カテゴリー「教師の心の安定」の記事

保護者との対応で教師が燃え尽きないためには、どのようにすればよいか

 教師が燃え尽きないためには、日ごろから教師と保護者との信頼関係の形成を図ることが重要なポイントになります。信頼関係とは「この人なら自分の思いや悩みを話しても大丈夫」という関係である。そのためには保護者の関心に寄り添って誠実に傾聴することが何より大切となる。さらに
1 保護者への連絡はていねいに、こまめにする。
2 問題があったとき
 (1)
初期対応が肝心である。迅速かつ誠意ある対応をする。
 (2)
すばやく事実確認をして、説明責任を果たす。
 (3)
問題が広がりを見せる場合には複数の教師で対応する。
 (4)
問題が深刻な場合は、電話や連絡帳は避け、直接会う。
 (5)
具体的な対応策を示さず「様子をみましょう」と言うことはやめる。
3 子どもを育てるために、教師と保護者が「協力し合うパートナーとしての関係」を築く。
4 教師と保護者との「目標を一致させる」ように努める
  
子どもの問題をめぐって、教師と保護者との目標が一致しないと混乱をまねくことがよくある。保護者の訴えを「何が問題なのか」を明確にする。訴えの根底にあるものが、子どもの課題なのか、それとも保護者自身の課題なのかを見きわめる。保護者に病理性の疑いがある場合には、教師が「保護者と関わる距離を定める」ことが、教師の燃え尽きを防ぐうえで重要となる。
5 保護者の訴えの「背後にある思いや願い」に気づく
 常識を超えた要求や攻撃的な訴えの根底に、保護者自身の不安や悲しみが潜んでいることも少なくない。表面的な言葉だけでなく、言葉の背後にあるものに思いを向ける必要がある。保護者の訴えが理解できず消耗感や無意味感が教師に増幅されると燃え尽きることがよくあるので、理解をどう深めるかが重要である。
 教師としての役割から離れ、一人の人間として自己開示して語ることで保護者の気持ちを引き出すことができることもある。
6 教師自身の自己理解を深める
 燃え尽きやすい性格として、
(1)
手を抜けない、責任感が強い、一人でがんばる
(2)
理想に燃え「こうでなくては」という「べき思考」に駆り立てられる
(3)
他者の期待に応えようとするあまり、必要な自己主張を我慢してしまう
(4)
妥協することが苦手
 
ということがあげられる。
 自分が縛られている固定的な見方を点検し、視点を少しずらすことで気持ちが楽になったり周りが見えるようになると、燃え尽き防止につながる。
7 組織的に対応する
 解決できないように見える問題を解決するには、教師集団の知恵を集めることが必要になる。学校で対応できる範囲を超えた問題は、関係機関との連携を検討する。
 カウンセリング的な受容・共感の対応と現実原則に基づく指導的・法律的による対応のバランスをとることが求められる。
 難しい問題には、キーパーソンを明確にし、一人で抱かえ込まずに役割分担して組織として対応していくことが燃え尽き防止の観点からも重要である。 
(
古川 治:1948年生まれ、大阪府公立小学校教師・指導主事・校長、東大阪大学教授を経て、甲南大学特任教授
)



| | コメント (0) | トラックバック (0)

行き詰まりを感じるときは、体から心の型をつくり生活にメリハリをつけるとよい  齋藤 孝

 人が行き詰まりを感じるときの解決法は、環境を変える努力をするか、精神面を整えてしまうかです。
 あまり無理をせず、少しずつ問題に取り組むことで、意外と事態が好転するかもしれません。
 スポーツでも何でも、実力が急についたわけでもないのに、方法や考え方をちょっとアレンジするだけで、結果が出るようになることがありますよね。それと同じです。
 私自身、実際に肩の力を抜くという練習をずっとやっています。
 首や肩を回したり、上体をゆらしたりしてほぐしてみたり。
 ふっと息を吐くことで「それほど力む必要ないか」と気づくことがあります。
 体と気分は連動していますし、気分と心もまた連動しています。
 ひと息つくのは本当に大切なのです。
 身体感覚とは心の基盤です。
 その意味で心を体から整えようとするのは合理的と言えるでしょう。
 昔の日本人が安定した情緒を持っていたのは、体の「型」ができていたことと無関係ではありません。
 たとえば正しい姿勢で座ること。きちんと座ると心も落ち着きます。
 学校で子どもたちに「ちゃんと座りなさい」と教えるのも、落ち着く心を育てることに通じます。
 自分が何をしたときに気分が和らぐのか、いくつか知っておくのは重要でしょう。
 悩みを抱いているときに、自分よりも経験のある人に相談するのも有効な手段です。
 ただし、それは解決策を教えてもらおうというのではなく、自分の思考の整理を目的とするべきです。
 また、何事もメリハリは大切なことです。
 年中、頑張っているのでは疲れてしまいます。
 割り切って力を抜く日を設定してもいいと思いますよ。
 ジョギングにたとえるとわかりやすいのですが、意図的に力を抜いて走ってみても、意外とタイムは大きく落ちなかったなんてことは往々にしてありますからね。
 あれもこれもと欲張らずに、自分の生活サイクルに上手に緩急をつけることで、やるべきことが何かしぼり込めるはずです。
(
齋藤 孝:1960年生まれ、明治大学教授。専門は教育学、身体論、コミュニケーション論)





