カテゴリー「新学級づくり」の記事

朝の会で、どんな話をし、どんなことをさせたらよいか

 教室に出向くなり、連絡事項や今日の予定を告げるだけで、すぐ授業を始める教師。「おはよう」のあいさつもそこそこに、長々とお説教めいた話をして学級指導を終わる教師。こんな担任には、子どもたちは取りつくしまもない。
 子どもの前向きの気持ちをいっぱい受けとめてやりたい。そのためには、子どもとの朝の出会いを大切にとらえたい。
 子どもが教室に入ってくる様子を見ながら声をかける。座っている子どもの一人ひとりを覗いて歩き、笑いかけたり、うなずき合ったり、頭をなでてやったりしながら、それとなく健康観察をする。
 子どもたちが日記を登校順に提出するのであれば、素早く目を通し、何か変わったニュースがあれば、みんなに読んであげる。
 こういった教師が担任であれば、子どもたちは朝のこの一瞬のために喜び勇んで家を後にするだろう。
 朝の会をどうすればよいかではなくて「子どもたちのために、私はこれこれをする」「そうすることで、子どもと私とがしっかりつながる」と考えて、できること、やりたいことを実行していくことなのではあるまいか。
 私ならば朝の会でやってみたいことは
(1)
朝会(全校集会や学年集会)で話された校長や学年主任の話を思い返し、いくつかの話にまとめる。
(2)
昨日のことを三分間スピーチ
 毎日順番で。折をみて話集にする。
(3)
教師の読み聞かせ
 長編童話や文学作品を読み聞かせる。できるだけ長編ものを長期間。教師の最高の朗読で聞かせる。
(4)
校舎周辺の清掃活動
 掃除割り当て区域に踏み込みすぎてトラブルを起こさぬよう気をつけながら行う。花壇の手入れ、美化活動も。
(5)
詩の暗唱
 自分の好きな詩を見つけさせ、それを朗読し合う。時には、学級全員で「雨ニモ負ケズ」に取り組み群読する。
(6)
体力づくり
 スタート練習。20メートルダッシュ、縄とび。短時間で授業に差しさわりのない程度にとどめて。
(7)
教師の語り
 その時その時の思い、考えを語ってあげる。
(
佐藤信彦:元宮城教育大学附属小学校教頭・宮城県公立中学校長・仙台市立中学校校長)

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優れた教師たちは、新年度の学級づくりをどのようにスタートさせているのでしょうか

