カテゴリー「授業中の生活指導」の記事

授業中の話し方のツボとは何でしょうか

 教師の話が子どもたちに伝わらないのは教師の責任です。
 朝の教室で、教師が入ってきて「はい、静かに」と言っただけで静かになる場合も、いくら教師が叫んでも静かにならない場合もあるでしょう。
 同じ言葉を発しているにもかかわらず、大きな違いが出てくるのです。
 子どもたちに伝わる話し方にはポイントがあります。
 教師の話しが伝わらなかった理由を、教師自身がどうだったかという視点で考えていきます。
「声の大きさは適切だったか」「速さはどうだったのか」「教師の視線、立ち位置はどうだったのか」「全体を意識した話し方だったのか」「話す内容は、具体的なものだったか」
などチェックするポイントはいくつもあります。
 教師にも正しい発声ができなければいけない。「正しい発声」とは、教師が「自分の感情やイメージがちゃんと表現できる声を出せる」ことである。
 教師の感情をうまく声にのせるためには、まず自分の感情を変えることが大切です。そして、感情をうまく声にのせるためには、声の「大きさ、高さ、速さ、間、音色」を意識することが大切である。
 あなたは何種類、使い分けていますか。それに、話に「間」と「速さ」でリズムとテンポをつくるようにするとよいでしょう。
 授業中の話し方のツボは
(1)
笑顔で話す
 笑顔の教師が笑顔の子どもたちを育てます。
 一日の大半をしめる授業時間の間、常に教師がしかめっ面だと、授業を受けている子どもたちの気分も滅入ってきます。
 だから、何よりも大切なことが「笑顔で話す」ということになります。
(2)
余計なことは話さない
 教師は、本当に余計な言葉が多すぎます。発問や指示をした後も、何やかんやと話し続けます。教師は沈黙が耐えられないのです。
 でも、子どもとっては迷惑千万です。
(3)
子どもたちを「ほめる」基準をはっきりさせる
 授業時間こそ「ほめて、ほめて、ほめまくる」時間です。
 ただし、「ほめる」基準をしっかりと持つ必要があります。
 そうしなければ、ある時は「ほめられる」のに、ある時は「スルーされる」といったことが起こり、子どもたちの心は教師から離れていきます。
 その「ほめる」基準を「できたか」「できていないか」にしてはいけません。
 
「伸びたか」「伸びていないか」というのが、私の子どもたちを「ほめる」基準です。
 
「ほめる」ことが、一部の子どもに偏ったり、逆に多くの子どもをほめようと、わざとらしくほめたりすることが出てくるからです。
(
俵原正仁:1963年生まれ、兵庫県公立小学校教頭、笑顔の教師が笑顔の子どもを育てる実践はマスコミにもとりあげられた)

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教師の話を聞く子に育てるには、どうすればよいのでしょうか

 職員室で「最近は、話を聞かない子が多い」「何度言っても話を聞いてくれない」という話がよく出ます。
 確かに「話を聞きなさい」と言うだけでは、耳を傾けてくれない子どもたちが増えている気がします。
 しかし、それは子どもたちが悪いのではなく「話を聞かない子どもを育ててしまっている」私たち教師にも原因があるのではないでしょうか。
 教師が「きちんと話を聞く方法を教えたり、話を聞く練習をしたり」しなければいけません。
 そう言うと「でも、先生。話を聞くなんてことは、練習しなくても小さい時に身についているはずです」と反論したくなる先生方がいるかもしれません。
 子どもたちは家で、じっくりと話を聞く場面は、思いのほか少ないのではないでしょうか。ゲームをしたり、テレビなどを見たりして、眠るまでずっと音の垂れ流し状態なのです。
 子どもたちにとって、授業中の教師の話も、単に流れているテレビなどの音のようなものにすぎないのではないでしょうか。
 だからこそ、子どもたちに、話の「聞き方」を学校で教えなくてはいけないと思っています。
 話を聞く子どもに育てるにはどうすればよいのでしょうか。
 
