カテゴリー「教師の話しかた」の記事

教師の言葉や話し方でクラスは変わる

1 子どもの言葉を聞き逃さないで、気づける教師になる
 毎日の生活の中で、子どもたちの投げかけてくる言葉やつぶやきから、たとえば友だちや家で何かあったなと気づけるようになりたいと私は思っています。
 私は、子どもたちの話やつぶやきを聞き逃さないようメモしています。
2 話や指示は短く話す
 ダラダラと話さず、結論をシンプルに伝えるようにします。
 指示は瞬間的にイメージできる言葉で端的に話します。
 子どもたちの空気を読み、瞬時に判断して、話します。
 子どもたちに良い話をするときは、先に「先生、今からほめたいんだけど」と先にほめることを宣告します。
 予告されれば、教室の空気がサッと柔らかくなり、子どもたちは気分よく話を聞けます。クラスがガチャガチャしているときや、何度も注意される場面が続いているときなどに特に効果的です。
3マンネリを防ぐ
 授業のマンネリ、教室での決まりきった対応は、子どもが予測できます。
 子どもたちに「やっぱり」と思わせていないでしょうか。「やっぱり」の積み重ねは教室の空気の弛緩を生みます。
「え? こんなお題で書くの」といった、「え?」を増やしていくことで、子どもたちの授業への意識が高まるのです。
4 話題つくり
 日頃から、出かけたとき、テレビを見ているときなど、何を見聞しても「これを子どもに話すならこう・・・・・」と考えます。
 こうすれば何でもネタ集めになります。趣味みたいなもので楽しくやっています。話し方の間なども考えてメモすることで、自分の経験値を一つあげることになるのです。  
5 子どもに「ありがとう」と言う
 生きていくうえで効果を実感する魔法の言葉に「ありがとう」があります。
 何度注意してもきかない。そんな状態で注意しても解決しません。そこで登場するのが「ありがとう」です。
 注意する代わりに、例えば、朝あいさつしてくれて「ありがとう」と言うのです。
「ありがとう」を言おうとすることが「その子の良さ」を探すことにつながるのです。
 ほんの些細なことでもいいから、何かその子の良いところはないか、という「子どもの見方」につながるのです。
(森川正樹:兵庫県生まれ、兵庫県私立小学校教師。研究教科は国語科。教師塾「あまから」代表、教師の笑顔向上委員会代表、基幹学力研究会幹事、読書会「月の道」主宰)

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子どもたちの心をつかむため、教師の発声や表情はどうすればよいか

 教師の声は、明るくはっきり、大きな声が基本です。
 教師の熱意と頑張りを子どもたちや保護者に伝えるためのものです。
 教師は、子どもたちの心を揺さぶり、動かしていかなければならない。
 そのため、エネルギーを常に発散させねばならない。
 発声の練習には、顔の表情の練習も加えていきます。
「一生懸命に頑張っている」という表情です。
 教師が楽しんでいる表情です。
 苦しそうではダメです。 
 つまらなさそうでもダメです。
 あくまでも楽しんでいる表情です。
 教師が楽しんでいなければ、子どもたちも楽しめません。
 頑張っていることが、楽しいという姿勢です。
 メリハリが大切ですから、真顔の練習もします。
 そうした表情のメリハリだけで、子どもたちをコントロールすることができるようになります。
 先生の表情から、子どもたちは「あ、まずいな」「先生、楽しそうでよかった」と、読み取るからです。
 早口が悪いのは、聞き取れない、間がないからです。
 間がないと、聞き手の脳の中で、どんどん情報が上書きされてしまうわけです。
 感情を込めた読み方も勉強する必要があります。
 必要に応じて、身振り手振りもして、動き回って語ります。
 教師が子どもたちをしっかりと見て、自分が見られているということを子どもたちに意識させるのです。
「先生は私に伝えようとしている」
「ちゃんと伝わっているかを確認している」
と、一人ひとりの子どもたちに思わせる。
 声以外に最も大事なのは目の動きです。
「目は口ほどにものを言う」というのは本当です。
 教室では、教師はせかせかせず、まんべんなく、子どもたちを見ていくことが重要です。
 極力、子どもたちを均等に見てあげます。
 教師は、子どもたちを目だけで追ってはいけません。身体ごと、一人ひとりの子どもと正対する。肩から向かわなければダメです。
 教師は自分が思っているよりも、かなりゆっくりとしたスピードで、子どもたちを見ないと、伝わりません。
 教師が子どもたちを見ているつもりでも、見ていないことが多い。
 そのコツをつかめば、子どもたちが30人だろうが100人であっても、伝えることができるはずです。
(大矢 純:1966年生まれ、授業学研究所所長。数学の授業や教員育成などの経験をもとに、授業学の確立と普及を行っている。各地の学校で研修や講演、コンサルティングを行っている)

