カテゴリー「子どもたちの関係づくり」の記事

学級で子どもたちを仲よくするために、班を活用するとよい

 学級の子ども同士「仲よくしましょう、協力し合いましょう」と言うだけでは、子どもはどうしてよいかわかりません。その手がかりとして班を活用するのです。
 私は小・中・高校の教師のときから、この班を手がかりに実践してきました。「班が子どもたちの関係を意識させる」と思います。親しくなくても、きらいな相手と思っても、ともかく関係を意識させること。ここに班を手がかりとする意味があると思います。
 しかし、ここで、考えねばならないことがあります。班の目的や意味を考えないと、班ぎらいをつくります。よくない例としては
(1)
忘れもの・掃除のさぼりなどがあると「班の責任だ」として、班の全員にバツをあたえる。
(2)
何でも班で競争させる。
 教師の必要性にもとづいて、こうしたことに教師が執心していると班はいやだという子どもをたくさん作り出すことになってしまうのです。
 重視すべきは、子どもの要求です。「子ども一人ひとりが主人公として活躍できる学級」「力を合わせて自分たちで生活をつくる学級」をめざす。そのために、班を手がかりにしていくということです。
班を活用して
(1)
いっぱい話をしたい。友だちをつくりたい。仲よくしていきたい。
(2)
自分でできることを身につけ、自信をもてるようになりたい。
(3)
みんなに認めてもらえるようになりたい。
(4)
楽しいことをたくさんやりたい。
(5)
心の満足が得られる生活がしたい。
という子どもたちの要求を応えていくのです。
 文化的・自治的なことを学級に積極的に取り入れるとよいと思います。例えば、遊び・スポーツ・新聞発行・お誕生日会・文集づくり・歌声・読書・飼育栽培・行事など。
 とはいっても、楽しいことをやる際には、約束ごと・ルールをしっかり決めて取り組むこと。それが不十分だと、事後に乱れを招くことになりかねません。
 班をつくるとき、いわゆる手のかかる子(なじめない子・障害があり援助を必要とする子)に配慮しなければならない。これには三つの対応が考えられます。
(1)
教師がその班の副班長的な役割を負い、指導・援助する。
(2)
協力的な子(複数)に依頼し、相互協力して活動への参加をうながす。
(3)
手のかかる子に「どうしたい」「どうすればいい」と問いかけ、当面は出された要求にそって活動の参加を誘う。
 子どもの要求のトップは遊びです。最大限に取り入れるとよいと思います。私が考えたのは
(1)
3~5分で遊べるものを見つけ出し、1日のどこかでやる。
 
「かみなりドン、集団ジャンケン、五でパッシッシング」などは教室ですぐできる。
(2)
遊びの係・レク実行委員をつくり、毎週2~3回みんなで遊ぶことを具体化する。
(3)
お誕生日会は年間をとおしての取り組みとし、そのつど実行委員カリキュラムをつくって行う。充実させる秘訣は「次回に祝ってもらう人が実行委員になる」とよいのです。
 班の活動を教師がほめたり、叱ったりすることをとおして、子どもたちは何が大事で何がいけないことかを気づきます。価値観・人生観がつくられていくのです。
 教師が個人だけをほめると、ねたみを誘発しやすい。ですから「班長はケンカをやめさせようとしていたね」「やめた班員もすばらしいよ」というように、子ども同士を関係づけながら言葉をかけるようにします。
 つぎは、子どもたちに話し合いのできる力を育てることです。話し合うことがなければ、子ども同士の関係性はつくれません。この力を育てることが重要です。
 子どもがおおぜいで生活する場に、トラブルはつきものです。トラブルを自分たちで解決できるように話し合う力を育てること。それこそが教育というものでしょう。
 例えば、班員同士のもめごとをどう解決すればよいのでしょうか。
 子ども同士の関係性が薄く自分たちで解決できる力を持ち合わせていません。自分たちで解決できる力を育てることが発展のキーポイントになるのです。
 やり方ですが、教師が先頭に立たなければなりません。「班会議をやろう」と子どもを集め、教師もその中に入っていっしょに考えるのです。つぎのように進めるとよい。
(1)
緊急に集まったわけを話す
(2)
事情をかいつまんで話す
(3)
何があったのか当事者から様子や思いを聞く
(4)
「みんなはどう思う」と、関係していない子からの意見を聞く
(5)
いろいろと意見(思ったこと、考えたこと)を聞く
(6)
どの意見ややり方がいいか、問いかける
(7)
「では、そうしようと」と、一つの方向を決める
(8)
気をつけることは何か、心がけること、取り組みの手順などを確かめる
もちろん、この方法は学級会でも、取り入れよいと思います。
(
坂本光男:19292010年、埼玉県生まれ、元小学校・中学校・高校の教師。教育評論家。日本生活指導研究所所長・全国生活指導研究協議会会員)

