明させ、共通点と相違点を考えさせよう」
「Dさんが個性的な考え方をしているから、紹介しみんなの見方を広げていこう」
 と、その後の授業展開をイメージしていくのです。
 机間指導の際に座席表を活用すると、授業の組み立てや、記録や資料としても役立つでしょう。
 各自が自分の考えをまとめているときに、座席表に簡単にメモしていきます。
 そのメモした座席表の情報をもとに授業を組み立てていくと、授業はふくらみのあるものになります。
 また、このメモした座席表を保存していくと、子どもたちの学習状況をとらえるための資料となりますし、通知票の所見を書く際に活用すれば記述が具体的なものになります。
 机間指導中に子どもと会話する場合には、しゃがみこんで子どもと目の高さを合わせて話すことが大切です。
 また、個別指導しているときも、常に全体に目配りしている必要があります。
(白井達夫:川崎市立小学校教師、横浜国立大学附属横浜小学校副校長、川崎市総合教育センター教科教育研究室長、川崎市立小学校校長を経て横浜国立大学教育デザインセンター主任研究員)

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「授業を通して人間関係を強化し、集団をつくる力を養う」実践例

 佐賀県多久市立中央中学校では数年前まで、生徒同士のつながりだけではなく、教師と生徒との信頼関係、教師同士の連携も弱いことから、校内に問題が出ていた。
 そこで中央中学校がまず着手したのが、教師間の人間関係づくり。そこから教師と生徒の関係づくり、さらには生徒同士の集団づくりに至る過程を追っていく。
 中川正博校長は2002年度に中央中学校に赴任した当時、生徒の姿を見て、
「同じ校舎にいても一人ひとりが孤立していた。子どもたちの結びつきが、とても弱いものになっている」そんなふうに感じたという。
 校内ではちょっとしたきっかけで生徒同士がケンカになるといった光景が、日常的に見られた。ケンカを通してお互いの人間関係が深まればいいのだが、自分の感情を相手にぶつけるだけの不毛なトラブルが多かった。
 だが、結びつきが弱いのは、生徒同士の関係だけではなかった。
 中川校長によると「教師と生徒、そして教師同士の関係も強いものとはいえなかった」という。
 同じ校舎にいても、一人ひとりが孤立しているといったようすだった。中川校長は、
「当時の生徒たちの顔つきは“目が尖っている”という感じでした」
「生徒の目が尖っているから、彼らと接する教師の姿勢も、つい刺々しいものになってしまう」
「また、学校が落ち着かないときには、教師に集団としてのまとまりが求められるのに、教師間の動きもばらばらでした」
「各教師が自らの『経験と勘と気分』で、個別に生徒を指導している状態だったのです」と語る。
 そんななかで中央中学校がまず着手したのは、教師間の人間関係の構築だった。
 教師と生徒、生徒同士の人間関係を築く礎として、まず最初にそこを優先したのだ。
 きっかけは山形県のある中学校を訪問したことだった。
 その中学校はかつて荒れた学校だったが、短期間で建て直しに成功していた。
 そこで導入していたのが、茨城大教育学部講師の笠井喜世氏が提唱する「テトラS」という教師間の連携の手法だった。
 そこで、中央中学校も、テトラSを取り入れることにしたのだ。
 テトラSによる学校再生のサイクルは、
1 現状把握:校内の問題をカードに客観的に書き出す。
2 まとめる:内容が似ているカードをまとめ、それぞれに要約したタイトルをつける。
3 現状分析:なぜ生徒がこのような行動をするのか、意見、思いをすべて出し合う。
4 問題提起:学校が抱えている問題を整理する。
5 目標設定:どの問題の解決に優先的に取り組むか決め、具体的にどう取り組むか、実践可能な目標を設定する。
6 評価:毎日、目標に対してどれだけできたかチェックリストで自己評価(数値化)する。グループで実践の度合いを確認し合う。
7 評価まで到達し、目標が達成されたと班会で認められたときは新しいサイクルに入っていく。