 優れた実践家たちの多くは新年度が始まる最初のスタートが勝負であると言います。
 最初の一週間内で学級の生活ルールや学習ルールを指導し、一か月内に定着するよう繰り返し指導します。
 向山洋一は最初の三日間の「学級のしくみ」づくりに全力をあげるべきだと言います。
 大前暁政もスタートの三日間に教師の基本的な姿勢を示し、学級の仕組みをつくっています。さらに、最初の一週間は、一年間の授業の成否がかかってくると、学習規律を教え、授業への意欲がわき出るようにしなくてはならないと言います。
 戸田正敏も「子どもたちが話が聞けるようになると学級は落ち着いていく」と、二週間で話を聞く雰囲気をつくることを主張しています。学習習慣をつけるために毎日指導することが最低一か月必要だと言います。
 野中信行は「3・7・30の法則」による学級作りを唱えています。三日目までに「今度の先生は一緒にやれそうだ」というイメージを子どもたちに与え、学級の仕組みの第一歩を作ります。
 そして、一週間までに学級の仕組みを作り、一か月でその仕組みを完成させます。一か月後からの取り組みは、三か月間で子どもの自由度を徐々に増加させるとともに自治的活動の下地をつくります。四か月間で自治的活動を軌道にのせます。
 学級づくりの目的は子どもたちを群れから集団、つまりチームに育てることだと私(赤坂真二)は思います。子どもたちは、一日に5人くらいの子どもとしか会話していなことが調査でわかっています。今、学級は放っておくとバラバラで学級がその体を為さなくなってしまいます。
 学級のチームづくりは、4月の最初の7日以内に学級の生活や学習ルールを一通り指導し、30日間で定着するよう繰り返し指導するようにします。
 30日間で一斉指導の体制を定着させたら、そこから、徐々に子どもの自由度を増やしていきます。2か月くらいかかります。
 自分たちで考え行動できるように教え育てる例として体育館の整列指導を私は次のようにします。
「みなさんは、先生が前に立って指示をしないと『並べないクラス』と『並べるクラス』、どちらになりたいですか?」と問いかけます。普通のクラスは後者を選びます。
「今日は、残念ながら並ぶことができませんでした。次回、自分たちの力で並べるようになりたい人?」と問いかけます。おそらく子どもたちは賛成します。
「では、作戦をたてましょう。どうやったら自分たちだけで並びますか?」と考えさせます。子どもは様々な作戦を発案するでしょう。
 例えば「先頭の人が声をかける」「全員で声をかける」など、結論はどれもいいと思います。達成したら大いに認めます。失敗したら、どうしたらいいか考えさせます。大切なことは、自分たちで考え行動できるようにすることです。
 荒れて授業が成立しない学級の場合は、日常的に突発的なことが起こりますから、トラブル対応に時間が取られます。私の経験では、最初の1か月は事件の連続で自分がやりたいと思っていたことはできませんでした。
 それでも、夏休みまでに学級の問題を自分たちで解決する活動を数回経験しておくと、2学期がスムーズに迎えられると思います。
 これは教師の力量の判断基準ではありません。私は力がないと思う必要はまったくありません。大切なことは、学級づくりのストーリーを描くことであり、見通しを持って取り組むことです。そして、その取り組みを楽しむことです。
 学級がチームになるためには、学級全員が力をあわせる課題が必要です。人間関係の課題を解決しながら育てていきます。
 学級づくりが難しくなってきた今、学級のチームとしての機能に注目し、強化しましょう。学校行事で、一人ではできない課題を、みんなの力で合わせる経験をくり返すと、成長します。課題解決の過程で、間違いなくチームとして機能していきます。
 学級がチームになるためには、質の良いチーム体験が必要です。それまで学級の雰囲気がよくなかったけど、学校の行事でよい結果がでると、みんな仲がよくなって学級の雰囲気がよくなったという経験を持つ教師もあるでしょう。
 学級づくりは新年度の最初が勝負といっても、自分の学級の状態を分析し、それに適した手だてを持って腰を据えて取り組みましょう。
 学級状態の状況をみて変更してもよいが、学級づくりの見通しを持ってストーリーを描いて取り組みを楽しんでください。
(
赤坂真二:1965年新潟県生まれ、上越教育大学教授。学校心理士。「現場の教師を元気にしたい」と願い、研修や講演を実施して全国行脚。19年間の小学校勤務では、アドラー心理学的アプローチの学級経営に取り組み、子どものやる気と自信を高める学級づくりについて実証的な研究を進めてきた)

