カテゴリー「授業中の生活指導」の記事

学級を荒れないようにするために、子どもに合わせて授業スタイルを変える勇気を持とう

 私は、学級崩壊しているクラスに何度もサポートに入りました。学級崩壊しているクラスでは授業は成り立ちません。おしゃべり、立ち歩き、子どもたちはやりたい放題です。
 そんな中、力のあるベテラン教師が指導する音楽の授業にサポートに入ったことがあります。
 このベテランの教師は、子どもたちを低音と高音に分けて、合唱の指導を始めました。低音の子が練習をしている間、高音の子に5分間、聞くだけの時間を与えてしまったので、おしゃべりを始めました。
 このクラスの子どもたちに5分間、聞くだけの時間を与えてしまったら、それこそ「おしゃべりしなさい」「立ち歩きなさい」と言っているようなものです。
 5分を2分にして時間を短くする、高音の子にも何か課題を与える、などの工夫が必要だった。
 しかし、力のあるベテラン教師にとって、自分の築き上げてきた授業スタイルを変えるのは難しいことのようでした。
 教師には「私語」に対する対応に、次の2つのタイプがあると思います。
(1)
子どもたち全員が、教師の話を聞こうとしないと、気がすまない
(2)
子どもたちがおしゃべりをしても、あまり気にならないタイプ
 (1)のタイプの教師が多いと思いますが、神経を図太くして、少しくらい子どもがおしゃべりをしても気にならない教師に変身する必要があるでしょう。
 ある程度、許容していかないと、いまの子どもたちと付き合えない。子どもたちの変化に教師は対応していかざるを得ないのです。
 目の前の子どもたちの変化に合わせて、自分の授業スタイルを変える勇気が必要だと私は思います。
 自分の指導スタイルを変えるには勇気が必要です。しかし、このままでは授業が成り立たないと強い危機感を持つと、変えざるを得なくなります。
 私は、つまらない授業に、無理やり、授業に子どもたちを乗せてしまう方法を、野中伸行氏、上條晴夫氏から多くのことを学びました。
 たとえば、
(1)
授業の最初、教室を勉強する空気にすることが、教師の一番の仕事ということ。
(2)
子どもたちを授業に乗せる一番のコツは、テンポをあげること。テンポさえ良ければ、子どもたちは乗ってきます。
(3)
授業にクラス全員を参加させる。授業に参加しない傍観者を作っては絶対ダメです。
これらの方法をたくさん学びました。
 自分の指導スタイルを変えることは、本当に勇気のいることだと思います。しんどいことだと思います。
 しかし、これができなくては、いまの子どもたち相手に授業は成り立たないのだと思います。
 お互い、大変な時代に教師になってしまいましたね。
 でも、この職業を選んだ以上、がんばるしかありません。お互い、戦っていきましょう!
(
中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属。笑いとフォローをいかした教育実践は各方面で高い評価を受けている。 また、若手教師を育てることに力を入れ講演も行っている)

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騒がしさを教室から追い出すのは至難の技です、どうすればよいか、その対応策とは

