カテゴリー「子どもたちの関係づくり」の記事

「お誕生日会」で、1年間の思い出となる、楽しい学級づくり

 3月になって、子どもたちに1年間の思い出を聞けば、決まって一番に「お誕生日会」をあげるのです。
 お誕生日会の「小さいころのインタビュー」こそは、確実に自分が主人公であり、注目の的になれたからでしょうか。
 「小さいころのインタビュー」で、自分の小さい時のことを聞きます。照れくさそうに耳をふさぎながら聞く子どももいます。
 でも本当は、みんなが自分に注目してくれている、このときが一番うれしいのです。
 それと、お誕生日会の「班の出しもの」が1年間の思い出になるのです。
1 小さいころのインタビュー
 インタビューは、小学校低学年なら家庭訪問のときに、前もって聞くことをお知らせしておいて、担任が録音します。
 中学年以上になれば、そのつど、お家の都合を聞いて、班の友だちなどがインタビューに行きます。複雑な家庭事情がある場合は、担任が何とかします。
 次に、「小さいころのインタビュー」の例をあげます。
 お誕生日の子どもが教室の前にすわり、録音された自分の小さい時のことを聞きます。
子ども「今から〇〇くんのおばちゃんにインタビューします。〇〇くんが生まれた時の体重は何kgでしたか?」
母親「3900kgでした」
子ども「生まれたときの身長は何cmでしたか?」
母親「53cmでした」
子ども「小さい時に、大きな病気やけがをしませんでしたか?」
母親「1歳のときに、ひきつけをおこして、救急車で運ばれて、死ぬかと心配したことがありました」
子ども「どのようにして崇広という名前にしたのですか」
母親「おじいちゃんと、お父さんの名前から1字ずつもらって、人の役に立つ心の広い人になってほしいと思ってつけました」
子ども「クラスの友だちや先生に何か一言どうぞ」
母親「みんな、担任の先生の言われることをよく聞いて、仲良く助け合いながら、しっかり勉強してください」
母親「崇広はちょっと気が弱いので、みなさんから声をかけてくださいね」
母親「先生には、お世話になりますが、よろしくお願いします」
子ども「インタビューにこたえてくれて、ありがとうございました」
母親「ご苦労さまでした」
2 子どもたちを親密にする「班のだしもの」
 お誕生日会では、班で力を合わせて「班のだしもの」を創りあげます。
 例えば、紙人形劇、劇、紙芝居、合奏、歌、クイズ、手品、漫才などです。
 何とかまとめようと班長が苦労します。班長が最も成長する場面でもあります。
 練習期間は2週間ほどです。学級活動や道徳、雨で体育ができなかった時などを使います。
 練習中ももめますが、もめた班ほど、成功したときの喜びは大きいものです。
 お誕生日会は、適当な人数ごとに、2カ月とか3カ月に実施します。
 1回経験すると、必要な仕事やスケジュール、フログラムなど話し合う中身がわかるので、自分たちで話し合いをすすめることができるようになります。
 お誕生日会のグッズ、例えば、画用紙を6枚貼り合わせた、大きなバースデーケーキ、一人ひとりの名前を書いたローソク(裏に磁石を貼る)、プレゼントするバースディカードなどは、分担して子どもたちがつくります。
 お誕生日会のたびに班の出しものをする機会ができるので、内容が文化的にも高まっていきます。
 今までのクラスの子どもたちの親密さは、お誕生日会のたびに班の出しもので積み重ねられてでてきた親密さだったと思います。
 その親密さが、子どもたちにとって心地よく、楽しくて、一年間の一番の思い出になったのでしょう。
(野口美代子:1946年兵庫県生まれ、元兵庫県尼崎市立小学校教師・全国生活指導研究会全国委員)

