カテゴリー「授業の技術」の記事

どの子も発言したくなる授業をするには、どうすればよいか

 今、教師と子どもの「間違い観」が問われていると言えます。
 「間違い観」ひとつで、授業はまるっきり変わっていくのです。
 「間違い」が、深い学習にとってどんなに重要か、「間違い」が楽しい授業にとって不可欠でさえあることを、授業の事実で体験させていくことです。
 そうすれば、今まで沈黙を守っていた子どもたちが、どんどん発言するようになります。
 発言することで、授業が何倍もおもしろくなることを、子どもたちは実感していくのです。
 すると、授業が活気に満ちたものになります。
 個性的な意見がつぎつぎと出されるようになります。
 ときには、対立意見が出されます。傍観などしていられなくなります。
 友だちがどう発言するか、ハラハラしながら聞くことになるのです。
 発言したくて、うずうずしてくる子もでてくるのです。
 ほんとうの意味で、共同の学びができるようになります。
 あすの授業を楽しみにする子どもたちが増えてくるのです。
 教師は、みんなで話し合うことに値する教材を用意し、授業のどこで、どんな話し合いをさせるかだけを準備しておくだけでよいのです。
 授業においての子どもの発言には、深い意味がある。
 授業中に子どもが発言するようになると、
(1) 授業だけでなく、子どもの生活も生き生きとする。
(2) 学ぶことが楽しくなる。「なぜ学ぶのか」について考えるようになる。
(3) 次第に、子どもたちの個性的な意見が次々と出されるようになる。発言しない子も傍観などしていられなくなる。
(4) 自分の間違った意見や、友だちの間違った意見などを聞いて、子どもたちがお互い協調するようになり、明日の授業が楽しくなる。
 教師が、子どもたちの授業中の発言を保障し、子どもたちが自発的に発言する環境を整えてあげることが大切である。
 そのためには、子どもたちが「間違うことを保障」してあげることである。
 子どもが、授業で生き生きできないのは「間違い」や失敗を恐れているからである。
 「間違い」をしないために、沈黙を守るのである。
 沈黙は、恥をかかないための最良の手段でもある。
 「間違い」が深い学習にとってどんなに重要か、「間違い」が楽しい授業にとって不可欠でさえあることを、授業の事実で体験させていくとよい。
 そして教師は、みんなで話し合うことに値する「教材」を用意し、「授業のどこで、どんな話し合いをさせるか」だけを準備しておけばよいのだ。
 一人ひとりの発言に、大袈裟でも丁寧にはげまし、その個性を褒めることが大切である。例えば 「よくそんなところに気づいたね。すごい」と。
 「正しいこと」を求めるのではなく、彼らの頭に自然に浮かんだ疑問、意見、それ自体を求めればいいのだ。
 そして発言は強制せず、発言し出すのを待つことである。
 授業のリラックスした状態が、じっくり考えたり、自分の発想を練るためには大切である。
 そのためには、子どもを不安にさせないことがたいせつである。
 例えば、指名などを行ない、考えてもいなかったことを急に言わされたり、黒板にだされたりしたら、子どもはどきまぎしてしまう。
 不安は考えや発想の障害になるからだ。
 学ぶことが楽しくなると、子どもは頭脳の扉が開く。
 大人が考えてもいないようなすばらしい発想があふれ出てくる。
 だからどんどん吸収することが可能になる。
 発言はいつのまにか授業中だけでなく、いじめや暴力への反発の叫び、節度があり自由で楽しい生活にするためのものになるに違いない。
(今泉 博:1949年北海道生まれ、東京都公立小学校教師、北海道教育大副学長(釧路校担当)を経て松本大学教授。「学びをつくる会」などの活動を通して創造的な授業の研究・実践を広く行う) 

 

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授業で教えたいものを教師がつかむにはどうすればよいか、授業での指導のコツは?