| | コメント (0) | トラックバック (0)

教師は困った時には、すぐ援助を求める習慣が極めて重要

 教師は何か困っているときにはすぐに周囲に援助を求める習慣をつけていただきたいと諸富祥彦はつぎのようにのべています。
 困ったときに助けを求めるのは「ダメ教師と思われてしまう」と考えて相談しないようにしている教師も少なくありません。
 そんな心配は杞憂です。
 困ったときに助けを求めるのは、決して恥ずかしいことではありません。
 たとえば、保護者からクレームがきたとき、自分だけでなんとかしなくてはと、抱え込んでしまいがちです。
 クレームがきたということが周囲の先生に知られたら、自分の評価が下がってしまうと危惧する人がいます。
 でも、実態はどうでしょう。ひとりで抱かえ込んで問題が大きくなってから、管理職に連絡がいくと、事態はすでに深刻になっています。
「なぜもっと早く言ってくれなかったのですか」となり、実は評価が下がるのはこの時点です。
 評価はクレームがきたことではなく、クレームを抱かえ込んで対応が遅れたことに対して評価が下がるのです。
 クレームがきた時点ですぐに周囲に伝え、助けを求めるのは、できる教師の「能力」のひとつなのです。
 必要なときに、援助を求めることができる相手を探しておきましょう。
 具体的には、まず同じ学年担当の教師の中で親身に相談に乗ってくれる人を探しましょう。
 同じ学年の教師の中に支えてくれる人がいると働きやすさがまるで違ってきます。
 次に、管理職や教務主任、スクールカウンセラーや養護教諭にも力になってくれる人を見つけておきのしょう。
 さらに、勤務校以外にも広く目を向けて、力になってくれる人や組織を見つけましょう。
 たとえば、かつての同僚、初任者研修のときの仲間や研究会の仲間、私が主宰する「教師を支える会」などのサポートグループです。
 教師の抱かえる悩みが、最初は子どもとの関係、保護者との関係などから生まれるものであったとしても、それだけで退職や休職に追い込まれるケースは多くありません。
 退職や休職の直接のきっかけとなるのは、同僚お管理職との関係の悪化と、それによる教師集団での孤立なのです。
(諸富祥彦:1963年福岡県生まれ、 明治大学文学部教授。「現場教師の作戦参謀」として、抽象的ではない実際に役立つアドバイスを先生方に与えている。「教師を支える会」代表)

 

| | コメント (0)