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クラスの子どもたちのコミュニケーションを高める授業

教師:「朝、学校に来たら、みんなに何て言いますか?」
子ども:「おはようございます!」
教師:「そう、挨拶だね。なぜ挨拶をするのかな?」
 菊池省三先生の問いかけに、5年1組の子どもたちは、さっそくノートに向かいます。
 子どもたちは、3つ理由を考えたら先生に持っていきます。○をもらったら、その理由を黒板に書き込んでいきます。次のように板書していきます。
<言われたほうも言ったほうもいい気持ちになれるから>
<1日、友だちと仲良くなれる気がするから>
<「がんばるぞ」という気持ちになれるから>
<教室の雰囲気がよくなる>
 黒板に書かれた理由を見ながら、菊池先生が問いかけます。
教師:「みんながあげてくれた理由を3つに分けたいんだけど、どうやって分けようか?」
 子どもたちは、少し考え込みながら、みんなで導き出した答えは、「自分」「相手」「みんな」の3つ。
教師:「そうだね、挨拶のよさは、この3つの視点から考えることができるね」
教師:「それじゃあ、『おはようございます』以外に、『自分』『相手』『みんな』がプラスになれる言葉を考えてみよう」
 次々と子どもたちが菊池先生にノートを見せに行き、今度は後ろの黒板に次のように記入していきます。
<ありがとう>
<どういたしまして>
<どうぞ>
<元気?>
<お願いします>
<すごいね!>
<ごめんなさい>
<大丈夫だよ!>
<一緒にしようよ>
<あきらめないで>
<1人じゃないよ!>
<がんばるぞーっ!>
 魅力あふれる言葉がいくつも並び、みるみる黒板はいっぱいになってしまいました。
 子どもたちが書き終わった後、菊池先生が空いているスペースに「5年1組にあふれさせたい言葉」と大きく書き込みました。それを見た子どもたちはニッコリ。
 授業の締めくくりは、みんなの前で感想の発表です。
教師:「挨拶をすると、みんながいろんな思いで聞いてくれることがわかりました」
教師:「これからも自分の考えた言葉をいっぱい使って、気持ちいい1日を過ごしたいと思います」
 クラス全員がはきはきと発表している姿に驚かされました。
「みんなの前で発表するのが苦手な子もたくさんいますが、普段そういう機会が少ないんですね。ですから、1人で何分も話すのではなく、一言で終わるような短い時間で、しかもクラス全員が発表するところからスタートしていきます」
「もちろん、クラスの中で、みんなの発言を認め合える人間関係を作ることが大前提ですけれどね」と菊池先生。
「子どもたちの言葉をいかに引き出すか。教師にとっても親にとっても、とても大切なことです」と力を込めます。
(菊池省三:1959年生まれ 福岡県北九州市公立小学校教師、2015年に退職。コミュニケーション教育を長年実践した。「プロフェッショナル-仕事の流儀(NHK)」などに出演、「 菊池道場」(主宰)を中心に全国で講演活動をしている。 北九州市すぐれた教育実践教員表彰、福岡県市民教育賞受賞)

 

 

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「ペア学習」で、子どもたちのコミュニケーション力の土台をつくる

 子どもたちの希薄な人間関係をそのままにしておいて、よい学級集団をつくることはできません。
 子どもが適切な友だちとの関わり方を知らないのであれば、きちんと教師が教えるべきです。
 そのために、私はまずは一対一のペア学習から始めるのがよいのではないかと考えます。
ペア学習は
(1)
進んで友だちとかかわり合おうという気持ちを育てる
(2)
話し合いをするための土台となるような、よりよい話し方、聞き方を身につける
といった「ねらい」をもって繰り返し行うことで、子ども同士の関わり方が変わってきます。
 ペア学習をするときには、最初に「お願いします」、最後に「ありがとうございました」を必ず伝えるようにします。一緒に頑張ってくれる友だちへの礼儀です。
 ペア学習の途中に中断し、私は次のようなことを伝えました。
「きちんと友だちと向かい合っているペア、『うん、うん』『なるほど』『へー』などのあいづちをうっているペアは、盛り上がっていますね」
「向かい合う」「あいづちをうつ」と黒板に書き、再開しました。
 ペア学習の最初の段階では、内容面よりも、よりよい人間関係をつくるための、かかわり方を大切にしていった方がよいと感じます。
 ペア学習を続けることで、特定の友だちとしか話をしなかった子どもがいろんな子と楽しそうに話をするようになってきました。
 授業中、多くの子どもが発表者に体を向けて聞くようになってきました。
 斎藤孝さんは
「コミュニケーション力とは、意味を的確につかみ、感情を理解し合う力のことである」と言っています。
 意味を伝え合うためには、きちんと話を聞いたり、感情を伝え合うためには、非言語でのコミュニケーションも大切になってきます。
 このようなことは、放っておいてできるようになるというものではありません。はじめの段階では、ペア学習できちんと教師が指導していくとよいと思います。
 ペアという最小単位のコミュニケーションだからこそ、できたか、できていないかがわかりやすいはずです。
 最初のうちは、非言語を重視します。つぎのことをルール化して全員が行うようにします。
「お互いに向き合う、うなずく、あいづちをうつ、笑顔で話し聞く、身振り手振りをつけて話す」
 次第に子どもたちが慣れてきたら、
「友だちの発言に、ひとこと、感想を返す」
「質問をする」
「発言をつなげる」
などを徐々に教師が教え、子どもたちにさせてみましょう。
(
田中聖吾:福岡県北九州市立小学校教師)