「話は一回しかしない」
 これは話を聞く子どもを育てるための大原則なのです。
 私の「一回しか言わない」というのは、本当に一回しか言わないのです。
 子どもたちを前にして「先生は話を一回しかしません」と宣言したら、同じことを二度と言いません。
 子どもに質問されても「先生は、もう言いました」と、絶対に答えません。
 だからといって、話を聞いていなかった子どもをそのまま放っておくわけにはいかないので、私は
「仕方がないなぁ。誰か教えられる人いますか?」
と言うと、誰かが答えます。
 きちんと答えられた子どもには「えらいな。よく聞いていたね」とほめます。
 
「この先生は、一回しか話をしない」と、子どもたちに強く印象づけることが大切です。
 子どもたちは緊張感をもって、教師の言葉に耳を傾け、話に集中しようとします。
 若い教師は、このようなスキルを学ばないまま、学校現場に放り込まれるといって過言ではありません。
 私も、若い頃は当然、学級経営がうまくできませんでした。学級経営の上手な先輩教師を見ると「どうやってやるのだろう」と疑問に思い、コツを教えてもらっていました。
 まずは「話は一回」を徹底してみてください。誰でも、話を聞く子どもが育てられると思います。
(
楠木 宏:1956年生まれ、三重県公立小学校教頭。教育研究三重県集会理科部会助言者)

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授業中に立ち歩いたり、騒いだり、暴言を吐く、授業妨害にどう対応すればよいのでしょうか

 授業中に立ち歩いたり、騒いだり、暴言を吐いたりする、授業妨害にどう対応すればよいのでしょうか。
 授業妨害に、生徒たちは、授業のじゃまをする生徒には注意をしないので、教師は一人で問題生徒たちの指導にあたっていた。
 職員室では「とにかく大変だった」「反抗するんだよ」などという、ぐちの会話ばかりが目立っていた。そこで、生活指導主任は、次のような対策をとった。
1 「事実の掌握と報告の方法」を教職員に徹底する
(1)
事実を掌握する
 いつ、だれが、どこで、どのような問題行動をどのように起こしたかをつかむ。
(2)
教師同士が報告する仕方を決める
 具体的で客観的な事実の伝え方を決める。
(3)
職員朝会で報告する
 事実、指導内容、生徒の反応、保護者への対応を職員に報告する
ことを徹底することにした。
2 荒れた授業での、生徒たちの「問題行動の違いにより、指導方法を区別」する
 荒れた生徒たちを分析すると、おおむねつぎの層に分けることができた。生徒の行動を区別し、問題行動の質によって指導体制と指導内容を区別して指導を進めた。
(1)
授業妨害の「中心」になっている生徒
 学年教師や他学年教師、生活指導主任が見回り、教室から抜き出して指導する。
(2)
授業妨害の中心になっている生徒に「くっついて」授業妨害する生徒
 授業以外の時間に、複数の教師で個別指導する。
(3)
授業妨害の中心の生徒やくっついて授業妨害する生徒を「はやしたてる」生徒
 おもに担任が個別指導する。
(4)
授業妨害を「見て見ぬふり」や、「解決に向けた行動にでることのできる」生徒
 生徒たちの意識を変えることをめざして、道徳や学活などで学級指導を進める。
3 指導体制を整えていくとともに、「すべての教師が必ず実行する項目」を定める
 とにかく個々の授業を成立させることが最大の目的であり、どの教師にもできることを明確に要求した。
 はじめは、自分の学級や学年のことだけで精一杯の教師集団のように見えたが、少しずつ力を合わせて指導を進める教師が増えていった。
 授業に遅刻してきた生徒がいた場合は、出席簿に鉛筆で×印をした。忘れ物をした生徒には何かしらの学習課題を与えた。また、眠ってしまう生徒には必ず声をかけるようにした。
 まずは、すべての教職員ができることを徹底し、少しずつそれらの指導項目を増やしていった。
(1)
生徒が教室にいないときは、必ず職員室に知らせる
(2)
授業の妨げになる行為を再三繰り返した場合は、すぐに職員室に知らせる
(3)
暴言や指導拒否した行為は、授業後に必ず学年と担任に報告する
4 指導拒否や問題行動の「くり返し」には、さらに「指導体制を強化」する
 教職員の指導体制を進めるなかで、授業中にくり返して騒ぐ生徒が明確になってくる。
 そこで、毅然とした指導を段階的に推し進めることにした。
(1)
問題行動を起こした生徒に、行動のまずい点を指摘し、どのように改善すべきか具体的に示す。
(2)
問題行動をくり返した場合は、担任の指導から、学年の集団指導に移行する。同時に保護者に事実報告をする。
(3)
度重なる問題行動のくり返しには、さらに指導体制を重くし、生活指導主任を中心とする学校全体として組織的指導を行う。
(4)
生徒の行動に全く改善がなく、問題行動がくり返される場合は、管理職も加わった指導体制に移行する。
(5)
それでも生徒の行動に成長が全く見られない場合は、学校以外の諸機関に指導を移していく。
 