私が「教師を支える会」を立ち上げることにした訳とは何か

 諸富祥彦教授は1993年に千葉大学教育学部の専任講師に赴任して以来、小学校・中学校・高校の先生方との関係を密に持ってきた。
 その中で、諸富教授が抱いた実感は、
 教師はすごい。特に教師集団が一体となって動き始めた時のパワーは並大抵のものではない。
 スクールカウンセラー一人の活動などとてもかないはしない。
 そうであるならば、スクールカウンセラーとして直接子どもを支援するだけでなくて、「教師集団をサポートすることで間接的に子どもを支援する方が良いのではないか」という気持ちがあった。
 そんな思いで、諸富教授は教師を支える会(現場教師のサポートグループ)を立ち上げました。
 今、「教師受難の時代」と言われています。
 学級崩壊、いじめ、不登校の増大、学力低下など、問題は山積み。
 子どもたち、そして保護者たちの変化は著しく、その中で多くの教師が途方に暮れています。
 その一方で、教師への要求・負担はますばかり。
 教師特に学級担任への眼差しは、ますます厳しい。
 考えてみれば、このような変化の厳しい時代の中では、多少うまくいかないことが出てきても当たり前。
 大切なのは、教師や教育関係者たちがお互いに支えあって、この困難な時代をうまく乗り切っていくことです。
 しかし教師には、まじめで責任感の強い方が多い。
 自分に与えられた仕事は、自分できっちりやろうと、一人で背負い込みすぎ、追い込まれている方も少なくありません。
 また、不運にも、教育観などの相違もあり、同じ勤務校の中で、お互いに支えあったり相談しあったりといったことが、気兼ねなくできる同僚や管理職に恵まれていない教師もいます。
 教師として本来、素晴らしい力を持っているのに、仲間から孤立して、不必要に自分を責め始め、ますます力を発揮できなくなっている先生方も少なくないようです。
 別の学校に移ることを考えたり、休職を考える先生も当然います。
 これらのことを、教師本人の責任に帰すのは過酷すぎます。これだけ大変な時代なのです。
 いろんな問題が生まれてくるのが自然です。
 世間もマスコミでの報道などを通して今の学校現場の大変さは知っているはずです。
 にもかかわらず、今教師が大変だ、教師を支えよう、という具体的な動きは、あまり見られません。
 しかし、教師自身が、安定した気持ちで自然な笑顔を浮かべることができる状態になくては、いい教育ができるはずがありません。
 今、必要なのは、この「教師受難の時代」に、その難局を乗り切ろうとがんばっている「先生方をバックアップする力」の存在です。
 教師同士のつながりももちろん大切ですが、教育関係者や地域の方などが「傍らから教師を支援する」こともできるはずです。
 今、この大変な時代に、先生方を支える力を大きくしよう。
 そのために、個々ができることをすると共に「教師を支える」眼差しを持つことが、学校がこの難局を乗り切ることにつながる。
 ひいては子どもたちのためになることを社会に対してアピールしていこう。
 そのためのゆるやかなネットワークを作っていこう。
 そんな思いで、諸富教授は教師を支える会(現場教師のサポートグループ)を立ち上げました。
 教師を支える会は、
(1)学級経営や子どもたちの心の問題への対応
(2)保護者対応
(3)職場での人間関係
(4)教師のメンタルヘルス(特にうつ)
(5)休職中のすごし方や職場復帰の準備など
 において悩みを抱える教師や、かつてそうした問題に直面した経験のある教師が集まり、現在抱えている問題をお互いに相談しあう。
 その問題の解決方法をグループで模索したりする「サポートグループ」を基本として活動しています。
 あくまで「自助」が基本ですが、専門の心理臨床家が安全な場づくりを手伝いします。
 現在、次の支部が活動しています。それぞれの日程と会場をご確認の上、ご参加下さい。東京支部、国立支部、市川支部
 諸富教授は個人的な相談等については回答しかねますが、講演、研修、ワークショップ等の依頼はメールにてお引きうけされるようです。
(諸富祥彦:1963年福岡県生まれ、千葉大学教育学部講師、助教授を経て明治大学教授。日本トランスパーソナル学会会長、日本カウンセリング学会認定カウンセラー会理事、日本生徒指導学会理事、教師を支える会代表、現場教師の作戦参謀)

 

| | コメント (0)