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授業でコミュニケーション力をつけるにはどのようにすればよいか

 授業を通してコミュニケーション力をつけさせたいと考えたとき、私は、まず一対一のペア学習から始めるのがよいのではないかと考えます。ペア学習のねらいは、進んで友だちとかかわり合おうという気持ちを育てる。話し合いをするための土台になるような、よりよい話し方・聞き方を身につけることです。
 最初のうちは「なぜペア学習を行うのか」目標を必ず教師から伝えるようにします。例えば「発表するための準備をする」という目標を事前に子どもたちに伝えておけば、ペア学習に取り組まなかったり、話が横道に脱線しすぎたりすることもなくなるはずです。
 ペア学習を続けることで、ふだんの子ども同士のかかわり方も少しずつ変わってきます。特定の友だちとしか話をしなかった子が、他の子とも楽しそうに話をするようになってきたりします。少しずつですが、子どもたちの人間関係が変わってきます。
 コミュニケーション力とは、意味を的確につかみ、感情を理解し合う力のことです。「意味を伝え合う」ためには、きちんと話を聞いたりすることができること。「感情を伝え合う」ためには、非言語でのコミュニケーションも大切になってくるでしょう。このようなことは、放っておいてできるようになるものではありません。だからこそ、はじめ段階ではペアでのコミュニケーションの機会をもち、学習中にきちんと教師が指導していくことを心がけるべきです。
 ペアという最小単位でのコミュニケーションだからこそ、教師も子どもも、指導したことができたか、できないかがわかりやすい。また、ペアの相手を変えたりして繰り返し指導することも可能です。
 ペア学習の最初のうちは、非言語のところを重視し、よりよい人間関係をつくるための関わり方を大切にしていった方がよいと感じます。例えば、最初と最後に「よろしくお願いします」「ありがとうございました」を言う。お互いに向き合う、うなづく、あいづちをうつ。笑顔で話す・聞く。身ぶり・手ぶりをつけて話す。これらのことをルール化して、全員が行うようにします。頑張っている子を教師が認め、他の子に少しずつ広げるようにしたい。
 次第に子どもたちが慣れてきたら、友だちの発言にひと言感想を返す、質問をする、発言をつなげる等も、徐々に教師から教え、子どもたちにさせてみましょう。
 ペア学習のコツは、はしめの段階では、きちんと教師から教えることが大切です。ペア学習の後に、がんばったところ、次にがんばりたいところなどを子ども自身がふり返ることも大切です。
 ペア学習でコミュニケーションに少しずつ慣れてきたら、次はグループで学習する機会を増やしていきます。グループ学習で多人数とのコミュニケーションを経験させるようにしましょう。
 ねらいは、多くの友だちと協力することのよさを、体験を通して実感させることです。まず4人程度のグループ学習を行ってみましょう。協力することのよさを実感した子どもは、クラス全員で学習するときでも積極的に協力できるようになるものです。
 グループ学習のコツは、積極的に発言することが難しい子どもがいるので、どの子どもも発言しやすい雰囲気をつくるため、初めのうちは、「『いいね、いいね』を合い言葉にしましょう」「よい話し合いのポイントは笑顔です」といった、出てきたすべての意見を認めるような態度や声かけを増やしていきましょう。
(
菊池省三:1959年生まれ 福岡県公立小学校教師 全国コミュニケーション教育研究会会長 全国教室ディベート連盟研究開発委員 NPO授業づくりネットワーク理事 実践教育研究21サークル代表 菊池道場主宰 北九州市すぐれた教育実践教員表彰 福岡県市民教育賞受賞)

