カテゴリー「不登校」の記事

親から不登校の相談があったときどのように対応しているか

 親から不登校の相談があったとき、つぎのように対応している。
 原因がどこにあろうが子どもが学校へ行かないということは、多くの親にとってはつらいことである。親として自信をなくし日常の会話さえも神経を張り巡らしておられ、それがまた子どもの神経を苛立たせるという悪循環もあります。
 不登校の親から相談があったときは、私は
「学校のことは、子どもさんから話されない限り話題にしないでください。それ以外のことは今まで通り、叱ることは叱って、ほめることはほめてください」
「学校のことを子どもさんから話され、返事のいるときは、お母さんはこう思うと、思っていることを伝えてください。わからないことはわからないと」
「返事のいらないことであれば、否定せずに聞いてください」
「あせらずに一緒にどうしたらよいか考えていきましょう」
と話します。
 親はすぐに結果が出なくても親の気持ちに寄り添って、話を聞いてくれる人を求めておられるのではないか?
 話の中で一つでもいいから、よい対応がないか見つけようと耳をこらし「お母さん、その対応はよいと思います。すごい!」と共に喜べる感覚が大事だと思う。
 親には「あせらないで」と言いながら、教師が「よい結果」と思えるものを出そうということにばかり気持ちが傾いたとき、親と同じペースで一緒に対応できずに、ときには親を「責めている」ように映ってしまうこともあるだろう。
 自分のこととして取り込まず、冷静な判断と共感する気持ちを併せ持つことの難しさをいつも感じている。
(
佐藤友子:元京都府公立高校養護教諭)

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親から不登校の相談があったときどのように対応しているか

 

 親から不登校の相談があったときどのように対応している。
 原因がどこにあろうが子どもが学校へ行かないということは、多くの親にとってはつらいことである。親として自信をなくし日常の会話さえも神経を張り巡らしておられ、それがまた子どもの神経を苛立たせるという悪循環もあります。
 不登校の親から相談があったときは、私は
「学校のことは、子どもさんから話されない限り話題にしないでください。それ以外のことは今まで通り、叱ることは叱って、ほめることはほめてください」

 「学校のことを子どもさんから話され、返事のいるときは、お母さんはこう思うと、思っていることを伝えてください。わからないことはわからないと」
「返事のいらないことであれば、否定せずに聞いてください」
「あせらずに一緒にどうしたらよいか考えていきましょう」
と話します。
 親はすぐに結果が出なくても親の気持ちに寄り添って、話を聞いてくれる人を求めておられるのではないか?
 話の中で一つでもいいから、よい対応がないか見つけようと耳をこらし「お母さん、その対応はよいと思います。すごい!」と共に喜べる感覚が大事だと思う。
 親には「あせらないで」と言いながら、教師が「よい結果」と思えるものを出そうということにばかり気持ちが傾いたとき、親と同じペースで一緒に対応できずに、ときには親を「責めている」ように映ってしまうこともあるだろう。
 自分のこととして取り込まず、冷静な判断と共感する気持ちを併せ持つことの難しさをいつも感じている。
(
佐藤友子:元京都府公立高校養護教諭)

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小学生の不登校を100%なくすには、どのようにすればよいか