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新学期の最初の学級づくりは、どのようにすればよいか

 学級づくりは、新学期のできれば三日間で組織してしまうとよい。これは、どれほど強調しても強調しすぎることはない。
 初めて出会った子どもたちは緊張して静かである。新しい担任、新しい学年に期待もしている。この時なら、担任のいうことを素直に聞く。この間に組織してしまうのだ。
 組織するとクラスの動きはスムーズになる。動き方、ルールが決まっているので、誰でもできる。ルールがないとクラスの動きがギクシャクして、いつの間にかクラスは荒れていく。学級を組織していく順序は
(1)
クラス目標の決定
 どのようなクラスにしていくか話し合い決める。クラスの合意を得る。むろん担任の考えを反映させてよい。
 教師がどのようなクラスにしたいのか、はっきりと心に描き、クラス全員のものにしなくてはならない。映像としてとらえられるまでに、具体化しなければならない。
(2)
目標をやりぬくためのしくみ、当番活動・係り活動を決める
 当番活動は給食当番とか、掃除当番とかで、毎日くり返される仕事であ。週ごとに順序が決められればよい。仕事の内容を明確にし、責任(班長、毎日交代でもよい)の所在をはっきりさせないと、だらしなくなる。 
 係り活動は、黒板係とか配り係とかいわれているものがある。仕事内容は当番に近い。このような係りは班ごとでも、一人一役割でもよい。
 クラス全体にかかわる本来の係り活動は、ゲーム係り、掲示係り、集会係りなど、文化・スポーツ・レクレーションが主たる内容となる。子どもの創意工夫・やる気・企画実行力などを育て、楽しい学級生活を実現することを目的としている。若い教師の腕の見せどころなのである。
 例えば「楽しいクラス」を目標とするクラスでは「集会係」「イベント係」などが大活躍することになるだろう。授業も、もちろん楽しいものにする必要がある。チェックし達成度を喜びあうシステムも必要だろう。
 目標を達成するには、子どもを動かすことが必要になる。教師はガキ大将のように、子どもを動かす能力が必要なのである。子どもを動かす原則はいくつかあるが、最も大切なことは「ほめる」ことである。
 どれほど小さな努力でも見のがさずに、ほめることである。ほめて、ほめて、ほめまくるのである。「努力」を認められ、ほめられる時は、心地よいものだから、人が動くのである。
(3)
責任の所在を明らかにする
 係り毎の長でもよいし、その日のできごとは日直が責任をもつということでもよい。当然ながら責任をもつ人は権限を持つ。その権限を保障するのは教師である。
(4)
活動をいつ行うかを明らかにする
 時間を保障しなければ、ことはすすまない。私の朝の会は三分、帰りの会は30秒である。
(5)
生活するうえでさまざまなルールを決めておく
 思いつくままでよい。新しく出たら、その時追加すればよい。クラス全員に伝える。
 この中で、最も大切なのは、担任としての挨拶と話です。
 学級経営の急所は、人間である教師が人間である子どもと、どのような絆をつくっていくかということなのである。人間と人間との絆をつくるのだから、相手を人間として認めることが出発点となる。
 教師は自分のクラスをすばらしいクラスにしたいと思う。一番いいのは、自分の得意な分野をまずやっていくことである。「良いもの」をとりあげると「良い結果」が出るようになる。
 私の趣味で取り入れた百人一首、これが実に好評だった。保護者にも感謝された。「五色百人一首」は一試合が三分でできる。すき間、時間にできる。「読み方」を録音しておけば、子どもだけでも熱中できる。
 教師に、絶対必要な心構えがある。それは、子どもを丸ごと受け入れるということである。包み込めるということであり、暖かく接することができるということである。
 
「ぼく先生なんか大嫌いだ」と憎らしく言う子どもも、受け入れ包み込まなければならない。これが教師の宿命なのである。子どもたちのすべてを受け入れ包み込み、そして更に「子どもの可能性を伸ばそうという努力」が重なったとき、子どもは別の表情を見せる。
(
向山洋一:1943年生まれ、元東京都公立小学校教師、教育技術法則化運動代表を務めてきた。教師を退職後、TOSSインターネットランドの運営に力を注いでいる)

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4月の新学期の一番最初に子どもに語るとよいこととはなにか

 4月の新学期のはじめに学級の子どもたち全員と「よいクラスにしよう」と誓い合います。しかし、1年間でさまざまなトラブルが生じるでしょう。その時にこの誓いを思いださせるのです。自分たちの行為について振り返るきっかけになります。
 例えば、担任が
「今日から、このクラスがスタートします。さて、はじめにみなさんに確認しておきたいことがあります」
「それは、あなたたちは、どんなクラスにしたいか、ということです」
「誰か考えはありませんか?」
子どもたちから、例えば「いじめがない」「男女の仲がいい」「明るい」、いったことが出されると、担任が板書していく。
担任が
「全員起立」
「では、今、黒板に出そろったような『いいクラス』にしよう!」
「そのために力を貸してくれるという人は座ってください」(子どもたち全員が座るはずです)
「さあ、みなさん、教室を見渡してください。全員が『いいクラス』にするために力を貸してくれるとのことです」
「先生は、そんなすばらしい皆さんと出会ってとっても嬉しいです」
「1年間、頑張っていきましょう」
 この指導は年度はじめに、やっておくことをおすすめします。実はこの「いいクラスにしよう!」と誓い合ったことが、この先、子どもたち自身を「追いつめていく」ことになるのです。
 例えば、しばらくして誰かが悪口を言った場合に
「きみは、年度はじめに何と誓ったのですか?」
「今回のきみの行為は、いいクラスをつくるために役立つと思いますか?」 
「思わないのなら、どう責任を取るのですか?」
「口先のきれいごとなど聞きたくはありません」
と厳しい指導を入れることができます。
 子どもたちにとって「自分たちで価値観を確認」しておきながら、それを破ることは「うそつき」になります。
 子どもが自分のよくない行為を振り返って反省できるようになります。
(
土作 彰:1965年大阪府生まれ、奈良県公立小学校教師。授業のネタを収集、何かが足りないと気づき、深澤久氏の学級を参観し衝撃を受け教師に必要な哲学を研究。学級経営を成功させるには「知的権威の確立」「リレーション」「社会的手抜きの駆逐」の3要素が必要という「学級づくりの3D理論」を提唱し実践している。日本教育ミニネタ研究会代表、学級づくり改革セミナー主催)