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教師が子どもたち一人ひとりとつながり、子ども同士もつながるにはどうすればよいのでしょうか

 若かりし頃の私は「学級を統率しよう」と権力を握るため躍起になっていました。周りの権力をもった教師は腕力が強く声の大きい威圧感のある男性教師でした。
 私も腕を組んだり、腰に手をやったり、命令口調で荒っぽい言葉を使ったりしました。
 だが、二十歳代のただのお姉ちゃん教師が、生徒たちを不必要にムカつかせ、あえなく権力闘争に敗れてしまいました。私は自信をなくしてしまい、教師も辞めようと思いました。
 そんな時、私を救ってくれたのは、愛知学院大学教授 深山富男氏の
「生徒を人生を生きる仲間と感じて生活していきなさい」
という言葉でした。今でも先生の表情も声の感じも、はっきりと覚えています。
 
「共に生きる仲間」というふうに生徒のことを考えたがありませんでしたから、衝撃でした。それからは、生徒との関係がスムーズになっていきました。
 生徒をコントロールする対象とは考えず、共に苦楽を分かち合う人生の仲間と感じられれば、学級が教師も含め最高のチームになるのは時間の問題です。
 教師が生徒とつながるために私は、本音で話し動く、口ではなく実行する、生徒が間違った言動をすればその理由を尋ね、道理を理解させ、どうすればよいか考えさせる、ようにしています。
 教師と一人の生徒がつながると、そのつなげ方を、他の生徒はじっと見ています。自分と重ね合わせて見ています。
 教師のつなげ方が生徒たちの心にバチッとはまったら、見ている生徒ともつながるし、生徒同士もつながってしまいます。
 共に生活している者たちが互いに理解しあい、思いやりを持ち合い、温かいチームになることができます。
 そのためのコツは、痛みと弱みを共有することです。
 人はできたり、強かったりする部分だけではありません。弱い痛みをもっています。人に見せたくない部分を見せ合えば、あとは何も怖いものはありません。
 まず教師が自己開示することが一番効果的です。私には弱みや痛み、傷がいっぱいあります。大学をも教員採用も浪人している。若い頃はダメな教師、息子はいじめを受け私は母として捨て身で戦った。
 いじめや人権の道徳の授業で息子の話をしたとき、何人もの生徒たちが教卓に寄ってきて、涙を浮かべ「先生、実は私の弟もそうなんです」
 そうなると「親が離婚して、母と二人暮らしなんだ」「おれんちは別居中」などと、本当の気持ちの交流になっていきます。
 クラスが安全基地、ここに来れば癒され、立ち上がれる。クラスがそんな家になっていくのです。
 心が揺れている中学生が聞いても役に立たないのは一般論です。ではどんな言葉がけがよいのでしょうか。
 それは、教師が一人の人間として、わき上がってきた感情や思いを「私はこう思うよ」と伝えることです。導くのではなく、一人の人間として対峙するのです。
(
堀川真理:1963年生まれ、新潟市公立中学校教師。学校心理士、カウンセラー。カウンセリング・ワークショップ「サイコドラマ新潟」主宰) 

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学級経営で大切なことは「どの友だちとでも、活動できること」、どうすればできるでしょうか