現場教師として困難を何とか乗り切ってこられた私の考え方と、教師が元気に生活を送る原則とは

 小学校の教師生活は分刻みの生活です。私が現場教師として心がけていたのは、つぎのような動きです。
 「よく見る」「それが何かと考える」「打つ手を処方する」「行動する」
 しかも、瞬時に考え、動くものですから、よく失敗もしました。これが私にとって「現場を生きる」ということでした。
「行動する」ことが現場教師であると私は考えます。失敗を恐れないことです。失敗すれば「ごめん、ごめん、間違いました。これから気をつけます」と礼を尽くしてあやまればいいのです。
 楽しそうに教師生活をおくる教師もいれば、いつも不平不満を口にして過ごす教師がいます。
 その違いは、教育の仕事を、どのような考え方で行っているかどうかに、かかっていると私は思います。
 元気に教師生活をおくるためには、考え方をきちんと持っていることが一番大事なことなのです。
 私は37年間の教師生活で、一度も教師を辞めたいという気持ちになることはありませんでした。
 私は悩まないようにしていました。
 悩みのほとんどは時間が解決してくれます。
 悩まないようにするには、行動することです。
 悩んでいないで、次をどうしていこうかと、考えのベクトルを変えていきます。
 現場の教師のみなさんは、できるかぎり機嫌良く仕事をしていただきたいと私は願っています。
 機嫌よく仕事をしている教師のそばにいると、自分も機嫌良く何かをしたくなるからです。
 もやもやした気持ちも軽くなります。
 だから、子どもたちの前でニコニコ笑ってみましょう。
 教師が機嫌よく振る舞い、
「心身がアクティブであることは、気持ちがいい」
 ということを自分自身が素材となって子どもたちに示し、伝えてほしいと思います。
 振り返ってみると、私はテーマを持って教師生活をしていました。
 自分の気になることをテーマしました。
 例えば、子どもたちへの音読指導をどうしたらよいか。漢字指導の効果的な方法など。これらのことについてコツコツと資料を集め、自分なりにまとめていくと、教師生活は豊かになります。
 私は教師としての資質を高めるために、もっとも大事なのは土台となるスタンスであると考えています。
 このスタンスは、仕事へ向かう姿勢や態度を意味します。
「素直さ」「責任感」「向上心」
 がスタンスになると考えています。
 このスタンスの上に、その教師がもつ「性格」(キャラクター)がのるのです。
 そして、その上に、教育技術がのっかる。
 ここをカン違いしないことです。教育技術だけをどんなに積み重ねても、しょせん限界があることを、心してほしいと思います。
 教師が元気に生活を送る原則は、次の四つである。
(1)自分が発揮できる
(2)他の人から認められる
(3)無理をしない
(4)知りたいこと、やりたいことができる
 テーマを持って教育の仕事をしなくては、これから大変ですよ。その日暮らしの生活は、これからとてもつらくなりますよと、いう言葉を含んでいます。
 大切なのは、教師の時間と自分の時間をきちんと区別することである。
 教師としての時間を長く取ることによって、確かに教師意識は増大する。しかし、やせ細っていくのが人間としての自分だ。
 教師の仕事とは別に、音楽も聴きたいし、映画も見たい。教育に関係のない本も読みたいし、友だちと旅行もいきたいではないか。
 ふつうの働き人が元気に生活をしていくには、きちんと仕事の時間と、自分の時間を区別する必要がある。
 私は、いつもそのように思っている。
(野中信行:1947年生まれ、元横浜市立公立小学校教師、横浜市の初任者教師の指導にあたり、全国各地で教師向けの講座やセミナーを行っている)

 

| | コメント (0)

他の教師から悩み相談を受けた場合、アドバイスするときに気をつけることとは

 他の教師から、悩み相談を受けた場合に気を付けておいた方がいいことは、
1 話をじっくりと聞く
 まずは「その人の話を興味を持ってじっくりと聞く」ことが一番必要なことです。
 話をよく聞かないと、困っていることの内容も、本人のつらさもイメージできなくて、何が問題となっているのかわかりません。
 話をよく聞かないと、共感もできないから、アドバイスのしようがないと思うのです。
 じっくりと聴いているだけで、相手は「自分の苦しさを分かってもらえたみたい」と、ずいぶん落ち着くこともあるようです。
 だから、いいアドバイスをすることが答えじゃなくて、一生懸命に聞いて、共感できたりすれば、それが一番いい形の援助になるんじゃないかと思うのです。
 聞いているうちに「わかる、わかる。あるある、私にも」と、一緒になってグチを出しあう感じになることもあります。
 そうなったら、もうアドバイスなんか必要ないかもしれません。
 相手が自然に答えをだしていることだってあります。
2 アドバイスには危険性もある
 悩んでいる人にとっては、誰もが思いつくようなアドバイスは、本人はそれができないから悩んでいて、追いつめられ、苦しんでいるのです。
 いくら一生懸命「こうすればいいのよ」とアドバイスをしても「アドバイスされたことが実行できない」ということで、自分を追い込んでしまうことも少なくありません。
 だから「この人の気持ちが少しでもラクになればいい」という配慮が必要です。
「ラクになり、元気にさえなれば、自分で解決法も思いつくし、対処もできるだろう」と思うのです。
 私は、相手のできていないところや、欠点などを指摘してみても、まずは元気になれないと思っています。
 それより「そういう悩みを抱くのは、あなただけではない」と、いうことを伝えたいものです。
 自分で自分を責めて苦しんでいるところを、少しでも減らしてもらえたらと思います。それが何よりの力になると思うからです。
3 アドバイスは具体的に
 教師の悩みは、ほとんど「明日からどうすればいいのか?」という切羽詰まったものがほとんどです。
 たとえば「クラスの子とうまくいかない。管理職からは厳しく指導しろと言われるけど、本当にそうなのか?」などといった、ものばかりです。
 こういう悩み相談には、良い結果が出るようなアドバイスでなくてはなりません。結果が求められるのです。
 適切な対処の方法を選んでいくには、学校で起きるさまざまなことを実験結果として見ていく視点が必要です。
「そのやり方で効果があったかどうか」を意識して見ていれば、有効性もおおまかに判断できます。
 そういう風にまわりのやり方を見ていて「ああやると失敗するんだ」と学ぶこともたくさんあります。
 サークルで悩み相談がでると、私自身も「自分もそれが聞きたかったんだ、ラッキー」などと、いろんなことを学んできました。
(中 一夫:1960年鳥取生まれ、東京都公立中学校教師。仮説実験授業研究会会員)