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教師は言葉による指導が大部分、授業を録音して聴いて、言葉の修業をすると驚くほど力がつく

 自分の授業のイメージと、実際の授業にはズレがあります。
 その違いを認識することが、授業上達への第一歩です。
 毎日、1時間、授業を録音しましょう。
 録音したものを聴くと、
「やたらと話が長い」
「くどい」
「説明がわかりにくい」
「えーっを連発する」
「一本調子」
「同じトーン」
「あいまい」
「子どもをほめていない」
など、いろいろなことがわかります。
 聴いていくうちに、
「こんなはずではない」「これは、私ではない」と、ひどすぎ、いやになってきます。
 あまりにも、自分のイメージとかけ離れているのです。
 私は、3年間、毎日聴きました。いやになりましたね。
「なんて、へたくそなんだ!」
「だれだ、おまえは!」
「あっ、おれか」
 このような自問自答を続けました。
 今は笑えますけど、当時は笑えませんでした。
 録音したものを聴くことにより、いろいろなことを発見します。それが大切なのです。
 自分を客観視することができます。自己改革を迫られます。
「子どもが悪いのではない」
「悪いのは、自分だ」
 私は、毎日、気づいたことを直してきました。
 無駄な言葉を省いていきました。
 ストップウォッチを持って、時間を計ることもしました。指示の時間を計ったのです。
 やっているうちに、いろいろなことがわかってきます。
 授業を録音し、聴いてみましょう。
 教師の指導の表の部分は、言葉による指導が大部分です。
 ですから、言葉について修業しましょう。意識して実践すると、驚くほど力がつきます。
 本当に教師は話がへたですね。今までに、うまいと思った方は10人いません。ほとんどの教師が問題外です。
 テレビ番組は、いい教材になります。
 言葉は、自分の意識のあらわれです。ですから、心が変わらないと言葉は変わりません。
(杉渕鉄良:1959年東京生まれ、東京都公立小学校教師。「教育の鉄人」と呼ばれる実践家、子どもを伸ばす為に命をかける熱血教師。ユニット授業研究会代表。その実践スタイルは全国の教師、保護者から支持を受ける。2003年夏、日経スペシャル「ガイアの夜明け」に出演。PHP「VOICE」や、経済誌「プレジデント」での教育シリーズに取り上げられ、各方面からの注目も高い。ユニット授業、10マス計算、表現読み、指名なし発言など、子どもの可能性を引き出すため、さまざまな工夫を凝らした教育実践を行っている)