 学級経営で大切なことは「どの友だちとでも、活動することのできる関係を築かせる」ことです。
 子どもは、そのままにしておけば、仲のよい友だちとは積極的に関わろうとしますが、他の友だちとの関わりには消極的です。
 ですから、教師が意図的に子ども同士を関わらせることが必要になります。
 気分が乗らない朝は、友だちの些細な言葉や行動に、つい感情的になってしまいがちです。友だちと関わることがおっくうになっている子もいます。
 朝一番で、意図的に楽しく子ども同士を関わらせることが必要です。そのために「気持ちのリレー」を行います。その方法は
 今の気持ちを、ひと言で、子ども全員に発表させていきます。この時、座席順に次々と発表させます。
 まず、教師が、最前列の子に
「今、どんな気持ち?」
と、声をかけます。その子から、座席順に気持ちを発表していきます。
「ちょっと眠いです」→「元気です」→「気分いいです」・・・・・
というように、次々とリレーしていきます。
 ネガティブな言葉ではなく、元気の出るような言葉でリレーしていくと、気持ちが明るくなっていきます。しかし、あまり強制しないようにしましょう。
 
「気持ちのリレー」は、そのままにしておいては、あまり関わることのない友だちとふれ合う機会になります。
 目を合わせて、たったひと言「元気です」などと伝えるだけですが、毎日、多くの子と関わりをもつことに、大きな意味があります。
 ひと月もすれば、どの友だちにも話しかけることに、おっくうさを感じないように変化しています。
 友だちとあまり関わらずに一人でいると、子どもはどんどん不安になってしまいます。「どう思われているのだろう」などと、不要なことを考えるようにさえなります。
 授業でも同じですが、子ども同士を関わらせることで、互いに相手が自分と同じように友だちと関わることに喜びを感じていることに気づかせることが必要です。
 実際に友だちと関わることで、不要な心配をもつこともなく、安心して学習することができるようになります。
 教室での子どもの交流関係を広げるのは教師です。 
(
中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校教頭。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

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学級で子どもたちを仲よくするために、班を活用するとよい

 学級の子ども同士「仲よくしましょう、協力し合いましょう」と言うだけでは、子どもはどうしてよいかわかりません。その手がかりとして班を活用するのです。
 私は小・中・高校の教師のときから、この班を手がかりに実践してきました。「班が子どもたちの関係を意識させる」と思います。親しくなくても、きらいな相手と思っても、ともかく関係を意識させること。ここに班を手がかりとする意味があると思います。
 しかし、ここで、考えねばならないことがあります。班の目的や意味を考えないと、班ぎらいをつくります。よくない例としては
(1)
忘れもの・掃除のさぼりなどがあると「班の責任だ」として、班の全員にバツをあたえる。
(2)
何でも班で競争させる。
 教師の必要性にもとづいて、こうしたことに教師が執心していると班はいやだという子どもをたくさん作り出すことになってしまうのです。
 重視すべきは、子どもの要求です。「子ども一人ひとりが主人公として活躍できる学級」「力を合わせて自分たちで生活をつくる学級」をめざす。そのために、班を手がかりにしていくということです。
班を活用して
(1)
いっぱい話をしたい。友だちをつくりたい。仲よくしていきたい。
(2)
自分でできることを身につけ、自信をもてるようになりたい。
(3)
みんなに認めてもらえるようになりたい。
(4)
楽しいことをたくさんやりたい。
(5)
心の満足が得られる生活がしたい。
という子どもたちの要求を応えていくのです。
 文化的・自治的なことを学級に積極的に取り入れるとよいと思います。例えば、遊び・スポーツ・新聞発行・お誕生日会・文集づくり・歌声・読書・飼育栽培・行事など。
 とはいっても、楽しいことをやる際には、約束ごと・ルールをしっかり決めて取り組むこと。それが不十分だと、事後に乱れを招くことになりかねません。
 班をつくるとき、いわゆる手のかかる子(なじめない子・障害があり援助を必要とする子)に配慮しなければならない。これには三つの対応が考えられます。
(1)
教師がその班の副班長的な役割を負い、指導・援助する。
(2)
協力的な子(複数)に依頼し、相互協力して活動への参加をうながす。
(3)
手のかかる子に「どうしたい」「どうすればいい」と問いかけ、当面は出された要求にそって活動の参加を誘う。
 子どもの要求のトップは遊びです。最大限に取り入れるとよいと思います。私が考えたのは
(1)
3~5分で遊べるものを見つけ出し、1日のどこかでやる。
 