| | コメント (0)

教師が自分の心の不調「早期発見」をするためのチェックリストとは

 どんな病気も、何より大切なのは早期発見。こころの病気も同じです。
 初期の段階で対処すれば、こじれずに済むこともあります。
 次のストレスチェックは、ストレス状態を知るうえで大変有意義なもので、ぜひ取り組まれることをお勧めします。
 自分自身の心の状態をチェックする(最近1カ月を振り返って)
【日常生活で】
□夜中に目がさめて、眠れなかったり、熟睡感がなかったりする。
□頭痛や体の痛み、コリが悪化した。
□食欲が湧かない、または過食してしまう。
□コーヒーやアルコールの摂取量が増えた。
□休日はほとんど寝て過ごす。
□朝、吐き気や腹痛が出たり、下痢しやすい。
□朝、目が覚めても疲れが取れず、体がだるい。
□動機やめまいが頻繁に起きるようになってきた。
【教育活動で】
□教材研究が面倒くさいと思うようになった。
□週案など、提出物の締め切りに遅れることが増えた。
□採点ミスなどの仕事上のうっかりミスが増えた。
□授業に自信が持てなくなってきた。
□職員室の机の上、教室の掲示物などが乱雑になってきた。
□同僚や管理職に反感を覚えることが増えた。
□同僚や管理職が自分をどう思っているのか、気になるようになった。
□児童生徒を、過度に強く叱りつけてしまうことが増えた。
□児童生徒とあまり関わりたくないと思うようになった。
□保護者への連絡が煩わしくなった。
□特定の保護者とのやり取りに負担を感じるようになった。
□自分のしていることが、無意味に感じられるようになった。
2 判定
 自分が意外とストレスを感じていることに気づいた人もいるかもしれません。
 次の判定結果に基づき、ご自身の心の健康状態を確認してください。
(1)チェック数 0~3 良好
 今のところ、心の健康状態はほぼ良好です。
 ただし、心の病は環境などが変化すると、わずか数カ月でも発症することがあります。
(2)チェック数 4~10 要注意状態
 ややストレスが多く、心の健康が脅かされている状態です。
 大きな負担がかかると、抑うつ状態など、病的な状態になる可能性がぐっと高まるので注意が必要です。
 これ以上の不調に陥らないよう、日頃からストレスコントロールを意識した生活を心がけてください。
(3)チェック数 11~15 不良状態
 ストレス過多で、心の健康が崩れかけた状態です。このまま放置すると危険すると危険です。
 まずは、良質な睡眠を十分に取るなど、しっかり休息することを優先させ、ストレスコントロールに取り組んでください。
 それでも状態が改善しないようならば、相談機関の活用や、場合によっては医療機関への受診も検討しましょう。
(4)チェック数 16~20 危険水域
 非常に危険な状態です。今すぐ、相談機関や医療機関に行き、適切にメンテナンスしましょう。
 あなたという存在は、自分だけのものではありません。家族、同僚、友人など身近な人のためにも、心の健康を回復させるため、速やかにしかるべき行動を取ってください。
(真金薫子:東京都教職員互助会三楽病院精神科部長、東京都教職員総合健康センター長、東京医科歯科大学臨床教授)

| | コメント (0)