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新学期の学級づくりは見通しのある開かれた学級に

 新学期の学級づくりで何を大切にし、どんな見通しを持ったらよいか
(1)
出会いのドラマで一年間の半分が決まる
 子どもとどのように出会うかが大切である。子どもたちは、どんな先生なのかなと全神経を集中している。先生が子どものころの失敗やいたずら話に子どもたちは大喜びします。「先生は、おもしろい」「私の味方だ!」と思い込ませたら成功である。また、親に「私の子どもを大切にする先生やな」と思ってくれたら、学級づくりも見通しは明るい。
 教室の世界は公的である。しかし、教師と一人ひとりの子どもや親との間の私的な世界で、教師の人間性を出してつきあっていくことが今、求められているといえよう。
(2)
教師の「しかる・ほめる」観点をはっきり打ち出そう
 子どもも慣れてくると、自分のプレーを出してくる。そのうち教師とのちがいが表面化する。教師の「注意」が多くなってくる。子どもがいちばんいやがる「先生は、怒ってばかり」ということになる。
 だから、子どもの日常の行動を評価するものさし(要求)をはっきりさせることが大切である。例えば、教師が「失敗は一度は許そう、二度めからはきびしいよ!」と、子どもたちに基準を示し要求する。失敗はだれでもある。しかし、同じことをするのは失敗から学んでいない証拠である。そのことを教師は「一度めは軽い注意だけで終わるけど、二度め以降は厳しいよ。どうやれば直るのか先生か班で徹底的に考え、対策を発表しなければいけないよ。失敗から学んで立ち直るのはすごい成長なんだよ」と、子どもたちに説明する。
(3)
学級づくりに担任と子どもがともに取り組む
 学級づくりが楽しくなるには、担任と子どもが、縦の関係でなく、横で、ともに取り組もうとしたときである。
(4)
授業のおもしろさに心を向けさせる
 最初の授業は自分がいちばん得意とする教科教材を扱うとよい。教師がのめり込める教材で、子どもたちとその教材のおもしろさを共有できるものを選ぶとよい。この教材に全力投球することで、子どもたちに授業はおもしろいものだと実感させることになればよい。
(5)
子どもの心を知る
 悩みやつまずきを話すことができない子どもたちのために、手おくれにならないうちに、帰りの会などの時間に「今日、授業で困ったこと、わからなかったこと」などを簡単に書かせる。次の日に、その子どもたちに声をかけたり学習のおぎないをするとよい。このような教師と子どもとのふれあいを大切にしたい。
(6)
誤答や学び合い学習を授業に組み入れる
 授業は答えがあっているときだけがうれしく、あとは不安の連続する時間になる。そこで、授業で誤答をおそれないよう指導をし、誤答の原因を全員で見つけ合う授業をするとよい。
 子どもは思いがけない考えや方法を発見するものである。グループ学習で、お互いに課題を知り、考えを出し合い、交互に先生になって点検し合う学習を組み込むことは、みんなができるようになることを喜ぶ学級づくりにもなる。
(
伊嶌明博:元岐阜県公立小学校教師、平井喜美枝:1928年東京生まれ、元神奈川県公立小学校教師。数学の水道方式の実践家)