「かみなりドン、集団ジャンケン、五でパッシッシング」などは教室ですぐできる。
(2)
遊びの係・レク実行委員をつくり、毎週2~3回みんなで遊ぶことを具体化する。
(3)
お誕生日会は年間をとおしての取り組みとし、そのつど実行委員カリキュラムをつくって行う。充実させる秘訣は「次回に祝ってもらう人が実行委員になる」とよいのです。
 班の活動を教師がほめたり、叱ったりすることをとおして、子どもたちは何が大事で何がいけないことかを気づきます。価値観・人生観がつくられていくのです。
 教師が個人だけをほめると、ねたみを誘発しやすい。ですから「班長はケンカをやめさせようとしていたね」「やめた班員もすばらしいよ」というように、子ども同士を関係づけながら言葉をかけるようにします。
 つぎは、子どもたちに話し合いのできる力を育てることです。話し合うことがなければ、子ども同士の関係性はつくれません。この力を育てることが重要です。
 子どもがおおぜいで生活する場に、トラブルはつきものです。トラブルを自分たちで解決できるように話し合う力を育てること。それこそが教育というものでしょう。
 例えば、班員同士のもめごとをどう解決すればよいのでしょうか。
 子ども同士の関係性が薄く自分たちで解決できる力を持ち合わせていません。自分たちで解決できる力を育てることが発展のキーポイントになるのです。
 やり方ですが、教師が先頭に立たなければなりません。「班会議をやろう」と子どもを集め、教師もその中に入っていっしょに考えるのです。つぎのように進めるとよい。
(1)
緊急に集まったわけを話す
(2)
事情をかいつまんで話す
(3)
何があったのか当事者から様子や思いを聞く
(4)
「みんなはどう思う」と、関係していない子からの意見を聞く
(5)
いろいろと意見(思ったこと、考えたこと)を聞く
(6)
どの意見ややり方がいいか、問いかける
(7)
「では、そうしようと」と、一つの方向を決める
(8)
気をつけることは何か、心がけること、取り組みの手順などを確かめる
もちろん、この方法は学級会でも、取り入れよいと思います。
(
坂本光男:19292010年、埼玉県生まれ、元小学校・中学校・高校の教師。教育評論家。日本生活指導研究所所長・全国生活指導研究協議会会員)

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授業でコミュニケーション力をつけるにはどのようにすればよいか

 授業を通してコミュニケーション力をつけさせたいと考えたとき、私は、まず一対一のペア学習から始めるのがよいのではないかと考えます。ペア学習のねらいは、進んで友だちとかかわり合おうという気持ちを育てる。話し合いをするための土台になるような、よりよい話し方・聞き方を身につけることです。
 最初のうちは「なぜペア学習を行うのか」目標を必ず教師から伝えるようにします。例えば「発表するための準備をする」という目標を事前に子どもたちに伝えておけば、ペア学習に取り組まなかったり、話が横道に脱線しすぎたりすることもなくなるはずです。
 ペア学習を続けることで、ふだんの子ども同士のかかわり方も少しずつ変わってきます。特定の友だちとしか話をしなかった子が、他の子とも楽しそうに話をするようになってきたりします。少しずつですが、子どもたちの人間関係が変わってきます。
 コミュニケーション力とは、意味を的確につかみ、感情を理解し合う力のことです。「意味を伝え合う」ためには、きちんと話を聞いたりすることができること。「感情を伝え合う」ためには、非言語でのコミュニケーションも大切になってくるでしょう。このようなことは、放っておいてできるようになるものではありません。だからこそ、はじめ段階ではペアでのコミュニケーションの機会をもち、学習中にきちんと教師が指導していくことを心がけるべきです。
 ペアという最小単位でのコミュニケーションだからこそ、教師も子どもも、指導したことができたか、できないかがわかりやすい。また、ペアの相手を変えたりして繰り返し指導することも可能です。
 ペア学習の最初のうちは、非言語のところを重視し、よりよい人間関係をつくるための関わり方を大切にしていった方がよいと感じます。例えば、最初と最後に「よろしくお願いします」「ありがとうございました」を言う。お互いに向き合う、うなづく、あいづちをうつ。笑顔で話す・聞く。身ぶり・手ぶりをつけて話す。これらのことをルール化して、全員が行うようにします。頑張っている子を教師が認め、他の子に少しずつ広げるようにしたい。
 次第に子どもたちが慣れてきたら、友だちの発言にひと言感想を返す、質問をする、発言をつなげる等も、徐々に教師から教え、子どもたちにさせてみましょう。
 ペア学習のコツは、はしめの段階では、きちんと教師から教えることが大切です。ペア学習の後に、がんばったところ、次にがんばりたいところなどを子ども自身がふり返ることも大切です。
 ペア学習でコミュニケーションに少しずつ慣れてきたら、次はグループで学習する機会を増やしていきます。グループ学習で多人数とのコミュニケーションを経験させるようにしましょう。
 ねらいは、多くの友だちと協力することのよさを、体験を通して実感させることです。まず4人程度のグループ学習を行ってみましょう。協力することのよさを実感した子どもは、クラス全員で学習するときでも積極的に協力できるようになるものです。
 グループ学習のコツは、積極的に発言することが難しい子どもがいるので、どの子どもも発言しやすい雰囲気をつくるため、初めのうちは、「『いいね、いいね』を合い言葉にしましょう」「よい話し合いのポイントは笑顔です」といった、出てきたすべての意見を認めるような態度や声かけを増やしていきましょう。
(
菊池省三:1959年生まれ 福岡県公立小学校教師 全国コミュニケーション教育研究会会長 全国教室ディベート連盟研究開発委員 NPO授業づくりネットワーク理事 実践教育研究21サークル代表 菊池道場主宰 北九州市すぐれた教育実践教員表彰 福岡県市民教育賞受賞)