 授業とは「これだけは何としても教えたい」という内容を、子どもが「学びたい、調べたい、追究したい」というものに「転化」することである。
 教師の何としても教えたいもの「ねらい」を、子どもたちが学びたいと思って、学ばなければ授業とはいえない。
 学力低下などの問題がおこっているのは、教師が「これだけは何としても教えたい」という強い願いをもって、子どもを指導していないことからおこっているといってもよい。
「これだけは何としても教えたい」という内容を鮮明につかむには、教材研究をしっかりする必要がある。
 教科書を使うことが多いが、教科書に書いてあることの「何を」「どのように」教えるのかが問題である。
 教科書を教えるには、20~30回くらい読むことだ。
 そうすれば、教えなくてはならないポイントやキーワード、内容の中心などがみえてくる。
 いきなり「指導書」を読むのはよくない。自分なりの「考え」をもってから読むようにすると、考えの幅も広がり、深さも深くなる。
 教えたいことが鮮明になってくると、これをより効果的に教えたいと考えるようになる。
 その時、最も効果的なものが「現物」である。
 現物がないときは、レプリカや写真などでもよい。教科書だけよりはるかに大きな効果がある。
 例えば、コンセントの「プラグ」を準備する。なければ、絵を描くことだ。この場合は、絵の方がいい。
 教師は、3枚のプラグの絵を描く。
 1枚目は、A:さし込みの部分に「穴があいてない」もの。
 2枚目は、B:「片方だけ穴があいている」もの。
 3枚目は、C:「両方とも穴があいている」もの。
 である。
 教師の「ねらい」は3枚目のCであることをつかませ、その理由を考えさせることである。
 指導のコツは、教えることは、鮮明であるが、大事なことは「教えてはならない」ということである。
教師:「コンセントのプラグ知ってますよね」
 といいながら3枚のコンセントのプラグの絵を提示する。
子ども:「あれっ?どれが正しいの?」と、もう考え始めている。
 子どもたちは、AだBだCだといって、なかなか決まらない。
 ふだん、いかにモノをよく見ていないか気づく。
 ここで、もったいぶって実物を見せる。集中力抜群の場面である。
 Cが正解だが
教師:「なぜ穴が2つもあいているのか?」
 と、またもめる。
「鉄の節約のため」といった大人(教師)もいるくらいである。
 ここで教師が知ったかぶりをして教えるか。それとも
教師:「先生も理由がよくわからないんだよ」
 と、とぼける役者ぶりを発揮するか。
子ども:「先生も知らないの!」
 と、馬鹿にされても、軽蔑に耐えることがコツである。
 じらしておいて、
教師:「先生は、コンセントにヒントがあるような気がしてるんだけど、どうだろうな?」
 と、ヒントをさり気なく出し、あとは子どもに追究させることだ。
(有田和正:1935-2014年、筑波大学付属小学校,愛知教育大学教授、東北福祉大学教授、同特任教授を歴任した。教材づくりを中心とした授業づくりを研究し、数百の教材を開発、授業の名人といわれた)

 

