私が学級担任になったとき、最初の学級通信に必ず書くこととは
私は、学級担任になったとき、最初の学級通信に必ず次のような詩と解説を載せます。
1 詩
「学校は子どもの国です」 ますだ しゅうじ
学校とは
賢い子どもになるために
勉強するところです。
勉強するということは
なんでも なぜ? と考えることです。
考えたことを
先生や友だちに話してみることです。
まちがってもいいのです。
まちがいをいっぱい出せば
その中に正しい答えも たいがい入っているからです。
知らないことは「知らない」と言えばいいのです。
知らないことは、少しもはずかしいことではありません。
はずかしいのは、大切なことを知ろうとしないことです。
勇気を出して、見たり、聞いたり、ためしたりしてごらん。
それが勉強というものです。
学校とは
人間というものを知るところです。
みんなと仲良く遊んだり
ときには ケンカしたり いたずらしたりしながら
いろんな人がいるんだなと知るところです。
人間のもつ不思議さと、すばらしさと
美しさを知るところです。
学校は 子どもの国です。
2 担任をしたときに必ず学級通信にのせる解説
ぼくは、まだ君たちのことをよく知りません。昨年はどんなだったかはわかりません。でも、きっとどの子も、うんといい子にちがいありません。
勉強があまりわからなかった子は、えんりょなく言ってください。わかるまで、何度でも何度でも教えてあげます。
よくわかっていないのに、わかったふりをしないでくださいね。ぼくも一生懸命教えるけど、自分でもうんと努力をしてくださいね。
人は生まれつき、頭のいい子、積極的な子と決まっているのではないのです。
自分はこんなふうになりたい、変わりたいと、本気になって思うことです。願うことです。
思い続ければ変わります。すぐは変わらなくても、いつかは変わります。それが人間というものです。
ぼくは、みんなの一人ひとりの力を信じようと思います。
みんなも自分の力を信じてください。自分の可能性を信じられるようになると、不思議と人にもやさしくなれるものです。
一年間、いっしょにがんばりましょう。そして、みんなで力を合わせていきましょう。
(増田修治:1958年埼玉県生まれ、埼玉県公立小学校教師(28年間)、白梅学園大学教授。「ユーモア詩」を通じた学級づくりを進めた。2002年にNHKにんげんドキュメント「詩が踊る教室」放映。小学校教師を対象にした研修に力を注ぐ)