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「教師は授業で勝負せよ」教師の授業力をアップするにはどうすればよいか

 授業を子どもにわかりやすく楽しいものにしようとする教師の努力や工夫は、地道ながらも、子どもの学力向上に確実に結びつく。
若手教師の授業力アップの方策を私はつぎのように考えた。
1 授業の前提を整える
 授業するまえに、授業環境を整える必要がある。そのために、基本的生活習慣や学習のルールなど、子どもたちに対して、ふだんからきめ細かいしつけや指導が必要である。
 例えば「チャイムで着席」「挙手や発言の仕方」「聞くときの姿勢」「友だちの間違いを笑わない」「ノートの使用の仕方」「プリント類などの配布・収集の仕方」などである。まず、最低限のことを年度初めに確立し、少しずつ増やしていくことが大切である。
2 授業を組み立てる
(1)
教材研究
 教材研究は指導目標に向けて、どのような教材をどのように活用するかを吟味し、効果的な指導法や授業形態などを総合的に研究することである。
 教師が教材の内容に精通し、子どもの興味・関心や実態などを理解し、適切な教材を選定することが重要である。わかりやすく楽しい授業は、教材研究の緻密さに大きく左右される。
(2)
学習指導案
 授業はドラマ、指導案はシナリオである。指導目標や子どもの実態に即して指導案を作成し「導入・展開・終末」「問題をつかむ・調べる・まとめる」などの授業展開の基礎を身につけることが若手教師には大切である。特に自分の苦手な単元(教材)は重点的に作成することが望ましい。
3 授業を充実させる
(1)
まず、授業の記録を取り、分析すること
 子どもの日々の学びを見直しながら、授業をふり返り、分析することが大切である。
 指導目標や課題の到達度、指導法や授業形態の工夫、発問や応答の適切さ、資料提示や板書の工夫、机間巡視、子どもへの目線等、授業技術も含めて、視聴覚機器を活用して授業を分析することが必要である。
(2)
授業を公開する
 校内の研究授業や教育研究会の公開授業を引き受け、授業づくりを体験することが大切である。準備段階で教材研究や指導案を作成するとき、先輩教師の指導助言は貴重な体験となり授業力アップの糧となる。
4 授業の質を高める
 授業の学習過程に評価を組み入れることが大切である。授業の終了時の評価だけでなく、授業前、授業途中の評価を活用して指導と評価を一体化して、授業の質を高めるべきである。
 評価の方法は、チェックリストやアンケートを用紙に記入するだけでなく、教師による観察、子どもの発言やノート・作品等による分析評価、子どもによる自己評価や相互評価などである。
(
砂田信夫:京都市立小学校校長、京都市教育委員会指導主事・指導部長、京都市総合教育センタ-所長等を経て、佛教大学教授)

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保護者にも自らを振り返ってもらって、学校と連携する

 京都市では、全小学校・中学校で子どもによる授業等の評価を実施しています。保護者や地域代表にも学校評価をしてもらいます。それらの結果を公開しています。
 このときに大切なポイントは、教師も親も地域も子どもも「自らも振り返る」ということです。
 ですから、子どもたちに授業評価をしてもらう時に、例えば
「先生の話をしっかりと聞いていますか?」
「わからないところは質問していますか?」
「しっかり復習していますか?」
という質問をします。そのうえで「先生の授業はわかりやすいですか?」というように聞いています。
 評価というと、まな板の上に教師や学校の取り組みをのせて、親や地域が「あそこがいい、あそこが悪い」と評価することのように思われ方もおられます。
 しかし、それだけでは教育はよくなりません。やはり親にも自らの行動を振り返っていただきます。そのうえで学校と親や地域が連携していくことが大切です。
 それぞれが自らを振り返り、そして共に高め合う。そんな評価にしていきたいと思っています。これが現状の改善へとつながる評価になると考えています。
(門川大作:1950年京都市生まれ、京都市教育委員会に採用され、2001年~2007年京都市教育長、2003年中央教育審議会委員、2006年教育再生会議委員、2008年京都市長)


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