「どうせこの学校はよくならない」と教職員もあきらめかけていたが、徐々に授業妨害が減っていった。
 1年後には授業が成立するようになった。教師に対する暴言や授業妨害が姿を消し、教師は授業、学級、行事、部活動などの指導に力を注ぐことができるようになっていった。
 当然のことながら、学力も向上していった。
(
山本修司編著:1950年生まれ、東京都公立中学校教師、指導主事、指導室長、校長を歴任し、荒れた学校を立て直した。2005年度読売教育児童生徒指導部門最優秀賞受賞、編著書『実践に基づく毅然とした指導』は、生徒指導に悩む教師たちのバイブルといえる)

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授業中の立ち歩きや反抗的態度など逸脱行動に、どのように対応すればよいか

 授業中に、子どもの立ち歩きや反抗的態度などの逸脱行動があります。
 真面目な教師ほど、子どもたちは「こうでなくてはダメ」という枠組みをかたくなに大事にする傾向があります。
 逸脱行動する子どもに対して「正しいことを貫いている」という教師の正義感をたてに、容赦なく子どもに接する場合が多いと思われます。
 悪いことは断じて許せないという信念を持った教師に逸脱行動を非難され、子どもが教室を飛び出すことがあります。
 子どもの側にも、逸脱行動を回避する力も、他のやり方で乗り越える力がある。それを環境との相互作用で、どううまく引き出すかが教師に問われています。
 よくしてあげようという教師の誠意から始まったとしても、子どもは苦境に立たされます。
 ADHDの子どもに「だめでしょ!」と言うのは禁句です。刺激の処理が十分適切にできにくいADHDの子どもが、大人の枠組みから外れないで過ごせるのは稀なのです。
 子どもの行動は単独で起きることは少なく、おおかた外界との相互作用で起きます。
 子どもの予兆をつかみ、適切な関わりをすることが大事です。
 逸脱行動の後
「同じような事態になったときに、あなたはどのように立ち向かえるか」
を話し合うことが大切なのです。振り返る時間を与えるようにします。いかに、その子が成長する契機にするかということです。
 子どもと向き合う立場にいる教師は
(1)
パーソナルスペースを尊重する
 自閉症の子どもに「そばにいる」ことや「目を合わせる」ことを強要することが教育なのではありません。
 
「そばにいていい?」「私の視線が重荷になってない?」と尋ねる謙虚さが大切だと思います。
 通常の学級でも、教師に近づかれたくない子はいますし、イライラしている時はそっとしておいてほしいと思います。
(2)
制限の設定による安心感の樹立
 
