カテゴリー「同僚・管理職との関係」の記事

管理職と協力関係をもち、信頼される教師になるには、どうすればよいのでしょうか

 教師になる前に会社員だった私にとって、上司への報告は必要不可欠だった。
 どんな小さなことでも、短く報告することの大切さは、身にしみていた。
 何かあったとき、最終的な責任を負うのは、やはり上司であったからだ。
 この
「たった一言の短い報告こそが、職場でのコミュニケーションをつくり、信頼関係をもたらす」
のである。
 雑談で相手の考えや、今まで知らなかった一面が出てくることもある。
 しかし、多くの場合、仕事そのものを通してコミュニケーションがはかられ、一緒に仕事をする中で信頼関係がつちかわれていった。
 私自身も、その仕事ぶりこそを判断材料にした。
 私は幸いなことに職場の人間関係で悩むことがあまりなかった。
 私は、今までに3校の学校に勤務した。
 5人の校長先生と教頭先生、合計10人と出会った。
 意地悪をされたことは一度もない。
 ある校長先生は、私の研究授業の協議会でわざわざ司会をかって出て下さった。
 指導案を机に置くと、どんなに忙しくても、必ず見に来て下さった校長先生もいらした。
 私は、いつも、どの管理職にかわいがっていただいた。
 私は、何をしたか。
「特別なことは、していない」でも、
 朝は「おはようございます」
 帰りは「失礼します」
 年休は「年休をいただきます」
 途中で帰るときは「申し訳けありませんが、今日は失礼します」
と挨拶をした。
 教師と子どもの関係も一緒だ。
「教師と子どもの信頼関係は、その中心的活動である授業で作られる」
 子どもは、教師をその「授業」で判断する。その判断はかなりの確率で正しい。
 授業は子どもを変える。
「できないことを、できるようにした、たった一つの授業」
「わからないことを、わかるようにした授業」
は、子どもを変える。
 授業を中心にした誠実な仕事があるからこそ、私は県の研究会の授業をさせていただけることになった。
 校長先生から打診があった。
 私は「校長先生が向井にとおっしゃっていただけるなら、謹んでお受けいたします」と答えた。
 授業を確実におこない、与えられた仕事を責任をもって果たし、社会人としてのマナーを守る。そして、それを続ける。
 これこそが、信頼関係の第一歩である。
 誠実な仕事とおこないは、何よりも力となる。
(
向井ひとみ:兵庫県公立中学校教師
)

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学級が指導困難になり親の抗議で新任教師が自殺し、裁判で公務災害に認定された事例とは、どうすれば防ぐことができるのでしょうか