イライラや怒りを感じた時、どのようにすれば心を落ち着かせることができるか

 イライラや怒りを感じた時や、相手のことを考え、落ち込む時間があったら、自分のために、少しでもイライラしない心の整え方を考えることが大事です。
 ふだんの生活で怒り、不安、焦りなどを感じた時、心身を落ち着かせる技法にはつぎのようなものがあります。
1 6秒カウントダウン
 前頭葉が怒りの感情を発動するまで3~5秒かかると言います。
 イラッとしたら、心の中で「6,5,4,3,2,1」と数えます。
 出来事から気持ちをそらすことが目的です。
2 肩のリラックス
 身体の弛緩は心理的弛緩をもたらし、怒りと緊張に効果があります。
 両肩を上げ、5秒数えます。力を抜いて肩を下ろします。10秒数えます。これを3回繰り返します。
3 冷たい水を飲む、顔を洗う
 冷たい水が興奮した体や心臓を落ち着かせる。
4 温かいタオルで首や顔を温める
 ふわっと温かいものに包まれると、気持ちが落ち着きます。
5 タイムアウト
 いったん、その場を離れて気分転換し、身体をリラックスさせ、少しでも気持ちを落ち着かせます。
6 セルフトーク
 怒りの感情が起こった時、気持ちを落ち着かせる言葉を自分に言い聞かせてください。
 肯定的なセルフトーク(ラッキー、おもしろい、もっとやりたい)に変えることが心を良い状態にしていきます。
 例えば、試験前に「これだけ勉強したんだから、自分を信じよう」
7 思考停止
 いやな出来事が起こると、そのことをずっと考えてしまいがちです。
 ネガティブな考えや感情が頭の中でぐるぐるしてきたら、思いっきり心の中で「ストップ」と声をかけるのです。
 偏桃体を興奮させたままにしておかず、前頭葉を使うということです。
8 一点集中
 辛いことを考えていると、どんどんその辛さにとらわれてしまいます。
 別の方へ気持ちを向けることで、心に余裕ができるようになります。
 頭の中が怒りの感情でいっぱいだと思った時に、例えば、自分の身の回りにあるものに集中して見ます。
「このボールペンは、いつ買ったんだろうか。素材は何だろう。重さはどれくらいかな・・・・」と、どんな質問でもよいので自分に問うてみてください。
9 イメージトレーニング
 自分がリラックスできる場面を考え、心身を落ち着かせる方法です。
「心地よい良いなぁ」と思う場所や出来事をイメージするもの、「とらわれ」から解放される方法です。
10 顔のリラクセーション
 顔の表情は感情を生み出すと言われています。悩みや不安を抱かえていると眉間にシワがより、目がつりあがって顔の表情が険しくなります。
 顔の緊張をほぐすため、顔のリラクセーションをすることで顔の表情も穏やかになります。
 鏡の前でニコッとしたり、目を大きく開き、口角を上げて「あ、え、い、お、う」と大きな声で自分にニコッとしてみると表情筋が緩んできます。
11 気分転換
 自分でやってみたい、楽しい「わくわくすること」を考えたり、行ったりして気分転換します。
 考えるだけで「ご機嫌になること」を頭に思い浮かべてみましょう。
 思いついた方法をやってみて気分転換になったものをレパートリーに加えましょう。
(佐藤恵子:東京都公立小学校・中学校スクールカウンセラーを経て、私立中学校・高校スクールカウンセラー。アンガーマネージメントジャパン代表理事)

| | コメント (0)