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子どもの心に届く言葉がけの極意とは

 私は書店で目に留まった本「『AさせたいならBと言え-心を動かす言葉の原理』岩田修著、明治図書、1988年」に衝撃をうけました。その内容を簡単にまとめると、
 指示は直接的なものより、間接的なものがいいということです。
「先生の方をむいてください」と指導するよりも,「おへそをこっちにむけてください」と指導した方が効果的である。子どもたち,特に低学年の子どもたちを教師側に向けさせる,有名な指導言だ。
「大きな口をあけて歌いましょう」と指導するよりも,「熱いジャガイモをほおばるように口をあけて,声を出しましょう」全校合唱を指導する時に,こう指導すると,子どもたちの歌い方がガラッと変わった。これもまた有名な指導言だ。
「○班静かにしてください!」と指導するよりも,「△班の聞き方が素晴らしい。みんなにまねしてほしいな」と指導した方が効果的であること。
 これらの様々なパターンの「魔法の言葉」を明確に方向付け、価値付けをした第一人者が岩下修だ。岩下は,この「魔法の言葉」を「AさせたいならBと言え」と原則化し,多くの教師の指導言を変えていった。
 子どもへの指示は直接的なものより,間接的なものの方がよいということだ。子どもたちの心を「自主的にさせる」指示の開発こそが必要なのである。
 たとえば「忘れ物をしないようにしなさい」「進んで発言しなさい」と、いいたいことを直接いってもダメな場合が、圧倒的に多い。このようにいっても、子どもの行動は変わりません。
 いいたいことを直接いってもダメなのはどうしてか、まとめてみましょう。
 ダメなのは、「中身がわからない、必然性・必要性がない、何かの障害がある」からです。
 ではどうすればよいか。
(1)「イメージを持たせる」ことです
 中身がわからないというのは、具体的にイメージできないということです。
 たとえば、コーダーの指導をするとき、「もっときれいな音でふきなさい」と指示します。
 これではどうしていいかがわかりません。きれいな音とはどういう音なのか、イメージできていないからです。
 見本を見せればいいのです。イメージができます。聴かせればいいのです。まずは、きれいな音とはこういう音だということを教えなければいけません。そうすれば、きれいな音というのがイメージできます。
(2)子どもたちにとって「身近なものに例えて」指示をする
 きれいな音のイメージができても、それだけではダメです。どうやったらきれいな音が出せるかがわからないからです。たとえば、次のように指示します。
「シャボン玉を割らないように、そっとそっと少しずつふくらますようにふいてみよう」
 音がきれいになります。シャボン玉をふくとき、一氣に強くふく人はいませんね。そんなことをしたら、すぐに割れてしまいます。「すーっ」というようにそっとふきます。このふき方が、リコーダーのふき方と似ているのです。
 子どもたちが経験したことがあるもの、つまり、子どもたちにとって身近なものに例えると、子どもは変化します。
 私は「AさせたいならBと言え-心を動かす言葉の原理」の本を何度も何度も読み返しました。
 その内、私の中でおぼろげながら見えていた、子どもたちの心に届く「言葉がけの原理・原則」らしきものが、確信に変わっていくのを感じたのでした。
 岩田修氏は、本の中で、理想とする教師の言葉がけの要素として、次のように述べています。
(1)その子の頭の中に入って、10秒,20秒と時間が経過しても、ゆれることなく同一の像として、そこにある物。
(2)クラス40人の子どもの、どの子の頭の中に入っても、同一の像として、そこにある物。
 この2つを「ゆれないモノ」と定義する。
 そして「AさせたいならBと言え」の言葉を作り出す(Bの言葉を探す)方略として
「ゆれないものの提示により、Bの言葉を作る」
 そして、その「ゆれないモノ」とは「物、人、場所、数、音、色」である。
 また、岩田修氏は、大変多くの事例をあげておられます。
 やがて、私は自分の日常生活の中で何気なく感じていたものまではっきりと「あ、今の言葉は『AさせたいならBと言え』だな」と気づくようになっていきました。
 優れた言葉がけというのは、世の中にはたくさんあふれているものです。
(西村健吾:1973年鳥取県生まれ、鳥取県公立小学校教師。教育サークル「豆腐のような教師になろう」代表)

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教えにくい難しい子どもが今は増えてきています、子どもが変わるハッピー・コミュニケーションとは