 私が何人かの自殺されてしまった教職員の事例を見てきた中で感じるのは、同じ学校の職場がつちかうべき「共同性」の大切さです。
 窮地に陥っている教師がいたとき、親身になって助けられなくてもいい、助けられるような人のところに、きちんとつなぐというバトンリレーが働いているかどうかが重要です。
 それさえも無くなったときに、職場にギスギス感が漂い、教師が孤立感と絶望感に立ち尽くしていても、職場がそれを見殺しにするという最悪の事態に陥りかねません。次のような事例があります。
 2004年9月に、静岡県の小学校4年の担任である新任の女性教師が、自らの車の中で灯油をかぶって焼身自殺をしました。教師になってわずか半年後のことでした。
 授業がうまくいかない、指導が難しい子どもが何人もいる。それに、上司や先輩教師たちからの激しい叱責、職員室の希薄な人間関係が、孤立へと追い込んでいきます。
 職場の同僚教師は言います「隣の教師の悩みを、この1年知らないこともある」「悩みを打ち明ける時間もない」と。
 相手も忙しいから、自分の相談を持ちかけるのは申し訳ない、という気持ちが働き、距離ができてしまうのだろう。孤独状態は、あっという間に孤立感に変化する。
 自殺した教師の携帯には「子どものことは大変だし苦労するけど、一部の先生の言葉や態度に傷つく。苦しめられる」と残されていました。
 子どもや保護者対応に悩んでも、職場の雰囲気さえよければ、言葉が交わされ、会話も生まれます。
 新任の女性教師は日々の対応に困惑する中でうつ病を発症していました。事件の前日に、子どもの母親からの指導に対する抗議の手紙を受け取り、その翌朝に自殺しました。
 両親は娘の死を無駄にせず、若い教師が誇りと安心をもって働けるような状況に職場を見直す必要があると、公務災害認定を申請しましたが、棄却されたため静岡地裁に提訴しました。
 判決は、自殺について本人の性格上の脆弱性を否定し、当初から子どもの問題行動が相次ぐ中で、職場の支援体制が不足していたことを指摘し「公務災害であった」とする勝訴判決でした。
 判決では
「着任してわずか1か月半の期間に、数々の問題が解決する間もなく、立て続けに生じた点に特徴がある」
「状況が改善される兆しもなかったから、新採教員には緊張感、不安感、挫折感を継続して強いられ、強度な心理的負荷を与えた」
「こうした状況下では、当該教員に対して組織的な支援体制を築き、他の教員とも情報を共有した上、継続的な指導・支援を行うことが必要である」
「にもかかわらず、学校側は問題の深刻さを認識せず、また疲弊し続けていたことは十分察知できたにもかかわらず、情報が、周囲の他の教員と十分な支援が行われていたとは到底認められない」
として公務災害と認定しました。
 教師の病気休職の第1位は精神性疾患で大半はうつ病です。さまざまなストレスが精神性疾患の背後にあります。
 仕事の多忙化、人間関係のストレス(子ども対応、保護者対応、職場の人間関係)が、いまの学校の教師に覆いかぶさってきています。これに不眠状態が加わると事態は一変します。
 睡眠薬を飲んででも寝ることは、決して悪いことではありません。
 精神科の医師は「グチをこぼす」ことが重要だと言っています。先生方にお願いです。グチをこぼす場を3つ作ってください。
(1)
家族
 親でも、奥さんでも旦那さんでもけっこうです。家族が聞いてくれるだけで、どれだけ心が晴れるかが、わかります。
(2)
職場の同僚
 仲が良い、悪いなど様々あるでしょうから、3~4人でもけっこうです。飲み屋さん等で話をすることも決して悪くはありません。
 ただし、周りに他の誰かいないかをよく確かめてから話をするようにします。
 他人に話をするときは、コトのあらすじを整理しなければいけません。それが大事です。
 すると「本当は、あのお母ちゃんの思いは、ここに有ったんじゃないかな」とか「あの父ちゃんの願いは別のものだったのかもしれない」と気づくことがあるのです。
(3)
職業の違う友人
 飲み屋の大将、美容院のママさんなど、気のおけない関係を2,3人つくっておくことです。するとこう言ってくれます。
「先生も大変やな。でもな、あんたの悩んでいること、私らから見たら、どうでもええことで悩んでいるように見えるで(笑い)
 そうです、自分の姿は自分ではわかりません。鏡となるものを置いてこそ、はじめて自分の姿が見えるのです。
 先生、よく寝てください。多少教材研究が中途半端でもええじゃないですか。
 朝、子どもたちに「〇〇くん、おはよう! △△さん、元気?」と、はつらつとしていること、それが大事です。
 学校に登校して、先生方が元気じゃなかったら、誰が大人になろうと思いますか。先生方は大人のモデルです。未来への希望の光なのです。
 教師としての最大の資質は「はつらつとしている」ことです。
(小野田正利:1955年生まれ、大阪大学教授。専門は教育制度学、学校経営学。「学校現場に元気と活力を!」をスローガンとして、現場に密着した研究活動を展開。学校現場で深刻な問題を取り上げ、多くの共感を呼んでいる)

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同僚教師と共に生徒を指導し育てるには、どうすればよいのでしょうか