 不登校の子どもたちの本心は「学校に行きたい、友だちとも遊びたい。でも行けない」です。だから不登校の子どもは学校に行けるようにしてあげられるのです。
 不登校が起きる原因は100%家庭内にあります。私たちは「親が変われば子が変わる」の言い伝えどおりに「子育てで親を変えることができる」ことで、不登校を克服することが100%可能だということです。
 私たちが「親の変わり方」を教え、親が正しい子育てができてこそ、完全に克服できるのです。継続登校ができるのです。
 私はお母さんに、登校指導をするときに、次の理念を守っていただいています。
(1)
親が「感謝、気配り、心配り、思いやり」を持ち、子どもに背中で教える。
(2)
人のせいにしない。 
(3)
わが子は、いい子だと考える。
(4)
過去のことは言わない。
(5)
誰も責めない。
(6)
不平不満を言わない、思わない。
これだけを親も子も守りますと、学校生活や社会生活が円満にすごせるのです。
 親はわが子が不登校になるとは夢にも思わなかったと言います。子どもは性格的に、何か自信のないもの、不安なものがあったら、一時、学校に行きたくなくなったり、お腹が痛くなったりします。子どもはほんの些細なことで、行きづらくなり、行きたくなくなります。
 親はあわてて、原因を聞きだそうとしたり、何とかしようと、学校の先生にすぐ相談したり、相談所に行きます。「頭が痛い」など、身体症状を訴えるので、医者に診てもらっても異常なしです。
 指導機関などで「やさしくしてあげなさい」「甘えさせてあげてください」「待ちましょう」などの指導を受けた母親が、そのとおりにしますと、すぐにわがままが出てきます。
 そのうち、階段を転げ落ちるように、昼夜が逆転したり、暴力や暴言を吐いたり手がつけられないような振る舞いをするようになったりします。いつまでも出口がありません。
 こんなとき、専門のカウンセラーをつけて「行くきっかけ」をつくり、解決をはかってあげないかぎり、小学生のような小さな子が目の前の問題を整理して、自分から行くということは、とうてい無理なことです。
 私は590人の不登校の子どもを学校に戻しました。子どもは一人ひとり異なります。その子をあらゆる角度から見て対策を立てなければならないのです。
 不登校を起こす子どもは、性格と関連があります。性格の改善に取り組んでいくことが大事です。ほとんどの親は性格に原因があることに気づいていないのです。
 休みだすと、子どもは「友だちがどうの、先生がどうの」と言いわけに終始します。これではいつまでたっても解決しないのはあたりまえです。
 不登校を起こす子の典型的な性格は「神経質で気にしすぎる」というものです。そんな子に育てたのも親です。このような性格の子が、交友関係、学校生活、家庭で何かに悩み、解決できずにいるため、頭が痛い、熱が出る、だるい、朝、起きられない、家を出られなくなったりして不登校になることが多いのです。
 私たちが、不登校の子どもを100%登校に導く方法を述べます。
 私たち(カウンセラー)と大学生、お母さんの努力、担任の先生、友だちが関わります。
 まず、大学生が大きな役割を担います。大学生は子どもたちと年齢が近い。子どもにとってお兄さん、お姉さん役になります。心を開いて遊んでくれると信頼がめばえます。子どもと接する大学生から、子どもの性格、今何を考えているのか、学校に対する気持ちはどうかが報告されます。
 報告を聞いて、母親はわが子の心の中がよく見えてくるのです。私は、次々と登校に向けての指示を出していきます。わがままな子どもがおおいので、言動に問題がある場合は「こんなときは、こうするんだよ」と、大学生やカウンセラーが教えます。
 性格に問題がある場合は、私が親に子育て方法を変えるよう、的確に教えます。不登校になる子の親は、子どもが自分でするのを待ち切れず、先さきに「早くご飯を食べなさい」などの言葉をかけることが多い。これでは「自立心と協調性」が育たない。
 不登校をなおすための親が守るべきことは、
 命令・指示はしない。先さきに言わない。子どもの機嫌を取らない。聞こうとせよ。「子どもが、どうする」ではなしに「親がどうする」を基本とする。「失敗は成功のもと」と良いほうに考えていく。不平不満を言わない、などたくさんあります。
 子どもの性格を親が変えておかないと、継続して登校ができないからです。みんなと交わって学校生活が送れるよう、子どもに「自立心と協調性」をつける対応を学んでもらいます。
 大学生が、いろんなことを子どもに聞き出しても、子どもが心を開いているので何でも言ってくれます。子どもが登校の意思を見せてくると、登校に向けて大学生やカウンセラーと話し合います。
 子どもが学校で一日過ごす予定を、子どもの知っている範囲で組みます。
 例えば、教室の席、下駄箱、ロッカー、給食当番、日直の仕事・順番、学級の係、体育の並ぶ順番、掃除の班・場所、必要なもちものなど。
 しかし、ここから先は担任でないとわかりません。母親と大学生やカウンセラーと学校を訪問して、担任に準備や持ちもの、教室の様子を教えていただきます。
 担任との「心の打ち解け」が重要です。そこで担任に家庭訪問してもらいます。子どもは大学生やカウンセラーもいるので安心して会えます。
 登校日は木曜日か金曜日にします。疲れないためです。学校は一人で過ごせる場所ではありません。友だちが必要です。登校前に家に友だちに来てもらい、詳しく学校の様子を聞いたりします。
 長く学校に行ってなかった小学生には、登校前に学校を見学しておくことが大切です。夕方誰もいない時間に、大学生と一緒に行って担任に説明してもらいます。
 登校日は、大学生や友だちと一緒に学校に行きます。一度登校すると小学校は楽しいので意外と継続登校がうまくいきます。
 数日間、大学生は朝、起こすのを続けます。母親では起きない子が多く、行きづらい表情をみせることがあるからです。登校を確認し、夕方、宿題や明日の準備ができるのを確認します。
 私は二か月くらい継続登校を見守り、問題のないようになるまで指導しています。
(
吉岡康雄:1940年大阪府生まれ、体育指導員、青少年指導員、親子問題研究所主宰を経て、登校拒否サポート協会設立、親の学校開校)