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新学期の四月は最大限のエネルギーを投入して学級づくりをする

  担任は自分のカラー,自分の得意になるものを持つべきです。例えば「あの先生に担任してもらうと、授業で活発に発言する子どもたちになる」など評判になるものがあることです。
 学級の子どもたちが決まると、指導要録を読んで、苦手な面を意識させずに、長所を発揮させる手がかりを探すことです。子どもとの相性を見て、どうかかわったらいいかを探るのです。必ず問題児と呼ばれる子どもがいるものです。そのような子どもに、けじめある指導をしても、大きく包み込む姿勢を崩さないことです。根競べの覚悟をして臨むことをしないかぎり、担任の負けになります。
 学級という小さな社会で一年間過ごしていく中でさまざまな出来事が起き、安楽な日はないでしょう。何も問題がない学級なんてあり得ないのです。
 遊び心を持って、ユーモアあふれるような演技のできる「ゆとり」がほしいです。その一方で「善悪のけじめ」「命にかかわることに対する厳しさ」「よわいものいじめ」などに毅然とした態度を子どもたちに示すべきです。「先生は、このことは決して許してくれない」と、しっかりと子どもに意識させたいものです。
 「学級びらき」は、どんな子どもでも「今年こそは」という期待感に胸を膨らまして登校してきます。「今年の担任の先生は、なんだかぼくのことを認めてくれているみたい」「明るく元気な先生でうれしい」と、子どもたちは担任を厳しく敏感にとらえてきます。
 始業式を終えた教室に、ある担任はつぎのような「誓いのことば」を書いておきます。
(1)
私たちは、命を大事にすることを誓います。
(2)
私たちは、弱い立場、少数の意見を大事にしていくことを誓います。
(3)
私たちは、教室は「間違えることによって、みんなががんばるところ」であることを誓います。
 そして、子どもたちを前にして「この教室は、みんなが『かしこい人間』になる社会です。みんな違いがあっても、重要ではありません。問題は、自分をきたえていくために、どのくらいがんばっていくことができるか、です。この三つの誓いは先生も守ります。みんなも守ってほしい。住みやすい教室にしたいと思います」と話します。その後、机を後ろにさげて、みんなで円をつくって、肩を組み合って、誓いを言います。そして、記念写真。これを教室の前面に掲げておきます。
 このような出発式は新しい学級の船出として是非ともしなくてはなりません。たとえ誓いが崩れたとしても、この儀式が意味のあるものになっていくのだと信じて。
4月の学級づくりの闘いとは
1 子どもたちは前年の学級生活で刷り込まれたことが鮮明に残っている
「そうか、そんなやり方をしていたのですね。でも○年生になったんだよね。どうしたらいいのかなあ」と、ゆったりと持ちかけていきましょう。教師の都合のいい方向に結論づけないことです。
2 時間管理を徹底する
 学級生活をリズムあるものにしていくために、時間にルーズにならないことです。例えば、一つの活動をする場合、「5分でやりましょう」と言ってベルタイマーを回し時間意識をもたせます。
3 「やろうとすること」を賞賛する
 学級づくりで一番重要なのは「やる気」を重んじていく担任の姿勢ではないでしょうか。間違ってもいいから、挑むことを大切にしたい。
4 厳しくかわいがる
 「甘やかせて育てている」というのが、今の子育ての問題点と思います。子どもを教育していく基本は「厳しくかわいがる」ことに尽きるだろうと考えています。
「かわいがる」とは「愛する」ということです。人間として尊重することです。
「叱り方・ほめ方」のあり方は、
(1)
頭ごなしの叱り方をしない。その子をよく観て見守って成長の足がかりを探れ。
(2)
小学校の低学年は、みんなの前でほめ、叱ることが社会の規範を学ぶことになる。
(3)
小学校中学年以上はみんなの前で叱るのはだめ。ほめるよりも「ありがとう」「先生はうれしい」、「残念だ」「先生は悲しい」という感謝や率直に意見を言うと、子どもたちの心に訴える力を持っている。
(4)
失敗やまちがいを叱るな。やる気になれない、その子どものこだわりにも、耳をかたむけていく。
(5)
叱っても、ほめても、フォローアップを忘れないこと。叱りっぱなしでは後味の悪いものになる。
5 自己決定をつねに促す
 子どもたちに自らの学級生活の仕方や願いを選択させ、実行していくように求めていく。
 担任としての願いを語りながらも、子どもたちに「どうしたいのか」「どうしなければいけないのか」を考えさせるのです。
(
前田勝洋:1942年生まれ、元愛知県公立小学校校長。学び合う教師を常に意識して小中学校を学校行脚)