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授業力アップの秘訣とは

 学力低下などの問題がおこっているのは、教師が「これだけは何としても教えたい」という強い願いをもって、子どもを指導していないことからおこっているといってもよい。
「これだけは何としても教えたい」という教師の「ねらい」を、子どもたちが学びたいと思って、学ばなければ授業とはいえない。
 教師が教えたいという「ねらい」を鮮明にもつことだ。しかし、教えてはならない。
 子どもが「学びたい、調べたい、追究したい」という気持ちに転化させることが授業だ。
 授業力アップの秘訣の根本は、なんと言っても教師の人間性。技術と人間性のバランスがとれていなけりゃ、いい授業はできない。
 授業力をあげるための心得は、
1 あのような授業をしたいという強いイメージを持つ。
2 遠い目標と、近い目標をきちとんと持つ。
3 教材研究をしっかりやる。教材を自分のものにする。
「これだけは何としても教えたい」という内容を鮮明につかむには、教材研究をしっかりする必要がある。
 教科書を使うことが多いが、教科書に書いてあることを「どのように」教えるのかが問題である。
 教科書を教えるには、20~30回くらい読むことだ。そうすれば教えなくてはならないポイントやキーワード、内容の中心などがみえてくる。
 いきなり「指導書」を読むのはよくない。自分なりの「考え」をもってから読むようにすると、考えの幅も広がり、深さも深くなる。
 何と言っても、面白くて深い内容のある教材が必要であり、これを見つけることが教師の大切な仕事でしょう。
 教科書を教えても、教師が自分の内容にしておれば、面白くでき、子どもを惹きつけることができます。
 教えたいことが鮮明になってくると、これをより効果的に教えたいと考えるようになる。その時、最も効果的なものが「現物」である。
 現物がないときは、レプリカや写真などでもよい。教科書だけよりはるかに大きな効果がある。
4 ヒットでよい。ホームランをねらわない。
5 毎日1時間だけでよいので、授業を考える工夫する。
 ノートの左に工夫をかく。右側にその結果をかく。毎日、向上の記録を残す。
6 いい授業をしたら学級はよくなるはず。学級づくりをきちんとする。
 授業力アップために大切な5つの技術とは
1 教材・発問・指示
(1)教材
 提示される教材は、はっと思う内容である上に、しかも身近にその事実があるもの。
 教材は「おもしろいこと」「基礎基本的なことが含まれていること」「学習方法がよくわかること」
(2)発問・指示とは
 発問というのは「これだけは何としても教えたい」という「ねらい」にそって考え、「問い」という形でさり気なく子どもに知らせ、子どもから多様な反応を引き出す触媒のようなはたらきをするものをいう。
 授業は、多くの子どもを対象とするので、発問で多様な反応を引き出し、それを「集約・焦点化」するのが教師の授業技術である。
 指示は、命令に近いもので、1つのことを「このようにしなさい」と、指し示すことである。
 たとえば「ノートに書きなさい」「3回音読しなさい」などと、明確な活動のしかたを示すことである。
 指示の多い授業は、民主的な授業とはいえない。
 発問も指示も、ブレないことが大事である。何回いっても同じでなければいけない。
(3)教材研究から発問・指示を
 いい発問・指示は、教材研究をしているときに考えつくものである。というより、「発問・指示」を思いつくまで教材研究をすることである。
「教材研究をする」ということは、「発問・指示」をさがし求めるといってもよいのである。
 授業のうまい人は、発問・指示がうまいので、記録をとってみたりしながらよく見ることである。例えば、
 A「バスの運転手は、どんな仕事をしているでしょう?」
 B「バスの運転手は、どこを見て運転しているでしょう?」
 AとBの発問は、どちらがよいでしょうか。
 Aは、優秀児しか答えられない。大人でも答えに困る。
 Bは、全員挙手できる。つまり全員反応できる。前も、後ろも、横も、バスの中も、見ていることに発展するから Bのような発問を考えることである。
2 板書
 板書をきちんとし、子どもにノートをきちんと書かせて欲しい。 
 子どもの反応を集約・焦点化する。チョークの使い方にも基礎・基本あり。
3 資料作成の工夫
 作り方、見せ方の工夫を。手がかりをつけさせる。
4 話し合い
 明確な話題。共通基盤を持つ。
5 話術・表情
 内容のある話術・表情・パフォーマンスが大切です。内容のないパフォーマンスだけでは、子どもを惹きつけることは出来ません。
 教師がゆとりを持ち、もっと楽しく、笑いのある授業を。
(有田和正:1935-2014年、筑波大学付属小学校,愛知教育大学教授、東北福祉大学教授、同特任教授を歴任した。教材づくりを中心とした授業づくりを研究し、数百の教材を開発、授業の名人といわれた)


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授業の発問は。子どもの興味の実態をつかんで発問するだけでなく、子どもより広く高い視野を教師が持って発問しよう