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自分も相手も大切にした表現力を育てる

 子どものさまざまな問題行動がおきる背景に自己表現のまずさがあります。
 相手を傷つけずに自分の思いはしっかりと主張する。このような自己表現を「アサーディブな表現」と呼びます。いわば、自己も相手も同じように大切にする自己表現の方法です。
 このアサーディブな表現をトレーニングによって身につけるこどかできます。子どもたちの人間関係能力を高めるためには、自己主張訓練が何よりも有効である。相手を傷つけずに言える力を身につけることができるからです。
 たとえば、日常の場面を想定してどのように表現したらよいのかを「ドラえもん」に出てくるカャラクター「しずかちゃん」になって考えてみます。「遊びの誘い」を断るのに、しずかちゃんは、「ごめんなさい。今日は、ピアノのおけいこがあるから遊べないの。また今度にして」のように自分も相手も大切にした表現ができます。
 このような「友だちの誘いを断る」を想定して、自分流の話し方をワークシートに書く。次に、それをグループで読み比べながら、自分と友だちとの表現の違いに気づかせたり、アサーティブな表現になるように修正したりします。
 できれば、実際に子どもたちにロールプレイをさせるとよい。たとえば、「友だちの誘いを断る」場面では、3人1組のグループを作らせ、1人は誘う役、1人を断る役、残りの1人を観察者とする。時間は2分程度。誘う役は断られてもできるだけしつこく誘うが、最終的には「じゃあ、また今度ね」と折れる。最後にふり返りをする。
(諸富祥彦:1963年生まれ、明治大学教授,臨床心理学、カウンセリング心理学、現場教師の作戦参謀としてアドバイスを教師に与えている)

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子どもたちの人間関係の能力を高める方法

 子どもたちが起こす問題行動の背景として、「人間関係の能力の低下」が指摘されている。
 この人間関係能力は、体験を通してしか、獲得できないのである。
 従来であれば、子どもたちは遊びを通して身につけていった。しかし、集団での遊びが減っているので、学校が人間関係を育む場として重要な役割を果たすことが期待されている。
 そのための有力な教育方法として注目されているのが、「エンカウンター」なのである。「エンカウンター」が、子どもたちの人間関係能力を高めるからである。
 「エンカウンター」とは、ホンネとホンネの交流、親密な人間関係のことである。
 「構成的グループ・エンカウンター」といわれる方法は、グループで「エンカウンター」を体験することを目的とした教育方法である。構成的と呼ばれるゆえんは、リーダーがエクササイズ(練習課題)と呼ばれるさまざまな体験学習のメニューを提示するところにある。
 それぞれのエクササイズは、自己理解、他者理解、自己受容、自己主張、信頼体験、感受性などを、体験を通して学ぶことをねらいとしている。対象者の発達段階に合わせて、多種多様なエクササイズが開発されている。
 エンカウンターは遊びやゲームの要素を多分に持っているが、単なるゲームとは異なる。それは、エンカウンターがシェアリング(ふり返り)を含むからである。
 ゲームであれば、楽しかっただけでもよい。しかし、エンカウンターでは、エクササイズを通して「何を感じたか」「どんなことに気づいたか」をグループで話し合う。このシェアリング(ふり返り)が自己理解、他者理解を促し、成長を促進させると考えるのである。
 エンカウンターは授業や学級活動、保護者会、職員研修などさまざまな場面で効果があることが報告されている。
つぎにエクササイズの例を示す。
「サイコロトーキング」
1 目的:あるテーマについて話したり聞いたりすることで、他者理解を深める。
2 準備:サイコロ
3 手順:
(1)
サイコロの目によって話す内容を決めておく。
 