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不登校の対応と、ならないようにするにはどうすればよいか

 何も兆候がなく不登校になったり、非行や犯罪に走ったりすることはありえないことです。子どもの小さな変化を見逃さないで、早い対処をすれば、子どもを立ち直らせることは親ならできると私は確信しています。
 元来、人間として基本的に持っていなければならないものは、しつけによって身につけるものです。例えば、公共の場では大声を出さない、目上の人に対する態度や言葉づかい、あいさつであったりします。そうしたしつけを身につけずに学校に入学していくから、授業中に席を立ったり、教師に反抗したり、様々な問題を生んでしまうのです。
 私は「あたりまえのことが、あたりまえにできる」ようにと考えて教育しています。あたりまえのことが身につけば、ふつうに生活していくことができるのです。問題を解決するにはこの基本が一番大事です。
 ふだんから子どもの小さな変化に大きな関心を持ってあげなければなりません。当然、兆候があるのに、単に問題に気づいていなかったか、問題から目をそむけてきただけです。
 だから一度や二度学校に行かないぐらいでは、不登校になるとは思っていない親がほとんどです。後になって、不登校になってしまうことは普通に起こりえることなのです。問題は小さな芽のうちに刈り取ることが重要で、兆候を見逃さないようにしようという姿勢が大事です。
 不登校になる前に「学校に行きたくない」と言ったり、朝起きられなくなったり、表情が沈んでいたりするものです。毎日の子どもの表情や会話から変化を読み取る努力をしなければいけません。私は毎日の生活を通して「子どもは何を考えているのか?」「今日は顔色が良くないな?」「なぜ不機嫌なのかな?」と、そんなことばかり考えていますから、大体のことは把握できます。
 だから私にできて親にできないはずはありません。一番子どものことを気にかけているのは親に決まっているからです。子どもの変化に気づくようになったら、どう対処するかを考えるのは当然です。この対処を間違えて問題を大きくするケースが本当に多いのです。
 「学校に行きたくない」と子どもが言えば、一度や二度ぐらいならと、休むことを許してしまう親が多い。行きたくない子を行かせようとすれば反抗するからと逃げてしまったり、いじめがあるのなら学校に行かせなければ問題は起こらないと考える。
 しかし、実際には学校を休ませたところで何も問題は解決しません。それは原因が自分の子ども自身にあることが多いからです。子どもは学校に行かなくていいんだと都合よく考えしまいます。いったん楽を覚えてしまった子どもを学校に行かせようとすることはとても難しくなってしまいます。
 「学校に行きたくない」と聞いたら、真剣に子どもと話し、原因をはっきりさせることです。「不登校になんかなるわけがない」という楽観的な考えは捨てることです。
 子どもとただ話をすればいいというわけではありません。私が見てきた親に多いのは「学校に行きなさい」です。これでは、あまりにも表面的です。子どもの意見は聞き入れられず、強制ばかりする親だと、子どもから敬遠され、悪い方向に行くこともあります。
 変化に気づいたら、とにかく声をかけてあげる。そうすれば必ず反応がでます。親からまずアクションを起こすことです。子どもからは待っていても期待できません。
 ひきこもりの子どもというのは家族に対して不満を持っていることが多い。なぜ自分の気持ちが分かってくれないのだという不満です。「何のために勉強するのか?」「何のために朝起きるのか?」そういったものがないからひきこもっているのです。
 表面的なものだけを見て注意するのは本人とってこれ以上つらいことはない。「何のために」を作ってあげるために、希望のある話をしてあげ、いろいろなものを見せてあげることです。親が自分の経験で楽しかったことや社会の中に出て興味を持ったことなどを話して、雑談でもいいから本人の話を聞いてあげる。何に興味を持っているのか、まず聞き出すことが最初で、それがわかったらどんどん興味のある話をしてあげます。
 「何のために」ができれば、そうなるためにどうすればいいのか教えてあげれば、子どもは話を聞くようになるのです。子どもはみんな、親だけは自分の味方であってほしいと思いっています。
 まず一番大事なことは「何のために」という希望や目標を作ってあげ、やる気にさせてあげることなのです。それがないうちはいくら注意なんかしてもムダだと思っておいたほうがいいかもしれません。「何のために」というところに注目して、愛情を注いであげれば子どもは必ず親のところに戻ってきますよ。
(
伴 茂樹:心理カウンセラー。不登校、引きこもり、家庭内暴力などを解決するために、全国から青少年を預かり、私塾を40年以上営む。教育の中にゴルフを取り入れるというユニークな方法で、立ち直らせた子どもは1000人以上という実績を持つ。青少年育成クラブで子供たちの教育指導を行っている。講演、TV出演多数)