 中川校長は、
「テトラSでは、まず本校の教師35名を担当教科や学年、在籍年数などが偏らないように四つの班に分けます」
「各班では、先生方が生徒の生活態度や学習態度で問題だと感じていることを書き込んだ『現状把握カード』をもとに、なぜそうした問題が起きているのか、問題解決のためにはどのような手法が有効かといったことを話し合っていきます」
「そして問題解決に向けての目標設定と具体的な取り組みを各班ごとに決め、実行に移していくのです」と語る。
「授業が始まっても、学びに集中できない生徒が目立つ」という課題がある教師から提起されたとする。
 班のメンバーは「休み時間と授業中のメリハリがついていないことが理由ではないか」と原因を探っていく。
 そこで「生徒が授業に集中できる環境をつくる」という目標を立て、
「教師は早めに教室に行き、授業開始のチャイムと同時に授業を始められるようにする」
「授業開始の礼は、全員がそろってからにする」など具体的な取り組みを決め、実践する。
 効果のあった手法については、月1回の全体会で全教師にフィードバックされる。
 このテトラSが導入された当初は「ただでさえ忙しいのに、なぜさらに業務を増やすのか」と消極的な態度を見せる先生も少なくなかった。
 しかし、中川校長は「ほかの業務を精選してでも、テトラSにはしっかり取り組んでください」と指示を出した。
 確かにテトラSでの個々の取り組みは、小さなものであったが、小さな成果の積み重ねによって、やがて学校全体の生徒指導のノウハウが蓄積されていった。
 何より大きいのは、ばらばらの方向を向いて指導に当たっていた先生方が、一緒に話し合い、行動するなかで、問題意識を共有できるようになったことだ。
 教務主任の大野敬一郎先生は、
「教師の世界は独立独歩の雰囲気が強いのですが『テトラS』が教師の垣根を取り払ってくれました」と話す。
 大野先生の言葉を受け継いで、教頭の太田春美先生も次のように語る。
「生徒指導でよくみられるのが、生徒指導主事を中心とした一部の先生方が力で生徒を抑え込もうとするケースです」
「この場合、学校に生徒指導のエースがいるときにはうまくいくかも知れませんが、その先生が異動でいなくなってしまったとたんに、生徒の生活は崩れかねません」
「それに比べて今の本校は、学校で何か問題が起きたときに、一部の先生が力を行使して問題を収めようとするのではなく、全員で問題が起きている原因を探り、組織として解決していこうとする態勢が確立されつつあります」
 興味深いのは、教師の関係が変化すると、それが生徒にも敏感に伝わるということだ。
 テトラSの活動を通じて、すべての先生が同じ姿勢・同じ言葉で生徒に接するようになった。
 また、担任や授業を受け持っていないクラスの生徒にも意識が向くようになった。
 例えば、授業に遅刻してきた生徒に対して頭ごなしに突き放すのではなく、
「なぜこの子は、授業を前向きに受けることができないんだろうか」
 というように、子どもを理解しようとする方向へと意識が向かっていった。
 その変化に、生徒が教師に向ける態度も、刺々しいものから柔らかみを帯びたものへと、少しずつ変わっていった。大野先生は、
「もちろん一朝一夕には、生徒の変化は望めません。私が担当している体育でも、3年間取り組みを続けてきて、チャイムと同時に授業を始められる雰囲気ができあがりました。今、本当の意味でスタート地点に立ったところです」
 教師同士のつながり、教師と生徒との信頼関係を取り戻した中央中学校が、力を注いでいるのが、生徒同士の集団づくりの力を高めていくことだ。
 生徒指導のキーワードが、「自己存在感」「自己決定」「共感的人間関係」という三つの視点だ。
「自己存在感」とは、自分が集団を構成する欠くことのできない一人であるという存在感を生徒に感じさせること。
「自己決定」は、生徒に自ら考え決定する場面を与えること。
 そして「共感的人間関係」とは、教師と生徒、また生徒同士が、お互いの存在を認め合い、一緒に高め合っていける関係であることだ。