 教室が騒がしいと教師が「ダメなものはダメ」と叱るだけでは収まらない。もう少し別の対応策が必要になってきた。
 その一つが「毅然とした態度」です。それは規範を明示して叱る指導法です。この「叱る指導法」は効果があります。
 それは「最低限のルールについて、その善し悪しを明示し、断固として叱る」方法です。
 この方法は少しずつ広がり始めました。
 しかし、この方法には条件がつきます。教師の言葉に説得力があるという限定条件です。
 たとえば、ザワザワしている子どもたちに「静かにしなさい」と何度もくり返しますが「なぜ静かにする必要があるか」を子どもたちが納得できるように説明できる教師は案外少ないのです。
 そういう言葉の力の弱い教師が、いくら「毅然とした態度」で子どもたちを叱っても、逆効果になることが多いのです。
 二つ目は、子どものおしゃべりと対決せず、教室の空気を変えることで解決しようとします。
 たとえば、子どもたちが楽しくなるような「つかみネタ」をぶつけてみる、というようなことです。
 空気を変える方法は、ある種の発想の転換です。
 三つ目は、おしゃべりを利用して授業をしてしまう方法です。
 従来の授業は「おとなしく座って、黙って話を聞く」ことを前提にしていました。騒がしい教室ではこのルールが守れません。それで授業がやりにくくなっているのです。
 これを前提としない新しい授業もあります。
 たとえば「アクティブ・ラーニング」として話題になっている問題解決学習と呼ばれる、学習者の活動を中心とした授業です。
 この授業では、子どもたちの学習の流れを途切れさせないように、授業の冒頭で活動内容をあらかた伝えてしまいます。従来の授業のように教師の指導の言葉で、随時学習をコントロールすることが少ない。
 たとえば、学習遊びを中心にした授業、表現活動を中心とした授業、グループ討論を中心とした授業など、活動中心の授業がそうです。
 騒がしさを教室から追い出すのは至難の技です。少なくとも叱るだけでは、むずかしいのです。
 騒がしさとつき合っていくには、ザワザワしている教室の空気を変えたり、ザワザワしていても、授業ができる授業方法の工夫が必要です。いま、そういうことが必要になってきていると思います。
(上條晴夫:1957年山梨県生まれ、小学校教師(10年)、作家、教育ライターを経て東北福祉大学教授。学習ゲーム研究会代表、お笑い教師同盟代表、実践!作文研究会代表)

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授業中、私語や内職が多くて授業が成立しないとき、どのようにすればよいか

 授業を始めても、子どもたちは教科書やノートを出していない。
 授業を進めていても、勝手な私語や、教師の話を無視して内職をしている子どもがいる。
 このように授業を始めても教科書やノートを出さず、私語や内職する子どもが多く、授業が成立しないとき、その責任を子どもだけに負わせるような注意をしても効果はない。
 子どもたちの気持ちの中に「注意をする前に、もっと授業をわかるように進めてほしい」という気持ちがあるからだ。
 授業が成立しない要因は、複数の要素がからみあっている。気長にとりくむ必要がある。
 子どもたちは、授業はへたでも、一生懸命に教えてくれる教師や、楽しい授業には目を輝かせて参加してくる。
 このようなとき、どう対応すればよいのでしょうか。たとえば
例1
「今日は、授業の前にウォーミングアップ学習をするよ。集中力がつく学習だ。いいかい」と言って、友だちと話をしている子どもに声をかけた。
 子どもは何が始まるのだろう、と興味を示した。
「今日、学習する範囲を先生が読んでいきます。先生はおっちょこちょいだから、ところどころ、読み間違えてしまいます」
「読み間違えたら『ブッブッー』と警告音を発してほしいんだ。いいかい」
と、簡単に説明して、学習する範囲を読み始める。
 わざと「彼」を「○○くん」にしたりして読んでいくと、子どもたちはその都度「ブッブッー」と反応した。
 読み終えて「みんな集中してたね。じゃあ、今日の勉強スタートだ」と授業に入った。
例2
「このごろ授業中のみんなの様子を見ていると、意欲的な感じがしないんだ」
「先生も、みんながわかるような授業をしていきたい」
「先生の授業をどのように変えたらいいのか、みんなのアドバイスがほしい。書いてくれないか」
と、記入用紙を配布した。
 子どもたちが記入した用紙を集めて、次の時間にどんな内容があったか紹介しながら
「『説明ばかりでつまらない』という意見が多かったので、こんなプリントを作ってみたんだ」
と話して、具体的に授業を変えていった。
 授業は教師と子どもが協力して創りあげるものだ。とにかく、子どもとの合意を大切にしたい。
(
井上秀喜:山梨県公立中学校教師)

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授業中、間違えた答えに、あざ笑う言動があったとき、どうすればよいのでしょうか