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子どものしつけに悩む親が多い、しつけをするときに親が大事にすべき考え方とは 

 不登校に至る原因の多くが親子関係、特に母子関係に根ざしています。では、その母親にすべて責任があるのでしょうか。また、教師の間でよく家庭の教育力が低下してきたと言われますが、それも本当なのでしょうか。
 私は違うと思います。どの家庭も、どの母親も子どものためを思って一生懸命になっている、よい家庭であり、よい母親なのです。しかし、何か親と子どもの間にボタンの掛け違えがあるように思います。歯車がどこかでかみ合っていない、そんな状況なのです。親子関係を再構築することが必要だと私は思います。親たちのために、何か役立つことはないかといつも私は考えていました。
 このごろ、わが子は何を考えているのかわからず心配だ。問題を起こしたらどうしよう。教師だった私は、こういった多くの親の悩みに接してきました。子どもの「しつけ」をどう考えておこなえばよいか、悩み不安を持つ親はたくさんいます。子育ては、子どもに対する厳しさ、優しさ、甘さ、辛さ、どれもさじ加減が大事だと思います。
 
「しつけ」をしようとするときに、大事にしなければならないと思う考え方を私は下記のようにまとめました。つぎの中から、子どもを「しつけ」育てるヒントになるようなものがあれば、これ以上の幸せはありません。
(1)
優しさをもたせる
 自分を取り巻くすべてのものや人に優しさをもつことは、人間として生きるための一番大切なことです。家族内で助け合う姿を見せましょう。家族が「ありがとう」「ごめんなさい」をお互いに言いましょう。
 食事をできだけ家族で一緒に食べ「いただきます」「ごちそうさま」と感謝の心をもち、楽しく話をしながらとる食事は子どもの体も心も成長させます。
 夫婦仲良しは子どもにとっても快いもの。「お父さんのこんなところが好きなの」と言う母を子どもは大好きになります。親はきょうだいどの子も抱きしめましょう。親の愛情を受ければ今度はその愛情を周りに分け与えることができるようになります。
(2)
強さをもたせる
 行動に移す強さが必要です。母親のほめ言葉は子どもとって何よりのごほうびです。ほめ言葉ほど、子どもをやる気にさせ、つらいことを乗り越える力をもたらすものはありません。
(3)
社会性をもたせる
 人間は一人では生きられない。他者と協調性を持つことが求められます。社会性が一番育つのは遊びです。子どもは友だちとのふれ合いを通してたくさんのことを学んでいきます。
 あいさつや笑顔は何物にもまさる社交のツールです。親が使っていれば子どもも自然に交わせるようになるものです。
 子どもは家庭や学校などで認められると安心感が得られて、子どもの情緒を安定させ能力を伸ばします。
 他人を思いやり、自分がされてうれしかったことを人にしてみましょう。人は仕事など常に時間とともに行動しています。寝る前に明日の持ち物を準備しておくなど、何かを始めるときは準備が大切です。時間を大切にすることは、人生を生き生きとさせることになります。
 言葉はその人を表します。子どもに使ってほしいと思う言葉を母親がまず使いましょう。悪口をやめ、敬語を使いましょう。
(4)
意志をもたせる
 子どもには安心できるところが必要です。失敗したときは母親の胸に帰ればいい。そういう安心感があると、積極性が身についていきます。
 子どもは本来、すごいエネルギーを持っています。踏みだすことができないのは、慎重な性格なだけです。心が強ければ、強い意志をもたせます。
(5)
信じ合える心をもたせる
 人を動かす力は誠実な態度です。人から信頼されるには、人を信じて思いやる態度が必要です。友人こそ人生に最高の宝物です。よほど危険だと思われるとき以外は、どんな友だちでもわが子の成長のためだと思って見守りましょう。