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学級開きで父性的な担任でなく、母性的なフォロアーとして振る舞う担任への期待感と信頼をめばえさせる

 従来の学級開きは、教師が自分の実像を伝えるために、自分の教育観や子ども観を語り、今後の教育方針を語る。子どもたちによる一人一言ずつの自己紹介。最初のクラス活動としてくす玉割りや集団遊びなどであった。
 これに対して、中学校教師中川晋輔は、教師が熱心に語るような学級開きではなく「話のわかる先生、教師くさくない先生、何かそばに寄っていきたい先生」を感じさせる演出こそを学級開きの実践課題とし、教師の決意は以後の実践の中で示せばよいと指摘する。
 というのも、従来型の学級開きでは「子どもたちから見ると『何、あれは』となり、“注入型の教師”と受けとめられ、一歩身を引かせてしまいがち」だからである。
 子どもたちには「先生にやってもらいたいこと、やってほしくないことは何か、明日まで考えてきてね」と言うにとどめることで「自分の世界、自分の価値観の中に引っ張っていく父性的なリードではなく、問いかけ、内側にあるものを表現させていく母性的なフォロアー」として振る舞う教師像を示すことが、今の子どもたちに対して必要だとも指摘する。
 そして、学級開きのメインには、子ども同士の出会いをつくりだす「班やグループの紹介」といった活動をおく。この中川の学級開きは、子どもたちの願いや思いをしっかり受けとめようとする教師像を示そうとしている。また、一日限りの学級開きだけで終えるのではなく、その後も継続的に追究していこうとしている。
 学級開きを通して、教師への期待感と信頼をめばえさせる。これらを以後の実践の中で育みながら、教師は子どもたちとの内面的な人格的な出会いを紡ぎだしていくのである。
(住野好久:1964年生まれ 岡山大学教授。指導者の指導性と学習者の自主性が相互に発揮されるような授業指導や生活指導のあり方を研究)


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最初の三日間の学級のしくみ作りに失敗したら一年間はとりもどせない