 中央中学校では、この三つの生活指導上の視点を全ての教科指導のなかで取り入れ、授業の中で実践している。
 研究主任の真子靖弘先生による3年生の「公民」の授業では、社会問題についても自分が知っていることを踏まえて自由に意見を述べる雰囲気がクラスに醸成されている。真子先生は、
「新聞記事を手がかりにすれば、どんな生徒でもそのテーマに対する自分の意見を述べることができます。つまり『自己存在感』を発揮することができる」
「またある生徒の意見に対しては、別の生徒を指名して、賛成や反対の意見を引き出していきます」
「これは自分の意見を述べるには、相手の言葉にきちんと耳を傾けなくてはいけないという『共感的人間関係』をつくり出すことをねらったものです」
「そして授業の締めくくりには『自己決定力』をつけさせるために、最終的な自分の意見をワークシートに書かせ、お互いに見せ合い、みんなの前で発表させています」
 真子先生の授業は、教師の側から生徒に発問をし、その答えを元に展開していくというスタイルをとっている。
 難しいテーマを取りあげるときにも、できる限り生徒が授業に参加しやすい雰囲気をつくる配慮をしているのだ。
 そのような授業のなかでお互いの意見を見せ合う場を保障し、話し合うことができるようにする。
 相手の意見を認め合う過程で学習集団づくりができるといった、授業のなかで生徒指導を行っているのだ。
 また生徒の意見が対立したときには、ディスカッションが取り入れられることもある。
 生徒は、ほかの生徒の多様な発想や意見に刺激を受けながら、自分の考えを深めていくというわけだ。真子先生は、
「生徒には、反論を述べるときには客観的資料に基づいて発言するように指導しています」
「また相手の意見をバカにするような発言があったときには、授業を止めて真意を確認するようにしています。ですから議論が感情論に陥ることはほとんどありません」
 このように授業で生徒同士の良好な関係を築き、学習集団をつくっていく工夫を積み重ねていくうちに、学校行事等での生徒のようすにも変化が見られるようになった。大野先生は、
「体育大会での器械体操や創作ダンスなどの集団演技の練習では、上級生が率先して下級生の指導にあたり、私たち教師が介入する場面はほとんどなくなりました」
「生徒たちは、教師の手を離れたところでも、自分たちで集団をつくり、動かしていく力を身につけつつあります」
 中川校長はこうした集団の力を、今後は学習習慣の定着に活用したいと考えている。中川校長は、
「家庭学習時間を調査すると、家庭学習時間はゼロという生徒が、本校でも5割強はいると感じています」
「生徒会を中心に、生徒が自分たちで『学習や生活を見直そう』という行動目標を立てるような方向に持っていきたいですね」
 中央中学校では、さまざまな教育活動に対する自己点検・自己評価にも力を注いでいる。
 毎学期、57項目にもわたる「生徒指導の自己点検・自己評価」というアンケート用紙を教師に配布。A~Dの4段階で活動を自ら評価している。
 評価項目は、
「生徒の実態や行動の変化を把握し、生徒指導に学校全体が取り組んでいる」
 といった生徒指導に関するものはもちろん、
「地域住民やPTAの諸会合等から積極的に意見や情報を収集している」
 といった家庭・地域・他機関との連携に関するもの、学級運営や教科指導、部活動にかかわるものなど、教育活動全般を網羅している。
 また生徒に対しても毎学期ごとに、「学校生活は楽しいですか」「授業はわかっていますか」といった質問項目から構成される「学校生活についてのアンケート」、
 さらには保護者にも生徒のようすと学校への要望についてのアンケートを実施している。中川校長は、
「こうした自己評価・自己点検、アンケートを通じて、学校が抱えている問題点を明確にでき、改善に結びつけていくことができます」
「また、学校の現状や、学校運営の方向性を地域や家庭に説明するときの根拠データにもなります」
(ベネッセ教育総合研究所:VIEW21(中学版)2005年4月号)