学校内外に何でも話せる場と雰囲気があれば教師は救われる

 学校の中で孤立し、追い込まれる教師が後を絶ちません。真面目すぎる性格も災いして、精神的に追い込まれていく教師がいます。
 どうすればよいのでしょうか。いくつかポイントをあげると、
1 学校で何でも話せる雰囲気が教師を救う
 これには校長、教頭のリーダーシップが不可欠です。教師が何でも話せ、伸び伸びと働ける校内づくりには、管理職の力が必要です。
 ある小学校では3クラスほど学級崩壊状態にありました。
 しかし、校内研修の雰囲気は和気あいあいとしている。何でも話せる雰囲気があり、内容は深刻であるにもかかわらず、温かい空気が流れていました。
 クラスが荒れて悩んでいた教師に私が話しかけると、
「実は2カ月前までは、私も教師を辞めようと思っていました」
「最近は子どものことを可愛いと思えなくなった」
「物は飛んでくるわ、くそばばぁと言われるわ、黒板には死ねと書いてある」
「けれど、この学校には教師同士お互い何でも語り合え、支え合える雰囲気があるんです」
「それで、私も何とか続けられているんです」
と言う。私は「なるほどな」と思いました。
 この学校の雰囲気づくりのキーパーソンは学級崩壊を経験した教頭でした。当時を振り返りながら、
「私のクラスが学級崩壊になったとき、周りの教師に支えられて退職せずに済みました。こうして教頭になることもできました」
「いま振り返っても、自分の学級運営が格段悪かったとは思わない。私のクラスにたまたま問題児がそろっていたのです」
「荒れる可能性をもった子ども同士が、爆発すれば、どんなクラスでも崩壊してしまいます」
「今は、教師受難の時代です。これだけ、子どもも親も難しい時代だったら、長い間教師をしていれば、一度くらいは学級崩壊になったり、精神疾患になるのも当たり前です」
「だから、私はこうした自分の体験を話して、クラスが荒れても恥ずかしいことではないのだから、お互い支え合っていこう、一人で抱かえ込まないようにしよう、と呼び掛けているんです」
と語ってくれました。
2 教師は思い込みが強い
 教師の孤立化を防ぐために、大切なのが「教師自身の意識改革」です。
 教師には真面目で頑なな人が多い。融通がきかず、問題を1人で抱かえ込んでしまうことが多い。たとえば、
「クラスに問題が起きたら、すべて私のせいである」
「学級が崩壊したら、教師として失格だ」
などという思い込みがあり、そのために苦しむし、弱音を吐けなくなるのです。
 弱音を吐けないから、クラスが荒れ始めても誰にも言えず、荒れていくのを放置するしかなくなってしまいます。
 だから私は、弱音を吐けること、早めに他人に助けを求められることは、これからの教師に必要な能力の一つであると言っています。
 クラスが荒れても別に恥ずかしいことではありません。親からクレームをつけられるのも特別なことではありません。
 これだけ難しい時代なのだから、問題が起きるのも当たり前というぐらいの意識をもってほしいと思います。
3 事例討論会で支え合いをする
 事例検討会で、教師同士の支え合いの会を開くことを私は提案しています。
 まず、有志の教師が、毎回、開催を知らせるプリントを制作します。
 会の趣旨には、学級経営や生徒指導、教育相談の勉強会ですと記しておく。
 少人数でも月に一回程度、定期的に開き続けることが大切です。
 その会の内容は、
(1)司会者から順番にいま学校で気になっていること、困っていることを、一人5分程度話していく。
(2)一人につき15分程度、4~6人で知恵を出し合いながら解決策を考えていく。
 その際のポイントは、とりあえずどうなりたいか、そのためにさしあたり何ができるかを話し合うのです。
 ルールは、何も準備しないこと、全員が自分の問題を語ることです。これが継続できるポイントです。
 要は、教師相互のサポートグループ、問題解決の話し合いを行うわけです。
 成功のポイントは、司会者役の教師自身が、口火を切って「自分のクラスでうまくいっていないこと」を話すことです。
 全員が自分の抱かえている問題について語るのです。そうすれば、問題を話すことに引け目を感じずにすみます。
 絶対に批判はしない。あくまで温かい雰囲気を心がける。
 ぐちをこぼせるだけでなく、少しでも解決のための糸口を手にすることができ「来て良かったな」「元気が出たし、得したな」と思える会にすることです。
4 学校に教師の心の居場所としての雑談部屋をつくる
 教師同士でぐちをこぼし合ったり、無駄話ができるような場所を確保しておくことが大切です。
 校内に、クッキーや紅茶を準備した雑談のためのスペースを設けておくといいでしょう。
 職員室は机と机の距離がありすぎて、大切な話はしにくい場所だと思います。
5 利害関係のない相談相手を見つけよう
 学校外での教師同士のネットワークも大切です。
 同じ志をもった者同士の研究会に入っておくのもいいでしょう。
 何でもいいから、同じ関心をもつ仲間と時々会って、いろいろ話す機会をつくっておくようにしてほしいのです。
 そんな仲間こそ、何かつらいことがあったとき、最も信頼して相談できる相手だからです。
 同じ学校に勤務していると、いくら気が合うとはいえ相談内容によっては、はばかられる場合があります。
 その点、別の学校に勤めている教師なら大丈夫。しかも関心のあるテーマや興味対象を共有できる者同士なので、親身に話し合えます。
(諸富祥彦:1963年福岡県生まれ、 明治大学文学部教授。「現場教師の作戦参謀」として、抽象的ではない実際に役立つアドバイスを先生方に与えている。悩める教師を支える会代表)

| | コメント (0)