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自分も相手も大切にした表現力を育てる

 子どものさまざまな問題行動がおきる背景に自己表現のまずさがあります。
 相手を傷つけずに自分の思いはしっかりと主張する。このような自己表現を「アサーディブな表現」と呼びます。いわば、自己も相手も同じように大切にする自己表現の方法です。
 このアサーディブな表現をトレーニングによって身につけるこどかできます。子どもたちの人間関係能力を高めるためには、自己主張訓練が何よりも有効である。相手を傷つけずに言える力を身につけることができるからです。
 たとえば、日常の場面を想定してどのように表現したらよいのかを「ドラえもん」に出てくるカャラクター「しずかちゃん」になって考えてみます。「遊びの誘い」を断るのに、しずかちゃんは、「ごめんなさい。今日は、ピアノのおけいこがあるから遊べないの。また今度にして」のように自分も相手も大切にした表現ができます。
 このような「友だちの誘いを断る」を想定して、自分流の話し方をワークシートに書く。次に、それをグループで読み比べながら、自分と友だちとの表現の違いに気づかせたり、アサーティブな表現になるように修正したりします。
 できれば、実際に子どもたちにロールプレイをさせるとよい。たとえば、「友だちの誘いを断る」場面では、3人1組のグループを作らせ、1人は誘う役、1人を断る役、残りの1人を観察者とする。時間は2分程度。誘う役は断られてもできるだけしつこく誘うが、最終的には「じゃあ、また今度ね」と折れる。最後にふり返りをする。
(諸富祥彦:1963年生まれ、明治大学教授,臨床心理学、カウンセリング心理学、現場教師の作戦参謀としてアドバイスを教師に与えている)