「教室にいることもできるよ」「それができないなら○○なるよ」
ということも選択肢として伝えていいのです。
 子どもにどうなってほしいのか、ポジティブな迫り方ができ、子ども自身に「そうできそうな気持ち」を抱かせるとしたら、はるかに教育的です。
(3)
チームで関わる連帯感
 通常の学級では学年の教師たちが、チームで授業や行事を行います。
 足並みをそろえることが大切です。組織的に物事を進めるため、具体的な手続きを知り、共通理念と共通の技術で、チームの結束力を培います。
(4)
スキルを構築していく
 教師の解決スキル、チームワークの向上をはかり、自信をもって次の事態に対応できるよう勇気づけていきたいものです。
(5)
挑発的な態度の子どもには、しゃべらせ、共感的になり、質問を無視する
 挑発的な態度の子どもには、しゃべらせ発散させることで、エネルギーを放出させます。
 子どもの感情に対して善悪の判断を下さず、尊重するような接し方をしてください。子どもにとって、その感情は真実なのです。
 教師が子どもの立場になり、子どもがどのように感じているか想像します。子どもの行動がよく理解できるようになります。
 子どもが教師に挑発的な態度をとる場合は、落ち着いて、理性的にプロらしい態度を保ってください。教師が怒りを見せれば、状況を悪化させるだけです。
 挑発的な質問に正面から答えると、言い合いの泥沼に陥ることが多いので、子どもの注意を今取り組むべき問題点へと戻すようにします。
 興奮している子どもに制限を設定するときには、選択肢を与え、自分が選んだ行動への結果の責任を負わせます。
(
新福知子: 東京都台東区立教育研究所、千葉県スクールカウンセラーを経て、CPI危機予防研究所代表。臨床心理士、学校心理士)
(
高橋あつ子 : 神奈川県公立小学校教師、川崎市教育センター指導主事、川崎市立小学校教頭を経て早稲田大学大学院教授。臨床心理士、学校心理士、特別支援教育士SV)

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授業中に私語を繰り返す子どもに、どう対応すればよいのでしょうか

 授業中、授業とは関係のない話をしている子どもがいます。他の子どもたちに迷惑がかかるため何度もくり返し注意をしていますが、やめさせることができません。どうしたらよいでしょうか。
 授業中、ちょぴっとした私語ぐらいのことは、子どもたちには、いくらでもあるんですよ。
 その私語が許容の範囲なのか、それをはるかに越えて学習や全体の子どもたちに迷惑になっているのか。
 教師が私語をする子どもに、いきなり「かーっ」となって叱ってはだめです。事前の準備が必要です。
 許容範囲を越えて授業中に私語を繰り返す子どもには、教師は一回は対決しないと治らない。教師は対決しなくちゃダメですよ。
 対決するときは、失敗すれば校長先生に預かっていただく、くらいの覚悟が大切です。教師は性根をすえる必要があります。
 対決するには、前々から準備して手を打っておくようにします。
 例えば、事前に子どもたちや保護者会で
 
「授業中は、みんなが、お勉強する時間です。他の人に迷惑がかかることはしないこと。もし、そんなことをするならば、考えさせてもらう」
と言っておく。
 許容範囲を越えて、他の子どもたちに迷惑となる私語をなくすには、
「教師がこの子と対決する。という覚悟を決め、策略を練り、行動を練り、ちゃんと対決する」
しか、解決のしようがないです。
 逆に言えば、そういった覚悟を決めた段階から、少しずつよくなる、というふうに思いますね。
(
向山洋一:1943年生まれ、元東京都公立小学校教師、教育技術法則化運動代表を務めてきた。教師を退職後、TOSSインターネットランドの運営に力を注いでいる)

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授業中、騒がしくなったときや暴言、やんちゃな子にどう対応すればよいか

