カテゴリー「授業の技術」の記事

授業の発問は。子どもの興味の実態をつかんで発問するだけでなく、子どもより広く高い視野を教師が持って発問しよう

 子どもの興味や関心がどこにあるのか、実態をつかんで、発問するのがいい発問という考え方があります。
 たとえば、「ごんぎつね」の授業に入るとき、一読させた後、感想をノートに書かせ、子どもが注目していることをきっかけとして授業を展開する、という方法です。
 ほとんどの子どもが「ごんはかわいそう」と書くので「ごんのどういうところが、かわいそうでしょうか」と問うと、授業は盛り上がるというのです。
 ただ、子どもの興味や関心を基本に発問を組み立てると、結局のところ、子どもの視野の中だけでの授業展開になってしまいがちです。
 教師はもっと深い読み取りをして、子どもの発想とは違う視点を提示していかなくてはなりません。
 すると、子どもは戸惑うでしょうが、しだいに高みに引き上げられていき、真剣に考えるようになります。
 問われてはじめて気づくこと、見えてくることもたくさんあるのです。
 たとえば「『ごん、おまえだったのか』という兵十の台詞は、語尾を上げて読むか、下げて読むか」という問題意識は、子どもが自分で持つことはありません。
 そのように問いかけると、子どもは夢中になって考え始めます。
 最初は気づかなかったことでも、問われることによって、興味や関心をもつようになるなら、その問題意識は子どもの潜在意識の延長上にあったと考えていいでしょう。
 子どもを伸ばすのは、子どもの現在の興味や関心にそった発問ばかりでなく、「興味・関心の延長上にある発問」なのです。
「先生に、このような質問をされたから、この作品の深みがわかった」と実感できるのが、優れた発問なのです。
(野口芳宏:1936年生まれ、元千葉県公立小学校校長、植草学園大学名誉教授。千葉県教育委員会委員長職務代理者、日本教育技術学会理事・名誉会長、授業道場野口塾等主宰)

 

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教師の発問に、子どもの反応を教師がどう受けるかが、授業の良否を決める

 授業は「攻め」と「受け」から成り立ちます。
 発問は「攻め」であり、それに対する子どもの反応をどう「受け」るかが、授業の良否を決めます。
 子どもの反応の中にある差異を、どう生かすか。
 子どもたちの多様な答えのうち、どれを潰し、どれに注目させ、どんな討論を導くか。
 教師は、その場で即決しなければなりません。
 発問は、教師の「優れた受け」をともなってこそ、意味をもちます。
 教師が優れた問いだけを連発しても、子どもの答えを受けとめる技量がなければ、教育的効果は上がりません。
 逆に言うと、教師の「優れた受け」によって、シンプルな発問も意味をもつことがあります。
 そのためには、教師は知識のすそのを広げ、知識の引き出しを多くもっていることが望ましいのです。
 私が五年生の担任をしていたときのことです。社会科の授業で、日本地図を見せてから「気がついたことを述べなさい」と問いました。発問としては、ごく低レベルです。
 子どもたちは何を答えていいかわからず、きょとんとしていると、ある子が「上下に長いです」と答えました。
 教室は爆笑に包まれました。当たり前すぎると思ったのでしょう。しかし、私は、
「すばらしい発見だね。上下に長いということは、つまり南北に長いという意味だ」
「日本という一つの国の中に、北海道のように寒い地域から、沖縄のように暑い地域まである」
「雪も見られるし、パイナップルもとれるのは、そのためだね」
 と、その子を大いにほめました。そして、「他に気づいたことがありますか」と問いました。
 すると、再びその子が「周りが海です」と言いました。子どもたちは、また笑い出しましたが、私は激賞しました。
「それも、すばらしい発見だ。日本は島国で外国と陸続きではない。そのため、外国の脅威が及ばす、独自の文化が発展したのだ。鎖国が可能だったのも、島国だったからこそだ」
 発言した子が戸惑うほど、ほめたのです。子どもたちも感心し、うなずきました。
 その子は成績がよいほうではなかったのですが、この問答をきっかけに社会科の学習に興味をもち、学力もかなり伸びていきました。
(野口芳宏:1936年生まれ、元千葉県公立小学校校長、植草学園大学名誉教授。千葉県教育委員会委員長職務代理者、日本教育技術学会理事・名誉会長、授業道場野口塾等主宰)