 私は新卒から数えて現任校は三校目である。それ相応に問題に直面し、頭を抱かえ、右往左往しながら行動に移すと失敗し、その繰り返しから学び取ってきた。
 私の校務分掌は研修係である。これまでの学校でもこの係を多く担当してきた。同時に生徒会係も多く担当してきた。
 研修係は教師集団を統率する「上からの係」であり、生徒会係は生徒集団を統率する「下からの係」であるという持論を持って私は組織を動かしている。
 両者に共通するポイントとして「教師や生徒にきっかけを与え、行動をうながす情報を与える」ことである。
 私たち教師は、ほんの小さな「きっかけ」によって意欲がわくことがある。例えば、同僚教師の失敗談を聞いたときがそうだ。また、授業のコツをこっそり聞いたときである。
 さらに、行事や部活動に力を発揮する教師から生徒を育てるポイントを聞いたときだ。
 このように、ほんの小さな「きっかけ」が与えられることで、多くの教師は意欲的になる。
 最近の子どもたちは、自己中心的で巻き添えを食らわないよう、無関心さをよそおう。
 私は、そうした学級の雰囲気を感じ取った場合、問題意識を持つよう誘い、解決の筋道を考えさせる。
 解決策として、副担任や教科担任など学年の教師の力を借りるとよい。担任ひとりで学級経営のすべてを取り仕切るべきではない。
 生徒の荒れには組織化された教職員の組織体制で臨むべきである。
 では、どのような組織体制で臨むべきか。
 役割分担に基づいたキャラクターを演じることで、生徒にバランスよく接していくべきである。
 母親的役割をする母性教師がいて、厳しい叱り役の父性教師がいて、お兄さんお姉さんのようなチャイルド教師がいる。
 そうしたバランス関係のもとに日常の学校生活を過ごすことができれば、子どもたちもストレスを抱えず、他者理解なり自己表現がスムーズにできるはずである。
 ところが、そうした役割分担がなされていない学年や学校の場合、荒れる生徒が生まれてしまう。
 教師は忙しい。しかし、ここ一番、生徒について一緒に活動しなければならない時、このチャンスを逃がしてしまったがために教師への信頼感を失わせてしまった経験などは、誰にもあることだろう。
 自分が生徒と一緒に活動できない場合は、役割分担したチームワーク指導で、別の教師に生徒についてもらえばいい。
 私は校内では、主として父性教師である。しかし、時には母性教師にもなるし、チャイルド教師にもなる。
 一人の教師が時に応じ、機に乗じ役割を変化できるようになれば、生徒の力をまた違った形で伸ばすことができるだろう。
(
山下 幸:1970年北海道生まれ、北海道公立中学校教師)

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職員室での同僚教師との豊かな人間関係は、心の支えになり、子どもの指導に生きる

 私がまだ20歳代だったころ「職場は仕事をするところ。同僚とおしゃべりをしたり、お茶を飲んでくつろいだりするのは、無駄なことだ」と考えていました。
 だから、放課後は自分の教室でテストのマル付けや環境整備をして過ごしました。
 職員室に帰っても、学級通信を書いたり事務仕事をしたりするなど、無駄な時間を過ごしたという記憶がほとんどありません。
 若い頃に勤務していた学校は、子どもたちが落ち着いていて保護者も学校に理解があったので、それで通用していたのだと思います。
 ところが、その後、転勤して勤めた学校は、子どもや保護者が様々な問題を抱かえている学校でした。
 子どもの指導は思うようにいかないので、自信を失うことも多々ありました。放課後になれば、保護者からのクレームが続きました。
 ある日、私がクレームで来校した保護者と夜遅くまで話し合いをして職員室に帰ってくると、同じ学年の先生方が残って私を待ってくれていたのです。
 先生方は、心配そうに「あの保護者は昔からこうなんだから・・・・・」「子どもは近所で、こんな様子らしいよ」などと、声をかけてくれました。
 私はその瞬間、張りつめていた気持ちがやわかぎ、心配して待っていてくれた同僚たちのあたたかさが心にしみました。
 それまで職場の同僚の先生との人間関係をないがしろにしていた自分の至らなさに涙が止まりませんでした。
 何か問題があった時、同僚の先生のサポートがどれだけ心強く、頼りになるかを思い知らされた一件でした。
 日頃の同僚の先生とのなにげない会話の中にも、子どもや保護者、地域を知る貴重な情報があることに気づくことができたのです。
(
中嶋郁雄:1965年鳥取県生まれ、奈良県公立小学校教頭。子どもを伸ばすためには、叱り方が大切と「叱り方&学校法律」研究会を立ち上げる。教育関係者主宰の講演会や専門誌での発表が主な活動だったが、最近では、一般向けのセミナーでの講演や、新聞や経済誌にも意見を求められるようになる)

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教師の職員室での人間関係は、どういった様子なのでしょうか