(6)
責任を持たせる
 人に迷惑や気分を悪くさせるかもしれないときは「これはだめ」と厳しく禁止しましょう。お金を大切にし、貸し借りをさせないようにしましょう。約束は守る。自分で考え判断し行動し責任を持つ力をつけさせましょう。
(7)
目標をもたせる
 夢をもつことは生きる勇気になります。目標はすべての行動の引き金であり、続けるエネルギーになります。思い通りにいかなくても耐えていけるに違いありません。
 遊びで「勝ってもいばらない、負けてもふてくされない」を学びましょう。
(8)
知恵をもたせる
 親の価値観はしつけと同じで子どもに押しつけてもよい。親は子どもの前にそそり立つ価値観の壁になってほしいと思います。それに沿って歩いていくか否かはその子どもによります。
 できるだけ本物の芸術に触れさせて、子どもに感動する機会を与えてください。
(9)
感謝の心をもたせる
 感謝の心をもっている人は、楽しんで生きています。「みんなのおかげ」と思えば「この喜びをみんなで分かち合おう」と思うものなのです。
 たくさんの人たちによって支えられて生きていることに気づき感謝する気持ちがあれば、何か自分でできることで恩返しがしたいと思うようになります。
(10)
命を尊ぶ
 「お母さんとお父さんのところに生まれてきてくれて、ありがとう」と、親に言われると、生まれてきたことに喜びを感じます。自分を大事しようと思う感情がうまれ、よりよく生きようとします。
(
水田 均:1962年徳島市生まれ、公立学校教師、教育委員会指導主事を経て、心理カウンセラー。不登校・保護者サポート・心的外傷成人の心理療法を行っている)

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子どもを日ごろから把握し、いじめや不登校にならないようにするにはどうすればよいか

 子どもは日々変容していて、友だちとの関わり方も変わっていく。この子はこういう子だと思い込みがちである。
 それをなくすために、担任として子どもを観る視点を明確にして記録を取る。例えば、授業・休憩・給食・清掃時等で担任が観て「オヤャ」「ナルホド」と思ったこと、行動に変化が生じた具体的な場面や例、個人とまわりの人間関係等を座席表に書き込む。それを一週間ごとに、一人ひとりの子どものカードに書き込む。一か月ぐらいの期間のものをまとめて読み直して指導に生かす。
 しかし、子どもの今のありのままの姿を知るには、日常の子どもの興味や関心、流行についていけなくては時代遅れの先生と言われてしまう。例えば、子どもに人気のあるテレビ番組・タレント・まんが家・歌・歌手・遊び・遊び場所をどれくらい言えるか。
 いじめの把握は大変むつかしいが、教師はいつもアンテナを高くして子どもの送る信号を敏感にキャッチしなければならない。例えば、休憩時や放課後、子どもの不審な動きや遊び方、落し物、破損個所がないか調べる。机や壁、ロッカーなどに特定の子どものあだ名や悪口などは大事な信号。ふだん行かないところに級友と出入りしている。ふだん遊ばない子と一緒に遊んでいる。いつもと違う落ち着かない顔色や様子。仲間遊びをしているが動きや表情がさえない。プロレスごっこやボール遊びで特定の子に強く当てる。特定の子どもをからかう。
 不登校に至るまでに親や担任に何らかのサインをいつもよりは強く送っているときがある。心の不安や悲しみ、苦しみが表情や行動に出るのである。その子の立場で対応できれば未然に乗り越えられる。例えば、学校の話題をもち出さなくなる。楽しくやっていた遊びをしなくなる。しぶしぶ行動する。遅刻・早退・保健室へ行く回数が増える。忘れ物が増える。学習への集中力がなくなる。友だちと遊ばなくなる。係活動に参加したがらない。
(
塚田 亮:元東京都公立小学校長)