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ワークシートは子どもが書き込みたくなる工夫を

 ワークシートは、授業の理解を促し、ねらいを達成するための大切な役割があります。
 授業に効果的で、ねらいを達成するためのワークシートを作成するには、
1 授業内容や重要なポイントを文章や図、写真などを活用して作ることです。
 授業の「ここが大事」という授業内容やポイントを教師自身が整理できておかないとワークシートは作成できません。
 ワークシートを作成するということは、授業の流れをまとめること、授業のポイントを整理することにほかならないのです。
2 子どもにとって分かりやすく、使いたくなる、書き込みたくなるものを作りましょう。
 ついつい多くの事柄をワークシートに詰め込みたくなりますが、重要で授業のポイントとなる部分を精選して作成しましょう。
 ポイントを穴埋め問題にしたり、架空のキャラクターを登場させ、吹き出しで会話したりするなど、レイアウトも工夫していきましょう。
3 授業の最初に配布されたワークシートを見ても、授業の内容や流れがすぐにわかってしまうことがないようにする。
 ワークシートを見れば、授業に参加しなくても、1時間の授業内容が分かり、楽しみや好奇心、関心を減じさせてしまうワークシートになってしまっていることがあります。
 そうならないよう、例えば、友だちの考えを聞き、その中で一番関心を持った考えを選び、その理由も記入するような形式のものです。
 また、黒板の後半に、黒板が見えない方向に座席を向けさせ、ワークシートを配布して、ミニテスト代わりにしても効果的でしょう。
 ワークシートを書かせることで授業を再現させることがもねらいなので、もし分からなければ黒板を見て、ワークシートを書いてもよいことにします。
 いずれにせよ、ワークシートをノートに貼ったり、ファイルに留めたりして、子どもたちが困ったときに見返すワークシートを教師が作成することが肝要です。
(授業力&学級づくり研究会)

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チョークの使い方の基本とチョーク技術にどのようなものがあるのでしょうか

 チョークは教師の一番の道具です。
 黒板に様々な色が使われていると、子どもはどこが大事か見失ってしまうこともあります。
 文字は基本的には白色のチョークを用いて書きます。
 大切なことは黄色のチョークを使うようにします。
 板書する際に、チョークの筆圧を高くすると、黒板との明度の差がより生まれ、はっきりと見えるようになります。
 チョークの筆圧を高くするために、チョークの持ち方は、鉛筆と同じように持つのではなく、利き手でグーの形を作り、人差し指のみチョークに沿わせるようにします。
 このとき、チョークを少し横に傾けて書くと、黒板に引っかからずに書くことができます。
 チョークの持ち方で見えやすくするなど、チョークの特性や板書の役割を理解しましょう。
 チョークの2色(白と黄色)を使い分け、知識を構造化し、深い学びを実現します。
 下線や吹き出し、矢印、四角囲みなど、記号や線を使って強調や関連性を示すとき、白色と黄色を使い分けると質の違いが明確になります。
 子どもの深い学びを実現するために、問いから導き出される知識の質の違いにしたがって、チョークの色を使い分けます。
1 白色チョーク
 事実に関わる知識
2 黄色チョーク
(1)理由・因果関係に関わる知識
(2)価値に関わる知識
(3)意志に関わる知識
 子どもとのやりとりを板書に残したり、授業全体の構造を客観視したり、多様な使い方をすることができます。
(授業力&学級づくり研究会)