 教師は、お互いを「○○先生」と呼び合う関係上、一般企業ほど、露骨に関係がこじれたりしないのが普通ですが、それでもやはり職員室という小さな部屋の中での人間関係はさまざまです。
 職員室の人間関係もそれなりに複雑ですから、先生たちは同僚に対する不満をだれにでもぶちまけてしまうわけにはいきません。
 でも、本当はいろいろと言いたいことは山積みのようです。温厚に見える先生ほど溜まっているストレスは多いようです。
 子どもたちとの関係がよければいいのですが、子どもたちともうまくいかなかったら、悲劇。逃げ場がなくなり、へたをするとノイローゼになってしまうでしょう。
 中学校から小学校に異動して、保護者があまりにもうるさいことに閉口する教師がいるように、教師の最大の敵はストレスと言って過言ではない。
 教師と管理職との関係も、私立と公立では違ってくる。私立において、管理職は絶対。へたをすればクビを切られてしまうのですから、滅多なことはできません。
 一方で、学校に利益をもたらす能力があれば、学校側も少々のことには目をつぶるという能力重視の一面もあります。
 それに対して、公立の教師はあくまで公務員なので、管理職から嫌われてもクビの心配はありません。
 ですが、出世は別。出世するためには、校長の覚えがよくなければダメ。小学校では1校の教員数は少なく、比較的若くして管理職になるのも可能なので、出世競争も露骨に行われます。
 また、女性の教師が管理職になりやすいという面もあるので、女性の教師も率先して仕事を引き受けます。
 中学校でも、出世する、しないはシビアな問題。管理職になれば、かなり仕事も軽減され、威張れるということもあって、少しでも早く管理職になりたいと思うものだからです。
 ただし、女性の管理職は少なくなるため、女性の教師で出世競争に参加する人は少なくなります。
 最後に高校ですが、学校数が少ないため、管理職になれる人数に限りがあります。管理職になれなくても当たり前、みたいな開き直りがあります。
 教師の宴会はベテランになると、酒が入らないうちに、偉い先生のところには、一気に注ぎに行ってしまうのも常套手段。
 教師というのは、本質的に細かくいろいろなことを覚えているものなので、自分のところに誰が来たのかを、よく覚えているもの。
 そういうことを見越して、先手を打って行動にでるのです。
(
上田 浩:公立高校教師10年を経て、教育ライター)

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教師を取り巻く過酷な現状とは、保護者対応など、どうすれば解決できるか

 「教師を支える会」の代表である私は、いろいろな学校現場の先生方の悩みをカウンセラーとして十数年間、お聞きしてきました。その中で感じるのは、現代はまさに「教師受難の時代である」ということです。
 学校の教師でうつ病にかかる者の割合は、一般企業の2.5倍にものぼると言われています。教師を追い込み、メンタルヘメスを悪化させてきた背景には、つぎの要因が相互に絡み合っています。
1 多忙さ
 いろいろな学校を見ていても、教師が放課後に子どもとゆっくり話し込んだり、勉強を指導して語り合ったりという場面はほとんど見られません。
 多くの先生方は「もっと子どもとふれあう時間が欲しい。けれども忙しくて時間が確保できない」と言います。それほど多くの書類に追われているのです。
2 学級経営、生徒指導の困難
 小学校の学級崩壊が話題になったのは1990年代半ばです。その頃から子どもたちの間に「わがままを貫き通せば先生は言いなりになるんだ」という風潮が高まってきました。
 その原因のひとつに、教師の指示を聞けない子どもが増えてきたことが挙げられます。その背景には、子どもたちの「どうせ私なんか」と自分を卑下する自己肯定感の低下、心の脆弱さがあります。
3 保護者対応の難しさ
 教師たちの大きな悩みのひとつとなっているのが、保護者対応の問題です。「教師を辞めたい」と訴える先生方の悩みの約7割は、保護者との関係の悪化がなんらかの仕方で影響しています。
 特に20歳代の若手教師や、50歳代のベテラン教師に対する視線には厳しいものがあります。集中攻撃を受けた教師は、たまったものではありません。精神的にボロボロになっていきます。
 