 教室が騒がしくなったとき、私がよくやるのは、何か物を(消しゴム、鉛筆等)一瞬見せてから、すぐに後に隠す。そして「今、先生が何持っていたか分かった人?」というように子どもたちに聞く。
 しっかり見ていた子どもは手を上げ、答えることができる。そうすると、一度も叱らずに聞いている子、見ている子をほめることができ、こちらを向かせることができる。
 やんちゃな子は、けんかの天才だ。自分がやったことでも、たった一点違うことを教師が言った瞬間「先生がうそをついた」と、聞き逃さないし、見逃さない。一気に形勢は逆転して、教師は多くの子どもたちを敵に回してしまうことになる。
 このため、したたかなやんちゃな子との闘い方のポイントは「今起きた事実、一点にしぼって注意」をする。一点にしぼって言えば、言い逃れができないし、周りの子どもたちもみんな見ていたことだから、どの子も教師の言うことに同意する。
 やんちゃな子への対応の基本は「心をつかめ、闘え、いとおしいと思え」の三つである。
 教師は、やんちゃな子の情報(好きなこと、得意なことなど)を得ておくとよい。例えば、なわとびが好きだと、休み時間にいっしょになわとびをして、心をつかむのである。
 やんちゃな子との闘いは、絶対に負けられない。そのために決して負けないただ一点にしぼり、多くの子どもを味方につけて闘うのだ。隙をみせてはいけないのである。
 やんちゃな子の心をつかみ、闘うとともに、やんちゃな子がいとおしく思える教師でありたい。やんちゃな子がかわいいと思えるために、心をつかみ、闘うのである。
 暴言を放置すると「この先生は、悪い言葉を言っても怒らない」とエスカレートする。暴言は絶対に許さないという教師の毅然とした姿勢が大事である。どうすればよいか。
「今、何を言いましたか?」と、暴言を聞いたときに、言った子に、もう一度、言わせてみるとよい。ふつうなら、まずいと思うはずである。
 そこで「今、ばかと言ったでしょう!」と言ってはいけない。子どもは「言ってません」とうそをついてしまう。言った、言ってないという問題にすり替わってしまう。
 教師は、冷静かつ毅然とした態度で「今、何を言ったか、もう一度、言いなさい」とだけ言えばよい。大事なのは、それをクラス全員に聞かせるように、やるということである。
(
奥 清二郎編著:1965年大阪生まれ、大阪府私立小学校教師。TOSS大阪なみはや代表)

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チャイムが鳴っても授業に遅れてくる子どもをなくすには、どうすればよいのでしょうか

 チャイムが鳴っても席に着かず、しばらくしてから教室に入ってくる子どもがいます。チャイムが鳴っても、みんなが揃わないので教師は授業を始められません。
 クラスが荒れてくると、悪びれずに教室に入ってきます。授業が始まっていることを承知で、遅れて教室に入ってくるのです。こんな光景が当たり前になってきます。
 注意をしても反抗的な態度を取り、なかなか改善されません。そればかりか、ちゃんと席に着いていた子どもたちの心も教師の指導力のなさに失望し、教師から離れていきます。
 どうすればよいのでしょうか。
 授業の始まりに「楽しい仕掛け」をつくります。
 例えば、社会科の「地図当て」です。班になって、一人が地名を出題します。誰が一番早く見つけられるかを競います。これなら全員が揃っていなくても始めることができます。
 子どもにとって「地図当て」は「遊び」です。教室からは楽しそうな声が聞こえてきます。遅れて教室に入ってくるとそれに参加できないので、急いでチャイム着席をしようとします。
 こういった楽しい仕掛けを施すと、それをやりたくてチャイム着席をしようとします。
 その他の仕掛けとして、国語の授業の始めに7分間の読書をします。
 授業が始まったらすぐに読書をします。教室は静寂に包まれます。遅れてきた子どもはその雰囲気を察して、バツの悪そうな顔をしてそっと席につきます。
 こういった仕掛けをすると、ちゃんと着席した子どもたちは、遅れてきた友だちのことが気にならず、教師も遅れてきた子どもに「お説教」をしなくてすみます。
 教師は子どもたちがチャイム着席できるようになると、ほめます。すると、自分たちが変容していることに気づき、教師にほめられる快さを味わえます。遅れることが恥ずかしくなります。
(
城ケ﨑滋雄:1957年鹿児島県生まれ、千葉県公立小学校教師、教育委員会、不登校対策教員として不登校児童と関わる。荒れた学級の立て直し、小学校教師として教育情報誌・子育て情報誌などを通して、若い先生や保護者にアドバイスも行っている)

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今どきの子は安定感に欠ける、「フォロー」すれば安心感を得て本来の力を発揮するようになる

 私は真面目に教室に「お笑い」を取り入れようとがんばってきました。そして、分かったことがあります。それは「お笑い」と教育がとってもよく似ているということです。
 
「お笑い」も教育も、「フリ、オチ、フォロー」から成ります。
 教育の「フリ」は、発問や指示、「オチ」は、子どもたちの取り組みの様子、「フォロー」は、教師が子どもたちを評価し、ほめる、叱るなどの対応です。
 私は、発問や指示、面白ネタやしかけ、などの「フリ」については、これまでにも一生懸命に勉強し、工夫してきました。しかし、子どもたちを「フォロー」することについては意識すらしていなかったのです。
 今どきの子どもたちは「安定感」に欠けています。これからの子どもたちを動かすのは「フォロー」だと私は確信しています。
 