 コミュニケーションにつまずきがある子どもに個別指導するだけでは、指導の効果は上がりません。
 その子とかかわりあっている、まわりの子どもたちへの働きかけも必要になってきます。
 担任の先生から「どう対応したらいいのか」という質問を受けることがあります。私は次のような話をします。
 コミュニケーションのつまずきは、やりとりやかかわり合いの最中に起きるため、立ち止まって、整理して、子どもたちに返してあげることができません。
 そこで、エピソードとして集めておきます。
 集めたエピソードの中から「どんな場面でよくつまずいているのか」「どんな言葉かけにうまく対応できていないのか」といった事柄を見つけていくのです。
 つまずきの傾向と対策をいっしょに考えていくようにします。
 つまずきの原因を子ども側に求めがちですが、ちょっとした大人側の配慮で、その場面を乗り越えることができるのです。
 担任の先生にとっては、その子のためと思ってとった行動が、逆効果になったりすることもあります。
 例えば、元気づけようとかけた声の大きさに驚かれたり、スキンシップを図ろうとしたらかえって嫌がられたりすることもあります。
 今は、先生から見ると「教えにくい子ども」、保護者から見ると「育てにくい子ども」が、けっこういる時代です。
 そんな子どもたちに共感し、教師と保護者が手を組んで支援していくことができたら、どんなによいでしょう。
 私がこれまで担任の先生方と考えてきた傾向と対策のいくつかを紹介します。
1 口調を変えて、子どもたちに呼びかける
 相手の耳に届きやすい声、心地よく聞こえる声があります。
 ゆっくり、高いトーンの声は、相手の警戒心を解き「聞こうかな」という気持ちにさせます。
 子どもの反応が薄い、指示を出してもバラバラという場合は、教師の語気が強く、早口になっているためかもしれません。
 また、小学校高学年に通じる言葉づかいが低学年には難しい場合があります。
 例えば「集合、整列」より「ここに集まって、並んでください」のほうが低学年には通じます。
 それから「名前は歌うように呼ぶといい」とも言われます。「鈴木くーん」と抑揚をつけて呼ぶと、子どもの耳に入りやすいでしょう。
 口角を上げれば、一瞬で笑顔をつくれます。
 明るい声は、明るい表情から。このように口調を変え、笑顔をつくるトレーニングをするもの一考です。
2 子どもたちに指示を出しても、その通りにならない
 どうして言われた通りにしないんだろう、と思う場面が学校で繰り広げられています。
 子どもには、具体的に言わないと伝わらないのです。
 例えば「体育は校庭に集合!」と言っても、子どもたちは「朝礼台の前で整列して待つ」ことまで考えて行動していません。
 指示を出すなら具体的に「誰が、どこで、いつ、何をする」を、簡潔で明確な言葉にしていく。すると、期待した状況に近づきます。
3 人の話を最後まで、静かに聞いていられない
「話は長い」とかんじさせてしまう話し方があります。
「だけれど」「なので」のような接続助詞でつないでしまうと、話に切れ目がなくなり、肝心なことが伝わりにくくなります。
 文を短くして、接続詞で話をつなぐといいのです。要点を黒板に書くと、さらに伝わりやすくなります。
4 あいさつを無視する、慰めると反発をかう
 先生が校門に立ち「楽しい学校は朝のあいさつから」と、子どもたちに声をかけることが行われています。
 その時、気になるのは、あいさつを返してくれない子、目を合わさない子です。
「朝から機嫌が悪いなんて、家で何かあったかな」と心配になり、つい「元気ないぞ」と励ましたりすると、子どももますますかたくなにする場合があります。
 声をかけても返事がないときは、目が合っただけでもよしとする。
 目をそらす子には、いろいろな子どもに声をかけながら、一瞬でも目が合ったとき、ニコッとしてあげる。
「目をそらすのは、それだけこちらを意識している証拠だ」と思えばいいのです。
 低学年、中学年の子どもには、スキンシップもお勧めです。
 肩をポンとたたいて「おはよう!」、頭をなでて「今日も学校に来てえらいね」、子どもの目線までしゃがみながら、肩に手を置いて「どうしたの?」とか。
 ただ、これが高学年になると難しい。下手に肩をたたこうものなら「セクハラ」なんて言われかねません。
 また、泣いている女の子を慰めるつもりで男の先生が「何かあったの?」と声をかけたら、それっきり口をきいてくれなくなったという話も聞きます。
 高学年の子には、声をかけていいものかどうか、まわりの子どもたちに聞いたり、養護の先生に連絡する、友だちに声をかけてもらうといいようです。
 そういうちょっと難しい子どもが、今は増えてきています。
 気づかって「ここが難しいの?」と声をかけると、それっきり何もしなくなったりする子がいます。
「先生は教室を回っているから、困ったときは声をかけてね」
と、授業スタイルを巡回型にし、歩き回りながら、それぞれの様子を見て声をかける必要性やタイミングを計るのも一案です。
 そうしていると、やがて子どものほうから声をかけてくるようになります。
5 言葉づかいが乱暴で、いじめにつながりそう
 子どもは流行語や短絡的な表現、「死ね、バカ、うざい」など攻撃的な言葉を使いたがります。
 そういう言葉はひとことですむし、武器になるからです。
 放っておくと、言葉の暴力はどんどんエスカレートしていきます。
「このクラスでは、こういう言葉は使わないし、私のクラスでは許しません」
という宣言を先生がしてくれると、子どもたちは意識するようになります。
 また、保護者会でも、このような言葉は家庭や学校でも使わせないようにお願いします。
「口にしたら、そのとき、すぐに注意しましょう」と、大人たちが毅然とした態度をとらなければ、なかなか改まりません。
(
阿部厚仁:東京都公立小学校教師、特別支援教育コーディネーター
)