「それは、あまりにも、ひどい。相手が教師だったら、何をやってもいいというのか。教師も、人間なんだぞ」
 教師の悩みを聴いてきたカウンセラーとして、これまで、そんな怒りを感じずにいられなかったことが何度もありました。
 今や「保護者と良好な関係を作ることができる」「難しい保護者にうまく対応できる」ことが、教師人生を続けていくうえで、不可欠な能力となっているのです。
 学校に批判的な親の対応においては「関係づくり」が何より重要です。まじめな教師ほど「正論」で説得しがちです。その結果「わかってくれない」と敵対心を募らせます。
 まずは、じっくりと話を聴き「この先生は信頼できそうだ」という気持ちを抱いてもらえるまで、ねばり強く対応することが重要です。
 クレーマーの大半が「傷ついている親」で、内心は「被害者感情」でいっぱいなのです。したがって「自分は大切にされているかどうか」にひどく敏感です。
 こうした心理を敏感に感じ取って「大切にされている」という感情を抱いてもらうように対応することで、攻撃が緩和されていくことが多々あります。
 関係づくりができたところで「いっしょに考えていきましょう」と、共に問題解決を考える姿勢を打ち出していくようにします。
 さらに信頼関係が作れたならば「ひとつだけお願いがあるんですけど」と切り出していきます。このような慎重な姿勢が大切です。
 配慮すべきポイントは
(1)
チームで対応すること
 教師と保護者の間で「言った、言わない」と応酬することがあります。チームで対応することで回避できます。
(2)
「できないことは、できない」と明確に伝える
 こじれるケースでしばしばあるのが、保護者の怒りを買うのを恐れて、実現可能性の低い要求に対して、あいまいな回答をすることです。保護者の要求がエスカレートしがちです。
(3)
謝罪すべきことは明確に謝罪する
 謝罪すべきことは、最初に明確に謝罪するほうが、その後の信頼関係の回復につながりやすい。
(4)
話す時間枠を設定する
 保護者からの長時間に及ぶクレームで、メンタルヘルスを崩す教師も少なくありません。最初に「今日は、○○時までしか時間をお取りできないんです」と時間枠を明示することで、面談を進めやすくなります。
(5)
教師の個人情報を守る
 教師の家に保護者が何回も長時間訪れたり、電話したりして苦情を寄せられ精神疾患になったり、家庭崩壊に追い込まれてしまうことも少なくありません。
 教師の人権とメンタルヘルスを守るためにも、教師の個人情報を守る学校態勢づくりが必要です。
4 同僚や管理職との人間関係の難しさ
 今は教師受難の時代です。現場教師の支え合い、チームワークが必要になります。しかし、教師同士のチームワークは弱体化し、教師の支え合いの欠如がメンタルヘルスの悪化に大きく影響しています。
 原因のひとつは、教師の人事考課の問題です。荒れた学校で全教職員が一丸となって成果を上げても悪い評価の教師を出さなければなりません。給与に反映させている自治体においてはひびが入りつつあるのが実情です。
 同僚や管理職との人間関係ができていない教師が精神的に追い込まれていきます。精神疾患による休職教師の約半数が、その学校への勤務をはじめて2年以内に休職している、という事実にも示されています。
 教師にとって、同僚や管理職による支えほど、教師人生の危機を乗り越えるうえで大きな力になります。
 「弱音を吐ける職員室」「支え合える職員室」が、個々の教師を支えます。学級崩壊のような危機的状況にあっても、その問題をみんなで共有できる学校では、共に危機を乗り越えていくことを通して、一人ひとりの教師が成長していけるのです。
 教師には「学級経営の失敗をさらすのは恥である」といった意識が根強い人がいます。しかし、担任が問題を抱え込むと、保護者との関係の悪化などの問題が生じる可能性が高くなります。
 このようなことを防ぐためには、早期対応であり、教師には「上手に助けを求める力」が求められます。それが教師に求められる資質であると考えられます。
 メンタルヘメス不調の教師の多くは「学校で孤立しています」「誰も私の苦しみをわかってくれる人はいません」と言います。
 一人でもいいので「何でも言える人」「わかり合える仲間」を見つけていきましょう。このような仲間の存在こそが、教師人生をまっとうしていくうえで、最大の支えとなるのです。
(諸富祥彦:1963年生まれ、明治大学教授,臨床心理学、カウンセリング心理学、現場教師の作戦参謀としてアドバイスを教師に与えている)

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