「フォロー」で子どもたちに「安心感」を与えれば、子どもたちが持っている本来の力を十分に発揮させることができると思うのです。
 子どもたちを「フォロー」するための基本的な考え方は
(1)
「子どもを見る目」を鍛えることが必要
 子どもたちを「フォロー」するためには、子どもの様子を見ることが欠かせない。
 気が散ると目が散る。姿勢が崩れると背中が曲がる。落ち着きを失うと手が動く。足が動き出せば立ち上がる。このように「フォロー」するためには、まず、子どもを見る方法をたくさん知っていることが必要である。
 その子の気持ちを察する、雰囲気を察する力がなければ、今どきの子どもたちには対応できない。
(2)
「フォロー」の基本は「ほめる」こと
 教師の一番の仕事は「ほめる」ことである。何を言っても先生が必ず認め、ほめてくれると、子どもたちは「安心」して何事にも取り組めるはずだ。
 教師は、ほめることが苦手な人が多いようだ。どうしても口先だけのほめ方になってしまう。実は私もそうである。
 そこで意識しているのが「驚く」という「フォロー」である。
 例えば、計算問題10題をやり終えて、持ってきたとき「えっ、もうできたの! 早すぎ!」と驚いてみせる。驚いてみせると、わざとらしくならない。
 結果だけでなく、発想や過程をほめるのもいい。驚くという「フォロー」は、おすすめである。
(3)
間違った答えのときは、救ってあげて「フォロー」する
 子どもが間違った答えを言ったときは「素晴らしい間違いだね。みんなの勉強になるなあ。おかげで、みんな賢くなった。すばらしい間違いをしてくれた○○さんに拍手!」と、救う方法もある。
 また「こういう間違いする子、可愛くて先生は好きだなあ」と、救う方法もある。
 ほめることができない場合は「救う」ことが必要である。教師は一生懸命やった子を絶対に見捨ててはならない。
(4)
ハードルを下げ「安心感」を与える「フォロー」を
 今どきの子どもたちは「失敗したら嫌だなあ」「失敗して笑われないかなあ」と不安を持っている。だから、答えが見え見えのクイズに喜んで取り組む。間違える心配がないから「安心」してできるのだろう。
 ハードルを下げ「安心感」を与える「フォロー」が必要である。子どもたちは「安心」して自分の力を発揮できる。
(5)
叱ることも大切な「フォロー」
 「フォロー」というと、何か「甘い」というイメージがある。しかし「フォロー」は甘いだけではない。
 ほめるだけで学級が成り立つなら、こんな楽な仕事はない。学級を成り立たせるなら「厳しく叱る」という「フォロー」は欠かせない。
 例えば、掃除。私は掃除を真面目にやらない子は厳しく叱る。ほめるだけで、真面目にやらない子が、掃除をするようにならない。
 特に若い教師は叱り方がゆるい。叱るときには「作戦」も必要だが「ダメなものは、ダメ!」と全身全霊を込めて叱りつけることが大切である。
(6)
ほめるために叱る
 叱ることは大切である。しかし、叱りっぱなしにしないほうがいい。やはりほめることが欠かせない。
 例えば、算数の授業で、Nくんがかけ算のやり方を全く聞いていなかった。問題を黒板に書き、Nくんを黒板の前にこさせる。問題を解くことができない。
「どうしたの?説明したばっかりでしょ?」「子どもだから失敗は仕方ない。けど、絶対にくり返すなよ! 成長しなさい」
 授業の最後に練習問題を数問させ、Nくんは解けている。そこで、Nくんを前に出し、問題を解かせる。
 