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子どもが集中して教師の話をきくように、伝える力を磨くには、どのようにすればよいのでしょうか

 わかりやすい授業は、教師が端的なことばで子どもたちに伝えることから始まります。
 授業を録音し聞いていると、余計なことばが多く、わかりにくいことに気づきます。
「えーっと」「あのー」「前にも言いましたが」と、いちいち前置きが入ることもあり、余計なことばが多々あります。話に集中できない子どももいます。
 授業は短く、端的なことばで、発問・指示・説明をしていきます。端的なことばだからこそ、子どもにもわかりやすい授業になります。
 教師は人前で話す機会が多くあります。そのような時に、短く端的に話す練習をしてみるとよいでしょう。
 例えば、全校朝会で「今週のめあて」を話すことになったとしましょう。
 このとき、30秒ぐらいで端的に話す練習をしてみます。
 最初は、話す内容を紙に書き出してみるとよいでしょう。
 いらないことばも見えてきます。余計なことばは1文字2文字でも削っていきます。すると、わかりやすい話にすることができます。
 端的に伝える力は、一朝一夕では身につきません。意識して練習・実践をしてきた人だけに磨かれる能力です。
 教師は人に見られる職業ですから、姿勢や態度も望ましいものにしていく必要があります。次の3つが自然とできるように意識して練習しましょう。
(1)
声をはっきり出す
 教室の一番遠くの子どもにも、聞きやすい、ちょうどよい大きさで話す必要があります。
 話の最後の方が聞きとりにくいときは、語尾までしっかりと発声すれば、聞き取りやすくなります。
(2)
笑顔で子どもに視線を送る
 自然なやわらかい、微笑んでいる表情をつくるようにします。
 口を少しだけ「い」の形にすると、自然な笑顔がつくれます。
 教師はキョロキョロとせず、子どもにしばらく視線を置き、子どもたちの表情を確認してから、別の方へ視線を動かします。
(3)
腰骨を立てて、自然に立つ
 下肝に力を入れ「りん」とした姿で、腰骨を立て、背骨をまっすぐにして立ちます。
 できているかどうかは、教室の一番後ろの端にカメラを置き、自分の授業を録画するとよくわかります。
 確認するとき、自分が子どもになったつもりで見るとよいでしょう。
 できていないところを1つ、また一つと減らしていくと、1年後には劇的によくなります。
 学校には、すばらしい教師がいるはずです。その教師をよく観察し手本にすることをおすすめします。
 例えば「手の位置」「視線」「どんな表情」か、一つひとつ細かな動作に注目してください。
 また、授業をする前に、鏡の前で練習するのもおすすめです。
 教師は、子どもたちに長い話をすることもあります。
「語り」の技術がある人とない人では、子どもの集中力が違ってきます。
「語り」では説明をダラダラとすることはしません。「エピソード」を語るようにします。 
 エピソードを話すときのコツは「聞き手の頭に映像が浮かぶように話す」ことです。
 つまり「描写しながら語る」「周りの様子がわかるように話す」ことです。
 エピソードを伴った語りで、具体的な状況をイメージさせながら、大切なことを理解させていくことが重要なのです。
 描写の語りは、練習するとうまくなります。子どもを相手に時々、描写を意識して話をするようにしてみるとよいでしょう。
 語りの上手な教師が話すと、長い話になっても、子どもたちは食い入るように耳を傾けます。
(
大前暁政:1977年生まれ、岡山市立小学校教師を経て、京都文教大学の准教授(理科教育)。理科の授業研究が認められ「ソニー子ども科学教育プログラム」入賞)