 このような嘲笑は、個人によるものであれ、集団的なものであれ、人間として大切にされていないことや、人間関係がすさんでいることの表れである。
 授業中、教師が質問し、挙手して答えた子どもが間違えたことを、あざ笑う言動があったとき、どうすればよいのでしょうか。
 あざ笑った子どもへのアプローチをまちがえると、いうことを聞かない、反抗的な態度をとる、自閉的になるなど、指導不成立を招くことが多い。
 むろん、子どもへの指導は、その教師とその子どもとの関係によって決まる。
 つまり、子どもが教師を信頼し、指導をすすんで受け入れようとする関係ができているかが前提である。
 このように、子どもへの対応には、一律のセオリーがあるものではないが、経験にもとずく成功例、失敗例をあげると、
例1
 すぐに授業を中止する。
「○○くん、きみは今、△△くんの発言を笑った。みんなも一緒に笑った」
「叱るのではないよ。みんなに、考えてほしいんだ」
と前おきし、
「先生が子どもの頃、答えを間違った子に『そんなものも、できねえのか』と、笑ったことがある」
「そしたら、そのとき、数学の先生は、とても難しい問題を板書して『解いてみろ』と言ったのだ」
「中学生だった、先生は解けなかった」
そしたら、その数学の先生は
「『人を笑う者は、人に笑われる』と諭してくれたんだ」
と説話をして、再び授業を続けた。
 放課後、○○くんを呼んで
「きみ、△△くんに対して、何かいやなことでもあったのかな」
と言うと、
「人をバカにする気はないのだが、つい言ってしまった。次からは気をつけます」
と言った。
例2
 その場で
「間違えた発言を笑ってはいけない」
「学級目標は、みんな安心してものが言えるクラスではなかったのか」
と、重い声で言い、授業を再開した。
 クラスは集団的に嘲笑が起こる状態であった。その日の放課後、学級委員や班長によるリーダー会を開き「間違えた発言を笑う状態をどう思う」と意見を聞いた。
 みんなは「これではいけない」と言った。
「ではリーダー会として『クラスのここを改めよう』と訴えたらどうかな」
と助言した。
例3
 
「今、笑ったのは誰だ」と、いきり立って怒ると、ひやかした子どもは、ますます反発を強める。雰囲気の重さに、良心的な子どもたちは声をあげにくくなり、絶望的な気持ちを強める。
 嘲笑の背景や集団の力関係をさぐり、教師からだけでなく、子どもたち同士の働きかけとあわせて、解決にあたりたい。
(
重水健介:1958年生まれ、長崎県公立中学校教師。日本群読教育の会事務局長)
(
酒泉湧人:岩手県公立中学校教師)