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子どもを伸ばす、よい発問とは、どのようにすればよいか

 教師のよい発問によって、子どもは気づき、理解を深めて伸びていきます。
 子どもを伸ばす、よい発問とは、
1 明快であること
 発問するうえで最も大切なのは明快であることです。
 子どもの耳にすんなり入り、だれが聞いても同じ意味に解釈できることです。
 あいまいな発問では何を質問されているのかよくわかりません。たとえば、
「大造はどうして狙っていたガンを撃たずに銃を下ろしてしまったのでしょうか」
 といった発問は、「理由」を聞いているのか、「状況」を聞いているのか、はっきりしません。
 問われた子どもが推測して答えをのべるような発問は、不適切です。
 もし「理由」を聞きたいのなら、「大造は、なぜ、銃を下ろしたのか」
 もし「状況」を問いたいのなら、「大造は、どうやって、銃を下ろしたのか」
 というように分けて問うべきです。
2 やや難しい発問である
 子どもの能力よりも少し上の、適度に難しい発問を心がけましょう。
 文章の中に答えが書いてあるような問いは意味がありません。
 書いてあることをもとにして、書いてないことを推理させる「やや難しい」問いが、優れた発問と言えるでしょう。
「努力したら解けそうだ」という期待を感じさせる発問や、はじめは易しいと思っても取り組んでみたら手ごわいというような発問が望ましいといえます。
「やや難しい」発問をすると、子どもは「どちらかといえば、この答かな」と首をかしげ「先生はなんと言うだろう」と、授業にひきつけられます。
 次の展開を期待させる授業をするうちに、子どもの理解は少しずつ深まっていくのです。
3 充実感、満足が得られること
 自分の答えが否定され、新しい発見を通して、知的な満足が得られます。たとえば、
「ごんがいちばん哀れに思えるのはどこですか?」
 と問うと、子どもたちは全員「撃たれたところ」と答えます。
「間違いではないが、6年生らしい哀れさを見つけなさい」
 とゆさぶると、子どもたちは文章をていねいに読み返します。
 じつは「ごんぎつね」には、最終段落の冒頭に、
「そのあくる日も、ごんはくりを持って、兵十のうちへ出かけました」
 という文章があります。
「その」というのは前日の晩のことで、ごんは自分が危険をおかしてくりやまつたけを届けていることを兵十はどう思っているのか知りたくて、聞き耳を立てていると「神さまが兵十に贈り物をしているのだろう」と聞いて「引き合わないな」とつぶやくのです。
 深く落胆したにもかかわらず、「その明くる日も」、ごんはくりを届けにいって、その日に兵十によって殺されるのです。
 そこには、単に「鉄砲で撃たれてかわいそう」というのではない、哀れさがあります。
「その明くる日も」の「も」の重みに注目させて、このような読みとりの深みに至らせるには、発問による教師のリードが必要です。
 そして、子どもたちは「なるほど。新しいことを勉強した」という充実感が得られ、学ぶ喜びを実感できるのです。
4 多様な反応がある
 発問をしたとき、一つの答えしか出ないのなら、それは聞くまでもないことです。
 よい発問は、問いかけは単純明快で、答えは多様になります。
 解釈が分かれる発問は、真剣な話し合いを導きだし、読み取りを深めるのに役立ちます。
 一方、悪い発問は、複雑で、子どもは何を答えていいかわからず、答は単純になります。
(野口芳宏:1936年生まれ、元千葉県公立小学校校長、植草学園大学名誉教授。千葉県教育委員会委員長職務代理者、日本教育技術学会理事・名誉会長、授業道場野口塾等主宰)

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ワークシートを作成し、授業で活用するとき、どのようなことに留意すればよいか

 授業展開のどの部分で、何のために使うのかをしっかりと考えてください。その上で、目的に合わせたワークシートを作成します。
 ワークシートを使用する目的を明確にしましょう。たとえば、
(1)子どもたちの技能面での差が大きく、個別に指導する時間をとりたい。
 全員がする基本問題と、速くできた子どもが挑戦する問題を入れたワークシートがよいでしょう。
 速くできた子どもが挑戦問題を解いている間に、個別指導をすることができます。
(2)学習課題に対して、一人ひとりがじっくり取り組む時間をとり、その上で多様な考え方を出させたい。
 子ども一人ひとりが自分の考えを書くスペースと友だちの考えを書くスペース、さらに、友だちの考えを受けて深まった自分の考えを書くスペースなどを入れるようにするとよいでしょう。
 さらに、学年の発達段階を考え、スペースの取り方や分量についても配慮が必要になります。
 ノート使用との関係からも考えておく必要があります。ノートですむことなら、ワークシートはいりません。
 授業を学習指導案通りに進めたい、時間を短縮したい、板書をしないですむ、といった意味が込められて、授業をスムーズに進めるためにワークシートを使用するのであれば使用しないほうがよいでしょう。
(梅沢 実:帝京大学教授)