 学級が崩れていくのは、教師の責任である。技量のなさ、勉強不足、甘い考えが原因だ。だから教師は年度初め最初は、ここが勝負だという決意で臨む必要がある。最初の三日間の学級のしくみ作りが失敗したら、一年間はとりもどせないものなのである。
 何をするのか。それは「学級」という「集団」をつくるのである。「集団の組み立て」「生活のルール」をきちんとさせるのである。ルールがきちんとしていれば、とりあえず学級は運営されていく。しかし、ここがあいまいだと、問題が生じ、手のつけようがなくなる。私の体験をもとに、ポイントをつぎに紹介する。
(1)
一日目
 始業式があり担任が発表される。列の前に立って明確に指示をする。はみ出る子どもがいる。それを決して見のがさない。子どもはアドバルーンをあげているのだ。こんなことは大丈夫かな。甘いかなと。
 続いて入学式があるので、子どもたちとの時間は10分程度。短いあいさつをする。大切なポイントだけを「楽しいクラスにしていこうね」というようなことを二分くらいの短い話ですること。半数の子どもの名前を覚えたい。私は、若いときは一日で全員を覚えた。
(2)
二日目
 担任としての挨拶と話をする。「これから、みんなとの生活がはじまりますから、いくつか言っておきたいことがあります。いすをきちんと入れてください」(指示を聞かない子の名前を言って軽く注意する)
 担任の自己紹介をし、質問を受ける。あいまいな質問には、ことばを限定することを教える。
 つぎに、人間の三つ生きがい(才能を伸ばす喜び・人のためになることをする・夢を実現する)を話す。そして、「人間は間違えながらなおしていくことができる。教室は間違える場所ですから、たくさん間違えなさい」「人間だけが弱い者をいたわることができる。ですから、弱い者いじめをすることには厳しい。絶対許さない」という話をする。
 今後の学級生活の約束(ひいきはしない・授業時間はのばさない)について話す。
 教室の席を決める。近視の子に配慮して背の順でいいだろう。どのような方法でも文句は出る。教師が決めていい。そのかわり、必ず「いつまでの席か」を伝えておく。連休あけまでが妥当だろう。靴箱は背の高い順に最上段から入れさせていく。持ち物には、ぜひ「小物袋」と「自由帳」の二つは入れておきたい。小物袋は机のフックにかけさせておくと、授業がどれだけ楽になるか計り知れない。
 「係り」「当番」「日直」など、生活上のルールを決める。私は一人一役を原則としてきた。前のクラスのルールを子どもたちから聞いて、それを活用するのがいいし、この方が楽だ。子どもの意見を聞きながら行うが、教師は前もって考えておく。このようにして学級のルールをまとめあげる。質問したその子にだけ答えたら、それだけで学級は崩れていく、全員に言わなければならない。この点を決して軽く考えないことだ。そうじ手順を確認しておくことも大切だ。
(3)
三日目
 勉強のことが中心となる。私はまず漢字・計算のテストをする。前の学年の総復習である。子どもの力を理解するのは大事なことだ。次に楽しい授業をやってみせる。子どもが熱中するような授業である。
 この時から「学習のしかた」のポイントについて教えていく。漢字学習では「指書き、うつし書き、なぞり書き」の学び方を教える。漢字の習得率は格段にアップする。算数では「正答のときは、問題番号にチェック印を入れること」「線は短い定規で引くこと」などを教える。理科・社会のノートは、見開き二ページで「一つの作品」のように書かせるとよい。
(
向山洋一:1943年生まれ、元東京都公立小学校教師、教育技術法則化運動代表を務めてきた。教師を退職後、TOSSインターネットランドの運営に力を注いでいる)

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学級開きで、子どもたちにどのようなことを伝えればよいか

 日本の学級は暗すぎる。もっと明るく、笑いとユーモアのある学級をつくらねばならない。子どもの変化に対応した学級のルールをつくり、学級を楽しいものにし、一人ひとりの子どもの居場所をつくらねばならない。
 新しい学級を担任したとき私は、子どもたちに
「この学級の子どもたちをパッとみて、『うれしいなあ』と、思いました。どうしてだと思いますか。それはねー『笑顔』のステキな子どもが多いからですよ」と、いかにもうれしそうに言う。半分以上は演技である。
 このように第一声でいうと、ほんとうにステキな笑顔の子どもが出てくる。どんなことがあっても、第一声は絶対にほめることである。
 叱ることは、あとでいやになるほどしなければならない。そうしなければ、子どもは育たない。
「Aくんは、元気よさそうね。先生もきみのように元気をだしてやるから、よろしく頼むよ」という調子で、目についた子どもをつぎつぎにほめる。一人ほめるごとに、子どもたちは、まるで自分がほめられているようにうれしそうな顔をする。
「今、先生が何人かほめましたね。とても感心したことがあります。それは、Aくんをほめたのに、他の子は自分がほめられたようにうれしそうにしていたことです。他人のことを自分のことのように喜んでいるのです」
「とてもいいことです。本当にいいクラスですね。こんないいクラスを担任できて、先生はうれしくてたまりません。先生も、このクラスの子のように、明るい先生になるように努力するから、よろしくね」こう言うと、多くの子どもの顔はうれしそうである。
「有田学級に入って、一番大切なことは何だと思いますか」と、問いかける。すると、子どもたちはあいさつすることなど発言する。子どもたちの発言にいちいちうなずきながら、
「有田学級で一番大切なことは、よく笑うことです」と言う。
「では、笑いの練習をしてみましょう。セーノ ドン」。しかし、二~三人しか笑わない。この二~三人を一人ひとり大いにほめる。この笑いの練習は一カ月続ける。そうすると表情が変わる、明るくよく笑う学級になる。
 子どもたちは、家に帰ってから学校のできごとを話す、保護者も喜ぶ。ものはいいようである。ほめられて腹を立てる人はいない。子どもはほめられる方向に成長する。
「あしたから持ってくるものをいいます。第一に考える力、第二に書く力、第三に発言する力を持ってきなさい」と私は言う。
 子どもは「先生、ぼくは三つとも持っていないから、持ってこれません」と、いう子がいると、
「きみは、発言する力を持っているね。それに、考える力も持っているね。きみはすでに、二つの力を持っているよ。すばらしい。実は三つとも持っていなくてもいいのです。この三つの力を、先生がみんなにつけてあげます」これで学級の目標を明確にしたことになる。
「この一年間にみんなを何らかのプロに育てたいと思っています」
「すでに、Bくんは笑いのプロのようだし、Cくんは挨拶のプロのようです。今日はこの二人をまずプロにします。明日からもどんどんプロをつくります」
「プロには、二つの条件があります。一つは他の人よりすぐれていること。もう一つは、他の人に教える義務と権利があることです。プロになった人は、プロの仲間をどんどん育てていきましょう」
(有田和正:19352014年、筑波大学付属小学校,愛知教育大学教授、東北福祉大学教授、同特任教授を歴任した。教材づくりを中心とした授業づくりを研究し、数百の教材を開発、授業の名人といわれた)