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授業中に問題を起こす子どもにかかわりすぎるな

 一番こわいのは問題を起こす子どもではなく、問題を起こす子どもに教師がかまいすぎることによって、その他大勢の子どもたちから、反感を持たれることです。これが学級崩壊の始まりにもなります。
 ですから、子どもたちが集団のとき、特定の子どもに関わり過ぎてはいけないのです。「問題を起こす子どもにかかわりすぎるな」が基本原則です。
 古いタイプの指導というのは「まじめな子どもたちが、教師が他の子を指導しているのを待ってくれる」という前提でやっていたのです。この子たちに、いわば甘えて指導していたのです。
 でも、今の子どもたちは、すぐ我慢できなくなっています。これが小学校低学年から中学年の学級崩壊の基本パターンです。
 ですから、教師は問題を起こす子どもに振り回されてはいけません。
 問題を起こす子どもにも一応指導はします。いったん指導を入れたら、集団場面では、できるだけかまい過ぎないことが大切です。
 なぜならば、問題を起こす子どもたちは刺激が欲しくて問題を起こしているからです。かまってあげるとエサをもらったようなものです。
 では、どうすればいいかというと、できるだけ、まじめな子ども、頑張っている子どもにかかわることです。
 一斉授業というのは、基本的に全員の子どもたちが静かに聞いてくれるということを前提にして成立しています。
 ですから、問題を起こす場面では、一斉授業はできるだけやめにします。個別学習や班学習の時間を多くします。
 教師は机間巡視を多くし、まじめに頑張っている子どもと心の結びつきを深めていきます。
「まじめに頑張っている子どもがかまってもらえる学級づくり」が何といっても一番大切です。
 でも、この当たり前のことが、学校であまりやられていない。教師は問題を起こした子どもに一生懸命にかかわります。それで、まじめな子どもが放っておかれることになります。
 そうすると、まじめに頑張る気がしなくなります。これが学級崩壊のきっかけとなるのです。
 問題を起こしたりする目立つ行動をした子どもに指導を入れるとしたら、個別場面で入れてください。
 個別場面での指導をていねいにやりましょう。こういった子どもは愛情不足だったりするのです。しっかり個別場面でかかわってあげましょう。愛情不足の心にエネルギーを補充してあげましょう。
 個別場面でやるべきことを、集団の場面でやってしまうと学級全体がおかしくなります。このことを押さえておいてください。
(
諸富祥彦:1963年生まれ、明治大学教授,臨床心理学、カウンセリング心理学、現場教師の作戦参謀としてアドバイスを教師に与えている)

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若手教師は授業を時間通り始められないことに悩んでいます、どのようなアドバイスをすればよいのでしょうか

 多くの若手教師は、授業を時間通り始められないことに悩みを抱かえています。しかし、現実的には、それができない状況にあります。
 まず、若手教師が、始まりの時刻を守って始める努力をしているか見きわめます。教師の心構えが子どもたちに映るからです。
 授業の始まりの時間になっても。座席についていない子どもが多いと、授業を始め、授業に集中させるのに時間がかかります。時間通り授業を始め、授業に集中させることはとても大切なことです。
 私は、どのような指導をすれば、授業が時間通りに始まり、子どもたちが集中するのだろうか、と考えて、工夫しながら取り組んでいます。
 ここで注目したいことは、若手教師の意識が「授業の始まりのみに焦点が集まっていないか」ということです。
 子どもたちが、学習に対して受け身になっていると、仲間としゃべっていたり、他の事をしたりしています。
 このような子どもたちの姿があると、授業の始業がそろっても、授業をすぐに始めることはできません。
 授業をすぐに始められない原因が、子どもたちの授業に向かう姿勢だと認識する必要があります。
 物事を始める前には、私たちは必ず「3つの準備」をしています。授業ならば
(1)
物の準備
 教科書、筆記用具、その他学習用具をそろえる。
(2)
身体の準備
 座席につき、姿勢を整える。
(3)
心の準備
 学習のめあてや願いをもつ。
 事前に授業の学習内容を明確にし、子どもたちに見通しをもたせておけば、必要な準備をし、座席に着いて、意欲をもって学習に取り組むことができます。
 重要なこととは、必ず「3つの準備」をしているということです。
 若手教師の場合、みんなそろって授業を始めることにばかりに焦点があたり、子どもたちが座席につき、姿勢を整えることしか意識していないことがあります。
 そのため、「身体の準備」がそろえば、
「必要な物はそろっているか確認しよう」
「勉強を始める気持ちになっていますか」
と、子どもたちに働きかけ「3つの準備」がそろってから、授業を始めます。
 このことを確認するために、若手教師に「授業を始める前に必要な準備は何か」と、尋ねるようにします。
 
「3つの準備」を答えられなければ、運動会や遠足などへの取り組み準備など具体的な例を示すとイメージしやすくなります。
 その後、若手教師が「3つの準備」を意識して、子どもたちへ指導を行うことになります。
 どのように指導したらよいか、わからない場合は、
「座席について姿勢を正していたことは、身体の準備ができているということ」
「机の上に○○があれば、物の準備ができたということ」
「ノートに日にちを書くことは、心の準備ができているということ」
というように、子どもの行動と「3つの準備」を結び付けるように支援します。
 「身体」「物」「心」の「3つの準備」を意識させ、子どもの行動と「3つの準備」をつないだ支援をしましょう。
(
須田敏男:1954年岐阜県生まれ、元岐阜県公立小学校教頭・全国教頭会副会長)

