国語科:論理的思考力を育てる授業とは 筑波大学附属小学校国語研究部
論理的思考力を育てる授業について筑波大学附属小学校国語研究部はつぎのように述べています。
いまの国語授業の問題点は、文章を読んで
「このときの登場人物はどんな気持ちでしたか」
などと発問して、イメージをなぞる、確認するだけの授業です。
中心人物の心情を理解した、ではそれが他の物語の文章にどう生きるのかが、なかなか見えてこない。
だから読む力がつかないのだと思います。
いまの授業は、物語だとぶつ切りにして、場面ごとに読んでいく。
その場面はわかったかもしれないけれども、つながっていない。
これでは論理的とはいえない。
読むことにおける「論理的思考力」とは、物事を筋道立ててとらえる力です。
筋道を因果関係や対比、抽象・具象といったとらえで思考することです。
論理的というときには、やはり文章の仕組み、構成とかを教えるのが国語の授業。
こういうところに着目して読むんだよということを教える。
それらのことが身について駆使して自分で筋道立てて、物語を読み、表現できることが大切です。
だから文学作品の場合に大事なのが、作品を丸ごととらえて、全体のつながりの中で判断できるという論理的な読み方です。
論理的な思考力として、因果関係、具体と抽象がある。
それに、比べるというのがあります。
相違点を見つける、対比的にとらえる、類比、共通点、似たところは何かというように。
それからもう一つ国語では、言い換えるというものが大切かなと思っている。
友だちが言ったことを、
「言い換えるとこういうことじゃないの」
という話し方ができること。
つながりも大切です。
文学作品を授業で扱うときに、つながりのどこの部分を焦点化して授業をするのか。
語句と語句、文章と文章、場面と場面がどういうつながり方をしているか。
たとえば「白いぼうし」では場面をおさえるだけで、おもしろいことが見えてくる。
その物語の変化と人物の変容が見えてくる。
教材の特徴、教材がもつ論理というものをしっかり見ぬいていくことが大切になってくる。
何をすることがこの教材で子どもに学ばせることになるのか。
これまで教えたことを、この教材で活用できるかを考える必要がある。
思考というのは、そういう学んだ国語の力を子どもが組み合わせて使っていく過程じゃないかと思う。