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授業で教師が大切にしたい指導方法とは何か

 若い教師の中には一斉型の授業を批判する方がいるように思います。しかし、その指導方法を学ぶことは悪いことではないと思っています。
 私自身、一斉授業の研究発表をして、今まで学んだことのない世界に出会い、広がったことを覚えています。
 一斉授業で大切にしたいことは、
1 子どもたちの聞く力を育て、聞き合う関係をめざそう
「誰かが話している時、それ以外の人は聞く必要がある」ということです。そのため「聞く力を高める」指導がとても重要になります。
 私は、姿勢がよい、目を見て聞いている、など聞くことができている子どもをほめます。 
 さらに、聞くとよいことが起きると感じることができるような読み聞かせの体験をさせたりして「聞く」ことを学級経営の指導の一つとして取り組んでいます。
「聞きたいと思うような関係づくり」をする必要があります。そのため、お互いのよさを伝え合うような関係づくりをしていく必要があります。
 私は「ちょっと隣の人と相談して」というような、おしゃべりを入れるように心がけています。
 また、聞いた後、聞いたことをノートに書き、そのことを発表し合うというような授業の流れをつくることも大切にしています。
2 授業の細かい時間設定をする
 一斉授業でポイントになるのが時間の使い方です。学習活動の流れを明確にするということです。例えば、
(1)課題を確認する(5分)
(2)一人で調べる(10分)
(3)隣の人と確認する(5分)
(4)全員で話し合う(10分)
(5)まとめをする(5分)
(6)復習をする(10分)
というように、子ども状況を見て、学習活動の時間の設定がポイントになります。
 教師の教え方や子どもたちの学びの状況によって、活動の時間は大きく異なります。
 学習活動をテンポよく小刻みに展開していくことで、集中して取り組むことができます。
 すぐに思い通りの学習活動が展開されるとはかぎりません。修正しながら、繰り返しねばり強く行うことが大切です。
 また、書く活動を入れると、授業に集中して取り組むことができます。
 学習の流れがはっきりすると、安心して意欲的に学ぶ子どもも大勢います。学習の流れを掲示しておくこともよい方法です。
3 子どもたちが活動できるようにする
 子どもたちが交流し合って学べるようにしなくてはいけません。楽しさや充実感、所属感をもたせることがとても大切です。例えば、
(1)課題を書く
(2)教科書の問題を1問解く
(3)解き方を話し合わせる
1 ペアで解き方を確認する(5分)
2 班で解き方を話し合う(3分)
3 全員で解き方を話し合う(5分)
(4)解き方について確認し、まとめを書く
(5)問題を解く
 活動を(3)のように細分化して、交流して動いたり、話したりする機会をふやすようにすると子どもたちの取り組みは活性化されます。
 自由に歩いて学び合うといった方法もあります。
 学習者にただ耐えるだけということを強いていると学習に対するマイナスイメージしかもてません。
4 教師は自分の声の使い方を意識する
 教師にとって声は最大の武器である。
 声や表情の使い方を意識するようにと先輩教師に教えてもらったことがありました。
 声の5つの要素「大きさ」「高さ」「速さ」「間」「声色」に気をつけて話します。
 教師であれば「速さ」「間」にこだわることはとても大切です。
 声の高さを意識する教師は少ないでしょう。例えば、
「日常の声」は少し低い声、「本音の声」は一番低い声、「建前の声」はより高い声
と使い分け、効果的に働いているか意識しましょう。
 声は教師にとって一番大切な道具であり、効果的な指導をする時に武器にもなります。声の力を磨いてほしい。
(長瀬拓也:1981年岐阜県生まれ、横浜市立・岐阜県公立小学校教師を経て岐阜県公立中学校教師。2004年に「第40回わたしの教育記録」で新採・新人賞を受賞。「授業づくりネットワーク」理事、教育サークル「未来の扉」代表代行、『教師になるには』編集代表、クラス・マネジメント研究会代表)