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親が子どもの壁になり、子どもの前に立ちはだかることはとても大切です

 親が子どもの壁になることは、とても大切なことなのです。親が子どもの壁になることは、子どもの自主性に反することでは決してありません。
 たとえば、反抗期に父親が子どもの前に立ちはだかると、当然子どもは反発します。しかしながら、子ども側からすれば、反発をしながらも、実はホッとしているところがあるんです。それは、不登校をおこす子どもの多くに、その壁が不在であったことからもわかることです。
 不登校をしている子どもの親というのは、真摯に子どもを受けとめていなかった可能性があるということです。
 子どもを真摯に受けとめるというのは、欲しいものを買ってやったり、行きたいところへ連れていってやったり、勉強を教えたりすることだけではありません。
 その反対に、「これは、本人のためにどうしても許せない」といったところで、父親が壁になることも、とても大切なことなのです。
(
高橋史朗:1950年生まれ、臨時教育審議会専門委員、埼玉県教育委員長などを歴任し明星大学教授。親学推進協会理事長、師範塾理事長、感性教育研究会会長)

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不登校・ひきこもりを克服するかぎは何か

 不登校・ひきこもりは、子ども自身の精神的・性格的な問題に起因している。しかし、親・教師など子どもにかかわる大人たちの問題が、弱い存在である子どもを通して現れたもので、実は大人の問題なのである。まず、大人たち自身が自分の生き方をもう一度見つめ直すことが必要である。
 子どもが不登校・ひきこもりになるきっかけは一人ひとり違う。一人ひとりの子どもに寄り添いつつ、親、教師がともに悩み、考え、お互いのものの見方、考え方を振り返りつつ、行動のあり方を改めていくならば、子どもは必ず自分の足で歩いていけるようになる。
 子どもが自分自身の問題から逃げて、ひきこもっている場合には、それを乗り越え、強く成長していってほしい。そのためには、親があきらめず、子どもを自立させるという目標をもって、子どもと向き合うことが必要である。そして、教師は親を支える役割を担ってほしい。
 親と教師が問題を解決するために次の三つのこと私なりに考えたい。
(1)
子どもの良いところを見つける
 日々ともに生活していると親は子どもの良いところが見えなくなってしまう。教師が子どもの良さを見つけ、失われた自信を親に取り戻させる援助をして、親を支えることで親の気持ちは楽になる。
 子どもへの親の見方が変わることによって、家庭の雰囲気も変わっていき、子ども自身も変わってくる。
(2)
教師による家庭訪問
 子どもが休んだ場合、二、三日以内に家庭訪問することが大切である。
 また、不登校が長引いた場合、子どもと仲よくなることを第一の目的に家を訪ねるとよい。仲よくなると子どもの心に安心感が生まれる。この先生と一緒なら学校に行けるかもしれないという気持ちが芽生えると、学校復帰のチャンスにもなる。
(3)
生活をともにする
 子どもを育てていくうえで、他人の釜の飯を食べさせるということはとても大切なことである。
 開善塾では、合宿を行っている。ひきこもっていた家を離れ、自然豊かな土地で、仲間と助け合いながら食事をつくり規則正しい生活ができるようになると、子どもは徐々鍛えられ、学校や社会に戻っていく。
 親も教師ももう一度自分自身を振り返ってほしい。自分が幸せかどうか。自分が幸せだと思える大人に囲まれてこそ、子どもは大人になることにあこがれ、将来への夢や希望をもつことができる。
 だからこそ、私たち大人は困難に出会っても、それを乗り越え、生きていく姿を子どもたちに見せたいものである。不登校やひきこもりの子どもたちが、私たち大人の生きる姿勢を映す鏡であることを忘れてはならない。
(
藤崎育子:1966年生まれ、埼玉県にある開善塾教育相談研究所相談部長、埼玉県教育委員)

 