 子どもの興味や関心がどこにあるのか、実態をつかんで、発問するのがいい発問という考え方があります。
 たとえば、「ごんぎつね」の授業に入るとき、一読させた後、感想をノートに書かせ、子どもが注目していることをきっかけとして授業を展開する、という方法です。
 ほとんどの子どもが「ごんはかわいそう」と書くので「ごんのどういうところが、かわいそうでしょうか」と問うと、授業は盛り上がるというのです。
 ただ、子どもの興味や関心を基本に発問を組み立てると、結局のところ、子どもの視野の中だけでの授業展開になってしまいがちです。
 教師はもっと深い読み取りをして、子どもの発想とは違う視点を提示していかなくてはなりません。
 すると、子どもは戸惑うでしょうが、しだいに高みに引き上げられていき、真剣に考えるようになります。
 問われてはじめて気づくこと、見えてくることもたくさんあるのです。
 たとえば「『ごん、おまえだったのか』という兵十の台詞は、語尾を上げて読むか、下げて読むか」という問題意識は、子どもが自分で持つことはありません。
 そのように問いかけると、子どもは夢中になって考え始めます。
 最初は気づかなかったことでも、問われることによって、興味や関心をもつようになるなら、その問題意識は子どもの潜在意識の延長上にあったと考えていいでしょう。
 子どもを伸ばすのは、子どもの現在の興味や関心にそった発問ばかりでなく、「興味・関心の延長上にある発問」なのです。
「先生に、このような質問をされたから、この作品の深みがわかった」と実感できるのが、優れた発問なのです。
(野口芳宏:1936年生まれ、元千葉県公立小学校校長、植草学園大学名誉教授。千葉県教育委員会委員長職務代理者、日本教育技術学会理事・名誉会長、授業道場野口塾等主宰)

 

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教師の発問に、子どもの反応を教師がどう受けるかが、授業の良否を決める

 授業は「攻め」と「受け」から成り立ちます。
 発問は「攻め」であり、それに対する子どもの反応をどう「受け」るかが、授業の良否を決めます。
 子どもの反応の中にある差異を、どう生かすか。
 子どもたちの多様な答えのうち、どれを潰し、どれに注目させ、どんな討論を導くか。
 教師は、その場で即決しなければなりません。
 発問は、教師の「優れた受け」をともなってこそ、意味をもちます。
 教師が優れた問いだけを連発しても、子どもの答えを受けとめる技量がなければ、教育的効果は上がりません。
 逆に言うと、教師の「優れた受け」によって、シンプルな発問も意味をもつことがあります。
 そのためには、教師は知識のすそのを広げ、知識の引き出しを多くもっていることが望ましいのです。
 私が五年生の担任をしていたときのことです。社会科の授業で、日本地図を見せてから「気がついたことを述べなさい」と問いました。発問としては、ごく低レベルです。
 子どもたちは何を答えていいかわからず、きょとんとしていると、ある子が「上下に長いです」と答えました。
 教室は爆笑に包まれました。当たり前すぎると思ったのでしょう。しかし、私は、
「すばらしい発見だね。上下に長いということは、つまり南北に長いという意味だ」
「日本という一つの国の中に、北海道のように寒い地域から、沖縄のように暑い地域まである」
「雪も見られるし、パイナップルもとれるのは、そのためだね」
 と、その子を大いにほめました。そして、「他に気づいたことがありますか」と問いました。
 すると、再びその子が「周りが海です」と言いました。子どもたちは、また笑い出しましたが、私は激賞しました。
「それも、すばらしい発見だ。日本は島国で外国と陸続きではない。そのため、外国の脅威が及ばす、独自の文化が発展したのだ。鎖国が可能だったのも、島国だったからこそだ」
 発言した子が戸惑うほど、ほめたのです。子どもたちも感心し、うなずきました。
 その子は成績がよいほうではなかったのですが、この問答をきっかけに社会科の学習に興味をもち、学力もかなり伸びていきました。
(野口芳宏:1936年生まれ、元千葉県公立小学校校長、植草学園大学名誉教授。千葉県教育委員会委員長職務代理者、日本教育技術学会理事・名誉会長、授業道場野口塾等主宰)