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自分にしかない武器となる魅力的な話し方をするにはどうすればよいか

 人間、誰でも自分にしかないものを持っています。自分にしかない顔、自分にしかない声、自分にしかない人柄、自分にしかない興味や体験から得た知識・・・・・。
 そんなものが素直に発揮されているのが、私が考える、いちばん魅力的な話し方です。
 そういう自分の武器となるものに気づけるかでしょう。
 気づくには、やっぱり場数が必要です。
 人とたくさん話をしているうちに、自分のこういう話は受けるんだというのが分かると思います。
 それを意識して利用しようとすると、鼻持ちならなくなることがありますが、それは一時的なこと。さらに場数を踏んでいくと、また自然になっていくものです。
 芸人というのは怖いもので、場の「空気」を目で見るというより、肌で感じて対応しているようなところがあるんです。
「今日のお客さまはこうだな」「空気がこう変わったな」ということが、頭で考えなくても分かる。
 その直観を育てたものが何かといったら、やっぱり一つには場数でしょう。
 いろいろなお客さまの前でお話をして、いろいろな状況を経験してきた。その蓄積が瞬発的な対応力、引き出しの多さになっているんじゃないかと思います。
 しかし、ただ場数を踏めばいいというものでもありません。分かりやすく、面白く伝えようという意識が必要ですし、その根底には、人に対する思いやりがなきゃいけません。
 場の「空気」が読めるか読めないかは、一つには思いやりの差です。ふだんから、相手の身になって物事を考えているかどうか。
 思いやりのたりない人が人前で話をすると、自分勝手な話し方をするものです。話というのは、自分が何を言ったかではなく、相手にどう伝わったかが大事です。
 ところが、それが分かっていない人は、自分の言いたいことを言いたいようにしゃべって満足する。
 そういう人がいくら場数を踏んでも、場の「空気」がよめるようにはなりません。
 ふだんから相手の身になって考えられるかということが、人前で話すときの、場の「空気」を読めるかということに関わってくるんです。
 もっとも、どんなに思いやりがあって、ふだんから相手の身になって考えている人でも、経験が少なければ、場の「空気」を読みながら話すことは、できるようになりません。
 と同時に、もっとも大事なのは、毎回、必ず反省することだと思います。
 上手くいかなかったときは、なぜ上手くいかなかったのか、上手くいったときには、どこが良かったのか、どうすればもっと上手くできたのかということを必ず反省する。
 失敗してもいいんです。その失敗をどう活かすかということが本当に大事です。これもふだんからの心がけで「失敗はかならずするもの。その経験を活かそう」とする姿勢が大事です。
(一龍斎貞水:1939年東京都生まれ、 講談師、人間国宝。「講談は守るべきものと開拓すべきものがある」が座右の銘)