教師は献身的で自分を追い込みがち、自分の健康と向き合うことも大切である

 いくつもの学校を巡回相談していると実感するのですが、現在、医療機関に通院しながら仕事を頑張っている教師がたくさんいます。
 また、その反対に、健康診断で疾患があると指摘されながらも、いまだに医療機関に診てもらっていない教師も相当数いるようです。
 退職して2~3年内にお亡くなりになる教師の話を耳にする機会が多いものですから、心配ですね。
 教育は、献身的に殉ずる姿勢があってこそ向上していくという側面があることは否定できません。
 それだけに、教師にとって重要な特性である献身的に子どもを気づかう心、利他的な奉仕の精神が、バーンアウト(燃え尽き症候群)やうつ病のリスクを高める性格特性にもなっているのです。
 私自身も、昔は教師の仮面を1日中かぶっていて「頑張ることが正しいことだ」と思い込んでいる人間でした。
 子どもから信頼され、感謝される教師をめざして、毎日遅くまで子どもの教育に情熱を傾けていました。
 いつの間にか、ハードルを勝手に高く設定し、自分で自分を追い込んでしまいました。
 無理がたたったのでしょうか、30歳代半ばに、いわゆるパニック障害のような症状が出ました。
 とにかく不安でしかたがない。車を運転していて渋滞で止まってしまうと、急に冷や汗が出て車外へ飛び出したくなることさえ、あったくらいです。
 追い詰められた自分から脱出するには、いろいろな方法があると思いますが、私の場合には、現状について「しょうがない」と思うことで、脱出への糸口を見つけました。
 私事で恐縮ですが、30歳代初めに命の危機に見舞われて
「どうして自分だけがこんな目に遭わなければならないのか」
「この先、どうやって生きていけばよいのだろうか」
と絶望のなかで必死にもがいている時期がありました。
 そんな私を窮地から救いだしてくれたのは、恩師からの一言でした。
「人間には、自分の力や努力ではどうにもならないものがある」
「そんな時は、しょうがないと思うよりほか文字通り『しょうがない』」
と。
 誰でもそうですが、病気を告知された当初は、個人差はあるにせよ、自分の状態について、頭(理屈)で理解できても、心(感情)が受け入れるには相当の時間がかかるものです。
 しかし、一方で病気がありながら、病気になって良かったという人がいるのが不思議です。
 多少時間を要しますが、病を受け止められるようになると、
「金儲けをしたい」「有名になって注目されたい」
等の雑念から解放され、自分が生きる意味を見出せた時、前を向いて再び進むことが出来るようになるのです。
 その瞬間が「生き直す」スタートラインです。
 誰かのために自分が役立っていることが、これからの生きるエネルギーになるのです。
「必ず、道はありますから」生かされていることに感謝です。
(土井一博:公立中学校教師を経て退職後、筑波大学大学院で健康教育学を学び、茨城県等でスクールカウンセラー歴任し、埼玉県川口市学校教職員メンタルヘルスチーフカウンセラー。日本教職員メンタルヘルスカウンセラー協会理事長。専門は教職員のメンタルヘルス、学校健康心理学、教師教育)

 

| | コメント (0)

より以前の記事一覧

その他のカテゴリー

いじめの指導 さまざまな子どもの指導 ものの見方・考え方 カウンセリング 不登校 人間とは(心理・行動・あり方) 人間の生きかた 保育幼稚園 保護者との協力関係をつくる 保護者にどう対応するか 保護者の実態 優れた先生に学ぶ 優れた学級担任とは 優れた授業とは 優れた教科授業例 先生の実態 危機管理 叱る・ほめる・しつける 各国の教育 各国の教育改革 各教科の授業 同僚・管理職との関係 問題行動の指導 国語科の授業 地域 子どもから学ぶ 子どもたちに対する思い 子どもたちの関係づくり 子どもと向き合う 子どもの失敗 子どもの実態 子どもの成長をはかる 子どもの指導の方法 子どもの見かた 子どもの話し方 子育て・家庭教育 学び合う学び 学力 学校の実態 学校組織 学校経営と組織 学校行事 学級づくり 学級の組織と活動 学級の荒れ 学級崩壊 学級通信 学習指導・学力 学習指導案 実践のための資料 家庭 宿題 掃除 授業づくり 授業のさまざまな方法 授業の実態 授業の展開・演出 授業の技術 授業中の生活指導 教師との関係 教師と子どもの関係づくり 教師に必要とされる能力 教師の人間としての生きかた・考えかた 教師の仕事 教師の心の安定 教師の成長・研修 教師の話しかた 教師の身体表現力 教材・指導案 教材研究 教育の技術 教育の方法 教育の理念や思い 教育史(教育の歴史と変化) 教育改革 教育法規 教育行政(国・地方の教育委員会) 新学級づくり 特別支援教育 理科の授業 研究会開催情報 社会環境 社会環境(社会・マスコミ・地域) 社会科の授業 算数・数学科の授業 経営とは 英語科の授業 評価 話の聞きかた