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ワークシートは子どもが書き込みたくなる工夫を

 ワークシートは、授業の理解を促し、ねらいを達成するための大切な役割があります。
 授業に効果的で、ねらいを達成するためのワークシートを作成するには、
1 授業内容や重要なポイントを文章や図、写真などを活用して作ることです。
 授業の「ここが大事」という授業内容やポイントを教師自身が整理できておかないとワークシートは作成できません。
 ワークシートを作成するということは、授業の流れをまとめること、授業のポイントを整理することにほかならないのです。
2 子どもにとって分かりやすく、使いたくなる、書き込みたくなるものを作りましょう。
 ついつい多くの事柄をワークシートに詰め込みたくなりますが、重要で授業のポイントとなる部分を精選して作成しましょう。
 ポイントを穴埋め問題にしたり、架空のキャラクターを登場させ、吹き出しで会話したりするなど、レイアウトも工夫していきましょう。
3 授業の最初に配布されたワークシートを見ても、授業の内容や流れがすぐにわかってしまうことがないようにする。
 ワークシートを見れば、授業に参加しなくても、1時間の授業内容が分かり、楽しみや好奇心、関心を減じさせてしまうワークシートになってしまっていることがあります。
 そうならないよう、例えば、友だちの考えを聞き、その中で一番関心を持った考えを選び、その理由も記入するような形式のものです。
 また、黒板の後半に、黒板が見えない方向に座席を向けさせ、ワークシートを配布して、ミニテスト代わりにしても効果的でしょう。
 ワークシートを書かせることで授業を再現させることがもねらいなので、もし分からなければ黒板を見て、ワークシートを書いてもよいことにします。
 いずれにせよ、ワークシートをノートに貼ったり、ファイルに留めたりして、子どもたちが困ったときに見返すワークシートを教師が作成することが肝要です。
(授業力&学級づくり研究会)

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チョークの使い方の基本とチョーク技術にどのようなものがあるのでしょうか

 チョークは教師の一番の道具です。
 黒板に様々な色が使われていると、子どもはどこが大事か見失ってしまうこともあります。
 文字は基本的には白色のチョークを用いて書きます。
 大切なことは黄色のチョークを使うようにします。
 板書する際に、チョークの筆圧を高くすると、黒板との明度の差がより生まれ、はっきりと見えるようになります。
 チョークの筆圧を高くするために、チョークの持ち方は、鉛筆と同じように持つのではなく、利き手でグーの形を作り、人差し指のみチョークに沿わせるようにします。
 このとき、チョークを少し横に傾けて書くと、黒板に引っかからずに書くことができます。
 チョークの持ち方で見えやすくするなど、チョークの特性や板書の役割を理解しましょう。
 チョークの2色(白と黄色)を使い分け、知識を構造化し、深い学びを実現します。
 下線や吹き出し、矢印、四角囲みなど、記号や線を使って強調や関連性を示すとき、白色と黄色を使い分けると質の違いが明確になります。
 子どもの深い学びを実現するために、問いから導き出される知識の質の違いにしたがって、チョークの色を使い分けます。
1 白色チョーク
 事実に関わる知識
2 黄色チョーク
(1)理由・因果関係に関わる知識
(2)価値に関わる知識
(3)意志に関わる知識
 子どもとのやりとりを板書に残したり、授業全体の構造を客観視したり、多様な使い方をすることができます。
(授業力&学級づくり研究会)