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子どもが思わず集中して聞く、話し方の3つの技とは

 子どもに話をするとき、「目線」「抑揚」「ジェスチャー」の3つを押さえれば、子どもたちもグッと集中して話を聞きます。
(1)
視線
 子どもに指示、説明するときは、視線を合わせます。
 子ども一人に2秒くらい視線を置くと「先生は今、私に話している」と思わせることができます。
 視線はNやZの形に動かします。学級の全員を見渡すのに効率的だからです。
 視線を合わせて指示する方法と、視線を合わせないで指示する方法を試してみてください。子どもの注目度がまったく違うはずです。
(2)
声の抑揚、間、声の大小
 自分の指示や説明を録音して、聞いてみてください。
 私が初任者のとき、声が単調だったり、冷たい感じの声になっていました。
 子どもが集中するようにするためには、抑揚(高低)、間、大小をうまく工夫することです。
 文章を読むとき、言葉と言葉の間は、しっかりと間を取るようにします。あるいは、縮めて読むようにします。
 一文の中に、強く読むところ、弱く読むところ、抑揚を意識して読みます。
(3)
ジェスチャー
 話をするとき、ジェスチャーを入れると、多くの子どもに興味をもたせることができます。視覚が優位の子にとって理解しやすい。
 話すときは、ストーリー仕立てにします。
 教師は、その話の登場人物になりきり、俳優のように演技をしながら描写して語るようにします。
 恥ずかしがらずに、表情も豊かにすると、子どももグッと集中します。
 特に生活指導、安全指導には有効です。例えば、
「先生が一昨日、学校帰りに、〇〇道をこうやって歩いていました。(歩くジェスチャー)
「すると、ずっと遠くの方向から、自転車に乗ってくる子が見えました(遠くを見るジェスチャー)
「あっ!(驚く)
(
小声で)「急に、車道にはみ出たかと思うと、すぐそばを走っていたトラックとぶつかりそうになって・・・・・・」
というように、演技、描写を交えて話すと、子どもたちはシーンと集中します。
(
西野宏明:1983年生まれ、東京都公立小学校教師。教育サークル「オリエンタル・レボリューション」代表
)

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教師は、自分を変え、元気をつくり出そう

 私の率直な感想では、一人ぼっちの教師や他の人とあまり交流のない教師は、どうしても暗さがただよっている感じがしてなりません。
 これは教師にとって決してよいこととは思えないのです。なぜなら、子どもは暗い教師をきらいますし、保護者も忌避しがちです。また教師同士でも、前向きなはずんだ関係をつくりにくくなるからです。
 子どもたちは、とりわけ先生の明るい元気な顔を求めているのです。
 教師の中には、生まれつきなのだから、しかたがないとあきらめたり、一人で悩んでいる人が少なくありません。
 私はそういう人たちに「子どもたちのために、自己改造の努力を。努力すれば明るさを身につけられるのですから」と強く言いたい。
 例えば、つぎのようなことを工夫すると、相手に明るさが伝わるのです。
(1)
子ども、保護者、同僚教師と対話するときは、必ず相手の顔(目)を見ながら話すといい。
(2)
相手の話に共感したときは「ふんふん。なるほど」というように、うなずきながら聞くといい。
(3)
自分が話すときは「語尾」を上げて話すとよい。感激が大きく伝わります。
 語尾を上げて話せば誰がやっても相手に明るい雰囲気を伝えます。
 この話を講演でしていたら、20歳代の女性教師が講演を聞いた後、
「鏡を見ながら、一生懸命にやってみたんですよ」
「お風呂の中で、ひとりごとのように言いながら練習してみました」
と、明るい声で話してくれました。努力したことが、自己改造に結びついたというわけです。
 さらに暗さの克服には、相手の心にひびく話になるように内容のくふうをすることも必要です。
 相手に内容がよりよく伝えられるようになれば、人と人との交わりに抵抗がなくなり、孤独感や対人ぎらいも克服できるようになるからです。
 それには、他の人の話を注意深くみつめることが大切だと思います。
 他の人の話を聞いて、どのような内容を選び、どんな組み立てをし、話すときのメリハリをどうつけているかなどを、注意深くみつめるとよい。
 その意味では、先輩や同僚教師は「生きた教科書」としての存在価値をもっていると思います。
 私も、先輩や同僚教師からたくさん学びました。「すばらしい」「心を引かれた」と感じさせられた教師には、話す内容に次のようなポイントがありました。
(1)
感動的なエピソードや子どもの心を引きつける身近な題材を選んでいる。
(2)
結論を先に話し、だらだらと話さないで「短い」話をつなげ、よぶんな部分は省略して、中心となることをもりあげている。
 ということです。これは、教師の日常の授業や生活指導にも必要なことだと思いました。
 例えば、教師が教室に入って、黒板が汚れていたとき、どう話せばよいのでしょうか。
(1)
よくない例
「ほら、黒板が拭いてないけど、黒板係は誰なの」
「早くきれいにしなさいよ。黒板係になったら、責任をもってやるように、いつも言っているでしょ」
(2)
よい例
「あれ、黒板の係は忙しかったのかな。いつもより汚れているね」
「みんなそう思わないか?」
「先生が拭こうかね。それとも黒板の係の人にやってもらう方がいいかな?」
 両者を比べてみると大差はないようですが、受けとる側の子どもたちに聞いてみると、ずいぶん違うようです。
 子どもたちは、(2)の方が「聞きやすい」「やさしい」「明るい感じ」だと言うのです。
 子どもの意識を引きたてるようにくふうされ、結論をさきに、歯切れよく、よぶんなことを省く話し方になっているからです。
 教師と子どもとの結びつきをつくるには、教師の説明などをエピソード(魅力的な小話)風に伝える工夫をするもの大事なことです。
(
坂本光男:19292010年、埼玉県生まれ、元小学校・中学校・高校の教師。教育評論家。日本生活指導研究所所長・全国生活指導研究協議会会員)