 

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指示と発問を極めることは、学級経営を極めることだ

 授業は、子どもと教師が共同でつくりあげるものである。
 その基盤となるものが学級経営である。教師はいかに子どもの信頼を勝ち取るかが勝負どころとなる。
1 学級に安心の雰囲気をつくり出す
 私は朝の会で、子どもと目を合わせることで安心感を与えるようにした。
 私はあなたのことを見ていますよ。わからないことがあれば聞いてくださいね、というメッセージを子どもたちに一瞬で送る。
 私は子どもたち一人ひとりの名前を呼び、目を合わせる。その瞬間、子どもが「今日も安心して学校生活を送れる」という思いを持ってくれことを私は願う。
 子どもと目を合わせたとき、私は、その子が昨日と違うと察知すれば、その日の内に手を打つ。
2 深い教材研究
 1日に1時間でもよい、授業で、勉強するってこんなに楽しいのかと、子どもたちに思わせることで、充実した授業になる。
 教師の思いだけを押しつけず、子どもたちの思いに寄り添って授業を展開していくだけでよいのである。
 そのためには、教材研究をし、子どものどのような反応にも対処できるようになっていることが大切である。
3 学習規律をつくりあげよう
 教師の指示は一度に一つ。子どもたちができるまで待つ。指示は繰り返すことで定着する。
 学習の規律は日頃の指示の徹底にある。
「指示は一度に一つ」
「できるまで待つ」
「指示が一貫している」
 これだけを徹底すれば、学習規律のある学級づくりができる。
4 子どもたちの個性を引き出す
 担任であれば、一人ひとりの子どもの個性を把握しているはずである。
 控えめな子どもの発言が素晴らしいことがある。一人ひとりの子どもの個性を引き出したいものである。
5 ノートで教師と子どもたちとのコミュニケーションを
 1日1教科でもよいから、子どもたちのノートを提出させ、教師がコメントを入れたい。
 学習の感想などから、その子どものよさを感じ取ることもできる。子どもの理解を深めるためにも、ノートに目を通したいものである。
 一度も発言していない子どもがいるときもある。そのような子どもとノート上でコミュ ニケーションを取るのである。
6 指示と発問の性格
 指示と発問は学級経営の根幹をなすものである。
 子どもの日常の学校生活を支えていく大事なものである。指示と発問を極めることは学級経営を極めることにつながっている。
(1)指示:4月から一貫し、学級の規律を確立する。
(2)主発問:授業の目標を明確にし、どのような反応が望ましいかを見極めて、学習のねらいを達成する。
(3)補助発問:学習の仕方を身につけさせる。
(白井一之:東京都公立小学校校長)

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「うまい授業」よりも、子どもに合わせる授業を心がけるとよい、授業の動画撮影で反省を