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授業中の子どもの間違い発言はどのように取り扱えばよいのでしょうか

 「教師は授業で勝負する」と言われています。
 授業中の子どもたちの発言は「わかっている子がするもの」という固定観念をもってはいないでしょうか。
 間違いを許さないという考えをもった教師の授業では、子どもたちは発言することに対して苦手意識を強くもち、劣等感を抱くことになってしまいます。
 子どもが間違った発言をしたときや、いつも間違える子どもに対して、冷ややかな目で見ていることはないでしょうか。
 授業中の子どもの間違い発言に対して「また間違えた」といった対応をしていないでしょうか。言われた子どもは委縮し、発言しなくなってしまうかもしれません。人間関係もくずれます。 
 これが原因で、授業がうまくいかなくなることがあることに気づかなければなりません。
 授業中、教師は
「間違えてもよいから、自分の考えを言ってください」
「誰でも間違いがあるよ。気にしないように」
「間違えたら正していくようにすればよい」
などと言って子どもの発言を引き出すようにします。
 間違った発言に対しては、まずは、その子の意見として受け入れ、それから別の考えがないか、意見を出してもらうようにします。
 間違いを恐れずに、自分の意見を言える雰囲気が教室にあれば、子どもたちは積極的に授業に参加することができ、学習への意欲も向上するのです。
 間違い発言をもとに、授業をデザインしていくこともできます。子どもが勇気を出して発言したいと思うような授業づくりが欠かせません。
 授業中、一度でも自分の考えや意見を言ったり、表示したりする機会があると、子どもは授業に参加しているという実感が持てます。
(
釼持 勉:東京都公立高校・小学校教師、教育庁、小学校長を経て、帝京大学教育学部教授、東京学芸大学特任教授)

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授業中の話し方のツボとは何でしょうか

 教師の話が子どもたちに伝わらないのは教師の責任です。
 朝の教室で、教師が入ってきて「はい、静かに」と言っただけで静かになる場合も、いくら教師が叫んでも静かにならない場合もあるでしょう。
 同じ言葉を発しているにもかかわらず、大きな違いが出てくるのです。
 子どもたちに伝わる話し方にはポイントがあります。
 教師の話しが伝わらなかった理由を、教師自身がどうだったかという視点で考えていきます。
「声の大きさは適切だったか」「速さはどうだったのか」「教師の視線、立ち位置はどうだったのか」「全体を意識した話し方だったのか」「話す内容は、具体的なものだったか」
などチェックするポイントはいくつもあります。
 教師にも正しい発声ができなければいけない。「正しい発声」とは、教師が「自分の感情やイメージがちゃんと表現できる声を出せる」ことである。
 教師の感情をうまく声にのせるためには、まず自分の感情を変えることが大切です。そして、感情をうまく声にのせるためには、声の「大きさ、高さ、速さ、間、音色」を意識することが大切である。
 あなたは何種類、使い分けていますか。それに、話に「間」と「速さ」でリズムとテンポをつくるようにするとよいでしょう。
 授業中の話し方のツボは
(1)
笑顔で話す
 笑顔の教師が笑顔の子どもたちを育てます。
 一日の大半をしめる授業時間の間、常に教師がしかめっ面だと、授業を受けている子どもたちの気分も滅入ってきます。
 だから、何よりも大切なことが「笑顔で話す」ということになります。
(2)
余計なことは話さない
 教師は、本当に余計な言葉が多すぎます。発問や指示をした後も、何やかんやと話し続けます。教師は沈黙が耐えられないのです。
 でも、子どもとっては迷惑千万です。
(3)
子どもたちを「ほめる」基準をはっきりさせる
 授業時間こそ「ほめて、ほめて、ほめまくる」時間です。
 ただし、「ほめる」基準をしっかりと持つ必要があります。
 そうしなければ、ある時は「ほめられる」のに、ある時は「スルーされる」といったことが起こり、子どもたちの心は教師から離れていきます。
 その「ほめる」基準を「できたか」「できていないか」にしてはいけません。
 