「正解! 素晴らしい! できるようになった、成長したね、Nくんに拍手!」
 こんな「フォロー」を続けると、子どもたちは真剣に授業に取り組むようになる。要は叱りっぱなしにしないということだ。
 感情的に叱るのは素人だ。「ほめるために叱る」という作戦を持って叱りたい。
(
中村健一:1970年山口県生まれ、山口県岩国市立小学校教師。授業づくりネットワーク、お笑い教師同盟などに所属)

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私語で騒がしい教室を変えるには、どのようにすればよいのでしょうか

 まず考えられるのが、最低限のルールについて、その善し悪しを明示して毅然たる態度で叱ることです。学級崩壊が広く知られるようになった現在でも、教室の秩序維持に貢献しています。
 ただし、叱ることが効力を発揮するのは、教師の言葉に十分な説得力がある場合に限られています。
 例えば、ザワザワしている子どもたちに「静かにしなさい」をくり返しますが、「なぜ静かにする必要があるのか」を子どもたちが納得できるように説明できる教師は案外少ないのです。
 そういう言葉の力の弱い教師が、いくら「毅然とした態度」で子どもたちを叱っても、逆効果になることが多いのです。
 叱ることだけが「騒がしい教室」をなくす方法ではありせん。
 例えば、子どもたちがザワザワし始めた教室で教師が、子どもたちが楽しくなるような「つかみネタ」をぶっつけてみて、子どもの関心を教師に向かせます。
 国語の授業であれば、授業の冒頭でちょっとした漢字遊びをします。「3分間で木のつく漢字をできだけたくさん集めましょう」というような遊びです。ちょっとした漢字遊びが子どもたちの気持ちを授業に誘導します。
 あるいは、黒板にクイズ型の問題を板書して「夏目漱石の作品として間違っているのはどれ?①吾輩は猫である②舞姫③坊ちゃん」というように、こんな三択なら、だれでも参加できます。
 面白い学習クイズをしてみたりして、教室のザワザワを学習に向けた集中へと導く空気づくりをすることは十分に可能です。
 さらに「騒がしさの中で学ぶ」方法があります。
 従来の「静かに」「座って」学ぶスタイルから「明るく」「アクティブ」な学び合いに変えるのです。
 例えば、合法的な立ち歩き活動です。「何かを見て、短い感想文を書く」「賛成・反対の理由の文を書く」「ふり返りの文を書く」ときです。
 教師が教える授業も必要です。しかし、子ども同士が学び合うグループ学習も必要です。グループが苦手な子も慣れると楽しく学べます。
(上條晴夫:1957年山梨県生まれ、小学校教師(10年)、作家、教育ライターを経て東北福祉大学教授。NPO法人「授業づくりネットワーク」理事長、お笑い教師同盟代表、専門は教育方法学・表現教育)

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授業中、不安を感じる子や、おしゃべり、立ち歩く子がいるとき、どうすればよいのでしょうか

 授業時間は学校生活の中で多くの時間を占めるため、授業で子どものやる気を引き出すチャンスはたくさんあります。うまくいかないときがあっても、別の時間に取り返すことができます。
 1時間、1日の授業だけで、子どもたちとの関係が築かれるわけではありません。毎日少しずつ積み重ねていくことで、子どもたちとつながっていくのだと思います。子どもたちに安心感を与えられるように、子どもたちと粘り強くしっかりと向き合っていきたいものです。そのためには
1 授業に不安を感じている子どもたちには
 たくさんの子どもたちが集まる教室では、楽しいと感じ授業に臨む子どももいれば、「できるかなあ」と不安を感じている子どももいるはずです。
 私は「できるかなあ」と不安を感じている子どもたちが「大丈夫。一人じゃない」という気持ちを持つことができるようにしたいと思っています。
 授業でわからない課題に出会ったとき、仲間に聞いてもいいし、教師に聞いてもいい学級にしたい。
 