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子どもを伸ばす、よい発問とは、どのようにすればよいか

 教師のよい発問によって、子どもは気づき、理解を深めて伸びていきます。
 子どもを伸ばす、よい発問とは、
1 明快であること
 発問するうえで最も大切なのは明快であることです。
 子どもの耳にすんなり入り、だれが聞いても同じ意味に解釈できることです。
 あいまいな発問では何を質問されているのかよくわかりません。たとえば、
「大造はどうして狙っていたガンを撃たずに銃を下ろしてしまったのでしょうか」
 といった発問は、「理由」を聞いているのか、「状況」を聞いているのか、はっきりしません。
 問われた子どもが推測して答えをのべるような発問は、不適切です。
 もし「理由」を聞きたいのなら、「大造は、なぜ、銃を下ろしたのか」
 もし「状況」を問いたいのなら、「大造は、どうやって、銃を下ろしたのか」
 というように分けて問うべきです。
2 やや難しい発問である
 子どもの能力よりも少し上の、適度に難しい発問を心がけましょう。
 文章の中に答えが書いてあるような問いは意味がありません。
 書いてあることをもとにして、書いてないことを推理させる「やや難しい」問いが、優れた発問と言えるでしょう。
「努力したら解けそうだ」という期待を感じさせる発問や、はじめは易しいと思っても取り組んでみたら手ごわいというような発問が望ましいといえます。
「やや難しい」発問をすると、子どもは「どちらかといえば、この答かな」と首をかしげ「先生はなんと言うだろう」と、授業にひきつけられます。
 次の展開を期待させる授業をするうちに、子どもの理解は少しずつ深まっていくのです。
3 充実感、満足が得られること
 自分の答えが否定され、新しい発見を通して、知的な満足が得られます。たとえば、
「ごんがいちばん哀れに思えるのはどこですか?」
 と問うと、子どもたちは全員「撃たれたところ」と答えます。
「間違いではないが、6年生らしい哀れさを見つけなさい」
 とゆさぶると、子どもたちは文章をていねいに読み返します。
 じつは「ごんぎつね」には、最終段落の冒頭に、
「そのあくる日も、ごんはくりを持って、兵十のうちへ出かけました」
 という文章があります。
「その」というのは前日の晩のことで、ごんは自分が危険をおかしてくりやまつたけを届けていることを兵十はどう思っているのか知りたくて、聞き耳を立てていると「神さまが兵十に贈り物をしているのだろう」と聞いて「引き合わないな」とつぶやくのです。
 深く落胆したにもかかわらず、「その明くる日も」、ごんはくりを届けにいって、その日に兵十によって殺されるのです。
 そこには、単に「鉄砲で撃たれてかわいそう」というのではない、哀れさがあります。
「その明くる日も」の「も」の重みに注目させて、このような読みとりの深みに至らせるには、発問による教師のリードが必要です。
 そして、子どもたちは「なるほど。新しいことを勉強した」という充実感が得られ、学ぶ喜びを実感できるのです。
4 多様な反応がある
 発問をしたとき、一つの答えしか出ないのなら、それは聞くまでもないことです。
 よい発問は、問いかけは単純明快で、答えは多様になります。
 解釈が分かれる発問は、真剣な話し合いを導きだし、読み取りを深めるのに役立ちます。
 一方、悪い発問は、複雑で、子どもは何を答えていいかわからず、答は単純になります。
(野口芳宏:1936年生まれ、元千葉県公立小学校校長、植草学園大学名誉教授。千葉県教育委員会委員長職務代理者、日本教育技術学会理事・名誉会長、授業道場野口塾等主宰)

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ワークシートを作成し、授業で活用するとき、どのようなことに留意すればよいか

 授業展開のどの部分で、何のために使うのかをしっかりと考えてください。その上で、目的に合わせたワークシートを作成します。
 ワークシートを使用する目的を明確にしましょう。たとえば、
(1)子どもたちの技能面での差が大きく、個別に指導する時間をとりたい。
 全員がする基本問題と、速くできた子どもが挑戦する問題を入れたワークシートがよいでしょう。
 速くできた子どもが挑戦問題を解いている間に、個別指導をすることができます。
(2)学習課題に対して、一人ひとりがじっくり取り組む時間をとり、その上で多様な考え方を出させたい。
 子ども一人ひとりが自分の考えを書くスペースと友だちの考えを書くスペース、さらに、友だちの考えを受けて深まった自分の考えを書くスペースなどを入れるようにするとよいでしょう。
 さらに、学年の発達段階を考え、スペースの取り方や分量についても配慮が必要になります。
 ノート使用との関係からも考えておく必要があります。ノートですむことなら、ワークシートはいりません。
 授業を学習指導案通りに進めたい、時間を短縮したい、板書をしないですむ、といった意味が込められて、授業をスムーズに進めるためにワークシートを使用するのであれば使用しないほうがよいでしょう。
(梅沢 実:帝京大学教授)