 

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学習規律とは何か、どのようにして学習規律を教えれば、できるようになるのでしょうか

 授業を行うには、学習するのにふさわしい環境が必要です。
 落ち着いた、整然とした学習環境であれば、集中してじっくり考える時間が持てます。自分の考えを発表したくなります。友だちの考えを聞いてみようと思います。
 「なるほど」「あっそうか」と発見があり、学ぶことが楽しくなるのです。
 はじめに、どのような環境で授業をするのがよいかという必要性を含めて「学習規律」というルールを教えることが第一段階です。
 徐々に教えていけばいいだろうと安易に考えてはいけません。
 4月当初、子どもたちが教師の様子を探っている時期を逃さず、教えていくことが大切です。
 次は教え続けることです。
 教師が学習規律の話をして、全員がすぐに習得できるのは、指導直後のみであると考えたほうがいいでしょう。
 繰り返しほめながら、教えつづけること。妥協せず徹底することが大切です。
 教え続けることができるか否かで、今後の授業が大きく変わるものです。
 この段階が教師の頑張りどころなのです。
 「大体の子はできている」ではなく「全員できる」ことを徹底しましょう。
 最後は、当たり前にできることとして習慣化することです。
 子どもたちに身につけさせたい学習規律は、
1 休み時間に次の学習の準備をする
2 授業始めのあいさつをする
3 よい姿勢「グー・ピタ・ピン」
(1)グー:机と身体の間隔はグー
(2)ピタ:足は床にピタッ
(3)ピン:背筋はピン
4 指名されたら返事をする
5 聞き方「あいうえお」
(1)あ:あいての顔を見て
(2)い:いっしょうけんめい
(3)う:うなずきながら
(4)え:えがおで
(5)お:おしまいまで聞く
6 話し方「あいうえお」
(1)あ:あいての顔を見て
(2)い:いっしょうけんめい
(3)う:うんと口をあけて
(4)え:えがおで
(5)お:おしまいまで話す
7 話し方・話し合い方
「〇〇です」「〇〇だと思います」「理由は〇〇です」「Aさんと違って〇〇です」
8 ノートに書くときは、下敷きを入れる
9 線を引くときは定規を使う
10 授業の終わりのあいさつをする
 この学習規律の環境をつくることは、教師の重要な役目です。
 後は、教師の授業力で磨いていき、子どもを育てていくのです。
(川原田友之:1952年福島県生まれ、千葉県公立小学校教師、教育委員会指導主事、課長。退職後は東京都教育研究所主任研究員)

 

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子どもが宿題をやってこないとき、どう指導すればよいのでしょうか

 何度注意しても、宿題を提出できない子どもはどのクラスにもいるものです。
 担任もあきらめて、対応がうやむやになってしまうことがあります。
 担任が保護者に、
「宿題をやってきません。おうちで見ていただけますか?」
 と頼むと、
「勉強を教えるのは学校でしょ。こっちだって忙しいのに」
 と反発が起きることがあります。
 宿題はやりたくないから、価値があるのです。
 怠け心に打ち克ってやる。
 その心を鍛えるためにあります。
 宿題忘れが常習的になってしまった子どもの保護者には、個人面談のとき「宿題の意味」を保護者にしっかりと伝え、協力を要請しましょう。
 保護者がわが子に、声かけやチェックだけなら、時間もかからず負担も少ないはずです。
 子どもが宿題を終えたら、保護者のサインをもらうという仕組みをつくります。
 宿題をやってあるかどうかだけのチェックです。
 3分もあれば十分ですから、保護者の負担にはなりません。
 年度はじめや学期始めの懇談会や学級通信で協力をお願いしましょう。
 また、宿題は必ず全員ができるものを出すことが鉄則です。
「全員できて、簡単にチェック」という仕組みで、宿題を忘れる子どもはぐんと減ります。
 さらに、漢字練習や計算練習など「毎日、必ずある」という宿題をつくりましょう。
 保護者も「今日は宿題ないの?」と聞く必要がなく、子どもも、ごまかすことができません。
 量は少なめで十分です。
 宿題の「定番」をつくることをおススメします。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校長。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる) 

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授業中、「つまらない」と言われたり、集中しない子どもがいたとき、どうすればよいでしょうか