 一般に「うまい授業」は、テンポ良く、鮮やかに授業を進め、見ていても、聞いていても小気味の良がよい。板書も上手で、授業の流れが美しくまとめられています。
 しかし、それが子どもたちにとって学びやすい授業であるかと言えば、それ別。子どもにとっては、自分たちが悩むところで立ち止まって欲しいと思っています。
 子どもたちができるようになったときは、教師も一緒になって喜んでほしいのです。
 スムーズで、まるでショーのように華麗に教える授業が子どもにとって良い授業とはいえないのです。
 教師が一方的に進める授業よりも、子どもに合わせて対話しながら、子どもの論理で授業を進める授業を心がけましょう。
 例えば、小学校の算数の授業で
教師「こうして今日やる問題(3.6÷3)を書いたんだけど、知っている割り算とどこが違うかな?」
子ども「割られる数が小数だ」
教師「そうだねえ、今までは整数÷整数だったよね。どんな感じがする?」
子ども「え、やり方が違うの?」「同じやり方でできそうなのかな?」
 こうして、問題への受け止め方や解決への見通しを確認しながら進めると、子どもは安心して授業に取り組むことができます。
 教師は自分の授業を自分で見ることができないので、自分のアラには気づきにくいものです。
 もしも、自分の目で、自分の授業を見ることができれば、たくさんのことに気づけるはずです。
 学校にあるビデオカメラでもよいですし、スマートフォンを使えばすぐに録画することができます。(データの取り扱いをしっかりとします)
 撮影した授業の動画を見て、教師が反省します。そのポイントは
1 教師の動きを見る
(1)子どもたち全体に指示をしているときは、黒板中央に立っているか。
(2)表情は豊かか。
(3)必要以上に体を動かしていないか。
(4)机間巡視の経路はどうか
(5)子どもたち全体に視線を配っているか。
2 子どもたちの様子を見る
 教師と関わりの少ない子どもは、どのように学んでいるのか注意します。
 教師に気づかれずに、努力を積み重ねているのか注意します。そうした子どもたちに注目して、次の日に声をかけてあげましょう。
3 子どもたちの活動が遅かった場面を確認する
 子どもたちが、活動に取りかかりが遅かった場面がなかったかを確認しましょう。
 教師の発問、指示、説明のクセに起因している可能性があり、伝わりにくいのかもしれません。
 また、子どもたちの思考のクセが起因している場合もあります。
 こうした点に気をつけ、授業の反省をすると、自分で目からウロコを落とすことができます。
(山田洋一:1969年北海道札幌生まれ、私立幼稚園に勤務後、北海道公立小学校教師。「北の教育文化フェスティバル」代表、「お笑い教師同盟」副代表、「実感道徳研究会」副代表)

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授業をゲーム化して子どもを乗せるにはどうすればよいか

 子どもたちがゲームにひきつけられるのは、ゲームには次のようないくつもの人をひきつける要素があるからです。ゲームの要素を教育で活用できるとよい。
1 一人ひとりが主人公
 自分がやりたいときにできて、自分が操作する、自分が主人公だからゲームにひきつけられるのです。
 子どもたち一人ひとりが主人公として、学びを進めていくことで、子どもたちのやる気を高めていくことができる。 
2 すかさず評価する
 ゲームは操作すれば、次の瞬間に操作の成功や失敗が明確になります。
 成果がすぐに分かることに、子どもたちはひきつけられるのです。
 授業で子どもたちに指示を出して動かすことは多い。子どもたちが出来たことに対して、すかさずほめ・認めながら授業を進めていく。
3 みんなの前で認め・ほめる
 またゲームをやりたいと意欲を高めるのが、例えばゴールをすると楽しい気持ちになる音楽と花火があがるなどの演出があるからです。
 できたことを認められると、さらなるやる気を生みます。
 子どもたちができたことをほめる。認めて価値づけていくと、子どもたちの大きな自信になります。
4 自分の立場の明確化
 ゲームは、キャラクターの特徴を自分の思い通りに設定することができます。
 授業で、私たち教師は多くの発問を子どもたちに投げかけます。
 子どもたちが、教師の発問に対して、AかBか立場をはっきりさせ、考えを持つことは、自分自身を表現したことになります。また授業に参加することになります。
 たとえ答が違っていても「なぜだろう」と考え、考えを深めるきっかけになり、学びの意欲づけになります。
5 スモールステップで目標設定
 ゲームは目標設定が巧みになされています。自分のレベルと同じくらいか、少し高めに設定されています。それで、子どもたちをゲームにひきつけるのです。
 子どもたちの実態に合わせたスモールステップで目標を設定することで、意欲が高まります。
6 振り返りの容易化
 ゲームは、力や能力を「ステージ」などの言葉で表すことで、友だちとも共通の尺度で話題にすることができます。
 レベルが上がる喜びを感じ、高みをめざして取り組もうという意欲につながります。
 子どもたちの言動を数値化することで振り返りが容易になり、成長を実感しやすくなります。
(友田 真:1984年広島県生まれ、広島県公立小学校教師。徹底反復研究会)

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