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授業で教師が大切にしたい指導方法とは何か

 若い教師の中には一斉型の授業を批判する方がいるように思います。しかし、その指導方法を学ぶことは悪いことではないと思っています。
 私自身、一斉授業の研究発表をして、今まで学んだことのない世界に出会い、広がったことを覚えています。
 一斉授業で大切にしたいことは、
1 子どもたちの聞く力を育て、聞き合う関係をめざそう
「誰かが話している時、それ以外の人は聞く必要がある」ということです。そのため「聞く力を高める」指導がとても重要になります。
 私は、姿勢がよい、目を見て聞いている、など聞くことができている子どもをほめます。 
 さらに、聞くとよいことが起きると感じることができるような読み聞かせの体験をさせたりして「聞く」ことを学級経営の指導の一つとして取り組んでいます。
「聞きたいと思うような関係づくり」をする必要があります。そのため、お互いのよさを伝え合うような関係づくりをしていく必要があります。
 私は「ちょっと隣の人と相談して」というような、おしゃべりを入れるように心がけています。
 また、聞いた後、聞いたことをノートに書き、そのことを発表し合うというような授業の流れをつくることも大切にしています。
2 授業の細かい時間設定をする
 一斉授業でポイントになるのが時間の使い方です。学習活動の流れを明確にするということです。例えば、
(1)課題を確認する(5分)
(2)一人で調べる(10分)
(3)隣の人と確認する(5分)
(4)全員で話し合う(10分)
(5)まとめをする(5分)
(6)復習をする(10分)
というように、子ども状況を見て、学習活動の時間の設定がポイントになります。
 教師の教え方や子どもたちの学びの状況によって、活動の時間は大きく異なります。
 学習活動をテンポよく小刻みに展開していくことで、集中して取り組むことができます。
 すぐに思い通りの学習活動が展開されるとはかぎりません。修正しながら、繰り返しねばり強く行うことが大切です。
 また、書く活動を入れると、授業に集中して取り組むことができます。
 学習の流れがはっきりすると、安心して意欲的に学ぶ子どもも大勢います。学習の流れを掲示しておくこともよい方法です。
3 子どもたちが活動できるようにする
 子どもたちが交流し合って学べるようにしなくてはいけません。楽しさや充実感、所属感をもたせることがとても大切です。例えば、
(1)課題を書く
(2)教科書の問題を1問解く
(3)解き方を話し合わせる
1 ペアで解き方を確認する(5分)
2 班で解き方を話し合う(3分)
3 全員で解き方を話し合う(5分)
(4)解き方について確認し、まとめを書く
(5)問題を解く
 活動を(3)のように細分化して、交流して動いたり、話したりする機会をふやすようにすると子どもたちの取り組みは活性化されます。
 自由に歩いて学び合うといった方法もあります。
 学習者にただ耐えるだけということを強いていると学習に対するマイナスイメージしかもてません。
4 教師は自分の声の使い方を意識する
 教師にとって声は最大の武器である。
 声や表情の使い方を意識するようにと先輩教師に教えてもらったことがありました。
 声の5つの要素「大きさ」「高さ」「速さ」「間」「声色」に気をつけて話します。
 教師であれば「速さ」「間」にこだわることはとても大切です。
 声の高さを意識する教師は少ないでしょう。例えば、
「日常の声」は少し低い声、「本音の声」は一番低い声、「建前の声」はより高い声
と使い分け、効果的に働いているか意識しましょう。
 声は教師にとって一番大切な道具であり、効果的な指導をする時に武器にもなります。声の力を磨いてほしい。
(長瀬拓也:1981年岐阜県生まれ、横浜市立・岐阜県公立小学校教師を経て岐阜県公立中学校教師。2004年に「第40回わたしの教育記録」で新採・新人賞を受賞。「授業づくりネットワーク」理事、教育サークル「未来の扉」代表代行、『教師になるには』編集代表、クラス・マネジメント研究会代表)

 

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