 授業中、「つまらな」「わからない」と子どもに言われてしまったときは、教師にとって自分の授業について振り返るチャンスととらえ、対応を考えることが重要です。
 こんなに準備して授業に臨んでいるのにと、子どもを責めるようでは教師の資格はありません。
 次の観点から、授業を振り返ってみてください。
1 わかりにくい授業では?
「そうだね。わかりにくい説明だったね。こう考えてみたらどうかな」
 と、別の例を出したり、図を使ったりして説明します。
2 学習問題が子どもたちの生活経験から離れ、イメージしにくいのでは?
「今考えている問題は、みなさんの身近な〇〇と関係があるんだよ」
 と、子どもたちの日常生活のできごとと結びつけて説明します。
3 この学習をする意味がわからないのでは?
「この問題を考えることは、〇〇といった力がつくんだよ。例えば□□のときに使えるよ」と、具体的に説明します。
 騒いでいたり、寝ていたり、授業に集中していない子どもに注意する場合は、どのようにしたらよいでしょうか。
 怒ったり、声を荒げても、一瞬、静まるだけで本質的な解決にはなりません。
 なぜ集中できないのかを子どもたちの立場から考えてみることです。
 授業に集中できず、騒いだりする理由は様々考えられます。授業に問題がある場合と、その他に原因がある場合があります。
1 授業に問題がある場合 
 その授業のときだけに集中できない様子が見られたときです。
 そんなとき、「こちらを見なさい」「しっかり話を聞きましょう」などと大声で注意しても何の解決にもなりません。
 まず、学習課題がむずかしすぎて、やるべきことがわからないため、騒いでいることがあります。
 机間指導をしながら、課題の意味や課題追求の方法を具体的に説明します。
2 その他に原因がある場合
 窓から見える体育の授業が気になっていることもあります。
 教師が教卓からゆっくり移動して立つ位置を変えて全体に話しかけたり、騒いでいる子どもの側に立ち、そっと肩に手を置き、それとなく注意を喚起するのもよいでしょう。
 もし、学級の何人かが、気にとられているようであれば、ちょっと授業を中断し、
「みんなも次の体育の授業のときにやるよ。今は、算数がんばろう」と、一呼吸を入れるぐらいの余裕を持ちたいものです。
(梅沢 実:鳴門教育大学、帝京科学大学教授を経て埼玉学園大学教授)

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今、教師が言ったことを聞いていない子どもがいる、どう指導すれば聞くようになるのか

 今、教師が言ったことなのに、話を聞いていない子どもがいる。どうすればよいのでしょうか。
 例えば、教師が「遠足の時には、紅白の帽子をかぶっていきますよ」という話をした直後のことです。
 A子が「質問があります」と手を挙げ「先生、紅白帽子はかぶっていきますか?」と真顔で質問しました。
 この質問が教師の逆鱗に触れました。
「Aさん。今言ったばかりです! 聞いてなかったんですね」
 こういったことが日常茶飯事にある子どもを、
(1)愛すべきキャラ
 聞いたばかりのことを真顔で質問するなんて、これはもう愛すべきキャラで、チャームポイントと考えよう。
(2)自分の世界がある
 話を聞いていない時には、自分の空想の世界に入っていることがある。想像力をもっているとも言える。
(3)聞き流すのが得意
 ちょっと嫌なことを言われても、気づかないので傷つかずに済む。
と、ネガティブな行動をこう考えてポジティブにとらえ、次のような対応をとるとよい。
1 笑顔で対応 
 話を聞いていないと、叱り続けていては、教師とAさんとの関係が悪くなります。そして、それを見ている周りの友だちとAさんとの関係も悪くなってしまいます。
 だから、基本は「言ったよ」と笑顔で応えます。ずっこけるリアクションをしてもいいでしょう。
 すると、まわりの子どもたちも「しょうがないなあ」と思ってくれます。愛すべきキャラにします。
2 聞いている時を見逃さない
 話を聞いていないことが多いA子さんでも、どんな時でも100%聞いていないということではありません。
 聞いているとき「A子さん、今、先生が言ったことを言ってみて」と笑顔で言います。
 これを繰り返し、本人にも周りの子どもたちにも、A子さんが話を聞けるようになってきたということをアピールします。暗示のような効果があります。
3 聞かざるを得ない状況を作る
 教師が、
「今、先生が言ったことをペアで確認します」
「列の右側の人が、左側の人に先生が言ったことを言いましょう」
「左側の人は、合っているかどうか聞いてあげましょう」
 このような指示を授業のところどころに入れて、聞かざるを得ない状況をつくります。
(飯村友和:1977年千葉県生まれ、千葉県公立小学校教師。子どもたちが安心して学び、自らを高めようとする学級づくりを研究。全国各地で、模擬授業や学級づくりの講座を披露している。教師と子どもとの距離を縮める多数のネタやそれを支える考え方、子どもと教材との楽しい出会わせ方には定評がある)

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授業で生徒にやる気を起こさせるには、どのように語りかければよいか