「伸びたか」「伸びていないか」というのが、私の子どもたちを「ほめる」基準です。
 
「ほめる」ことが、一部の子どもに偏ったり、逆に多くの子どもをほめようと、わざとらしくほめたりすることが出てくるからです。
(
俵原正仁:1963年生まれ、兵庫県公立小学校教頭、笑顔の教師が笑顔の子どもを育てる実践はマスコミにもとりあげられた)

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教師の話を聞く子に育てるには、どうすればよいのでしょうか

 職員室で「最近は、話を聞かない子が多い」「何度言っても話を聞いてくれない」という話がよく出ます。
 確かに「話を聞きなさい」と言うだけでは、耳を傾けてくれない子どもたちが増えている気がします。
 しかし、それは子どもたちが悪いのではなく「話を聞かない子どもを育ててしまっている」私たち教師にも原因があるのではないでしょうか。
 教師が「きちんと話を聞く方法を教えたり、話を聞く練習をしたり」しなければいけません。
 そう言うと「でも、先生。話を聞くなんてことは、練習しなくても小さい時に身についているはずです」と反論したくなる先生方がいるかもしれません。
 子どもたちは家で、じっくりと話を聞く場面は、思いのほか少ないのではないでしょうか。ゲームをしたり、テレビなどを見たりして、眠るまでずっと音の垂れ流し状態なのです。
 子どもたちにとって、授業中の教師の話も、単に流れているテレビなどの音のようなものにすぎないのではないでしょうか。
 だからこそ、子どもたちに、話の「聞き方」を学校で教えなくてはいけないと思っています。
 話を聞く子どもに育てるにはどうすればよいのでしょうか。
 
「話は一回しかしない」
 これは話を聞く子どもを育てるための大原則なのです。
 私の「一回しか言わない」というのは、本当に一回しか言わないのです。
 子どもたちを前にして「先生は話を一回しかしません」と宣言したら、同じことを二度と言いません。
 子どもに質問されても「先生は、もう言いました」と、絶対に答えません。
 だからといって、話を聞いていなかった子どもをそのまま放っておくわけにはいかないので、私は
「仕方がないなぁ。誰か教えられる人いますか?」
と言うと、誰かが答えます。
 きちんと答えられた子どもには「えらいな。よく聞いていたね」とほめます。
 
「この先生は、一回しか話をしない」と、子どもたちに強く印象づけることが大切です。
 子どもたちは緊張感をもって、教師の言葉に耳を傾け、話に集中しようとします。
 若い教師は、このようなスキルを学ばないまま、学校現場に放り込まれるといって過言ではありません。
 私も、若い頃は当然、学級経営がうまくできませんでした。学級経営の上手な先輩教師を見ると「どうやってやるのだろう」と疑問に思い、コツを教えてもらっていました。
 まずは「話は一回」を徹底してみてください。誰でも、話を聞く子どもが育てられると思います。
(
楠木 宏:1956年生まれ、三重県公立小学校教頭。教育研究三重県集会理科部会助言者)

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授業中に立ち歩いたり、騒いだり、暴言を吐く、授業妨害にどう対応すればよいのでしょうか