1の目は「うれしかった話」、2の目は「困った話」、3の目は「恥ずかしかった話」など。
(2)
クラス全員が半円形になって座る。
(3)
一人ずつサイコロを振り、出た目の内容について話をする。どうしても話が思い浮かばなければ、もう一度振ってもよいことにする。
(4)
話し終わったら拍手をする。何かコメントがあれば発言してもよい。
(5)
シェアリングで、いちばん心に残った話しを発表させる。
(
諸富祥彦:1963年生まれ、明治大学教授,臨床心理学、カウンセリング心理学、現場教師の作戦参謀としてアドバイスを教師に与えている)

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構成的グループエンカウンターの導入方法

構成的グループエンカウンターの導入方法は
(1)
学級活動や道徳の時間に実施するとき
 構成的グループエンカウンターの取り組み方やルールを説明するインストラクションの後、ウォーミングアップ、課題(エクササイズ)を行い、感情交流を通して気づいたことや考えたことを、語り合ったり自己表現するシェアリングまでの一連の流れを1セットとして実施します。
 この方法は、学級集団の日常生活がふれあいのあるものにするための起爆剤となるものです。
 課題(エクササイズ)は、学級集団に求められている内容、例えば、子ども同士の共感性の向上、他者受容などを選び、実施後は、その効果を学級生活に生かせるように言葉がけをしたり、場面を設定したりしていくのです。少し長いスパンで、学習指導、生徒指導、自己の確立の援助のバランスをとるという意味もあります。
 私は、学級経営の年間計画にもとづいて、定期的に実施しました。
 最初は集団生活の不安を軽減するもの、そして協同活動の喜びを体験できるもの、次に自己受容・他者受容が促進されるもの、その後、自己理解が深まるものから自己意識を高めるものへという展開です。
 時期的なものでは、学級開きの直後、大きな行事の前後、学期のはじめとまとめの時期などです。
 大事なことは、子どもや学級集団の状態をしっかり把握したうえで実施することです。また、既成の課題(エクササイズ)を選んだとしても、学級集団に合わせたアレンジが必要になってきます。
(2)
授業や活動で実施するとき
 構成的グループエンカウンターのエッセンスを盛り込むというやり方です。
例えば、
(1)
新しい理科の学習班を決めたあと
 チームワークを高めるために、ウォーミングアップと自分の本音に気づいたり、他者と感情交流しやすいような心理的配慮がなされた課題(エクササイズ)を実施します。
(2)
運動会などの大きな行事や調べ学習のあと
 感情交流を通して気づいたことや考えたことを、メンバー同士で語り合ったりしながら自己表現することで、意識化させるシェアリングを実施する。そこで、お互いの頑張りを認め合ったりします。
 私はこの2つの方法を併用することで、構成的グループエンカウンターのエッセンスが日常の学級生活に根づいてくると思います。
 ポイントは、子どもや学級集団の状態を理解したうえで課題(エクササイズ)を実施すること。日常の教師のあり方と構成的グループエンカウンター実施時のあり方にギャップが少ないことです。特に、学級の子どもたちが強く傷つかない配慮が必要です。
(河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学教育学部教授。15年間公立学校教諭を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)

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構成的グループエンカウンターによる「子どもたちの自己の確立」(1)

 対人関係能力が低下し、人間関係が稀薄化した現代の子どもたちは、自己の確立がむずかしくなっています。そのような子どもたちが学級で集団生活を行うので、クラスでいろいろな問題が表面化しています。
 私は、学級崩壊を考えるとき、現代の学校教育に、子どもたちの自己の確立を援助する側面が少ないと思います。学級における集団体験を活用して、学級経営することが望まれます。そのために構成的グループエンカウンターの知見を活用した教育実践をお進めします。
 構成的グループエンカウンター(SGE)とは、本音と本音のふれあいのある人間関係を、グループでの活動を通して、体験させようとするものです。人間関係は頭で考えるよりも体験するほうがずっと効果的です。そのために、グループをつくり、体験学習をさせるのが構成的グループエンカウンターです。
構成的グループエンカウンターは、次のような流れで実践します。
(1)
リーダーが取り組む課題を設定し、そのねらいと取り組み方、取り組む際のルールを簡潔に具体的に説明します。(インストラクション)
(2)
課題に取り組む際の不安を軽減したり、意欲を喚起する導入を行います。(ウォーミングアップ)
(3)
ねらいやその集団・メンバーの状況に応じた課題(エクササイズ)をリーダーが展開し、メンバー同士の感情交流を促進していきます。
 課題(エクササイズ)は、自分の本音に気づいたり、他者と感情交流しやすいような心理的配慮がなされた課題です。課題は数多く公表されています。
(4)
感情交流を通して気づいたことや考えたことを、メンバー同士で語り合ったりしながら自己表現することで、意識化させます。(シェアリング)
 構成的グループエンカウンターによる集団体験の結果、他者とふれあう喜びを獲得し、お互いに関わりあう方法を学びます。そして、自己理解や他者理解が深まり、自己の確立が促進されるのです。
(河村茂雄:1959年生まれ、早稲田大学教育学部教授。15年間公立学校教諭を経験した。学級崩壊,学級経営など教育実践に生かせる研究成果を多数提供している)