 生徒にやる気を起こさせるためには、授業中、この活動はなんのために行うのか、この活動を行うとどうなるのかを教師が示し、指示を出すことが大切である。
 生徒を励ますのは、生徒の欠点をみんなで共に克服するためである。
 私は授業中、生徒にやる気を起こさせるために、次のようなことを語ります。
1 3回はやりなさい
 授業で学んでいることがすぐに身につくわけがない。人間の脳は忘れるようにできているのだから。
 そのことを話しながら、授業で学んだことは、家に帰ったら復習し、1週間後に再び学ぶことを話す。
 英語などは、予習、授業、その日のうちに復習、テスト前に1回の学習が必要だと言う。4回やれば身につく。
2 机の上を整頓しなさい
 机の上が乱雑なままでは、とても集中できない。机の上の状態が生徒の頭の中の状態といってもよい。まず、生徒に話を聞く状態を意識させることだ。
3 勉強ができるようになることは簡単なんだ。それはね「先生が言ったことを、先生が言ったようにやること」それだけ。
4 先生が「教科書を出しなさい」と言ったら教科書を出すの。先生が「〇ページを開きなさい」と言ったら「〇ページ」を開くの。「ノートに書きなさい」と言ったらノートに書くのです。
 こんなことは誰でもできることです。でも、先生の指示を聞いていない人はできません。
 そうやって、授業からこぼれていくと、今何をしているのかわからなくなるのです。
5 人間の脳細胞は生まれたときはみんな一緒です。でも時間と共に差が生まれます。
 その差を作っているのが、人の話を聞いているか、聞いていないかの違いなのです。
 簡単な誰でもできることです。聞いていさえいれば、必ずできるようになります。騙されたと思って、まずやってみなさい。
6 脳みその作りなんて、みんなそんなにかわらないから。やればみんなできるようになるよ。
 でも、言われたことを、やろうとするか、しないか。そこが大事なの。「どうせやっても無駄」なんて言って、やる前からあきらめないこと。
7 テストの準備はがむしゃらにやること。悪あがきだと思われてもいい。自分が不安だったら、とにかくやる。
8 テストまでに、どれだけやるのかが大事。どれだけ準備するかが大事。
9 授業があたりまえにできるには、一人ひとりの頑張りはもちろんだけど、みんなで真面目に授業に取り組めるクラスになることが必要なんだ。
 だから、授業がきちんと行えるってことは、そのクラスには実力があるってこと。
10 居眠りしている仲間がいたら声をかけてあげなさい。それが仲間のためだから。
11 友だちが、授業とは関係ない話をするときがあるでしょ。そういうときは、無視しなさい。それが友だちのためだから。
 無視することもときには大事なの。友だちのダメな行為をわかっているから無視できることもあるの。
(垣内秀明:1965年長野県生まれ、長野県公立中学校教師。教育サークルTOSS中学信州代表)

 

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授業中、わざとふざけたことを言ったり、揚げ足をとって、授業を妨害する子どもに、どのように対応すればよいでしょうか

 授業中、教師の問いかけや友だちとの意見交流で、わざとふざけたことを言って、授業を台無しにする子どもがいます。
 また、教師の発言の揚げ足をとって、授業を妨害する子どももいます。
 このような行為は、授業の雰囲気を壊し、他の子に迷惑となります。どうすればよいのでしょうか。このような子どもには、
「真剣に相手をせず、軽く受け流して、授業の雰囲気を守ることに専念する」
とよいと思います。指導のポイントは
(1)授業のペースを乱さない
 子どもが授業の流れを壊す発言をした場合、大切なのは、授業のペースを乱さない
ことです。
 そのために、子どものふざけた言葉に「真剣に取り合わない」ことです。
 幼い子どもを母親がなだめるように「軽くたしなめて、受け流す」くらいの「余裕」で応じましょう。
(2)他の子をバカにしたり、迷惑になる態度には厳しく
 他の子をバカにしたり、周りに迷惑になるような態度をとった場合は、軽く受け流して終わってはいけません。
「今の言葉をもう一度言ってみよ」と、毅然とした態度で叱りましょう。
 教師の毅然とした態度ほど、子どもにこたえるものはありません。
 ほとんどの場合、これだけでOKです。反省が見られたら、あとは何事もなかったかのように授業を続けましょう。
(3)教師が「無視した」と受け取られないようにする
 教師が子どもを軽く受け流す対応の仕方は、冷たくあしらわれ、無視されたと受け取られるかもしれません。そうならないように、
「耳が日曜日」「また遊んであげるから」
など、たまにはユーモアで返す余裕も見せなくてはなりません。四角四面な叱り方をするだけでは、到底聞き入れてはくれないものです。
(4)周りの子どもたちに問う
「今の行動が、立派だと思う人?」と、他の子どもたちに問うようにします。
 当人の言動が周りの子どもたちにとっては、迷惑になると知れば、授業をかき回す発言をしなくなるものです。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校長。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる) 

