地域や保護者と学校の関係が変化してきた
地域が「自分たちも関わりながら子どもたちを育てていく対象としての学校」という意識ではなくなってきているのではないか。
保護者にとっても「何かをしてもらう存在としての学校」という意識が急速に進んでいるように思える。
それは地域や家庭から学校に向かっての一方向だけのベクトルなのです。学校は子どものしつけからモラルに関わることから、地域の治安まで、ありとあらゆることを抱かえ込まされる存在となっていて、学校への要求は拡大を続けています。
保護者や地域からの要求は、責任はとにかく学校側にあるとの判断に立っています。たとえば「おまえところの中学生がたむろしているから見に来い」といったように。
学校現場に足を運ぶと、疲弊しつつある学校や、消耗していく教職員の実態は、私の想像以上でした。
校長や教師から「学校現場を助けるような研究をしてほしい」「いま学校で何が起こっているか、きちんと見てほしい」と懇願されることが多くなりました。
(小野田正利:1955年生まれ、大阪大学教授。専門は教育制度学、学校経営学。「学校現場に元気と活力を!」をスローガンとして、現場に密着した研究活動を展開。学校現場で深刻な問題を取り上げ、多くの共感を呼んでいる)
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