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不登校の子どもを約1カ月で教室に戻すことができる

 金澤純三は不登校の子どもたちを、だいたい3週間で学校に戻すことができるそうです。
 たとえばつぎのような事例が紹介されています。
 金澤は夜、不登校の子どもと遊ぶために家を訪問します。目的はその子どもと人間関係をつくるためです。夜に訪ねるのは、長いあいだ学校に行っていない子どもは、たいてい昼夜が逆転しているからです。
 しばらくしてから、夜ではなく朝に訪ねるようにします。そうやって朝、子どもと対話できるようにしていきます。
 そして夜中の12時頃に、不登校の子どもを自動車に乗せて5分ぐらい、学校とは別の方向に連れ出します。たいていの親は反対します。しかし、夜中の12時にたった5分、車で外出しただけで、子どもは「やった!」と言って帰ってくるのです。そのことにより、勇気も湧いてくるのです。
 夜中の5分間の外出に成功しますと、10分、15分と、どんどん延ばしていくわけです。
 それができるようになると、おりを見て、休日登校させます。誰もいない学校に行かせるのです。そこまでいくと、今度は保健室登校ができるようになります。それも、最初は5分で帰します。絶対に無理をさせません。そうした中で、いかに不安感を取るかという「心のキャッチボール」を、子どもとするのです。
 それもできるようになると、担任の先生に必ず出席を取ってもらいます。それは、学校に来たという肯定感を、たった5分でも与えるために必要な演出です。
 そのつぎに、友だちが保健室まで来て、「おはよう」とだけ言って帰させます。そうして、子どもに「これで、いいんだ」という自信を、少しずつ植えつけていくのです。
 やがて、友だちみんなに遊びに行かせます。遊ぶ時間も、少しずつ増やすようにします。
そのようなことを少しずつやっていって3週間後、その不登校の子どもは教室に戻ることができました。これまでこのようなケースは、600件ぐらいあったそうです。
 小さな成功体験を少しずつでも積み重ねていくことは、やはりとても大切なことなのです。
(
金澤純三:開善塾教育相談研究所長。行動療法的アプローチを主として神経症的登校拒否児・生徒への援助指導法の研究・開発に取り組んでいる)

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どのようにして子どもたちは不登校になるか

 人は自己が危うくなると、逃げる(引きこもる)か、反逆(闘う)するか、もろく弱くなる。
 子どもたちにとっても人間関係は難しい。気をつかったり、強がったり、飾ったりすることで、保たれている。
 家庭に離婚、アルコール依存症など親に問題が起きれば、たいていの場合、まず子どもたちが一番の被害者になる。そして情緒不安定になりやすくなる。子どもは両親の仲が良いと最も安心する。
 しかし、問題がない家庭でも、親の関心が家の経済、子どもの成績というふうだと、子どもたちは人間よりもテレビ、ゲーム、ケータイにのめり込む。
 ケータイは、コミュニケーションの質に変化をもたらした。人と人とが、表情、態度、声の調子などを通じて感情を交流することが少なくなった。人びとは、だんだん共感するのが苦手となり、自己の思い込みや推測で交流することが多くなった。
 不登校の子どもたちは、自信の喪失、他者への不信・恐怖で、人間関係を閉ざしている場合が多いのである。
 子どもたちの多くは、教室へ行こうとしないのではなく、行けなかった。彼らにとっては保健室が唯一の居場所だが、長い時間そこにいると、担任教師から教室へ行くように促される。どうしても教室にいけない子にとっては、やがて保健室も居場所でなくなる。
 親も学校へ行かない子どもを怒り悲しむ。そうなると、彼らにとっては、家も安住の場所ではなくなってしまう。典型的な社会への不適応で引きこもりになるケースも多い。
 このような家庭では、父親が寡黙あるいは一方的であることが多い。父親の多くは会社で我慢しながら働いているので、家庭では機嫌が悪い。子育ての中心を担う母親は子育てを任せられて不安が強い。子どもに保護的あるいは支配的。
 そんな家庭に育ち、学校で能力や人間関係に自信をなくし、他人と快適に過ごすことができなくなり引きこもってしまうのである。
(竹内小代美:日立製作所、大分県立高校英語教師、医科大学卒業しクリニック開業、青少年自立支援センター立ち上げを経て大分県議会議員)

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