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授業に必要な物をよく忘れる子どもは、どのように指導すれば忘れ物がなくなるか

 授業で使用する「コンパスを忘れました」と報告に来る子どもは、
「先生が何とか解決してくれるだろう」
と、先生に助けを求めて来ます。
 教師が、忘れ物をした子どもに、
「なぜ忘れたのか?」
「あれだけ忘れるなと言ったのに」
などと、厳しく注意しても、その後に、教師が忘れ物をした子どもに、
「先生の物を使いなさい」
「隣のクラスの子に借りなさい」
などと、教師が解決してしまっては、忘れ物をした子どもは、同じことを繰り返すことになります。
 忘れ物を繰り返す子どもは、持ち物の確認を家庭で行う習慣が身についていません。
 ですから、保護者の協力を欠かすことができません。
 家庭に連絡を入れて、次の日の準備の確認を保護者と一緒に行うように協力を求めなくてはなりません。
 また、特別な持ち物が必要になる場合には、あらかじめ家庭に連絡を入れて、準備をしておくようにお願いするようにしましょう。
 忘れ物をすると教師に「叱られるのが怖い」のではなく、
 忘れ物をした子どもに
「授業で自分自身が困るのだ」
ということを分からせなくてはなりません。
 そのために、忘れ物をした子どもには
「何か解決策を考えているのか?」
と、問うようにしましょう。
 教師は解決してくれないこと、忘れ物をした子どもが、自分で考えなくてはダメなことを教えるためです。
 忘れ物をした子どもが、忘れ物をすれば、困るのが自分だと身をもって経験することで、真剣に考え、忘れ物をなくすようになっていきます。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校校長。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

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授業中、そわそわして落ち着かず、集中力に欠けるクラスは、どう指導すればよいか

 教師の目を盗んで好き勝手なことができる環境をつくっていることが問題です。
 授業に参加しなくても、おとなしくさえしていれば、叱られることも困ることもない授業に教師がしていまっているということです。
 クラス全員が授業に集中するように、子どもたちの考えを書かせたり、突然、指名して発表させたり、ぼうっとしている子どもに声をかけたりと、様々な指導の工夫が必要です。
 いつノートチェックが入るか分からない、となれば、子どもは嫌でも授業に参加せざるをえなくなり、教室が心地よい緊張感に包まれます。
 世の中はテンポが速くなっています。授業の組み立てを短時間のユニットを組む工夫をすることで、集中力が持続する授業づくりに努めましょう。
 例えば、導入の10分間は計算や漢字のゲーム、次の15分は教師の発問を考える、その次の10分間は意見の交流タイム、最後の10分間はドリルで練習、といった具合に。
 教師の目を盗んで、こっそり勝手ことをやっている子どもを、個別に集中して叱ってはいけません。
 その子は運悪く見つかっただけで、他にも授業に集中できてない子はたくさんいたはずです。叱られた子にすれば「何でオレだけ?」と、反抗したくなります。
 何度も注意したくなる子もいます。何度も叱ることが続くと「あの子はダメな子」というレッテルが貼られる危険があります。
 そうならないように「隣の子はできているか、お互いに確認してね」と、子ども同士で気をつけ合うような指導法を取り入れ、教師の直接指導を少なくする工夫が必要です。です。
 何となく教室の雰囲気がだらけてきたなと感じたら、一斉に教師の方を向かせたり、思い切って授業を中断してしまいましょう。
 クラスの雰囲気を変えたうえで授業を再開した方が集中して学習することができます。
(中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校校長。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

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