「一人ではできないことも、みんなと一緒だったらできるかもしれない」と、思えば、難しいことでも挑戦できるかもしれません。
 仲間の力をちょっとずつ借りながら、無理だと思っていたことも達成できたら「自分にもできた! 次もやってみようかな」と、次の意欲へとつながります。このような成功体験の積み重ねが自信へとつながると考えています。
 教科によっては、ある知識について「○○博士」と言われるくらい、とても詳しい子どもがいます。そのような子どもが活躍できる場面を意図的につくります。
「歴史博士の○○くん。よかったらみんなに、織田信長のこと教えてほしいんだけど」とお願いします。そして発表後「教えてくれたありがとう」と、たくさん学べたことを伝えます。
 教師自ら子どもに「教えて」と聞く姿勢を見せることで、「聞くことは恥ずかしいことじゃない」と子どもたちに思わせることができます。それと、認められた子どもと教師がつながります。このような場面を、いろいろな教科で少しずつ繰り返していきます。
 ペアやグループ学習で、わからないところを「教えて」とたずね「これは・・・・」と伝えている姿がみられたときは「いいね、こういう場面がたくさん出てくるにしたいよね」とすぐに子どもたちに伝えます。
2 授業中におしゃべりする子どもがいるとき
 授業に参加せずにおしゃべりをしていたり、ノートに絵を描いていたりする子どもがいます。以前、私は「サボっている」と、腹を立てて、その子を叱っていました。
 しかし、子どもの視点に立って、どうしてやりたくないんだろうと考えました。そうすると「やらないのではなく、やれない理由があるのかも」と思いました。
 勉強の内容がわからない。しかし、教室にいなくてはいけない。「どうしたらいいの? つらいよ」という訴えが、おしゃべりなどの行動に出ているのではないかと考えるようになりました。
 だから、叱るのをやめました。できるだけ寄り添うように声をかけ、どこでつまずいているのかを理解して支援するようにしました。具体的には次のようにしています。
(1)
そばに行って「○○くん?」と名前を呼び、授業に意識を向けさせる。
 
「はっ」として取り組み始める子もいます。「あ、しまった」と自分で気付いてできるようになる子もいます。
(2)
「今ね、この問題やっているんだけど、どうかな、できそう」と、やることを確認する。
(3)
やろうとした努力の跡を見つけて「ここまで頑張ったんだね」「ここから、わからなくなっちゃった? 一緒にやろうか」と、やろうとした意欲やできているところを認め、最後まで取り組めるように支援する。
 教師は気付かないうちに、教師という色のついた「メガネ」をかけてしまっているのではないでしょうか。ありのままの子どもの姿をとらえ、支援していくことで、子どもは「先生、わかってくれた」と感じ、やる気を出すことができると思います。
3 集中力がなく、立ち歩く子どもがいるとき
 声をかけても、それだけでは難しい子どももいます。先生に注目されたと感じ、注意されても繰り返します。
 以前の私は「なんとかしなければ」と、つい手をかけすぎて、一人の子どもにつきっきりになってしまったことがあります。しかし、子どもの行動は全く変わらず、学級も落ち着きがなくなってしまいました。
(1)
授業中に立ち歩いたり、不適切な発言には対応しない。自分の気持ちが抑えきれずに怒り出した場合も対応しない。
(2)
その子が頑張ったことや適切な行動ができた場合は、小さなことでも認めて思いっきりほめる。
 集団の中で不適応を起こす子に対して、私は「どんなあなたでも、先生は大切に思っている」という気持ちをもつようにしています。そして、子どもが「先生は自分の味方」と思えるように粘り強く寄り添います。
 適切な行動ができたときには思いっきりほめることを繰り返していくうちに、少しずつ変化が見られるようになるでしょう。
 毎日少しずつ積み重ねていくことで、子どもたちとつながっていくのだと思います。そして、子どもと教師の間に信頼関係が築かれ、安心感が生まれます。安心感はやる気へとつながります。
(3)
学級の他の子どもたちを大切にする。
 授業に参加しない子につきっきりになってしまうと、学級の他の子どもたちは、一生懸命に授業を受けているのに待たされることになります。「先生は○○くんをひいきにしている」という気持ちが出てきて、教師との関係が崩れてしまいます。
 教師はそれ以上は対応せず、他の子どもたちと楽しく授業を進めていくことも必要だと思います。子どもたちは、この対応を見て「先生は私たちのことも大切にしてくれる」と感じることができるからです。学級の雰囲気も温かくなります。
(
白根奈巳:愛知県名古屋市立小学校教師)


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