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子どもたちに、教師に対する信頼感を持たせ、安心できる学級をつくる

 新年度、学級がスタートする日、私は子どもたちと、話し合う。大抵の学級の教師は、子どもに教師は怖いと思わせるようにしているけれど、「この学級は教師と子どもの信頼がもとになっているんだよ」と、子どもたちに私は言う。私がそのことに本気である、と子どもたちが知るのは、私の行動を通してである。
 私は信頼のエクササイズ(練習、訓練)と呼ばれるものを例にとって、子どもたちに信頼の大切さを説明する。そのエクササイズはごく単純で、一人の子どもが後ろに倒れ、その子どもを仲間が抱き止めてやるというものだ。
 そのエクササイズで、もし、友だちが冗談半分であなたを落としてしまったらどうだろう。その友だちへの信頼は永遠に損なわれるにちがいない。たとえ彼が謝り、二度と落とさないと誓ったとしても、あなたは安心して倒れかかることはできなくなるだろう。
 つまり一度失われた信頼は、簡単には修復できないのだ。そのことを私は子どもたちの心に深く刻み込むようにしている。
 もちろん、子どもたちは信頼をこわすことがある。そのときは信頼を取り戻す機会をあたえられるべきだ。しかし、それには長い時間がかかる。
 子どもたちは私からの信頼を誇りにしており、それを失いたくはないと思っている。実際、失うことはめったにない。
 私は、子どもたちに求める信頼に自分が値するかどうか、日々、確かめるようにしている。
 私はあらゆる質問に答える。以前に尋ねられた質問でもかまわない。自分が疲れていてもかまわない。「私は心から、子どもたちに理解してもらいたがっている」ということが、子どもたちに見えなければならない。理解してもらえなくても、がっかりせず、私は何度でも挑戦する。
 アランという子は、かつてこう言っていました。
「去年、ある先生に一つ質問をしようとしました。そしたら、その先生は怒って言いました。『それは前にも教えたでしょう。あなた、聞いていなかったのね!』って、でも、ぼくは聞いていました! ただ、理解できなかったんです」
「レイフは、ぼくが理解するまで、500回でも答えてくれます」
 親や教師は、たいていしかるべき理由があってだが、四六時中、子どもに腹を立てている。でも、子どもが何かを理解しないからといって、いらつくべきではない。子どもたちの質問に対する私たちの忍耐強い肯定的な態度が、ゆるぎない信頼感をつちかってくれるのだ。
(
レイフ・エスキス:米国の教育を根本から変える力を秘めた小学校教師として注目されている。ロサンゼルスの貧しい移民家庭の子どもたちが多く通う小学校のクラスを22年間受け持ち、学力を飛躍的に伸ばし、品格のある子どもを育て、教師として初めて、アメリカ国民芸術勲章を受章)

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