 授業中に立ち歩いたり、騒いだり、暴言を吐いたりする、授業妨害にどう対応すればよいのでしょうか。
 授業妨害に、生徒たちは、授業のじゃまをする生徒には注意をしないので、教師は一人で問題生徒たちの指導にあたっていた。
 職員室では「とにかく大変だった」「反抗するんだよ」などという、ぐちの会話ばかりが目立っていた。そこで、生活指導主任は、次のような対策をとった。
1 「事実の掌握と報告の方法」を教職員に徹底する
(1)
事実を掌握する
 いつ、だれが、どこで、どのような問題行動をどのように起こしたかをつかむ。
(2)
教師同士が報告する仕方を決める
 具体的で客観的な事実の伝え方を決める。
(3)
職員朝会で報告する
 事実、指導内容、生徒の反応、保護者への対応を職員に報告する
ことを徹底することにした。
2 荒れた授業での、生徒たちの「問題行動の違いにより、指導方法を区別」する
 荒れた生徒たちを分析すると、おおむねつぎの層に分けることができた。生徒の行動を区別し、問題行動の質によって指導体制と指導内容を区別して指導を進めた。
(1)
授業妨害の「中心」になっている生徒
 学年教師や他学年教師、生活指導主任が見回り、教室から抜き出して指導する。
(2)
授業妨害の中心になっている生徒に「くっついて」授業妨害する生徒
 授業以外の時間に、複数の教師で個別指導する。
(3)
授業妨害の中心の生徒やくっついて授業妨害する生徒を「はやしたてる」生徒
 おもに担任が個別指導する。
(4)
授業妨害を「見て見ぬふり」や、「解決に向けた行動にでることのできる」生徒
 生徒たちの意識を変えることをめざして、道徳や学活などで学級指導を進める。
3 指導体制を整えていくとともに、「すべての教師が必ず実行する項目」を定める
 とにかく個々の授業を成立させることが最大の目的であり、どの教師にもできることを明確に要求した。
 はじめは、自分の学級や学年のことだけで精一杯の教師集団のように見えたが、少しずつ力を合わせて指導を進める教師が増えていった。
 授業に遅刻してきた生徒がいた場合は、出席簿に鉛筆で×印をした。忘れ物をした生徒には何かしらの学習課題を与えた。また、眠ってしまう生徒には必ず声をかけるようにした。
 まずは、すべての教職員ができることを徹底し、少しずつそれらの指導項目を増やしていった。
(1)
生徒が教室にいないときは、必ず職員室に知らせる
(2)
授業の妨げになる行為を再三繰り返した場合は、すぐに職員室に知らせる
(3)
暴言や指導拒否した行為は、授業後に必ず学年と担任に報告する
4 指導拒否や問題行動の「くり返し」には、さらに「指導体制を強化」する
 教職員の指導体制を進めるなかで、授業中にくり返して騒ぐ生徒が明確になってくる。
 そこで、毅然とした指導を段階的に推し進めることにした。
(1)
問題行動を起こした生徒に、行動のまずい点を指摘し、どのように改善すべきか具体的に示す。
(2)
問題行動をくり返した場合は、担任の指導から、学年の集団指導に移行する。同時に保護者に事実報告をする。
(3)
度重なる問題行動のくり返しには、さらに指導体制を重くし、生活指導主任を中心とする学校全体として組織的指導を行う。
(4)
生徒の行動に全く改善がなく、問題行動がくり返される場合は、管理職も加わった指導体制に移行する。
(5)
それでも生徒の行動に成長が全く見られない場合は、学校以外の諸機関に指導を移していく。
 
「どうせこの学校はよくならない」と教職員もあきらめかけていたが、徐々に授業妨害が減っていった。
 1年後には授業が成立するようになった。教師に対する暴言や授業妨害が姿を消し、教師は授業、学級、行事、部活動などの指導に力を注ぐことができるようになっていった。
 当然のことながら、学力も向上していった。
(
山本修司編著:1950年生まれ、東京都公立中学校教師、指導主事、指導室長、校長を歴任し、荒れた学校を立て直した。2005年度読売教育児童生徒指導部門最優秀賞受賞、編著書『実践に基づく毅然とした指導』は、生徒指導に悩む教師たちのバイブルといえる)

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