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子どもたちの人間関係の能力を高める方法

 子どもたちが起こす問題行動の背景として、「人間関係の能力の低下」が指摘されている。
 この人間関係能力は、体験を通してしか、獲得できないのである。
 従来であれば、子どもたちは遊びを通して身につけていった。しかし、集団での遊びが減っているので、学校が人間関係を育む場として重要な役割を果たすことが期待されている。
 そのための有力な教育方法として注目されているのが、「エンカウンター」なのである。「エンカウンター」が、子どもたちの人間関係能力を高めるからである。
 「エンカウンター」とは、ホンネとホンネの交流、親密な人間関係のことである。
 「構成的グループ・エンカウンター」といわれる方法は、グループで「エンカウンター」を体験することを目的とした教育方法である。構成的と呼ばれるゆえんは、リーダーがエクササイズ(練習課題)と呼ばれるさまざまな体験学習のメニューを提示するところにある。
 それぞれのエクササイズは、自己理解、他者理解、自己受容、自己主張、信頼体験、感受性などを、体験を通して学ぶことをねらいとしている。対象者の発達段階に合わせて、多種多様なエクササイズが開発されている。
 エンカウンターは遊びやゲームの要素を多分に持っているが、単なるゲームとは異なる。それは、エンカウンターがシェアリング(ふり返り)を含むからである。
 ゲームであれば、楽しかっただけでもよい。しかし、エンカウンターでは、エクササイズを通して「何を感じたか」「どんなことに気づいたか」をグループで話し合う。このシェアリング(ふり返り)が自己理解、他者理解を促し、成長を促進させると考えるのである。
 エンカウンターは授業や学級活動、保護者会、職員研修などさまざまな場面で効果があることが報告されている。
つぎにエクササイズの例を示す。
「サイコロトーキング」
1 目的:あるテーマについて話したり聞いたりすることで、他者理解を深める。
2 準備:サイコロ
3 手順:
(1)
サイコロの目によって話す内容を決めておく。
 
1の目は「うれしかった話」、2の目は「困った話」、3の目は「恥ずかしかった話」など。
(2)
クラス全員が半円形になって座る。
(3)
一人ずつサイコロを振り、出た目の内容について話をする。どうしても話が思い浮かばなければ、もう一度振ってもよいことにする。
(4)
話し終わったら拍手をする。何かコメントがあれば発言してもよい。
(5)
シェアリングで、いちばん心に残った話しを発表させる。
(
諸富祥彦:1963年生まれ、明治大学教授,臨床心理学、カウンセリング心理学、現場教師の作戦参謀としてアドバイスを教師に与えている)

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構成的グループエンカウンターの導入方法

構成的グループエンカウンターの導入方法は
(1)
学級活動や道徳の時間に実施するとき
 構成的グループエンカウンターの取り組み方やルールを説明するインストラクションの後、ウォーミングアップ、課題(エクササイズ)を行い、感情交流を通して気づいたことや考えたことを、語り合ったり自己表現するシェアリングまでの一連の流れを1セットとして実施します。
 この方法は、学級集団の日常生活がふれあいのあるものにするための起爆剤となるものです。
 課題(エクササイズ)は、学級集団に求められている内容、例えば、子ども同士の共感性の向上、他者受容などを選び、実施後は、その効果を学級生活に生かせるように言葉がけをしたり、場面を設定したりしていくのです。少し長いスパンで、学習指導、生徒指導、自己の確立の援助のバランスをとるという意味もあります。
 私は、学級経営の年間計画にもとづいて、定期的に実施しました。
 最初は集団生活の不安を軽減するもの、そして協同活動の喜びを体験できるもの、次に自己受容・他者受容が促進されるもの、その後、自己理解が深まるものから自己意識を高めるものへという展開です。
 時期的なものでは、学級開きの直後、大きな行事の前後、学期のはじめとまとめの時期などです。
 大事なことは、子どもや学級集団の状態をしっかり把握したうえで実施することです。また、既成の課題(エクササイズ)を選んだとしても、学級集団に合わせたアレンジが必要になってきます。
(2)
授業や活動で実施するとき
 構成的グループエンカウンターのエッセンスを盛り込むというやり方です。
例えば、
(1)
新しい理科の学習班を決めたあと
 チームワークを高めるために、ウォーミングアップと自分の本音に気づいたり、他者と感情交流しやすいような心理的配慮がなされた課題(エクササイズ)を実施します。
(2)
運動会などの大きな行事や調べ学習のあと
 感情交流を通して気づいたことや考えたことを、メンバー同士で語り合ったりしながら自己表現することで、意識化させるシェアリングを実施する。そこで、お互いの頑張りを認め合ったりします。
 私はこの2つの方法を併用することで、構成的グループエンカウンターのエッセンスが日常の学級生活に根づいてくると思います。
 ポイントは、子どもや学級集団の状態を理解したうえで課題(エクササイズ)を実施すること。日常の教師のあり方と構成的グループエンカウンター実施時のあり方にギャップが少ないことです。特に、学級の子どもたちが強く傷つかない配慮が必要です。
(河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学教育学部教授。15年間公立学校教諭を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)

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