子どもの反応を手がかりに子どもの意識の流れを読み取る力をつける
授業の指導案をつくるとき、子どもの反応を想定する。その想定できる力量が教師には必要である。
授業で学習を進める主体は子ども自身である。その授業への反応は授業中に子どもによって表現されるもので、言葉のほかに行動による表現も含まれる。
指導案を作る場合、何を教えるかという内容に沿って、好ましい教材を用意する。しかしこれだけでは指導案は作れない。それぞれの時点での子どもの反応を想定し、それを軸にして展開する。だから、子どもの反応を想定できる先生の力量が必要になる。
実際に授業をやってみると前もって想定したような反応はなかなか出てこないが、経験を重ねると少しずつ想定したことが的中するようになってくる。的中することで満足してはならない。
その反応がどんな意識のはたらきから表れ出たものかを考えることが必要である。意識は外からは見えないが、反応を手がかりに意識の流れを読み取るのである。
それによって授業がより高次なものになっていく。
(荻須正義:1916~2008年、元東京教育大学付属小学校教師・常葉学園大学教授。問題や疑問を解決しながら理解を深めていく問題解決学習法を小学校の理科の授業で先駆的に実践した)
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