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聞き手の反応を分析できるか

 私は「聴衆のつかみ方」(諸星龍著)という本を読んで、次の一節にたいへん感動した。
「熟練した演説家は、場面に応じて話の組み立てや、進行速度をコントロールする。そして、終始聞き手に適応し、密着しようとつとめる」
「そうすれば、聞き手は羊のようにおとなしくついてくることを知っているからだ」
「不用意な話し手が失敗するのは、話し手のこうした配慮が欠けるからだ。かれは、いつも聞き手から遠くはなれて孤立する」
「スピーチを行う人は、予想される聴衆の状況についてできるだけ多くの情報を集め、反応の予測をしておかなくてはならない」
 今までのつまらない話を思い出してみると、ほとんどがこの原理に無理解だったということで解決がつく。
 聞き手が飽きてくれば、それはすぐ表情に表れてくる。目がうつろになってくる。いねむりや、脇見がはじまる。このような反応が表れてきたならば、直ちに話し方を切り替えていかなければならない。
 例えば、聞き手の一人を指名して前に出てきてもらって問答することもよい。聞き手に問いを発して作業をさせるのもよい。今までと話調をがらりと変えて、自分の体験を生々しく語るのもよい。
 このように、聞き手の反応によって話し方を切り替えていけるかどうかが、話し方の巧拙を決めるのである。
 切り替えることのできない人は、聞き手に見放され、一人しゃべりに追いやられる。
 そうなると話から脱け出てしまった聞き手には、どんなに大声を出しても話は通じなくなる。こういう時が一番疲れるし、話の効きめもない。
 上手な話し手になれるかどうかの大きな条件の一つに、この「聞き手の反応」を分析できるかどうかという問題がある。ここを適切に読みとって、場に適した対応ができるようになれば、話し手としてもかなりの水準である。
 実は、これは授業技術にもそっくり当てはまる。指導案にだけしがみついて、ただただその規定路線のみを走る教師の授業には、子どもたちはだいたいついていかない。
 教師の授業の脱線が子どもたちに歓迎されるのは、指導計画よりも、聞き手の状況を優先してくれる好意をうれしく受けとめるからである。
 授業案はたいせつに違いないが、そこから多少はずれても、いつか再びぴしりと元のレールに戻れるほどの臨機応変の力を教師は持たなければならないだろう。
 むろん、何よりも話の中身の質の高さや話題の適否がたいせつである。
 だがしかし、それのみではやはり話はうまく聞き手に受けとめられはしないのである。中身と技術とが相まって初めてよい話になるのである。
 よい話し手になるためには、その両者への関心を常に持ち続けて自分を磨いていくことが必要である。
(
野口芳宏:1936年生まれ、元千葉県公立小学校長・北海道教育大学教授。植草学園大学名誉教授、千葉県教育委員会委員長職務代理者、日本教育技術学会理事・名誉会長、授業道場野口塾等主宰
)

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