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「けんか」することで、「けんか」から学ぶことがたくさんある

 対等な関係のけんかは、重大な事故やケガにつながらない限り、放っておけばいいのです。
 人間同士のぶつかりあいを避けていては、自己の成長も得られませんし、相手への本当の理解や敬意も生まれません。
 人とのかかわりは、自分を成熟させてくれる大きな要因ですが、いまは社会全体を通じ、人とのかかわりを避ける風潮が広がりつつあるといわれています。
 けんかを通じて子どもたちが学ぶこともたくさんあります。
(1)
世の中には自分と違う考え方をする人間がいる。
(2)
自分の何気ない一言が相手を傷つけることもある。
(3)
卑怯な行為は責められる。自分にも悔いをのこす。
(4)
自分がいつも正しいとはかぎらない。
(5)
本気でぶつかった結果、嫌いだった相手が大好きになることもある。
(6)
逃げずに正面から相対すれば、分かり合えることが多い。
 多様な人間や価値観と出会い、そこから何かを学びとる機会を大人が奪ってはなりません。それは、いくら理屈で説明されようと、体験を通じて学ばなければ身にしみこんでいかないことがらです。
 ときに痛い思いをしながら経験を積むからこそ、たくましさが育ちます。
 自らトラブルに正対しなければ、トラブルを解決する力はつかないのです。
(野口芳宏:1936年生まれ、元小学校校長、大学名誉教授、千葉県教育委員、授業道場野口塾等主宰)

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子どもが心の中を話すようなクラスになるには

 日本の学校は、人と人の関係がつながれていないんです。
 教室っていちばんつながっていない場所なんですね。
 「聞いてくれる」「仲間が返してくれる」「先生が最後にものすごくええことしてくれるぞ」っていうことがあるから、子どもは言うんですよ。聞いてくれない人には人間はしゃべらないんです。全人格と全人生をかけて聞かなきゃ言ってくれないんです。
 子どもたちは聞いてくれる人、聞いてくれる仲間がいれば言うんです。心の世界になるともっととことん聞いてくれる人にしかしゃべりません。心の扉は外側からなんぼ引っ張って開けようとしても開きません。本人が心の内側から開けてくれないと。心の扉は内側にしか取っ手がないんです。
 子どもたちは、自分の境遇は変わらないだろうということを知っています。でも、そのことをだれかがわかって、この世にせめて一人でもわかって、重荷を、悲しみを一緒に担って歩いてくれる人がいたら救われますね。
 金森学級の子どもたちが心のキャッチボールをし合い、学び合いながら仲間をつくっていった。友だちの中に自分を見い出したんです。「一緒だ。一緒に歩こう」。
 ここから「仲間とつながりハッピーに生きよう」というスローガンが生まれてきた。クラスの仲間と共感し、一緒に生きようということなんです。
 このようなことが学級でできるには、クラスの仲間たちが共に苦しみ、読み、考え、模索することがとても大事なことなのではないかと思っているんです。
(
金森俊朗:1946年生れ、元小学校教師、北陸学院大学教授。「仲間とつながりハッピーになる」教育や人と自然に直に触れ合う命の授業を行う。NHKで日本賞グランプリ受賞)

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